49 / 61
第2章
第17話:グレイ様の仕事が物凄く忙しい様です
しおりを挟む
「スカーレット、悪いが明日から家に帰れない日が続くだろう。出来るだけ家に帰る様にはするが、帰れない日はしっかり戸締りをして休んでくれ」
急にそんな事を言い出したグレイ様。この街に来て早半年。日に日に帰りが遅くなっている。ついに家に帰れなくなるとの事…
「わかりましたわ…でも、そんなに忙しく働いて大丈夫なのですか?体調を崩されたりはしませんか?せめて騎士団にお食事を運んではダメでしょうか?」
「ありがとう、スカーレット。でも、今後いつ騎士団の本部も攻撃対象になるかわからない。それに、この前銀行が襲撃される事件が起こっただろう?最近治安が物凄く悪い。出来るだけ家の中で過ごして欲しい」
「それだとミミリィさんのお家にも、あまり遊びに行けなくなりますわね…」
ミミリィさんとは随分と仲良くなり、毎日の様にお互いの家を行き来している。さらにベスさんとも仲良くなったミミリィさん。先月は怪我をしたベスさんのお母さんの代わりに、2人でお手伝いをしたくらいだ。
忙しい夫を持つ妻同士、2人で励ましあいながら過ごしてきたのに。そのミミリィさんにもあまり会えなくなるなんて…
「そんなに悲しそうな顔をしないでくれ。出来るだけ早く治安を良くして、スカーレットが自由に歩き回れる様な街にするから。それまではどうか我慢して欲しい」
そうか、グレイ様は今必死に治安を良くするために働いているのね。そんなグレイ様を妻である私が困らせてはダメよね。
「わかりましたわ。でも、たまにはミミリィさんに会ってもいいでしょう?」
「ああ、ただし、出来るだけ家の中で会う様にしてほしい。それから、買い物も出来るだけ短時間で、回数も減らすこと。いいな」
「わかりましたわ。出来るだけ家で過ごすようにしますわね」
「スカーレット、本当にすまない。出来るだけ早く決着を付けて、平和な世の中を手に入れたら、2人で街に出かけよう。それから、この街に来る前に泊まったホテルにも泊まりに行こう。あぁ、やりたい事がたくさんある。考えただけで楽しみだな」
そう言って嬉しそうに笑ったグレイ様。
「私も楽しみですわ。早く治安が良くなって、グレイ様とデートがしたいです。その為にも、頑張ってくださいね」
「ああ、ありがとう。それじゃあ、俺はもう行くから」
そう言うと、急いで家から出て行ってしまった。せめて食事だけでも…そう思ったが仕方がない。1人で晩御飯を食べて、ベッドに入った。
翌日
「うちも昨日の夜は家に帰ってこなかったわ。なんだか今この街の治安を悪くしている組織のアジトがどうのこうの言っていたけれど、よくわからないのよね。でも、街にはあまり出てはいけないと言われたわ」
今日も朝から我が家に遊びに来ているミミリィさんに、昨日グレイ様に言われた事を話した。すると、ミミリィさんも副騎士団長様に色々と言われていた様だ。
「アジト?なるほど、だからグレイ様が“あと少し我慢してくれ”と言ったのね。でも、銀行を襲うほど凶悪な組織のアジトだなんて、大丈夫なのかしら?」
「そうね、心配ね。でも、私たちに出来る事は、夫の無事を祈る事だけ。まあ、深く考えても仕方ないし、私たちは今まで通り過ごしましょう」
そう言って少し寂しそうに笑ったミミリィさん。どうやら私と過ごすうちに、この街にもすっかり慣れた様で、普通に街も歩けるようになった。ただし1人で出歩くのは、私の家に来るときだけで、買い物などは2人で行くようにしている。
そして2人で買い物を済ませ、いつもの様にベスさんの家のパンを買って帰る。とにかくしっかり戸締りをしておかないとね。しっかり鍵を掛けて、夕食を作った。万が一グレイ様が帰ってきた時にすぐに食事を食べてもらえる様に、グレイ様の分も作る。
でも結局この日は帰ってこず、朝と昼ごはんとしてグレイ様の分の食事を食べた。その翌日も、また翌日も、ずっとグレイ様は帰って来ていない。ここまでずっと帰ってこないのは初めてだ。
なんだかんだ言ってどんなに遅く帰って来ても、眠るときは一緒だったグレイ様。でも今は…
冷たい布団に今日も1人で入る。布団って、こんなに冷たかったかしら?そう思いながら眠りにつく。グレイ様、いつになったら帰って来てくれるのだろう…このままずっとグレイ様が帰ってこなかったら…そんな事を考えてしまう。
気が付くと、瞳からポロポロと涙が溢れていた。ダメよ、私は騎士団長でもある、グレイ様の妻なのだから!こんな事で泣いていたら、グレイ様の妻は務まらない。そう思っても寂しさから、次から次へと溢れてくる涙を止める事が出来ない。
やっぱり寂しいよ…
グレイ様、早く帰って来て…
急にそんな事を言い出したグレイ様。この街に来て早半年。日に日に帰りが遅くなっている。ついに家に帰れなくなるとの事…
「わかりましたわ…でも、そんなに忙しく働いて大丈夫なのですか?体調を崩されたりはしませんか?せめて騎士団にお食事を運んではダメでしょうか?」
「ありがとう、スカーレット。でも、今後いつ騎士団の本部も攻撃対象になるかわからない。それに、この前銀行が襲撃される事件が起こっただろう?最近治安が物凄く悪い。出来るだけ家の中で過ごして欲しい」
「それだとミミリィさんのお家にも、あまり遊びに行けなくなりますわね…」
ミミリィさんとは随分と仲良くなり、毎日の様にお互いの家を行き来している。さらにベスさんとも仲良くなったミミリィさん。先月は怪我をしたベスさんのお母さんの代わりに、2人でお手伝いをしたくらいだ。
忙しい夫を持つ妻同士、2人で励ましあいながら過ごしてきたのに。そのミミリィさんにもあまり会えなくなるなんて…
「そんなに悲しそうな顔をしないでくれ。出来るだけ早く治安を良くして、スカーレットが自由に歩き回れる様な街にするから。それまではどうか我慢して欲しい」
そうか、グレイ様は今必死に治安を良くするために働いているのね。そんなグレイ様を妻である私が困らせてはダメよね。
「わかりましたわ。でも、たまにはミミリィさんに会ってもいいでしょう?」
「ああ、ただし、出来るだけ家の中で会う様にしてほしい。それから、買い物も出来るだけ短時間で、回数も減らすこと。いいな」
「わかりましたわ。出来るだけ家で過ごすようにしますわね」
「スカーレット、本当にすまない。出来るだけ早く決着を付けて、平和な世の中を手に入れたら、2人で街に出かけよう。それから、この街に来る前に泊まったホテルにも泊まりに行こう。あぁ、やりたい事がたくさんある。考えただけで楽しみだな」
そう言って嬉しそうに笑ったグレイ様。
「私も楽しみですわ。早く治安が良くなって、グレイ様とデートがしたいです。その為にも、頑張ってくださいね」
「ああ、ありがとう。それじゃあ、俺はもう行くから」
そう言うと、急いで家から出て行ってしまった。せめて食事だけでも…そう思ったが仕方がない。1人で晩御飯を食べて、ベッドに入った。
翌日
「うちも昨日の夜は家に帰ってこなかったわ。なんだか今この街の治安を悪くしている組織のアジトがどうのこうの言っていたけれど、よくわからないのよね。でも、街にはあまり出てはいけないと言われたわ」
今日も朝から我が家に遊びに来ているミミリィさんに、昨日グレイ様に言われた事を話した。すると、ミミリィさんも副騎士団長様に色々と言われていた様だ。
「アジト?なるほど、だからグレイ様が“あと少し我慢してくれ”と言ったのね。でも、銀行を襲うほど凶悪な組織のアジトだなんて、大丈夫なのかしら?」
「そうね、心配ね。でも、私たちに出来る事は、夫の無事を祈る事だけ。まあ、深く考えても仕方ないし、私たちは今まで通り過ごしましょう」
そう言って少し寂しそうに笑ったミミリィさん。どうやら私と過ごすうちに、この街にもすっかり慣れた様で、普通に街も歩けるようになった。ただし1人で出歩くのは、私の家に来るときだけで、買い物などは2人で行くようにしている。
そして2人で買い物を済ませ、いつもの様にベスさんの家のパンを買って帰る。とにかくしっかり戸締りをしておかないとね。しっかり鍵を掛けて、夕食を作った。万が一グレイ様が帰ってきた時にすぐに食事を食べてもらえる様に、グレイ様の分も作る。
でも結局この日は帰ってこず、朝と昼ごはんとしてグレイ様の分の食事を食べた。その翌日も、また翌日も、ずっとグレイ様は帰って来ていない。ここまでずっと帰ってこないのは初めてだ。
なんだかんだ言ってどんなに遅く帰って来ても、眠るときは一緒だったグレイ様。でも今は…
冷たい布団に今日も1人で入る。布団って、こんなに冷たかったかしら?そう思いながら眠りにつく。グレイ様、いつになったら帰って来てくれるのだろう…このままずっとグレイ様が帰ってこなかったら…そんな事を考えてしまう。
気が付くと、瞳からポロポロと涙が溢れていた。ダメよ、私は騎士団長でもある、グレイ様の妻なのだから!こんな事で泣いていたら、グレイ様の妻は務まらない。そう思っても寂しさから、次から次へと溢れてくる涙を止める事が出来ない。
やっぱり寂しいよ…
グレイ様、早く帰って来て…
41
あなたにおすすめの小説
突然決められた婚約者は人気者だそうです。押し付けられたに違いないので断ってもらおうと思います。
橘ハルシ
恋愛
ごくごく普通の伯爵令嬢リーディアに、突然、降って湧いた婚約話。相手は、騎士団長の叔父の部下。侍女に聞くと、どうやら社交界で超人気の男性らしい。こんな釣り合わない相手、絶対に叔父が権力を使って、無理強いしたに違いない!
リーディアは相手に遠慮なく断ってくれるよう頼みに騎士団へ乗り込むが、両親も叔父も相手のことを教えてくれなかったため、全く知らない相手を一人で探す羽目になる。
怪しい変装をして、騎士団内をうろついていたリーディアは一人の青年と出会い、そのまま一緒に婚約者候補を探すことに。
しかしその青年といるうちに、リーディアは彼に好意を抱いてしまう。
全21話(本編20話+番外編1話)です。
【電子書籍化進行中】声を失った令嬢は、次期公爵の義理のお兄さまに恋をしました
八重
恋愛
※発売日少し前を目安に作品を引き下げます
修道院で生まれ育ったローゼマリーは、14歳の時火事に巻き込まれる。
その火事の唯一の生き残りとなった彼女は、領主であるヴィルフェルト公爵に拾われ、彼の養子になる。
彼には息子が一人おり、名をラルス・ヴィルフェルトといった。
ラルスは容姿端麗で文武両道の次期公爵として申し分なく、社交界でも評価されていた。
一方、怠惰なシスターが文字を教えなかったため、ローゼマリーは読み書きができなかった。
必死になんとか義理の父や兄に身振り手振りで伝えようとも、なかなか伝わらない。
なぜなら、彼女は火事で声を失ってしまっていたからだ──
そして次第に優しく文字を教えてくれたり、面倒を見てくれるラルスに恋をしてしまって……。
これは、義理の家族の役に立ちたくて頑張りながら、言えない「好き」を内に秘める、そんな物語。
※小説家になろうが先行公開です
私を虐げた人には絶望を ~貧乏令嬢は悪魔と呼ばれる侯爵様と契約結婚する~
香木陽灯
恋愛
「あなた達の絶望を侯爵様に捧げる契約なの。だから……悪く思わないでね?」
貧乏な子爵家に生まれたカレン・リドリーは、家族から虐げられ、使用人のように働かされていた。
カレンはリドリー家から脱出して平民として生きるため、就職先を探し始めるが、令嬢である彼女の就職活動は難航してしまう。
ある時、不思議な少年ティルからモルザン侯爵家で働くようにスカウトされ、モルザン家に連れていかれるが……
「変わった人間だな。悪魔を前にして驚きもしないとは」
クラウス・モルザンは「悪魔の侯爵」と呼ばれていたが、本当に悪魔だったのだ。
負の感情を糧として生きているクラウスは、社交界での負の感情を摂取するために優秀な侯爵を演じていた。
カレンと契約結婚することになったクラウスは、彼女の家族に目をつける。
そしてクラウスはカレンの家族を絶望させて糧とするため、動き出すのだった。
「お前を虐げていた者たちに絶望を」
※念のためのR-15です
※他サイトでも掲載中
離婚したい! 元平民だった侯爵令嬢の、たった一つの願い
雲乃琳雨
恋愛
バートン侯爵家の跡取りだった父を持つニナリアは、潜伏先の家から祖父に連れ去られ、侯爵家のメイドとして働いていた。
18歳になったニナリアは祖父の命令で、従姉の代わりに元平民の騎士アレン・ラディー子爵に嫁ぐことになる。ニナリアは母のもとに戻りたいので、アレンと離婚したくて仕方がなかったが、結婚は国王の命令でもあったので、アレンが離婚に応じるはずもない。しかも、アレンが初めから溺愛してきたので、ニナリアは戸惑った。ニナリアは、自分の目的を果たすことができるのか?
元平民の侯爵令嬢が、自分の人生を取り戻す、溺愛から始まる若夫婦のラブラブストーリー。
はじめまして、旦那様。離婚はいつになさいます?
あゆみノワ@書籍『完全別居の契約婚〜』
恋愛
「はじめてお目にかかります。……旦那様」
「……あぁ、君がアグリア、か」
「それで……、離縁はいつになさいます?」
領地の未来を守るため、同じく子爵家の次男で軍人のシオンと期間限定の契約婚をした貧乏貴族令嬢アグリア。
両家の顔合わせなし、婚礼なし、一切の付き合いもなし。それどころかシオン本人とすら一度も顔を合わせることなく結婚したアグリアだったが、長らく戦地へと行っていたシオンと初対面することになった。
帰ってきたその日、アグリアは約束通り離縁を申し出たのだが――。
形だけの結婚をしたはずのふたりは、愛で結ばれた本物の夫婦になれるのか。
★HOTランキング最高2位をいただきました! ありがとうございます!
※書き上げ済みなので完結保証。他サイトでも掲載中です。
王太子妃は離婚したい
凛江
恋愛
アルゴン国の第二王女フレイアは、婚約者であり、幼い頃より想いを寄せていた隣国テルルの王太子セレンに嫁ぐ。
だが、期待を胸に臨んだ婚姻の日、待っていたのは夫セレンの冷たい瞳だった。
※この作品は、読んでいただいた皆さまのおかげで書籍化することができました。
綺麗なイラストまでつけていただき感無量です。
これまで応援いただき、本当にありがとうございました。
レジーナのサイトで番外編が読めますので、そちらものぞいていただけると嬉しいです。
https://www.regina-books.com/extra/login
【完結】アッシュフォード男爵夫人-愛されなかった令嬢は妹の代わりに辺境へ嫁ぐ-
七瀬菜々
恋愛
ブランチェット伯爵家はずっと昔から、体の弱い末の娘ベアトリーチェを中心に回っている。
両親も使用人も、ベアトリーチェを何よりも優先する。そしてその次は跡取りの兄。中間子のアイシャは両親に気遣われることなく生きてきた。
もちろん、冷遇されていたわけではない。衣食住に困ることはなかったし、必要な教育も受けさせてもらえた。
ただずっと、両親の1番にはなれなかったというだけ。
---愛されていないわけじゃない。
アイシャはずっと、自分にそう言い聞かせながら真面目に生きてきた。
しかし、その願いが届くことはなかった。
アイシャはある日突然、病弱なベアトリーチェの代わりに、『戦場の悪魔』の異名を持つ男爵の元へ嫁ぐことを命じられたのだ。
かの男は血も涙もない冷酷な男と噂の人物。
アイシャだってそんな男の元に嫁ぎたくないのに、両親は『ベアトリーチェがかわいそうだから』という理由だけでこの縁談をアイシャに押し付けてきた。
ーーーああ。やはり私は一番にはなれないのね。
アイシャはとうとう絶望した。どれだけ願っても、両親の一番は手に入ることなどないのだと、思い知ったから。
結局、アイシャは傷心のまま辺境へと向かった。
望まれないし、望まない結婚。アイシャはこのまま、誰かの一番になることもなく一生を終えるのだと思っていたのだが………?
※全部で3部です。話の進みはゆっくりとしていますが、最後までお付き合いくださると嬉しいです。
※色々と、設定はふわっとしてますのでお気をつけください。
※作者はザマァを描くのが苦手なので、ザマァ要素は薄いです。
旦那様、政略結婚ですので離婚しましょう
おてんば松尾
恋愛
王命により政略結婚したアイリス。
本来ならば皆に祝福され幸せの絶頂を味わっているはずなのにそうはならなかった。
初夜の場で夫の公爵であるスノウに「今日は疲れただろう。もう少し互いの事を知って、納得した上で夫婦として閨を共にするべきだ」と言われ寝室に一人残されてしまった。
翌日から夫は仕事で屋敷には帰ってこなくなり使用人たちには冷たく扱われてしまうアイリス……
(※この物語はフィクションです。実在の人物や事件とは関係ありません。)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる