48 / 61
第2章
第16話:アジト特定を急げ~グレイ視点~
しおりを挟む
「団長、すぐにあの男を追いましょう。今ならまだ間に合います!」
近くにいた騎士団員が叫ぶ。
「いいや、大丈夫だ。とにかく、捕らえたこいつらを騎士団に連行しろ」
捕まえた組織の下っ端たちが次々と連行されていく。きっとこいつらからは、有力な情報は得られないだろう。そっと、スティーブンに近づく。
「例の作戦はうまく行ったか?」
「ああ、とりあえず成功しているはずだ。ただ、あいつが本当に幹部だったらの話だがな」
よし、とりあえずはうまく行っている様だ。後始末は団員たちに任せ、一旦騎士団に戻る。早速俺と副騎士団長でもあるスティーブン、さらにそれぞれの部隊の隊長も招集した。
「騎士団長、男を1人取り逃したそうではなりませんか?どうしてあの場ですぐに追わなかったのですか?その男が、重要な情報を持っているかもしれなかったのですよ」
そう叫んだのは、潜入調査などを取り扱っている第一部隊の隊長だ。この街の騎士団は各部隊に分かれており、それぞれに隊長と副隊長がいるのだ。そして全ての部隊のトップが俺だ。
「たとえあの場で捕まえたとしても、きっとアジトなどの情報を吐かないだろう。それよりも、今回は泳がせた方がいいと考えたんだ。スティーブン、今あの男はどこにいる?」
「今北に向かっているな」
「この街の北と言えば、大きな森があったな。その森に潜伏しているのか?」
「その可能性がある。あの森はこの国でも1・2を争う広さを誇っているからな。隠れるならうってつけだ」
「あの…何の話をしているのですか?」
第一部隊の隊長が、そう呟いた。他の隊長たちも、首をかしげている。
「実はあの男と馬に、盗聴器付きの位置特定機を取り付けたんだ。きっとあの男はアジトに帰るのではないかと思ってな」
「なるほど、だからあえて逃がしたのですね。さすが騎士団長だ」
さっきまで怒っていたくせに…まあいい。
「ただ、こいつが幹部だったらの話だ。おっ、馬も男も動きが止まった。ここはどうやら森の中の様だな。今すぐ地図を」
すぐに地図を準備するスティーブン。早速地図を元に、居場所を特定する。
「随分と森の奥にあるんだな。こんな場所にアジトがあるのか?」
「とりあえず、盗聴器の方を聞いてみよう」
“ザーザー…それで失敗して帰って来たと言うのか。この役立たずが!”
“申し訳ございません。でも、今回の騎士団長は少し頭が切れる相手かと…ザーザー…”
どうやら性能が悪い様で、ほとんど会話が聞き取れない。それでも聞き取れた話の内容から、どうやらこの場所にアジトがある事で間違いない様だ。よし!
「第一部隊と第二部隊は、すぐに北の森に行ってアジトの状況を確認して来てくれ。それから、第三部隊は今回の襲撃事件の後処理を。護衛団とその他の部隊は引き続き、治安の維持に努めてくれ」
「「「「承知しました」」」」」
すぐに各部隊に指示を出す。今回大きな事件が起こり、沢山の負傷者や被害が出てしまった。きっとまたあいつらは、大きな事件を起こすだろう。とにかくそれまでに、何とかしてアジトを突き止め根絶やしにしないと!
「スティーブン、今すぐ紙とペンを。俺はこの街の領主でもある、フェリーチェ伯爵に手紙を書く。フェリーチェ伯爵はずっとこの状況を気にしていたからな。とにかくアジトに潜入するなら、俺たち騎士団だけでは厳しい。フェリーチェ伯爵家の護衛騎士団たちにも、援護してもらおう」
フェリーチェ伯爵は民思いの優しい伯爵だ。“協力できることは何でもする”と言ってくれている。とにかく、フェリーチェ伯爵と密に連絡を取り合い、援助してもらえる事はしてもらおうと思ったのだ。
これから、もっと忙しくなるぞ。きっと家に帰れない日々を続くだろう。正直スカーレットに会えないのは辛いが、今はそんな事を言っていられない。スカーレットと平和に暮らすためにも、何とかこの街の治安を良くしないと!
近くにいた騎士団員が叫ぶ。
「いいや、大丈夫だ。とにかく、捕らえたこいつらを騎士団に連行しろ」
捕まえた組織の下っ端たちが次々と連行されていく。きっとこいつらからは、有力な情報は得られないだろう。そっと、スティーブンに近づく。
「例の作戦はうまく行ったか?」
「ああ、とりあえず成功しているはずだ。ただ、あいつが本当に幹部だったらの話だがな」
よし、とりあえずはうまく行っている様だ。後始末は団員たちに任せ、一旦騎士団に戻る。早速俺と副騎士団長でもあるスティーブン、さらにそれぞれの部隊の隊長も招集した。
「騎士団長、男を1人取り逃したそうではなりませんか?どうしてあの場ですぐに追わなかったのですか?その男が、重要な情報を持っているかもしれなかったのですよ」
そう叫んだのは、潜入調査などを取り扱っている第一部隊の隊長だ。この街の騎士団は各部隊に分かれており、それぞれに隊長と副隊長がいるのだ。そして全ての部隊のトップが俺だ。
「たとえあの場で捕まえたとしても、きっとアジトなどの情報を吐かないだろう。それよりも、今回は泳がせた方がいいと考えたんだ。スティーブン、今あの男はどこにいる?」
「今北に向かっているな」
「この街の北と言えば、大きな森があったな。その森に潜伏しているのか?」
「その可能性がある。あの森はこの国でも1・2を争う広さを誇っているからな。隠れるならうってつけだ」
「あの…何の話をしているのですか?」
第一部隊の隊長が、そう呟いた。他の隊長たちも、首をかしげている。
「実はあの男と馬に、盗聴器付きの位置特定機を取り付けたんだ。きっとあの男はアジトに帰るのではないかと思ってな」
「なるほど、だからあえて逃がしたのですね。さすが騎士団長だ」
さっきまで怒っていたくせに…まあいい。
「ただ、こいつが幹部だったらの話だ。おっ、馬も男も動きが止まった。ここはどうやら森の中の様だな。今すぐ地図を」
すぐに地図を準備するスティーブン。早速地図を元に、居場所を特定する。
「随分と森の奥にあるんだな。こんな場所にアジトがあるのか?」
「とりあえず、盗聴器の方を聞いてみよう」
“ザーザー…それで失敗して帰って来たと言うのか。この役立たずが!”
“申し訳ございません。でも、今回の騎士団長は少し頭が切れる相手かと…ザーザー…”
どうやら性能が悪い様で、ほとんど会話が聞き取れない。それでも聞き取れた話の内容から、どうやらこの場所にアジトがある事で間違いない様だ。よし!
「第一部隊と第二部隊は、すぐに北の森に行ってアジトの状況を確認して来てくれ。それから、第三部隊は今回の襲撃事件の後処理を。護衛団とその他の部隊は引き続き、治安の維持に努めてくれ」
「「「「承知しました」」」」」
すぐに各部隊に指示を出す。今回大きな事件が起こり、沢山の負傷者や被害が出てしまった。きっとまたあいつらは、大きな事件を起こすだろう。とにかくそれまでに、何とかしてアジトを突き止め根絶やしにしないと!
「スティーブン、今すぐ紙とペンを。俺はこの街の領主でもある、フェリーチェ伯爵に手紙を書く。フェリーチェ伯爵はずっとこの状況を気にしていたからな。とにかくアジトに潜入するなら、俺たち騎士団だけでは厳しい。フェリーチェ伯爵家の護衛騎士団たちにも、援護してもらおう」
フェリーチェ伯爵は民思いの優しい伯爵だ。“協力できることは何でもする”と言ってくれている。とにかく、フェリーチェ伯爵と密に連絡を取り合い、援助してもらえる事はしてもらおうと思ったのだ。
これから、もっと忙しくなるぞ。きっと家に帰れない日々を続くだろう。正直スカーレットに会えないのは辛いが、今はそんな事を言っていられない。スカーレットと平和に暮らすためにも、何とかこの街の治安を良くしないと!
50
あなたにおすすめの小説
【完結】アッシュフォード男爵夫人-愛されなかった令嬢は妹の代わりに辺境へ嫁ぐ-
七瀬菜々
恋愛
ブランチェット伯爵家はずっと昔から、体の弱い末の娘ベアトリーチェを中心に回っている。
両親も使用人も、ベアトリーチェを何よりも優先する。そしてその次は跡取りの兄。中間子のアイシャは両親に気遣われることなく生きてきた。
もちろん、冷遇されていたわけではない。衣食住に困ることはなかったし、必要な教育も受けさせてもらえた。
ただずっと、両親の1番にはなれなかったというだけ。
---愛されていないわけじゃない。
アイシャはずっと、自分にそう言い聞かせながら真面目に生きてきた。
しかし、その願いが届くことはなかった。
アイシャはある日突然、病弱なベアトリーチェの代わりに、『戦場の悪魔』の異名を持つ男爵の元へ嫁ぐことを命じられたのだ。
かの男は血も涙もない冷酷な男と噂の人物。
アイシャだってそんな男の元に嫁ぎたくないのに、両親は『ベアトリーチェがかわいそうだから』という理由だけでこの縁談をアイシャに押し付けてきた。
ーーーああ。やはり私は一番にはなれないのね。
アイシャはとうとう絶望した。どれだけ願っても、両親の一番は手に入ることなどないのだと、思い知ったから。
結局、アイシャは傷心のまま辺境へと向かった。
望まれないし、望まない結婚。アイシャはこのまま、誰かの一番になることもなく一生を終えるのだと思っていたのだが………?
※全部で3部です。話の進みはゆっくりとしていますが、最後までお付き合いくださると嬉しいです。
※色々と、設定はふわっとしてますのでお気をつけください。
※作者はザマァを描くのが苦手なので、ザマァ要素は薄いです。
婚約者に捨てられた私ですが、なぜか宰相様の膝の上が定位置になっています
さら
恋愛
王太子との婚約を一方的に破棄され、社交界で居場所を失った令嬢エリナ。絶望の淵に沈む彼女の前に現れたのは、冷徹と名高い宰相だった。
「君の居場所は、ここだ」
そう言って彼は、ためらいもなくエリナを自らの膝の上に抱き上げる。
それ以来、エリナの定位置はなぜか宰相様の膝の上に固定されてしまう。
周囲からの嘲笑や陰口、そして第一王子派の陰謀が二人を取り巻くが、宰相は一切怯むことなく、堂々とエリナを膝に抱いたまま権力の中枢に立ち続ける。
「君がいる限り、私は負けぬ」
その揺るぎない言葉に支えられ、エリナは少しずつ自信を取り戻し、やがて「宰相の妻」としての誇りを胸に刻んでいく。
舞踏会での公然の宣言、王妃の承認、王宮評議会での糾弾――数々の試練を経ても、二人の絆は揺らがない。むしろ宰相は、すべての人々の前で「彼女こそ我が誇り」と高らかに示し、エリナ自身もまた「膝の上にいることこそ愛の証」と誇らしく胸を張るようになっていく。
そしてついに、宰相は人々の前で正式に求婚を告げる。
「エリナ。これから先、どんな嵐が来ようとも――君の定位置は私の膝の上だ」
突然決められた婚約者は人気者だそうです。押し付けられたに違いないので断ってもらおうと思います。
橘ハルシ
恋愛
ごくごく普通の伯爵令嬢リーディアに、突然、降って湧いた婚約話。相手は、騎士団長の叔父の部下。侍女に聞くと、どうやら社交界で超人気の男性らしい。こんな釣り合わない相手、絶対に叔父が権力を使って、無理強いしたに違いない!
リーディアは相手に遠慮なく断ってくれるよう頼みに騎士団へ乗り込むが、両親も叔父も相手のことを教えてくれなかったため、全く知らない相手を一人で探す羽目になる。
怪しい変装をして、騎士団内をうろついていたリーディアは一人の青年と出会い、そのまま一緒に婚約者候補を探すことに。
しかしその青年といるうちに、リーディアは彼に好意を抱いてしまう。
全21話(本編20話+番外編1話)です。
【電子書籍化進行中】声を失った令嬢は、次期公爵の義理のお兄さまに恋をしました
八重
恋愛
※発売日少し前を目安に作品を引き下げます
修道院で生まれ育ったローゼマリーは、14歳の時火事に巻き込まれる。
その火事の唯一の生き残りとなった彼女は、領主であるヴィルフェルト公爵に拾われ、彼の養子になる。
彼には息子が一人おり、名をラルス・ヴィルフェルトといった。
ラルスは容姿端麗で文武両道の次期公爵として申し分なく、社交界でも評価されていた。
一方、怠惰なシスターが文字を教えなかったため、ローゼマリーは読み書きができなかった。
必死になんとか義理の父や兄に身振り手振りで伝えようとも、なかなか伝わらない。
なぜなら、彼女は火事で声を失ってしまっていたからだ──
そして次第に優しく文字を教えてくれたり、面倒を見てくれるラルスに恋をしてしまって……。
これは、義理の家族の役に立ちたくて頑張りながら、言えない「好き」を内に秘める、そんな物語。
※小説家になろうが先行公開です
私を虐げた人には絶望を ~貧乏令嬢は悪魔と呼ばれる侯爵様と契約結婚する~
香木陽灯
恋愛
「あなた達の絶望を侯爵様に捧げる契約なの。だから……悪く思わないでね?」
貧乏な子爵家に生まれたカレン・リドリーは、家族から虐げられ、使用人のように働かされていた。
カレンはリドリー家から脱出して平民として生きるため、就職先を探し始めるが、令嬢である彼女の就職活動は難航してしまう。
ある時、不思議な少年ティルからモルザン侯爵家で働くようにスカウトされ、モルザン家に連れていかれるが……
「変わった人間だな。悪魔を前にして驚きもしないとは」
クラウス・モルザンは「悪魔の侯爵」と呼ばれていたが、本当に悪魔だったのだ。
負の感情を糧として生きているクラウスは、社交界での負の感情を摂取するために優秀な侯爵を演じていた。
カレンと契約結婚することになったクラウスは、彼女の家族に目をつける。
そしてクラウスはカレンの家族を絶望させて糧とするため、動き出すのだった。
「お前を虐げていた者たちに絶望を」
※念のためのR-15です
※他サイトでも掲載中
過労薬師です。冷酷無慈悲と噂の騎士様に心配されるようになりました。
黒猫とと
恋愛
王都西区で薬師として働くソフィアは毎日大忙し。かかりつけ薬師として常備薬の準備や急患の対応をたった1人でこなしている。
明るく振舞っているが、完全なるブラック企業と化している。
そんな過労薬師の元には冷徹無慈悲と噂の騎士様が差し入れを持って訪ねてくる。
………何でこんな事になったっけ?
離婚したい! 元平民だった侯爵令嬢の、たった一つの願い
雲乃琳雨
恋愛
バートン侯爵家の跡取りだった父を持つニナリアは、潜伏先の家から祖父に連れ去られ、侯爵家のメイドとして働いていた。
18歳になったニナリアは祖父の命令で、従姉の代わりに元平民の騎士アレン・ラディー子爵に嫁ぐことになる。ニナリアは母のもとに戻りたいので、アレンと離婚したくて仕方がなかったが、結婚は国王の命令でもあったので、アレンが離婚に応じるはずもない。しかも、アレンが初めから溺愛してきたので、ニナリアは戸惑った。ニナリアは、自分の目的を果たすことができるのか?
元平民の侯爵令嬢が、自分の人生を取り戻す、溺愛から始まる若夫婦のラブラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる