大好きだった旦那様に離縁され家を追い出されましたが、騎士団長様に拾われ溺愛されました

Karamimi

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第2章

第27話:とにかく逃げるのみです

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ミミリィさんの手を握り、走り出そうとした時だった。

「おい、部屋に誰もいないぞ!」

「嘘だろう、あんなにグルグル巻きにしておいたのに、逃げられるはずはない」

男たちの叫び声が聞こえて来た。まずい。とっさにミミリィさんの腕を引っ張り、建物の影に隠れる。

「おい、見てみろ。ロープを使って逃げたんだ。クソ!すぐにボスに知らせろ!」

まずい、逃げた事がバレてしまった。

「ミミリィさん、とにかく逃げましょう。この街の騎士団の本部に行けば、きっとかくまってもらえるはずよ」

「でも、騎士団の本部ってどこにあるのかしら?」

確かにここがどこなのか、全くわからない。でも、街には必ず騎士団が常駐しているはずだ。とにかく、私たちに出来る事は逃げるしかない。

「とにかく逃げましょう」

ミミリィさんの手を引き、必死に走り出す。既に夜更けなのか、街は静まり返っている。とにかく逃げないと。そんな思いで走り続けた。

「キャーー」

「ミミリィさん、大丈夫?」

石に躓いて転んでしまったミミリィさん。

「ええ、大丈夫よ。でも、靴が…」

ずっと走っていたせいか、靴はボロボロだ。ふと自分の靴を見ると、こちらもボロボロ。

「仕方ない。裸足で走りましょう。とにかく逃げないと!」

靴を脱ぎ捨て、再び手を取り合い走り出す。でも次の瞬間。

「おい、居たか?」

「いいえ、見当たりません」

「クソ、あの女ども、どこに逃げやがったんだ!この街の騎士団に入られたら終わりだ。騎士団の周りを見張れ!」

「わかりました」

犯人たちの話し声が聞こえた。とっさに建物の影に隠れたため見つからなかったが、すぐそばまで迫ってきている様だ。隣で震えるミミリィさんをそっと抱きしめる。私も正直怖い、でも今は!

「ミミリィさん、騎士団に向かうのは厳しそうね。とにかく、朝になるまで何とか逃げ切るしかなさそうですわ」

再び狭い路地を進んでいく。裸足で走っているせいで、足が痛い。きっと足はボロボロだろう。それでも何とか逃げ切らないと。

「もうダメ、スカーレットさん、私はいいから、あなただけで逃げて」

そう言って座り込んでしまった。

「何を言っているの?あなたを置いて1人では逃げられないわ」

正直私ももう限界だ。気が付くと、瞳から大きな涙が溢れていた。グレイ様、助けて下さい。グレイ様…

何度も何度も心の中で呟く。そんな私を見て、ミミリィさんも泣いていた。しばらく2人で泣いた後、立ち上がったミミリィさん。

「スカーレットさん、弱音を吐いてごめんなさい。少し休んだので大丈夫ですわ。さあ、参りましょう」

私の手を握り、そう言ったミミリィさん。再び2人で走り出し、角を曲がったところで誰かにぶつかった。こんな場所で人にぶつかる何て、まさか、犯人?

もうダメ、捕まっちゃう。そう思い、きゅっと目を閉じミミリィさんと抱き合う。でも…

「あなたは、スカーレットさんですね。お隣はミミリィさん。よかった、ご無事だったのですね」

ゆっくり目を開けると、そこには騎士団の服を着た男性が3人立っていた。

「とにかく騎士団長と副騎士団長に知らせろ!」

「2人とも、裸足ではありませんか。怪我もしている様ですし。すぐに手当てを行いましょう」

騎士団員の顔を見た瞬間、張りつめていた糸が切れ、ミミリィさんと抱き合って泣いた。よかった、助かったんだわ。そうだ、泣いている場合ではない。

「私たちが捕らえられていた屋敷に、犯人のボスと呼ばれる人がいます。とても大きな建物で、3階建てでした。色は暗くてはっきりとは見えませんでしたが、大きな道路沿いで、奥には教会がありました。それから、隣に大きな倉庫が2つ並んでいました。もし犯人がまだ回収していなければ、3階の窓から私たちが脱出した時に使ったロープが垂れているはずです」

必死にアジトの場所を説明した。そんな私を見た団員が

「さすが騎士団長の奥さんだ。しっかりしているな」

そう言って笑っていた。私、笑われる様なおかしなことを言ったかしら?

「情報ありがとうございます。この街の騎士団と協力して、すぐにアジト特定に努めます。とにかくお2人は…」

「スカーレット!!!」

「ミミリィ!!!」

この声は!

「グレイ様」

「スティーブン」

物凄い勢いで走って来たのは、グレイ様と副騎士団長様だ。そのままグレイ様に抱きしめられた。

「スカーレット、怖い思いをさせてすまなかった!」

「グレイ様、会いたかったです!まさかこの街まで助けに来てくださったのですか?」

「当たり前だ!それより、手と足が傷だらけじゃないか。すぐに手当てをしないと」

私を抱きかかえ、歩き出したグレイ様。久しぶりに感じるグレイ様のぬくもり…ふとミミリィさんの方を見ると、ミミリィさんも副騎士団長様に抱きかかえられていた。

よかった、もう安心ね。
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