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第25話:ヴィクトリアは本当に見ていて飽きない~ディーノ視点~
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「今日のヴィクトリアも可愛かったな。それで今、彼女は何をしているのだい?」
「はい、今ヴィクトリア様は、お部屋中をひっくり返して、殿下が仕掛けたと思い込んでいる盗聴器及び盗撮機を探しておられます。影から映像も届いておりますが、ご覧になられますか?」
「ああ、頼む」
すぐにモニターが準備され、映像が流れた。
“あの男、一体どこに隠したのよ。絶対に盗聴器を仕掛けているはずよ。本当に腹が立つわ。今日なんて私の腰に手を回して、ずっと離さなかったのよ。そのせいで、皆から変な誤解をされてしまったし!ただでさえ面倒な夜会が、もっと面倒になったじゃない”
“お嬢様、殿下に暴言を吐くのはお止めください。それから、夜会は本来貴族令嬢の義務です。あなた様は仮にも侯爵令嬢なのですよ…”
“クロハ、あなたは一体どっちの味方なのよ!私は外ではちゃんと侯爵令嬢を演じているのだからいいじゃない。今日だって完璧に演じたわ。それより盗聴器よ!あの男、一体どこに”
必死に探すヴィクトリア。盗聴器なんて仕掛けていないのだから、見つかる訳ないのに…あんなに必死に探して、本当に可愛いな…
“お嬢様、これだけ探して見つからないのですから、きっと盗聴器などないのです。いい加減諦めて下さい!”
“そんなはずはないわ。もしかして誰かが隠れているのかしら?この壁とかに?”
マズイ、そこには影が隠れている場所だ。そう思ったが
“いい加減にして下さい!壁に人が隠れているだなんて、そんなホラーな事はありません!何度も申しますが、あなた様は侯爵令嬢なのです。いつ何時、誰に見られていても恥ずかしくない様お過ごしください!それに殿下はお嬢様以上に聡明なお方です。きっとお嬢様の想像をはるかに超える方法で、色々と情報を集めていらっしゃるのです”
“あの男、一体何なのよ!剣の腕も一流以上だし、悔しい!”
真っ赤な顔をして怒っているヴィクトリア嬢、まるで茹でダコだ。つい声を上げて笑ってしまった。今日笑われたお返しだ。
その時、映像が終わった。
「殿下、もうよろしいでしょう。それにしても、本当に勘のいい令嬢ですね。もう少しで、影が隠れている場所がバレるところでしたね」
ヴィクトリアには”影”と呼ばれる人物を付けている。彼らは王宮で雇われている、情報を集めるスペシャリスト。気配を消し、ありとあらゆる場所から情報を仕入れるプロなのだ。
そんな彼らは、ヴィクトリアの部屋の壁や床、天井裏などに隠れ日々情報を仕入れてくれている。ヴィクトリアだけではない、お妃候補者たちには皆影を付けさせている。万が一ヴィクトリアに危害を加えようとする人物がいると大変だからだ。
その為いち早く、カルティア嬢の悪事にも気が付く事が出来たのだ。
ただ、ヴィクトリアに付けている影は、主に彼女が何を考えどうやって過ごしているか僕が知りたいが為に付けているのだが、彼女は僕の想像をはるかに上回る事をして来るから、本当に見ていて飽きない。
あんなに人間に興味の無かった僕が、どんどん彼女に惹かれていくのだ。もう僕は、ヴィクトリアなしには生きられない。お妃候補期間が終わったら、すぐに彼女と正式に婚約を結ぼう。
既にヴィクトリアの父親には話を付けてある。
ただ…
問題はフィドーズ公爵だ。彼は穏やかで物分かりがいいように見えて、かなりの野心家だ。きっと娘のマーリン嬢を何が何でも僕の婚約者にと考えているはずだ。
今のところマーリン嬢に動きは見えないが、彼女は非常に頭がいいし、何を考えているか分からない令嬢だ。
「マーリン嬢に何か変わった点はあるか?」
近くにいた執事に問いかけた。
「いえ、陰の話では特にその様な事はないそうです。ただ、頻繁に父親と手紙のやり取りをしている様ですが、特に変わった事は書かれていないとの事です」
「そうか…分かった、ありがとう」
特に動きがない限り、僕もどうする事も出来ない。ただ、万が一ヴィクトリアに危害を加える様なことがあれば、その時は容赦するつもりはない。
とはいえ…
ヴィクトリアの事だから、たとえマーリン嬢が何かしでかしてきても、自分で何とかしそうな気がする…
ヴィクトリアは僕が守りたいのにな…
「悪いがもう一度ヴィクトリアの様子を見せてくれるかい?」
「かしこまりました」
再びヴィクトリアの様子を確認する。すると、どうやらもう眠る様だ。専属メイドが灯りを消し、部屋から出ていく。せっかくならヴィクトリアの寝顔を拝もうと思ったのだが…
“やっとクロハが部屋から出て行ったわ。こんな日は、夜のお散歩でもしないと腹の虫がおさまらないわ”
ニヤリと笑ったヴィクトリアは、どこからともなくロープを取り出したかと思うと、何と窓からロープを垂らし、スルスルと降りていくではないか。どうやら部屋から出ていく様だ。本当にヴィクトリアは…きっと丘に向かうはずだ。先回りして驚かせよう。
急いで丘へと向かうと…
案の定、ヴィクトリアが嬉しそうな顔をして丘へとやって来たのだ。
「やあ、ヴィクトリア。こんな時間に1人で丘に来るだなんて、いけない子だね」
にっこりヴィクトリアに向かってほほ笑む。すると
「どうして殿下がここにいらっしゃるのですか?やっぱりあの部屋に盗聴器を付けているのね。本当に、どこにでも現れるのだから」
ギャーギャー文句を言うヴィクトリアも可愛いな。本当に彼女は見ていて飽きない。ヴィクトリア、これからもずっとずっと、こうやって僕を楽しませてほしい。
その為にも、後3ヶ月、僕は君をしっかり守るからね。
※次回、ヴィクトリア視点に戻ります。
よろしくお願いします。
「はい、今ヴィクトリア様は、お部屋中をひっくり返して、殿下が仕掛けたと思い込んでいる盗聴器及び盗撮機を探しておられます。影から映像も届いておりますが、ご覧になられますか?」
「ああ、頼む」
すぐにモニターが準備され、映像が流れた。
“あの男、一体どこに隠したのよ。絶対に盗聴器を仕掛けているはずよ。本当に腹が立つわ。今日なんて私の腰に手を回して、ずっと離さなかったのよ。そのせいで、皆から変な誤解をされてしまったし!ただでさえ面倒な夜会が、もっと面倒になったじゃない”
“お嬢様、殿下に暴言を吐くのはお止めください。それから、夜会は本来貴族令嬢の義務です。あなた様は仮にも侯爵令嬢なのですよ…”
“クロハ、あなたは一体どっちの味方なのよ!私は外ではちゃんと侯爵令嬢を演じているのだからいいじゃない。今日だって完璧に演じたわ。それより盗聴器よ!あの男、一体どこに”
必死に探すヴィクトリア。盗聴器なんて仕掛けていないのだから、見つかる訳ないのに…あんなに必死に探して、本当に可愛いな…
“お嬢様、これだけ探して見つからないのですから、きっと盗聴器などないのです。いい加減諦めて下さい!”
“そんなはずはないわ。もしかして誰かが隠れているのかしら?この壁とかに?”
マズイ、そこには影が隠れている場所だ。そう思ったが
“いい加減にして下さい!壁に人が隠れているだなんて、そんなホラーな事はありません!何度も申しますが、あなた様は侯爵令嬢なのです。いつ何時、誰に見られていても恥ずかしくない様お過ごしください!それに殿下はお嬢様以上に聡明なお方です。きっとお嬢様の想像をはるかに超える方法で、色々と情報を集めていらっしゃるのです”
“あの男、一体何なのよ!剣の腕も一流以上だし、悔しい!”
真っ赤な顔をして怒っているヴィクトリア嬢、まるで茹でダコだ。つい声を上げて笑ってしまった。今日笑われたお返しだ。
その時、映像が終わった。
「殿下、もうよろしいでしょう。それにしても、本当に勘のいい令嬢ですね。もう少しで、影が隠れている場所がバレるところでしたね」
ヴィクトリアには”影”と呼ばれる人物を付けている。彼らは王宮で雇われている、情報を集めるスペシャリスト。気配を消し、ありとあらゆる場所から情報を仕入れるプロなのだ。
そんな彼らは、ヴィクトリアの部屋の壁や床、天井裏などに隠れ日々情報を仕入れてくれている。ヴィクトリアだけではない、お妃候補者たちには皆影を付けさせている。万が一ヴィクトリアに危害を加えようとする人物がいると大変だからだ。
その為いち早く、カルティア嬢の悪事にも気が付く事が出来たのだ。
ただ、ヴィクトリアに付けている影は、主に彼女が何を考えどうやって過ごしているか僕が知りたいが為に付けているのだが、彼女は僕の想像をはるかに上回る事をして来るから、本当に見ていて飽きない。
あんなに人間に興味の無かった僕が、どんどん彼女に惹かれていくのだ。もう僕は、ヴィクトリアなしには生きられない。お妃候補期間が終わったら、すぐに彼女と正式に婚約を結ぼう。
既にヴィクトリアの父親には話を付けてある。
ただ…
問題はフィドーズ公爵だ。彼は穏やかで物分かりがいいように見えて、かなりの野心家だ。きっと娘のマーリン嬢を何が何でも僕の婚約者にと考えているはずだ。
今のところマーリン嬢に動きは見えないが、彼女は非常に頭がいいし、何を考えているか分からない令嬢だ。
「マーリン嬢に何か変わった点はあるか?」
近くにいた執事に問いかけた。
「いえ、陰の話では特にその様な事はないそうです。ただ、頻繁に父親と手紙のやり取りをしている様ですが、特に変わった事は書かれていないとの事です」
「そうか…分かった、ありがとう」
特に動きがない限り、僕もどうする事も出来ない。ただ、万が一ヴィクトリアに危害を加える様なことがあれば、その時は容赦するつもりはない。
とはいえ…
ヴィクトリアの事だから、たとえマーリン嬢が何かしでかしてきても、自分で何とかしそうな気がする…
ヴィクトリアは僕が守りたいのにな…
「悪いがもう一度ヴィクトリアの様子を見せてくれるかい?」
「かしこまりました」
再びヴィクトリアの様子を確認する。すると、どうやらもう眠る様だ。専属メイドが灯りを消し、部屋から出ていく。せっかくならヴィクトリアの寝顔を拝もうと思ったのだが…
“やっとクロハが部屋から出て行ったわ。こんな日は、夜のお散歩でもしないと腹の虫がおさまらないわ”
ニヤリと笑ったヴィクトリアは、どこからともなくロープを取り出したかと思うと、何と窓からロープを垂らし、スルスルと降りていくではないか。どうやら部屋から出ていく様だ。本当にヴィクトリアは…きっと丘に向かうはずだ。先回りして驚かせよう。
急いで丘へと向かうと…
案の定、ヴィクトリアが嬉しそうな顔をして丘へとやって来たのだ。
「やあ、ヴィクトリア。こんな時間に1人で丘に来るだなんて、いけない子だね」
にっこりヴィクトリアに向かってほほ笑む。すると
「どうして殿下がここにいらっしゃるのですか?やっぱりあの部屋に盗聴器を付けているのね。本当に、どこにでも現れるのだから」
ギャーギャー文句を言うヴィクトリアも可愛いな。本当に彼女は見ていて飽きない。ヴィクトリア、これからもずっとずっと、こうやって僕を楽しませてほしい。
その為にも、後3ヶ月、僕は君をしっかり守るからね。
※次回、ヴィクトリア視点に戻ります。
よろしくお願いします。
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