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第27話:いつまで続くのでしょうか?
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翌日、いつもの様に制服に着替える。
昨日カルロス様から通信が入り、今日からは今まで通り一緒に過ごそうと言ってくれた。今日から送り迎えも再開してくれるとの事。
「お嬢様、なんだか今日は嬉しそうですね」
ミリーが嬉しそうに話しかけて来た。
「私はいつも通りよ。さあ、そろそろカルロス様が迎えに来てくださる頃ね。待たせたら悪いから、そろそろ行くわ」
そう、彼は公爵令息なのだ。我が家よりも身分が高い。そんな彼を待たせる訳にはいかない。そう思い部屋から出ようとしたのだが。
「そうですわね、お嬢様」
なぜかミリーがクスクスと笑っている。ミリーったら、何が言いたいのよ!ジト目でミリーを睨む。
「お嬢様、そんな怖い顔をしていないで下さい。早く玄関に向かわれた方が良いのではないですか?ほら、カルロス様がいらっしゃいましたよ」
窓の外を見ながら、ミリーが教えてくれた。いけないわ、こんなところでミリーに構っている暇はない。急いで部屋から出て、玄関に向かおうとしたのだが。
「ルミナス、待ちなさい」
なぜかお母様に止められたのだ。
「お母様、カルロス様が迎えに来てくださっているのですよ。待たせたら大変ですわ」
とにかく早く行かないと!そう思ったのだが…
「カルロス様には、今ドリトルが話をしに行っているわ。とにかく今日は、あなたは1人で学院に行くようにとの事よ」
「どうしてですか?もうアナリス殿下は学院にはいらっしゃらないのでしょう?」
「私もそう言ったのだけれど…ドリトルが別々で行かせるというから…」
困惑顔のお母様。とにかくお兄様と話をしないと。そう思い玄関に向かおうと思った時だった。お兄様がこちらにやって来たのだ。
「お兄様、どうしてカルロス様を返したのですか?せっかく迎えに来てくださったのに、失礼でしょう!」
お兄様に向かって抗議をする。
「落ち着け、ルミナス。万が一アナリス殿下が学院にいらしたら、君たちが2人でいたらまた面倒な事になるだろう」
「でも、アナリス殿下は学院を退学なさったのでしょう?それならいるはずがありませんわ」
「念には念をだ!今日アナリス殿下が来なければ、帰りからカルロス殿と一緒に帰ってこればいいだけだろう。1回くらいカルロス殿と登校できないくらいで、ブーブー怒るな」
「わ…私は別に怒ってなどおりませんわ。わかりました、それでは行って参ります」
お兄様ったら、私がカルロス様と一緒に学院に行けない事に対し、文句を言っているみたいな言い方をして。私はただ、わざわざお迎えに来てくださったカルロス様に申し訳なく思っただけよ。
そもそもカルロス様も、お兄様の言いなりにならなくてもいいのに。確かお兄様とカルロス様は、騎士団の時先輩後輩だったうえ、お兄様がカルロス様を指導していたと聞いた。未だにその時の名残があるのだろうか…
とにかく今日から、アナリス殿下は学院にはいないのだ。今まで通り過ごせるはず。そう思っていたのだが…
「あら、ルミナス様。おはようございます」
貴族学院に着くと、不機嫌そうに私を見つめるアナリス殿下の姿が。どうして…
「どうして私がここにいるかって?それはお父様に頼んで、退学を取り消してもらったからですわ。ちなみにお兄様は、朝一番で隣国に旅立ちましたので、告げ口しようとしても無駄ですから。いいですか?カルロス様と結婚するのはこの私ですので、覚えておいて下さいませ」
満面の笑みで、アナリス殿下がそう言い放った。
「アナリス殿下、俺の可愛いルミタンに絡むのはお止めください。ルミタン…すまない…まだしばらくは、君の傍にいられそうにない…本当にすまない…」
目に涙を浮かべ、呟くカルロス様。そんな顔をされると、なんだか私まで悲しくなってくる。
「私は大丈夫です…」
「カルロス様、いくら婚約者だからって、別にこの子に謝る必要はありませんわ。さあ、参りましょう」
「…あぁ、俺のルミタン…ルミタン…」
既に正気を失いかけているのか、訳の分からない事を呟くカルロス様を、満面の笑みで連れて行くアナリス殿下。
そんな…
まさかアナリス殿下が学院にいるだなんて…
がっくり肩を落とす。一体いつまでこの生活が続くのかしら?受け入れがたい現実に、ついため息が漏れるのだった。
昨日カルロス様から通信が入り、今日からは今まで通り一緒に過ごそうと言ってくれた。今日から送り迎えも再開してくれるとの事。
「お嬢様、なんだか今日は嬉しそうですね」
ミリーが嬉しそうに話しかけて来た。
「私はいつも通りよ。さあ、そろそろカルロス様が迎えに来てくださる頃ね。待たせたら悪いから、そろそろ行くわ」
そう、彼は公爵令息なのだ。我が家よりも身分が高い。そんな彼を待たせる訳にはいかない。そう思い部屋から出ようとしたのだが。
「そうですわね、お嬢様」
なぜかミリーがクスクスと笑っている。ミリーったら、何が言いたいのよ!ジト目でミリーを睨む。
「お嬢様、そんな怖い顔をしていないで下さい。早く玄関に向かわれた方が良いのではないですか?ほら、カルロス様がいらっしゃいましたよ」
窓の外を見ながら、ミリーが教えてくれた。いけないわ、こんなところでミリーに構っている暇はない。急いで部屋から出て、玄関に向かおうとしたのだが。
「ルミナス、待ちなさい」
なぜかお母様に止められたのだ。
「お母様、カルロス様が迎えに来てくださっているのですよ。待たせたら大変ですわ」
とにかく早く行かないと!そう思ったのだが…
「カルロス様には、今ドリトルが話をしに行っているわ。とにかく今日は、あなたは1人で学院に行くようにとの事よ」
「どうしてですか?もうアナリス殿下は学院にはいらっしゃらないのでしょう?」
「私もそう言ったのだけれど…ドリトルが別々で行かせるというから…」
困惑顔のお母様。とにかくお兄様と話をしないと。そう思い玄関に向かおうと思った時だった。お兄様がこちらにやって来たのだ。
「お兄様、どうしてカルロス様を返したのですか?せっかく迎えに来てくださったのに、失礼でしょう!」
お兄様に向かって抗議をする。
「落ち着け、ルミナス。万が一アナリス殿下が学院にいらしたら、君たちが2人でいたらまた面倒な事になるだろう」
「でも、アナリス殿下は学院を退学なさったのでしょう?それならいるはずがありませんわ」
「念には念をだ!今日アナリス殿下が来なければ、帰りからカルロス殿と一緒に帰ってこればいいだけだろう。1回くらいカルロス殿と登校できないくらいで、ブーブー怒るな」
「わ…私は別に怒ってなどおりませんわ。わかりました、それでは行って参ります」
お兄様ったら、私がカルロス様と一緒に学院に行けない事に対し、文句を言っているみたいな言い方をして。私はただ、わざわざお迎えに来てくださったカルロス様に申し訳なく思っただけよ。
そもそもカルロス様も、お兄様の言いなりにならなくてもいいのに。確かお兄様とカルロス様は、騎士団の時先輩後輩だったうえ、お兄様がカルロス様を指導していたと聞いた。未だにその時の名残があるのだろうか…
とにかく今日から、アナリス殿下は学院にはいないのだ。今まで通り過ごせるはず。そう思っていたのだが…
「あら、ルミナス様。おはようございます」
貴族学院に着くと、不機嫌そうに私を見つめるアナリス殿下の姿が。どうして…
「どうして私がここにいるかって?それはお父様に頼んで、退学を取り消してもらったからですわ。ちなみにお兄様は、朝一番で隣国に旅立ちましたので、告げ口しようとしても無駄ですから。いいですか?カルロス様と結婚するのはこの私ですので、覚えておいて下さいませ」
満面の笑みで、アナリス殿下がそう言い放った。
「アナリス殿下、俺の可愛いルミタンに絡むのはお止めください。ルミタン…すまない…まだしばらくは、君の傍にいられそうにない…本当にすまない…」
目に涙を浮かべ、呟くカルロス様。そんな顔をされると、なんだか私まで悲しくなってくる。
「私は大丈夫です…」
「カルロス様、いくら婚約者だからって、別にこの子に謝る必要はありませんわ。さあ、参りましょう」
「…あぁ、俺のルミタン…ルミタン…」
既に正気を失いかけているのか、訳の分からない事を呟くカルロス様を、満面の笑みで連れて行くアナリス殿下。
そんな…
まさかアナリス殿下が学院にいるだなんて…
がっくり肩を落とす。一体いつまでこの生活が続くのかしら?受け入れがたい現実に、ついため息が漏れるのだった。
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