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第64話:無事帰ってきました
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馬車に乗り込み、王都を目指す。お兄様はしばらく騎士団の仕事を手伝うとの事で、公爵様とカルロス様の3人で帰る事になった。
意識が戻ったものの、重傷を負っているカルロス様の為に、ベッドが付いている馬車で帰る様だ。公爵家専属の医師も現地入りし、カルロス様の様子を見ながら家路へと向かう。
本当はカルロス様と医師で1台、私と公爵様で1台の馬車に乗って帰る予定だったのだが、カルロス様が
「どうして父上とルミタンが一緒の馬車なんだ!俺は平気だ、普通の馬車で帰る!」
と言って譲らなかったので、なぜか私とカルロス様、公爵様と医師という、奇妙な組み合わせで馬車に乗る事になった。
行きとは違い、途中ホテルに泊まりながら、ゆっくり王都を目指した。数日ぶりに入るお風呂は、とても気持ちいい。ただ…いつもミリーに洗ってもらっている為、正直洗い方が分からず、手間取ってしまった。改めてミリー達の有難さが身に染みた。
行きとは違い、丸2日かけてゆっくり王都に帰って来た。カルロス様のお屋敷に着くと
「カルロス!」
カルロス様のお母様が、目に涙を浮かべながらカルロス様に抱き着いている。よほど心配していたのだろう。なんだか少しやつれている気がする。
「母上…心配をおかけして申し訳ございません。この通り、俺は無事ですので」
少し恥ずかしそうに、カルロス様が夫人を抱きしめている。カルロス様ったら、照れていて可愛いわね。
「ルミナス、大丈夫だった?」
親子の再開を見守っている私に話し掛けてきたのは、何とお母様だ。
「お母様、どうしてこちらに?」
「今日あなた達が帰って来ると聞いて、夫人と相談してカルロス様の帰還祝いをしようと思ってね。マリンちゃんやドリーも来ているのよ。ただ、今ドリーがちょうどぐずっていてね」
お義姉様やドリーも来ているのね。
「ルミナス、あなた、少し痩せたのではなくって?令嬢が現地に付いてくだなんて、本当に前代未聞だわ。でも…きっとあの人に似たのね」
そう言ってお母様が笑っていた。
「さあ、そろそろ屋敷に入りましょう。ルミナスちゃん、カルロスの為に現地に出向いてくれてありがとう。疲れたでしょう。部屋を準備したから、少し休んで」
「ありがとうございます」
せっかくなので準備したもらった部屋で、少し休憩させてもらう事になった。
「お嬢様、あぁ、なんというお姿。髪が乱れておりますわ。それに服装も…さあ、すぐに湯あみを行いましょう」
待ち構えていたミリーに浴槽に連れて行かれ、体中を洗ってもらった。髪もセットしてもらい、ドレスに着替える。
「ミリー、いつもありがとう。今回の件で、あなたの有難さが身に染みたわ」
「お嬢様ったら…本当にお嬢様は、私がいないと何もできませんものね。お嬢様の輿入れに私も付いて行く予定でおりますので、どうぞご安心を」
もう、すぐに調子に乗るのだから。でも、ミリーが来てくれるのであれば、安心ね。
着替えを済まし、居間へと向かった。
「ルミタン、ごめんね、本当は部屋まで迎えに行きたかったのだけれど、医者があまり動くなというから」
イスに座りながら、申し訳なさそうに謝罪するカルロス様。
「カルロス様は大けがをしているのですから、どうかお医者様の言う事を聞いて下さい。とにかく、今は安静にしていてくださいね。何か食べたいものはありますか?何でも言ってください」
「ルミタンが食べさせてくれるのかい?嬉しいな。ねえ、ルミタン、俺が目覚めた時みたいに、俺の事“カルタン”って呼んでよ」
「「「えっ?カルタン?」」」」
皆が一斉にこちらを振り向いた。ちょっとカルロス様、大きな声でそんな恥ずかしい事を言わないでよ。
「あ…あの時はちょっと、その…気持ちが高ぶっていて…もう恥ずかしいので呼びません!」
クルリと背中を向けた。本当に恥ずかしいったらないわ。
「それは残念だな…それじゃあせめて、俺に食事を食べさせてよ。手が痛くて…」
そうだったわ、カルロス様が変な事を言うから忘れていた。
「カルロス様、改めて魔物討伐お疲れ様でした」
「カルロス、お疲れ様」
「カルロス様、お疲れさまでした」
「ルミタン、皆、ありがとう」
「さあ、お料理が冷めないうちに食べましょう」
目の前には豪華な食事が並んでいる。ここ数日、ろくなものを食べていなかったのよね。でもその前に。
「はい、カルロス様。しっかり食べて下さいね。食べないと怪我が治りませんから」
まずはカルロス様にしっかり食べて頂かないと!そんな思いから、カルロス様の口に、食べ物を運ぶ。
「やっぱりルミタンが食べさせてくれる食事は美味しいよ。はい、次はルミタン」
今度はカルロス様が口に食べ物を入れてくれたのだ。て、カルロス様は怪我をしているのに、元気な私が食べさせてもらっていてはいけないじゃない。
「カルロス様は怪我をしているのですから、大人しくしていてください!」
本当にカルロス様は…
でも私は、そんなカルロス様が大好きだ。これからもずっと彼と一緒にいたい。
カルロス様の笑顔を見ながら、そう強く思ったのだった。
意識が戻ったものの、重傷を負っているカルロス様の為に、ベッドが付いている馬車で帰る様だ。公爵家専属の医師も現地入りし、カルロス様の様子を見ながら家路へと向かう。
本当はカルロス様と医師で1台、私と公爵様で1台の馬車に乗って帰る予定だったのだが、カルロス様が
「どうして父上とルミタンが一緒の馬車なんだ!俺は平気だ、普通の馬車で帰る!」
と言って譲らなかったので、なぜか私とカルロス様、公爵様と医師という、奇妙な組み合わせで馬車に乗る事になった。
行きとは違い、途中ホテルに泊まりながら、ゆっくり王都を目指した。数日ぶりに入るお風呂は、とても気持ちいい。ただ…いつもミリーに洗ってもらっている為、正直洗い方が分からず、手間取ってしまった。改めてミリー達の有難さが身に染みた。
行きとは違い、丸2日かけてゆっくり王都に帰って来た。カルロス様のお屋敷に着くと
「カルロス!」
カルロス様のお母様が、目に涙を浮かべながらカルロス様に抱き着いている。よほど心配していたのだろう。なんだか少しやつれている気がする。
「母上…心配をおかけして申し訳ございません。この通り、俺は無事ですので」
少し恥ずかしそうに、カルロス様が夫人を抱きしめている。カルロス様ったら、照れていて可愛いわね。
「ルミナス、大丈夫だった?」
親子の再開を見守っている私に話し掛けてきたのは、何とお母様だ。
「お母様、どうしてこちらに?」
「今日あなた達が帰って来ると聞いて、夫人と相談してカルロス様の帰還祝いをしようと思ってね。マリンちゃんやドリーも来ているのよ。ただ、今ドリーがちょうどぐずっていてね」
お義姉様やドリーも来ているのね。
「ルミナス、あなた、少し痩せたのではなくって?令嬢が現地に付いてくだなんて、本当に前代未聞だわ。でも…きっとあの人に似たのね」
そう言ってお母様が笑っていた。
「さあ、そろそろ屋敷に入りましょう。ルミナスちゃん、カルロスの為に現地に出向いてくれてありがとう。疲れたでしょう。部屋を準備したから、少し休んで」
「ありがとうございます」
せっかくなので準備したもらった部屋で、少し休憩させてもらう事になった。
「お嬢様、あぁ、なんというお姿。髪が乱れておりますわ。それに服装も…さあ、すぐに湯あみを行いましょう」
待ち構えていたミリーに浴槽に連れて行かれ、体中を洗ってもらった。髪もセットしてもらい、ドレスに着替える。
「ミリー、いつもありがとう。今回の件で、あなたの有難さが身に染みたわ」
「お嬢様ったら…本当にお嬢様は、私がいないと何もできませんものね。お嬢様の輿入れに私も付いて行く予定でおりますので、どうぞご安心を」
もう、すぐに調子に乗るのだから。でも、ミリーが来てくれるのであれば、安心ね。
着替えを済まし、居間へと向かった。
「ルミタン、ごめんね、本当は部屋まで迎えに行きたかったのだけれど、医者があまり動くなというから」
イスに座りながら、申し訳なさそうに謝罪するカルロス様。
「カルロス様は大けがをしているのですから、どうかお医者様の言う事を聞いて下さい。とにかく、今は安静にしていてくださいね。何か食べたいものはありますか?何でも言ってください」
「ルミタンが食べさせてくれるのかい?嬉しいな。ねえ、ルミタン、俺が目覚めた時みたいに、俺の事“カルタン”って呼んでよ」
「「「えっ?カルタン?」」」」
皆が一斉にこちらを振り向いた。ちょっとカルロス様、大きな声でそんな恥ずかしい事を言わないでよ。
「あ…あの時はちょっと、その…気持ちが高ぶっていて…もう恥ずかしいので呼びません!」
クルリと背中を向けた。本当に恥ずかしいったらないわ。
「それは残念だな…それじゃあせめて、俺に食事を食べさせてよ。手が痛くて…」
そうだったわ、カルロス様が変な事を言うから忘れていた。
「カルロス様、改めて魔物討伐お疲れ様でした」
「カルロス、お疲れ様」
「カルロス様、お疲れさまでした」
「ルミタン、皆、ありがとう」
「さあ、お料理が冷めないうちに食べましょう」
目の前には豪華な食事が並んでいる。ここ数日、ろくなものを食べていなかったのよね。でもその前に。
「はい、カルロス様。しっかり食べて下さいね。食べないと怪我が治りませんから」
まずはカルロス様にしっかり食べて頂かないと!そんな思いから、カルロス様の口に、食べ物を運ぶ。
「やっぱりルミタンが食べさせてくれる食事は美味しいよ。はい、次はルミタン」
今度はカルロス様が口に食べ物を入れてくれたのだ。て、カルロス様は怪我をしているのに、元気な私が食べさせてもらっていてはいけないじゃない。
「カルロス様は怪我をしているのですから、大人しくしていてください!」
本当にカルロス様は…
でも私は、そんなカルロス様が大好きだ。これからもずっと彼と一緒にいたい。
カルロス様の笑顔を見ながら、そう強く思ったのだった。
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