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第12話:レイリスとの出会い~アドレア視点~
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声の方を振り向くと、そこには銀色の髪に青い瞳をした可愛らしい女の子が立っていたのだ。見た感じ僕と同じくらいの子。真っすぐこちらを見つめる瞳に、僕は釘付けになる。
自信に満ち溢れたその瞳を見た瞬間、なぜか言いようのないほどの安心感を覚えた。
て、僕は何を安心しているのだ。僕と同じくらいの女の子が、こんな場所にいるだなんて危険すぎる。
案の定。
「可愛らしいちびっこちゃん。このガキを助けに来たのかい?その勇気だけは認めてやるよ。ただ、頭はあまり良くない様だな。こんな場所に、1人で来るだなんて。お前もこいつと一緒に売りさばいてやるよ」
ニヤリと笑った男たちが、彼女に近づく。
「君、逃げるんだ。早く」
必死に叫ぶが、すぐに男たちが彼女を囲ってしまったのだ。
僕のせいでこの子まで…僕がもっと魔力をうまく使えたら、この子を助けられるのに…
悔しくて涙が溢れそうになる。
そして男が女の子の腕を掴みそうになった時だった。
「ぎゃぁぁ!いでででで」
女の子が次々と男たちをなぎ倒していくのだ。その姿はまさに神秘的…というよりも、彼女の体が光に包まれている。この光はもしかして…
「あなた、大丈夫?怪我はない?」
あっと言う間に男たちを倒してしまった女の子が、僕に優しく話しかけてきたのだ。この子、もしかして。
「助けてくれてありがとう。君も魔力持ちなのだね。それにしても、こんなに自由自在に操れるだなんて、すごいよ!」
まさか僕以外にも、魔力を持った子がいただなんて。その上、魔力を完全に操れるだなんて、凄すぎる。
「あなた、何を言っているの?私を魔女か何かと勘違いしているのかしら?」
そう言ってクスクスと笑っている。もしかしてこの子、魔力の存在に気が付いていないのかな?無意識に魔力を操っているのか?
「ケガはなさそうね。よかったわ」
そう言うと女の子が、僕の手を握ったのだ。その瞬間、温かくて柔らかな感触が手から伝わる。こんな風に女性に触れたのは初めてだ。
「あら?あなた、手が豆だらけよ。剣の稽古でもしているの?あまり無理をするとよくないわ。すぐに手当てをしてあげるわね」
ポケットからハンカチを取り出した女の子が、僕の手に巻いてくれた。再び女の子の体が光に包まれる。その瞬間、温かくて心地いい感覚に襲われた。この子、無意識に治癒魔法をかけてくれているのだろう。
その温もりが、気持ちいい。
「イリ様、こんなところにいらしたのですね。あれ?こいつらは?」
「あなた達、遅いじゃない。こいつら、この子の事を虐めていたから、懲らしめてあげたの。腕っぷしはあるようだから、こいつらにも仕事を与えましょう」
ぞろぞろとやって来たのは、あきらかに悪そうな男たちだ。ただ、どうやらこの子の友達の様だが…
「この人たちは、私の手下だから心配しないで。暇つぶしでこの人たちの相手をして回っていたら、いつの間にか懐かれちゃって。せっかくだから、王都中の荒くれ者たちを手名付けてやろうと思って。まあ、単なる暇つぶしだけれどね」
にっこり笑ってそんな事を言っている彼女。それにしても、こんなに大勢の男たちが、彼女を慕っているだなんて…
何だか無性に腹が立ってきた。
「それじゃあ、そろそろ私は帰るわ。おやつの時間だから」
「おやつの時間?」
「ええ、そうよ。私、甘いものが大好きなの。早く帰って、おやつを食べないと。それじゃあ、私はこれで」
颯爽と去って行こうとする彼女の手を握った。
「待って、僕の名前は…レア。明日もここに来る?また君に会いたい」
僕は何を言っているのだろう。こんな言葉を口にするだなんて…
「あの…」
「ええ、また来るわ。私の名前はイリよ。また明日も会いましょうね。それじゃあ」
にっこり微笑むと、その場を去って行ったイリ。その後ろ姿から、どうしても目をそらすことが出来かった。
自信に満ち溢れたその瞳を見た瞬間、なぜか言いようのないほどの安心感を覚えた。
て、僕は何を安心しているのだ。僕と同じくらいの女の子が、こんな場所にいるだなんて危険すぎる。
案の定。
「可愛らしいちびっこちゃん。このガキを助けに来たのかい?その勇気だけは認めてやるよ。ただ、頭はあまり良くない様だな。こんな場所に、1人で来るだなんて。お前もこいつと一緒に売りさばいてやるよ」
ニヤリと笑った男たちが、彼女に近づく。
「君、逃げるんだ。早く」
必死に叫ぶが、すぐに男たちが彼女を囲ってしまったのだ。
僕のせいでこの子まで…僕がもっと魔力をうまく使えたら、この子を助けられるのに…
悔しくて涙が溢れそうになる。
そして男が女の子の腕を掴みそうになった時だった。
「ぎゃぁぁ!いでででで」
女の子が次々と男たちをなぎ倒していくのだ。その姿はまさに神秘的…というよりも、彼女の体が光に包まれている。この光はもしかして…
「あなた、大丈夫?怪我はない?」
あっと言う間に男たちを倒してしまった女の子が、僕に優しく話しかけてきたのだ。この子、もしかして。
「助けてくれてありがとう。君も魔力持ちなのだね。それにしても、こんなに自由自在に操れるだなんて、すごいよ!」
まさか僕以外にも、魔力を持った子がいただなんて。その上、魔力を完全に操れるだなんて、凄すぎる。
「あなた、何を言っているの?私を魔女か何かと勘違いしているのかしら?」
そう言ってクスクスと笑っている。もしかしてこの子、魔力の存在に気が付いていないのかな?無意識に魔力を操っているのか?
「ケガはなさそうね。よかったわ」
そう言うと女の子が、僕の手を握ったのだ。その瞬間、温かくて柔らかな感触が手から伝わる。こんな風に女性に触れたのは初めてだ。
「あら?あなた、手が豆だらけよ。剣の稽古でもしているの?あまり無理をするとよくないわ。すぐに手当てをしてあげるわね」
ポケットからハンカチを取り出した女の子が、僕の手に巻いてくれた。再び女の子の体が光に包まれる。その瞬間、温かくて心地いい感覚に襲われた。この子、無意識に治癒魔法をかけてくれているのだろう。
その温もりが、気持ちいい。
「イリ様、こんなところにいらしたのですね。あれ?こいつらは?」
「あなた達、遅いじゃない。こいつら、この子の事を虐めていたから、懲らしめてあげたの。腕っぷしはあるようだから、こいつらにも仕事を与えましょう」
ぞろぞろとやって来たのは、あきらかに悪そうな男たちだ。ただ、どうやらこの子の友達の様だが…
「この人たちは、私の手下だから心配しないで。暇つぶしでこの人たちの相手をして回っていたら、いつの間にか懐かれちゃって。せっかくだから、王都中の荒くれ者たちを手名付けてやろうと思って。まあ、単なる暇つぶしだけれどね」
にっこり笑ってそんな事を言っている彼女。それにしても、こんなに大勢の男たちが、彼女を慕っているだなんて…
何だか無性に腹が立ってきた。
「それじゃあ、そろそろ私は帰るわ。おやつの時間だから」
「おやつの時間?」
「ええ、そうよ。私、甘いものが大好きなの。早く帰って、おやつを食べないと。それじゃあ、私はこれで」
颯爽と去って行こうとする彼女の手を握った。
「待って、僕の名前は…レア。明日もここに来る?また君に会いたい」
僕は何を言っているのだろう。こんな言葉を口にするだなんて…
「あの…」
「ええ、また来るわ。私の名前はイリよ。また明日も会いましょうね。それじゃあ」
にっこり微笑むと、その場を去って行ったイリ。その後ろ姿から、どうしても目をそらすことが出来かった。
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