世間知らずの王女は公爵令息様から逃げる事は出来ません

Karamimi

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第55話:素敵な1日になりました

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私達の挨拶が終わると、皆がお祝いの言葉を言いに来てくれた。クラスメートたちも沢山話しかけてくれる。

少し挨拶が落ち着いたころ

「オリビア!」

この声は!

「メアリー、来てくれたのね」

「当たり前じゃない。今日は大切な親友の婚約披露パーティーなのよ。そうそう、紹介しないとね。私の養父と養母よ」

「初めまして、オリビア殿下。いつも娘が仲良くして頂き、ありがとうございます」

優しそうなメアリーのご両親。そういえばメアリーは養子だと聞いたことがある。でも優しそうなご両親を見ると、きっとメアリーの事を大切に思っているのだろう。そんな気がした。

「それにしても、すごい数の人ね。さすが王女様と公爵家嫡男の婚約披露パーティーだわ」

「ねえ、メアリー。あなたは婚約の予定とかないの?」

「私は特にないわね…それよりも私には、どうしても成し遂げたい事があるの…そのために私は、今まで生きて来たのだから」

真っすぐ私を見つめ、そう言い切ったメアリー。その瞳からは、強い意志を感じる。

「メアリーそれって一体…」

「内緒よ。それよりも今日は、オリビアの誕生日でしょう。はいこれ、誕生にプレゼントよ。このブローチ、私がデザインしたの。私のブローチとお揃いなのよ」

牡丹の花の形に模られ、中には複雑な模様が入った綺麗なブローチだ。

「こんな素敵なブローチを、どうもありがとう。大切にするわ」

この国に来て初めて出来た女性の友人からのプレゼントだ。嬉しくてたまらない。私の宝物にしよう。早速胸元にブローチを付けた。

「オリビア、よく似合っているよ。よかったね」

レオナルド様も嬉しそうだ。

「それじゃあ、またね」

「ええ、また学院で」

メアリーと別れた後、再びブローチを見つめる。とても素敵なブローチね。

「オリビア、よかったね。今日はオリビアの15歳の誕生日なのに、どうしても婚約のお披露目の方が目立ってしまって。オリビアの大切な誕生日が少しおろそかになってしまったね。それでも君の誕生日を覚えてくれていた大切な友人に、感謝しないと」

「そうね、メアリーったら、わざわざ私の為にお誕生日のプレゼントを準備してくれたのよね。そういえば私、メアリーの誕生日がいつか知らないわ」

「ジュノーズ侯爵家から、メアリー嬢の誕生日パーティーの招待状も来なかったし…」

「まあ、そうなのね。普通の貴族は、誕生日パーティーというものを開くものなの?」

私は今まで王宮からほとんど出た事がなかったので、貴族が誕生日パーティーを開催している事すら知らなかった。もちろん、私の誕生日も今までは家族だけで祝っていたし…

「そうだね、特に小さい頃はたくさんの貴族を集め、パーティーをするのだが…まあ、彼女も15歳だし、この歳になるとやらない貴族も多いからね。僕ももう10歳からやっていなかったし」

「そう、それならいいのだけれど…今度メアリーの誕生日を聞いて、次の誕生日のときには必ずプレゼントを準備しないと。だってこんなにも素敵なプレゼントを準備してくれたのですもの」

「そうだね。そうするといい」

レオナルド様もほほ笑んでくれている。

その後も貴族たちに挨拶をしたりして過ごし、夕方ごろにはお開きになった。たくさんの人にお祝いしてもらい、幸せな気持ちで王宮へと戻る。

今日は疲れたわ、少しゆっくりしたい。そう思っていたのだが…

「殿下、陛下がお呼びです」

なぜかお父様に呼び出されたのだ。もう、私は疲れているのに一体何かしら?そう思い、メイドに連れられお父様の元に向かう。すると

「「「オリビア(殿下)15歳のお誕生日、おめでとう!!」」」

パンパンというクラッカーの音と共に、お祝いの言葉が聞こえた。そこには両親とシャルル、レオナルド様とそのご両親の姿が。後ろにはたくさんの使用人も笑顔で迎えてくれている。

「オリビア、今日は君の大切な誕生日なのに、婚約の披露がメインになってしまってすまなかったね。だから、君の誕生日パーティーを開く事にしたんだ。オリビアの大好きな大きなケーキも準備したよ。それから、たくさんの貴族からもプレゼントが届いている。全てオリビアへのプレゼントだよ」

お父様がにっこりとほほ笑んでいる。

「これは私たちからのプレゼントよ」

「これは家からのプレゼントだ」

「ぼくからもあるよ」

皆が次々とプレゼントをくれた。

「皆様、ありがとうございます」

嬉しくてつい頬が緩む。

「さあ、せっかく料理長がオリビアの為に美味しい料理を準備してくれたんだ。早速頂こう」

席に座り、お料理を頂く。私の好物ばかりを準備してくれていた様で、どれも美味しくてたまらない。食事の後は、みんなの前でプレゼントを開けた。

中には手紙も入っていて“オリビア殿下が婚約しても、僕はずっと君の事を思い続けています”や、“ずっと好きでした。殿下が婚約しても、ずっと思い続けています”といった事も書かれており、レオナルド様が怒り狂っていた。

きっと冗談で書いてくれたのだろうが、それでもなんだか嬉しくてつい頬が緩む。

「オリビアはたくさんの人に愛されているのね。よかったわね」

お母様が私に微笑みかけてくれる。

「あら?オリビアちゃんの胸に付いているブローチ、素敵ね。どうしたの?」

話しかけてきたのは、お義母様だ。

「友人のメアリーに頂きましたの。本人がデザインしたものです」

「そうなの?すごいわね、ちょっと見せてくれる?」

お義母様にブローチを渡した。

「とても手が込んでいるわね。ねえ、このブローチ、今日1日貸してくれないかしら?私、このブローチのデザインが気に入っちゃって。自分でも作りたいの。もちろん、そっくりには作らないから安心して。ちょっとマネするだけだから」

「ええ、もちろんいいですよ。このデザイン、素敵ですよね。私もとても気に入っています」

まさか公爵夫人のお義母様が気に入るなんて。なんだかメアリーが褒められたみたいで、とても嬉しかった。

その後も和やかな空気の中、お誕生日を祝ってくれた皆。

今日はたくさんの人に祝福されて、本当に幸せな1日だった。今日の出来事はきっと、一生忘れないだろう。それくらい、私にとって幸せな時間だったから…
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