平民になった元公爵令嬢ですが、第二王子と幸せになる為に戦います

Karamimi

文字の大きさ
46 / 47

第46話:皆に認められました

しおりを挟む
彼らが連れて行かれるのを見届けると、その場にへたり込む。

「マリー、大丈夫かい?結局マリーにばかり負担をかけてしまったね。すまなかった」

そう言うと、私を抱きかかえてくれたエドワード様。

「大丈夫ですわ。言いたい事も言えましたし、なんだか心がすっきりしました」

エドワード様の温もりが心地よくて、ギュッと抱き着いた。

「マリー、どうして他の男に抱き着くのだい?そうか、僕たちが異母兄妹だから、君は僕から逃げたのだね。でも、僕はそんな事は気にしないよ。面倒な公務もこれからしなくていいみたいだし、僕はシャラティア公爵の息子みたいだから、これからは公爵家でのんびり暮らそう」

なぜか訳の分からない事を言って、私の元にやって来たのはルイード殿下だ。

「殿下…とお呼びしてもいいのか分かりませんが、ご自分の置かれている状況を理解していらっしゃるのですか?王妃殿下がシャラティア公爵とそういう仲で、あなた様が生まれたという事は、2人は国家反逆罪で処罰されます。きっと極刑は免れないでしょう。もちろん、シャラティア公爵家は取り潰されるでしょう。さらに元侯爵家を無実の罪で潰した王妃殿下の実家、クディスル公爵家も潰されるでしょうし…そうなるとあなた様は、平民になるしか…」

「僕が平民だって。そんな…父上、僕は平民に何てなりたくありません。そもそも、僕には罪はないはずだ。そうだろう?」

「ルイード、落ち着け。とにかくお前の処遇は今後考えるから、部屋に戻っていなさい。それからマリー嬢、今まで散々辛い思いをさせてしまって、すまなかった。君にとってこの場所は、辛く悲しい場所だろう。ただ…エドワードは私の血を受けついだ唯一の子供だ。エドワードには近々王太子の座を与える予定だ。その…大変言いにくいのだが、エドワードをこれからも、この地で支えてくれるかい?」

「父上、何を言っているのですか?マリーは僕と…」

「お前は黙っていろ!そもそも、この国ではたとえ異母であっても、血のつながった兄妹は結婚できない。とにかく、早くルイードを部屋に連れて行け!」

「はい、かしこまりました!」

近くにいた護衛たちが、ルイード殿下を抱え、さっさと連れて行く。

「待って、僕はマリーと…」

まだ何か叫んでいたが、そっとしておいた。

「陛下、私はこの地に戻ると決めたあの日、共にエドワード様とこの場所で国を支えて行きたいと心に決めております。確かにこの場所は私にとって、いい思い出はありません。だからこそ、これからは楽しい思い出に塗り替えたいと考えております。エドワード様と一緒に」

「父上、僕はマリーを心から愛しています。マリーの心の傷が少しでも癒えるよう、全力でフォローしていくつもりです」

エドワード様が陛下にそう訴えると、今度は貴族たちの方を向き直った。そして

「今日お集りの貴族の皆様。私はずっと、王都を離れておりました。ですがいつか王都に戻る事を思いえがき、ずっと勉強を続けて参りました。それでも、まだまだ力不足なところもあるでしょう。こんな私ですが、どうか温かく見守って頂ければと考えております。そしてこれからは、マリーの母、マリオネット殿が望んだ、健全な王宮と貴族社会を作っていくために、どうか力を貸してください。お願いします」

エドワード様が皆に頭を下げた。私も一緒に頭を下げる。

「もちろんですよ、エドワード殿下。マリー嬢も帰って来てくれた事ですし、これからもっともっといい国を皆で作っていきましょう。ねえ、皆さん」

「「「「もちろんです。エドワード殿下とマリー嬢に、忠誠を誓います」」」」

そう言うと、全ての貴族が私たちに忠誠を誓うポーズをして見せてくれたのだ。

「エドワード、よかったわね。あなたが次の国王と認められたのよ」

近くにいた奥様も嬉しそうにエドワード様の肩に手を置いている。

「皆の者、私も皆に謝らなければいけない。王妃や公爵たちの悪事に気づかず、申し訳なかった。それからアンリ、エドワード、君たちにも辛い思いをさせてしまって、本当にすまなかった。これからはずっと一緒だ」

そう言うと陛下が、奥様とエドワード様、さらになぜか私まで抱きしめられた。奥様はずっと陛下の事を思い続けてきたのよね。だからこそ今回、大好きな陛下の元に戻れて本当によかったわ。

陛下も嬉しそうだ。3人の姿を見ていたら、なんだか私まで嬉しくなった。お母様が亡くなった時、私がしっかりとお母様の遺言を覚えていたら、もっと早く3人は幸せになっていたのかもしれない。

私もあれほどまでに辛い日々を送る事も、キャスが殺されることもなかっただろう。でも…過去を悔やんでも仕方がない。全てが無事終わったのだ。これからは未来を見ていきたい。エドワード様と一緒に。


※次回最終話です。
よろしくお願いしますm(__)m
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

婚約破棄? 結構ですわ。私は領地を立て直します

鍛高譚
恋愛
――婚約破棄? むしろ好都合ですわ! 王太子エドワード殿下の婚約者として完璧な淑女教育を受けてきた伯爵令嬢ルシア。 だがある日、殿下は彼女を公衆の面前で一方的に婚約破棄し、新たな婚約者として平民出身の令嬢レイラを選んだ。 「あなたのような冷たい女より、愛に生きるレイラのほうがふさわしい!」 突然の屈辱に、一時は落ち込むルシアだったが――すぐに吹っ切れる。 「王太子妃になるための苦労をしなくて済むなんて、むしろ幸せでは?」 伯爵家の一員として新たな人生を歩むことを決意したルシアは、父の領地の改革に取り組みはじめる。 不作にあえぐ村を助け、農業改革や商業振興に奔走するうちに、村人たちから慕われるように。 そして、彼女の努力はやがて王宮にまで届き―― 「君のような女性こそ、王国に必要だ。」 そんな彼女のもとを訪れたのは、まさかの第二王子・アルベルト殿下!? 婚約破棄で人生が終わるどころか、むしろ最高の人生が始まった!? 元婚約者が没落する一方、ルシアは国を動かす存在へと成長していく――!

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』

夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」 教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。 ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。 王命による“形式結婚”。 夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。 だから、はい、離婚。勝手に。 白い結婚だったので、勝手に離婚しました。 何か問題あります?

お飾りの婚約者で結構です! 殿下のことは興味ありませんので、お構いなく!

にのまえ
恋愛
 すでに寵愛する人がいる、殿下の婚約候補決めの舞踏会を開くと、王家の勅命がドーリング公爵家に届くも、姉のミミリアは嫌がった。  公爵家から一人娘という言葉に、舞踏会に参加することになった、ドーリング公爵家の次女・ミーシャ。  家族の中で“役立たず”と蔑まれ、姉の身代わりとして差し出された彼女の唯一の望みは――「舞踏会で、美味しい料理を食べること」。  だが、そんな慎ましい願いとは裏腹に、  舞踏会の夜、思いもよらぬ出来事が起こりミーシャは前世、読んでいた小説の世界だと気付く。

挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】 今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。 「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」 そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。 そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。 けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。 その真意を知った時、私は―。 ※暫く鬱展開が続きます ※他サイトでも投稿中

【完結】私を捨てた皆様、どうぞその選択を後悔なさってください 〜婚約破棄された令嬢の、遅すぎる謝罪はお断りです〜

くろねこ
恋愛
王太子の婚約者として尽くしてきた公爵令嬢エリシアは、ある日突然、身に覚えのない罪で断罪され婚約破棄を言い渡される。 味方だと思っていた家族も友人も、誰一人として彼女を庇わなかった。 ――けれど、彼らは知らなかった。 彼女こそが国を支えていた“本当の功労者”だったことを。 すべてを失ったはずの令嬢が選んだのは、 復讐ではなく「関わらない」という選択。 だがその選択こそが、彼らにとって最も残酷な“ざまぁ”の始まりだった。

そのご寵愛、理由が分かりません

秋月真鳥
恋愛
貧乏子爵家の長女、レイシーは刺繍で家計を支える庶民派令嬢。 幼いころから前世の夢を見ていて、その技術を活かして地道に慎ましく生きていくつもりだったのに—— 「君との婚約はなかったことに」 卒業パーティーで、婚約者が突然の裏切り! え? 政略結婚しなくていいの? ラッキー! 領地に帰ってスローライフしよう! そう思っていたのに、皇帝陛下が現れて—— 「婚約破棄されたのなら、わたしが求婚してもいいよね?」 ……は??? お金持ちどころか、国ごと背負ってる人が、なんでわたくしに!? 刺繍を褒められ、皇宮に連れて行かれ、気づけば妃教育まで始まり—— 気高く冷静な陛下が、なぜかわたくしにだけ甘い。 でもその瞳、どこか昔、夢で見た“あの少年”に似ていて……? 夢と現実が交差する、とんでもスピード婚約ラブストーリー! 理由は分からないけど——わたくし、寵愛されてます。 ※毎朝6時、夕方18時更新! ※他のサイトにも掲載しています。

【完結】ずっと、ずっとあなたを愛していました 〜後悔も、懺悔も今更いりません〜

高瀬船
恋愛
リスティアナ・メイブルムには二歳年上の婚約者が居る。 婚約者は、国の王太子で穏やかで優しく、婚約は王命ではあったが仲睦まじく関係を築けていた。 それなのに、突然ある日婚約者である王太子からは土下座をされ、婚約を解消して欲しいと願われる。 何故、そんな事に。 優しく微笑むその笑顔を向ける先は確かに自分に向けられていたのに。 婚約者として確かに大切にされていたのに何故こうなってしまったのか。 リスティアナの思いとは裏腹に、ある時期からリスティアナに悪い噂が立ち始める。 悪い噂が立つ事など何もしていないのにも関わらず、リスティアナは次第に学園で、夜会で、孤立していく。

処理中です...