もう泣き言はいいません!愛する人を守るために立ち上がります

Karamimi

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第3話:ジャンティーヌの生まれ変わり

 ジルバード殿下の優しさに触れたことで、心の奥は温かい。でもそれ以上に、ジルバード殿下に対し、申し訳なく感じる。

 その時だった。

 私の元に大きな炎が飛んできたのだ。

「きゃぁぁぁ」

 間一髪のところで何とかよけられたが、その拍子に足をひねってしまった。

「あら、ごめんなさい。まさかこんなところに、人がいるなんて思わなくて」

「レアの稽古の邪魔をするだなんて、本当にどこまでも迷惑な女だな。僕の前に姿を見せないでくれ。君を見ると、虫唾が走るよ。本当に、君なんて生まれてこなければよかったのにね」

 私の元にやって来たのは、婚約者でもあるレドルフ殿下と、男爵令嬢のレア様だ。私と同じ歳のレア様は、どうやらジャンティーヌの生まれ変わりの様で、500年前の事をよく話されている。

 最初は皆半信半疑だったが、あまりにも具体的に魔王との戦いの様子などを話すうえ、魔力も男爵令嬢にしては非常に優れている為、レドルフ殿下を始め、多くの貴族たちが、レア様をジャンティーヌの生まれ変わりだと信じているのだ。

「レドルフ様、その様な酷い暴言を吐いてはいけませんわ。アイリーン様も、好きでジャンティーヌの末裔として生まれて来たのではないのだから。とはいえ、まさか全く魔力を持っていない令嬢と婚約させられるだなんて、レドルフ様もお可哀そうに…」

 大きな目をクリクリさせ、殿下を見つめるレア様。そんなレア様を、愛おしそうに抱くレドルフ殿下。

「大丈夫だよ、この女が全くの無能だったが、何といっても英雄ジャンティーヌの生まれ変わり、レアがいるのだから。こんな女とはすぐに婚約破棄をして、レアと婚約を結べるよう今話を進めているところだ。

 この女がどうしようもない能無しだとわかった時は絶望したが、ジャンティーヌの生まれ変わり、レアに会えるだなんて。僕は本当に幸せ者だよ。僕の可愛いレア、これからもずっと一緒にいようね」

「ええ、もちろんですわ。あら?アイリーン様、まだいらっしゃったの?」

「貴様、まだいたのか!目障りだから、僕たちの傍から立ち去れ。さもなくば」

 大きな炎を出す殿下。

「も…申し訳ございません」

 捻ってしまった足が痛いが、必死に足を引きずりその場を足し去る。

「あら?アイリーン様は足を怪我されたのですか?お可哀そうに。それでは私が手助けをして差し上げますわ」

 そうレア様が言うと、ものすごい突風が私の背中を襲ったのだ。

「きゃぁぁぁぁ」

 体が宙を舞い、そのままどさっと地上に落ちた。全身を思いっきり背中にぶつけ、激痛が走る。

「あら、ごめんなさい。私、魔力量が多いから、うまくコントロールができなかったみたい。まあ、生きてはいらっしゃる様だし、問題ありませんね。それでは失礼いたしますわ」

「いつまでも地面に転がっていないで、さっさと消え失せろ!本当に目障りな奴だな」

 笑顔のレア様と、ゴミを見る様な目で私を睨みつけるレドルフ殿下が、その場から去っていく。どうやら助かった様だ。

 どうして私がこんな目に遭わないといけないのだろう…私はただ、ジャンティーヌの末裔として生まれただけなのに。

 神様、私が一体どんな悪さをしたというのでしょうか?私はただ、平和に生きたいだけなのに…

 次から次へと涙が溢れだす。

 こんな所で泣いていても仕方がない。何とか体を起こし、激痛が走る足を必死に動かしながら、その場を去ったのだった。

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