80 / 91
第80話:どうして僕がこんな目に~レドルフ視点~
「レドルフ殿下、どこに行かれるのですか?私も一緒に参りましょう」
「いいや、僕1人で十分だ!ついてこないでくれ!」
「いいえ、そういう訳にはいきません。私も参ります」
「それじゃあ、もういいよ!」
ベッドにもぐりこみ、丸くなる。
僕が少しでも部屋から出ようとすると、すぐに護衛が飛んできて一緒について来ようとする。
きっと僕が、ジルバードに何か手を出すとでも、考えているのだろう。ジルバード!あいつのせいで、僕は!
確かに僕は、魔王討伐には一切参加しなかった。でもそれは、次期国王になる僕が、万が一魔物たちに襲われ、命を落としたら大問題になるからだ。そもそも第二王子でもあるジルバードが、率先して魔王を倒すというのがこの国のルールだったはずだ。
僕はそのルールにのっとって、行動しただけなのに…それなのに、どうして王太子の座をはく奪されないといけないんだ!それにアイリーンの事だって…
確かに彼女につらく当たった事もあった。でもそれは、彼女が魔力を持っていなかったからだ。それにレア嬢、あの女の嘘にまんまと嵌められたからだ!あの女、絶対に許さない!この手で八つ裂きにしてやりたかったのに、あっさり国外追放になるだなんて!
そもそも僕は、ずっと500年前の英雄、ジャンティーヌに憧れていたんだ。アイリーンがジャンティーヌの生まれ変わりだと知っていたら、もっと大切にしたのに!
それもこれも全て、ジルバードのせいだ。あいつが僕のものを全て奪ったんだ!
憎い、憎い、憎い!ジルバードが憎い!
「随分と憎しみの念が、増大していらっしゃいますね…」
ん?人の声?
布団から顔を出すと、そこにいたのは…
「クレスロン元男爵が、どうしてここにいるのだい?男爵家は潰されたのでは?そもそも、どうやって僕の部屋に入って来たのだい?見張りの兵士たちは…
えっ?皆倒れている?一体何が起こったのだい?」
僕の護衛たちは、この国でも優秀な魔力を持った者たち。そんな者たちが、こうも簡単に倒れているんだなんて。その上、物音すらしなかったぞ…
一体どうやって、入って来たのだろう。
「そんなに驚かないで下さい。レドルフ殿下。私はあなた様の願いを叶えるために、ここに来たのです。殿下、ジルバード殿下が憎いのでしょう?あなたの大切なものを、全て奪っていくジルバード殿下が…」
「ああ、憎いよ。僕はただ、国のルールにのっとり行動しただけなのに!それなのに、なぜジルバードに王太子の座を譲らないといけないのだい?そのうえ、アイリーンまで奪っていって。本当に憎らしい。あいつさえいなければ、僕は!」
ジルバードさえいなければ、次期国王の座もアイリーンも、僕のものなのに!憎い、ジルバードが憎い!あの男を消し去りたい!
「いいですな、その憎しみの感情…殿下、私と取引をしませんか?我が一族の…いいや、あの男の力を使えば、全てを手に入れる事が出来るのです。そのうえ、ジルバード殿下を奈落の底に突き落とすことも可能」
「何を言っているのだい?そんな事、男爵をはく奪され、平民になった君に出来る訳がないだろう?バカも休み休み言ってくれ!」
既に平民になった元男爵に、何が出来ると言うのだ!本当にバカバカしい!
「闇の魔力を持つ者の一族を、殿下はご存じですか?その昔、魔王を誕生させられるほどの魔力を持った、一族の事を…」
「闇の一族だって…噂では聞いたことがあるが、その様な一族は、今は存在しないと教わったよ。そもそもそんな一族がいたら、今頃国中が大騒ぎだ。せっかく魔王を倒したのだからね」
「そうですね…ですが、何千年もの間、闇の一族はずっと、息をひそめて生きてきたのです。そう、我がクレスロン男爵家としてね。4000年前、魔王誕生にも貢献したと聞いております。
とはいえ、我がクレスロン男爵家も、今では闇の一族と言われるほどの魔力を持っているのは、たった1人。4000年前、魔王誕生に貢献した男ただ1人だけ…」
「4000年前、魔王誕生に貢献した男だって?一体どういうことだい?闇の魔力を持った者は、永遠の命が与えられているのかい?それに、男爵家が闇の一族とは…」
この男は、一体何を言っているのだ?クレスロン男爵家が、闇の魔力を持った一族だって?
「いいや、僕1人で十分だ!ついてこないでくれ!」
「いいえ、そういう訳にはいきません。私も参ります」
「それじゃあ、もういいよ!」
ベッドにもぐりこみ、丸くなる。
僕が少しでも部屋から出ようとすると、すぐに護衛が飛んできて一緒について来ようとする。
きっと僕が、ジルバードに何か手を出すとでも、考えているのだろう。ジルバード!あいつのせいで、僕は!
確かに僕は、魔王討伐には一切参加しなかった。でもそれは、次期国王になる僕が、万が一魔物たちに襲われ、命を落としたら大問題になるからだ。そもそも第二王子でもあるジルバードが、率先して魔王を倒すというのがこの国のルールだったはずだ。
僕はそのルールにのっとって、行動しただけなのに…それなのに、どうして王太子の座をはく奪されないといけないんだ!それにアイリーンの事だって…
確かに彼女につらく当たった事もあった。でもそれは、彼女が魔力を持っていなかったからだ。それにレア嬢、あの女の嘘にまんまと嵌められたからだ!あの女、絶対に許さない!この手で八つ裂きにしてやりたかったのに、あっさり国外追放になるだなんて!
そもそも僕は、ずっと500年前の英雄、ジャンティーヌに憧れていたんだ。アイリーンがジャンティーヌの生まれ変わりだと知っていたら、もっと大切にしたのに!
それもこれも全て、ジルバードのせいだ。あいつが僕のものを全て奪ったんだ!
憎い、憎い、憎い!ジルバードが憎い!
「随分と憎しみの念が、増大していらっしゃいますね…」
ん?人の声?
布団から顔を出すと、そこにいたのは…
「クレスロン元男爵が、どうしてここにいるのだい?男爵家は潰されたのでは?そもそも、どうやって僕の部屋に入って来たのだい?見張りの兵士たちは…
えっ?皆倒れている?一体何が起こったのだい?」
僕の護衛たちは、この国でも優秀な魔力を持った者たち。そんな者たちが、こうも簡単に倒れているんだなんて。その上、物音すらしなかったぞ…
一体どうやって、入って来たのだろう。
「そんなに驚かないで下さい。レドルフ殿下。私はあなた様の願いを叶えるために、ここに来たのです。殿下、ジルバード殿下が憎いのでしょう?あなたの大切なものを、全て奪っていくジルバード殿下が…」
「ああ、憎いよ。僕はただ、国のルールにのっとり行動しただけなのに!それなのに、なぜジルバードに王太子の座を譲らないといけないのだい?そのうえ、アイリーンまで奪っていって。本当に憎らしい。あいつさえいなければ、僕は!」
ジルバードさえいなければ、次期国王の座もアイリーンも、僕のものなのに!憎い、ジルバードが憎い!あの男を消し去りたい!
「いいですな、その憎しみの感情…殿下、私と取引をしませんか?我が一族の…いいや、あの男の力を使えば、全てを手に入れる事が出来るのです。そのうえ、ジルバード殿下を奈落の底に突き落とすことも可能」
「何を言っているのだい?そんな事、男爵をはく奪され、平民になった君に出来る訳がないだろう?バカも休み休み言ってくれ!」
既に平民になった元男爵に、何が出来ると言うのだ!本当にバカバカしい!
「闇の魔力を持つ者の一族を、殿下はご存じですか?その昔、魔王を誕生させられるほどの魔力を持った、一族の事を…」
「闇の一族だって…噂では聞いたことがあるが、その様な一族は、今は存在しないと教わったよ。そもそもそんな一族がいたら、今頃国中が大騒ぎだ。せっかく魔王を倒したのだからね」
「そうですね…ですが、何千年もの間、闇の一族はずっと、息をひそめて生きてきたのです。そう、我がクレスロン男爵家としてね。4000年前、魔王誕生にも貢献したと聞いております。
とはいえ、我がクレスロン男爵家も、今では闇の一族と言われるほどの魔力を持っているのは、たった1人。4000年前、魔王誕生に貢献した男ただ1人だけ…」
「4000年前、魔王誕生に貢献した男だって?一体どういうことだい?闇の魔力を持った者は、永遠の命が与えられているのかい?それに、男爵家が闇の一族とは…」
この男は、一体何を言っているのだ?クレスロン男爵家が、闇の魔力を持った一族だって?
あなたにおすすめの小説
【完結】断罪された悪役令嬢は、本気で生きることにした
きゅちゃん
ファンタジー
帝国随一の名門、ロゼンクロイツ家の令嬢ベルティア・フォン・ロゼンクロイツは、突如として公の場で婚約者であるクレイン王太子から一方的に婚約破棄を宣告される。その理由は、彼女が平民出身の少女エリーゼをいじめていたという濡れ衣。真実はエリーゼこそが王太子の心を奪うために画策した罠だったにも関わらず、ベルティアは悪役令嬢として断罪され、社交界からの追放と学院退学の処分を受ける。
全てを失ったベルティアだが、彼女は諦めない。これまで家の期待に応えるため「完璧な令嬢」として生きてきた彼女だが、今度は自分自身のために生きると決意する。軍事貴族の嫡男ヴァルター・フォン・クリムゾンをはじめとする協力者たちと共に、彼女は自らの名誉回復と真実の解明に挑む。
その過程で、ベルティアは王太子の裏の顔や、エリーゼの正体、そして帝国に忍び寄る陰謀に気づいていく。かつては社交界のスキルだけを磨いてきた彼女だが、今度は魔法や剣術など実戦的な力も身につけながら、自らの道を切り開いていく。
失われた名誉、隠された真実、そして予期せぬ恋。断罪された「悪役令嬢」が、自分の物語を自らの手で紡いでいく、爽快復讐ファンタジー。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
心が折れた日に神の声を聞く
木嶋うめ香
ファンタジー
ある日目を覚ましたアンカーは、自分が何度も何度も自分に生まれ変わり、父と義母と義妹に虐げられ冤罪で処刑された人生を送っていたと気が付く。
どうして何度も生まれ変わっているの、もう繰り返したくない、生まれ変わりたくなんてない。
何度生まれ変わりを繰り返しても、苦しい人生を送った末に処刑される。
絶望のあまり、アンカーは自ら命を断とうとした瞬間、神の声を聞く。
没ネタ供養、第二弾の短編です。
「嫌われ者の公爵令嬢は神の愛し子でした。愛し子を追放したら国が傾いた!? 今更助けてと言われても知りません」連載版
まほりろ
恋愛
公爵令嬢のアデリナ・ブラウフォードの人生は実母の死後大きく変わった。
公爵は妻の葬儀が終わって間をあけず再婚。公爵と後妻の間には、再婚前に作った子供までいた。
アデリナは継母と異母妹に私物を奪われ、「離れ」と名ばかりの小屋に押し込められる。
腹違いの妹はアデリナを悪者に仕立て、周囲はそれを信じた。
本来ならアデリナの味方にならなくてはならない婚約者の王太子も、異母妹の魅力に骨抜きにされ全く頼りにならない。
学園の教師も、生徒も、生徒の保護者も王太子と異母妹の味方だ。
そんなアデリナにも唯一の味方がいる。それはトカゲのクヴェル。クヴェルは美少年に変身し、家事も炊事も裁縫も完璧にこなす不思議な存在だ。
実はクヴェルはこの国の建国に携わる水竜で、アデリナは三百年前に水竜を救った初代女王の生まれ変わりだったのだ。
アデリナを蔑ろにする国に嫌気がさしたクヴェルは、アデリナを連れて旅に出る。
神に去られた国は徐々に荒廃していき……。
一方その頃、祖国の荒廃を知らないアデリナはクヴェルとのグルメ旅を満喫していた。
「ん~~! このアップルパイは絶品! 紅茶も美味しい!!」
・人外×人間、竜×人間。
・短編版は小説家になろう、pixivにもアップしています。
・長編版を小説家になろうにも投稿しています。小説家になろう先行投稿。
「Copyright(C)2025-まほりろ」
※タイトル変更しました(2025/05/06)
✕「卒業パーティーで王太子から婚約破棄された公爵令嬢、親友のトカゲを連れて旅に出る〜私が国を出たあと井戸も湖も枯れたそうですが知りません」
✕「嫌われ者の公爵令嬢は国外追放を言い渡される。私が神の祝福持ちだと王家が気付いた時には国の崩壊が始まっていました」
◯新タイトル「嫌われ者の公爵令嬢は神の愛し子でした。愛し子を追放したら国が傾いた!? 今更助けてと言われても知りません」
・2025年5月16日HOTランキング2位!
ありがとうございます!
※表紙イラストは猫様からお借りしています。
【完結】王女様の暇つぶしに私を巻き込まないでください
むとうみつき
ファンタジー
暇を持て余した王女殿下が、自らの婚約者候補達にゲームの提案。
「勉強しか興味のない、あのガリ勉女を恋に落としなさい!」
それって私のことだよね?!
そんな王女様の話しをうっかり聞いてしまっていた、ガリ勉女シェリル。
でもシェリルには必死で勉強する理由があって…。
長編です。
よろしくお願いします。
カクヨムにも投稿しています。
お言葉ですが今さらです
MIRICO
ファンタジー
アンリエットは祖父であるスファルツ国王に呼び出されると、いきなり用無しになったから出て行けと言われた。
次の王となるはずだった伯父が行方不明となり後継者がいなくなってしまったため、隣国に嫁いだ母親の反対を押し切りアンリエットに後継者となるべく多くを押し付けてきたのに、今更用無しだとは。
しかも、幼い頃に婚約者となったエダンとの婚約破棄も決まっていた。呆然としたアンリエットの後ろで、エダンが女性をエスコートしてやってきた。
アンリエットに継承権がなくなり用無しになれば、エダンに利などない。あれだけ早く結婚したいと言っていたのに、本物の王女が見つかれば、アンリエットとの婚約など簡単に解消してしまうのだ。
失意の中、アンリエットは一人両親のいる国に戻り、アンリエットは新しい生活を過ごすことになる。
そんな中、悪漢に襲われそうになったアンリエットを助ける男がいた。その男がこの国の王子だとは。その上、王子のもとで働くことになり。
お気に入り、ご感想等ありがとうございます。ネタバレ等ありますので、返信控えさせていただく場合があります。
内容が恋愛よりファンタジー多めになったので、ファンタジーに変更しました。
他社サイト様投稿済み。
姉から奪うことしかできない妹は、ザマァされました
饕餮
ファンタジー
わたくしは、オフィリア。ジョンパルト伯爵家の長女です。
わたくしには双子の妹がいるのですが、使用人を含めた全員が妹を溺愛するあまり、我儘に育ちました。
しかもわたくしと色違いのものを両親から与えられているにもかかわらず、なぜかわたくしのものを欲しがるのです。
末っ子故に甘やかされ、泣いて喚いて駄々をこね、暴れるという貴族女性としてはあるまじき行為をずっとしてきたからなのか、手に入らないものはないと考えているようです。
そんなあざといどころかあさましい性根を持つ妹ですから、いつの間にか両親も兄も、使用人たちですらも絆されてしまい、たとえ嘘であったとしても妹の言葉を鵜呑みにするようになってしまいました。
それから数年が経ち、学園に入学できる年齢になりました。が、そこで兄と妹は――
n番煎じのよくある妹が姉からものを奪うことしかしない系の話です。
全15話。
※カクヨムでも公開しています
〈完結〉前世と今世、合わせて2度目の白い結婚ですもの。場馴れしておりますわ。
ごろごろみかん。
ファンタジー
「これは白い結婚だ」
夫となったばかりの彼がそう言った瞬間、私は前世の記憶を取り戻した──。
元華族の令嬢、高階花恋は前世で白い結婚を言い渡され、失意のうちに死んでしまった。それを、思い出したのだ。前世の記憶を持つ今のカレンは、強かだ。
"カーター家の出戻り娘カレンは、貴族でありながら離婚歴がある。よっぽど性格に難がある、厄介な女に違いない"
「……なーんて言われているのは知っているけど、もういいわ!だって、私のこれからの人生には関係ないもの」
白魔術師カレンとして、お仕事頑張って、愛猫とハッピーライフを楽しみます!
☆恋愛→ファンタジーに変更しました