邪魔者王女はこの国の英雄と幸せになります

Karamimi

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第18話:引越しをします

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目を開けると、見覚えのある天井が目に入った。ここは…

ゆっくり起き上がり、辺りを見渡す。ここは私の部屋だわ。確か私、帰りの馬車に揺られていた気がするのだけれど、どうしてベッドにいるのかしら?

「おはようございます、レアンヌ様。やっとお目覚めになられたのですね」

「おはよう、リサ。私、確か馬車に乗っていたはずなのだけれど…」

「馬車の中で眠ってしまわれたので、旦那様が部屋まで運んでくださったのです。よほどお疲れだったのでしょう。朝までぐっすり眠られておりましたよ。まずは湯あみから行いましょう。お着替えもしないと」

私、あのままずっと眠っていたのね。それも旦那様に運んでいただいただなんて。

「ごめんなさい、まさかあのままずっと眠っていただなんて。恥ずかしいわ。旦那様にもお礼を言わないと」

その時だった。扉を叩く音が聞こえ、窓を見ると、小鳥たちが窓を叩いていたのだ。急いで窓を開ける。

“おはよう、レアンヌ。昨日はとても楽しかったよ。リスやウサギたちが、レアンヌの様子を見てきて欲しいというから、見に来たよ。皆君がまた森に来てくれるのを、楽しみにしているんだ。次はいつ来てくれるのだい?”

「まあ、わざわざ様子を見に来てくれたのね。私もまた皆に会いたいわ。旦那様に許可を取って、近いうちに行くわ」

“出来るだけ早く来てね。それじゃあ僕たちは、レアンヌは元気そうだったって報告してくるね”

そう言って飛び立って行った小鳥たち。

「レアンヌ様は、本当に動物たちに好かれているのですね。私の姉も動物が大好きで、あなた様と同じように話しをしておりましたわ」

「まあ、リサのお姉様も…て、どこかで聞いた様な…旦那様のお母様も、動物がお好きで、よく話をしていたと言っていたけれど…」

「はい、旦那様…アントニオは私の姉の子、甥にあたります」

にっこり笑ってそう教えてくれたリサ…て、リサって旦那様の叔母様だったの!

「そんなに驚かなくてもよろしいではありませんか。私と旦那様は血は繋がっておりますが、私は平民です。それに、主人と使用人の関係ですわ」

いくら主人と使用人の関係と言っても、まさかリサが旦那様の叔母様だなんて。

「あの子も色々と苦労しておりまして。レアンヌ様、どうかこれからも、アントニオの事をよろしくお願いします。もちろんこれからも、私は使用人としてレアンヌ様にお仕えする予定でおりますわ」

「…ありがとう…リサ。こちらこそ、よろしくお願いします」

リサにぺこりと頭を下げた。リサがまさか旦那様のお母様の妹だったことは驚きだ。でも、リサはリサだ。これからも今まで通り、仲良く出来たらと思っている。

「さあ、湯あみを済ませてしまいましょう。そうそう、今日はレアンヌ様のお部屋の引越しをしようと思っておりますの。既に準備は整っておりますので、食後はそちらのお部屋に案内いたしますわ」

「えっ?引越しをするの?」

「はい、ここは客間で、急遽準備した部屋ですので。レアンヌ様は今後もこの屋敷で末永く暮らされるのですから、正式なお部屋を準備したのです」

「そうなのね、私の為に、ありがとう」

「こちらこそ、レアンヌ様のお部屋を準備するのが遅くなり、申し訳ございませんでした。さあ、早速湯あみを済ませましょう」

急いで湯あみを済ませ、いつもの様に部屋で朝食を頂いた。このお部屋で食事をするのも、今日で最後ね。そう思うと、なんだか寂しい気もする。

朝食を頂いた後、部屋からでると、そこには旦那様の姿が。

「おはようございます、旦那様。昨日は私をお部屋まで運んでいただいた様で、ありがとうございました。それから、新しいお部屋も準備して頂いたとの事で、本当に感謝しております」

「私は別に何もしてない!それから、部屋もいつまでも客間では居心地も悪いだろう。君は私の…その…妻なのだから…」

「あの…旦那様。最後の方があまりよく聞こえなかったのですが…」

仮面を被っているうえ、モソモソしゃべるからよく聞こえなかった。

「いいや、何でもない。さあ、君の部屋に案内しよう」

スッと私の手を握りると、旦那様が歩きだした。どうやらエスコートしてくれる様だ。やっぱり旦那様は優しいのね。

旦那様に連れられ、どんどん進んでいく。確かここから先は、リサから旦那様のお部屋があるから、近づいてはいけないと言われていたのだが…

そう思いつつも、どんどん奥へと進んでいく。そして立派な扉の前で止まった。旦那様が扉を開けると、そこには前の部屋の2倍の広さの立派なお部屋が広がっていた。

5人は寝られるのではないかというくらい、大きなベッド。本がぎっしり詰まった本棚。大きなクローゼットも備え付けられている。

「ここが君の部屋だ。一応必要な物は一通りそろえてあると思うのだが、もし他に必要な物があれば、遠慮なく言ってくれ」

「こんなに立派なお部屋を準備してくださったのですか?ありがとうございます。なんて素敵な部屋なのかしら?」

窓を開けると、立派なお庭が目に入った。ただ…森側ではないのね。その点だけが残念だが、そんな事は言えない。

「そうそう、リサから聞いたが、君は勉強がしたいらしいね。明日から家庭教師が来ることになっているから、好きなだけ勉強をするといい」

「まあ、もう手配してくださったのですか?何から何まで、本当にありがとうございます。それにしても、素敵な部屋だわ」

無理やり押しかけて来た私に、こんな立派なお部屋を与えて下さるだなんて。本当に旦那様には感謝してもしきれないわね。
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