邪魔者王女はこの国の英雄と幸せになります

Karamimi

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第33話:やっぱりリサは私の味方です

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次の瞬間、バンとドアが勢いよく開いたと思うと

「レアンヌ様!よかった、戻って来てくださったのですね」

そこには今にも泣きそうな顔のリサの姿が。

「リサ!」

旦那様から抜け出し、そのままリサに抱き着いた。やっぱりリサは落ち着くわ。ギューギューリサに抱き着く。

「レアンヌ様は随分と甘えん坊なのですね。あら?泣いていらしたのですか?お可哀そうに。旦那様に虐められたのですね」

「私はレアンヌを虐めていない。ただ、話を聞いていただけだ!」

グイっとリサから引き離された。

「それなら、どうしてレアンヌ様が泣いていらっしゃるのですか?そもそも、あなた様が傍にいながら精霊に連れ去られるだなんて…でもよく精霊が返してくれましたね」

「ええ、ミハイル様はとてもいい人で、帰りたいと言ったら返してくれましたわ。またいつでも遊びに来てもいいと言って下さって。リサ、ミハイル様の作った世界はとても素敵で、雲に乗れたり、虹色の花が咲いていたり、色とりどりの滝や虹もあちこちに掛かっていて、とても素敵なのよ」

リサの顔を見たら、つい嬉しくてミハイル様と過ごした日々を語ってしまった。

「やっぱりレアンヌはあの男と楽しんでいたのだね…君は私の妻なのに、他の男と楽しく遊んでいるだなんて。私がこの1週間、どんな気持ちで過ごしていたか」

低い声で淡々と話す旦那様。だから、それが怖いのよ。スッとリサの後ろに隠れる。

「旦那様、レアンヌ様を怯えさせてどうするのですか?レアンヌ様、申し訳ございません。ただ…この1週間、本当に旦那様はあなた様の事を心配していたのです。もちろん私も」

「そうだったのね。本当にごめんなさい」

改めて2人に頭を下げた。

「レアンヌ様、頭を上げて下さい。あなた様が帰って来てくださっただけで、私共は嬉しいのです。さあ、今日はもう遅いです。湯あみを済ませ、ゆっくり休んでください。明日には旦那様の機嫌も少しは直っているでしょう」

「私は別に、機嫌が悪い訳ではない。それよりもレアンヌを1人にするのは心配だ。今日からこの部屋で一緒に眠ろう。その方が、私も安心だ」

急に旦那様がその様な提案をしだしたのだ。さすがに旦那様と一緒に寝るのはちょっと…それに今日の旦那様、とても怒っているみたいで怖いし…

スッとリサの方を見る。すると…

「分かりましたわ。それでしたら、他の使用人と交代しながら、レアンヌ様を見ておりますわ。それならレアンヌ様が1人になる事もないでしょう」

「いいや、ダメだ!とにかく、私はレアンヌが傍にいないと、不安でたまらないのだ。湯あみを済ませたら、この部屋に来る様に。いいね、これは夫として、この家の主としての命令だ!」

そう言い切られてしまった。確かに私は旦那様に嫁いだのだから、旦那様の言う事は聞かないといけないだろう。

「分かりましたわ。それでは、湯あみを済ませてきます」

そう言って一旦リサと一緒に旦那様の部屋を出て、自室に戻った。そして湯あみを済ませる。久しぶりの私の部屋。ミハイル様の世界もよかったけれど、やっぱりここが一番落ち着くわ。いつの間にか、ここが私の居場所になったね。

メイドたちが髪を乾かしてくれる。あら?そう言えばリサの姿がないわ。そう思っていると

「レアンヌ様、とりあえず旦那様のお部屋に、もう1つ簡易のベッドを準備いたしました。少し小さめで申し訳ございませんが、どうかそこでお休みください」

「まあ、私の為にベッドを準備してくれたの?ありがとう」

だからリサの姿がなかったのね。早速旦那様の部屋に行くと、少し不機嫌そうな顔をした旦那様が待っていた。

「旦那様、今日はお邪魔させていただきますね。それでは、おやすみなさい」

ミハイル様の世界ではずっと寝ていなかったせいか、この世界に戻ってきたら、急に眠くなってきた。早速簡易のベッドに潜り込む。温かくて気持ちいいわ。

「レアンヌ、もう寝るのかい?少し話をしないかい?」

話とは、お説教の続きかしら?もう旦那様の殺気立った雰囲気の中で、お説教を聞くのは御免だわ。

「申し訳ございません。何だかとても眠くて…今日は休ませていただきますわ」

そう伝え、ゆっくりと目を閉じた。なんだか急に眠くなってきたわ。

そのまま私は、あっという間に眠りについたのだった。




~あとがき~
『レアンヌが湯あみをしている間のアントニオとリサのやり取り』

「ここら辺においてくれるかしら?旦那様のベッドと少し離して置いてちょうだい」

アントニオの部屋にやって来たリサが、使用人たちが運んできたベッドの置き場を指示する。

「リサ、一体何事だ。何なんだ、このベッドは」

「レアンヌ様のベッドです」

「なぜそのようなものが必要なのだ?私のベッドで一緒に寝ればいいだろう?すぐにこのベッドは撤去してくれ!」

「いいえ、いけません。旦那様、いくらレアンヌ様が好きだからと言って、今日から一緒に寝ようだなんて。きっとレアンヌ様の心の準備もまだ出来ておりませんわ。そもそも、レアンヌ様は、あなた様を恋愛対象として見ていないのではないでしょうか?それに、夜の方はまだ教えておりませんので、多分ご存じありません」

「何だと?どうして教えていないのだ!公爵夫人とはどういったものかを、説明していなかったのか?家庭教師は何をしているのだ?」

怒り狂うアントニオに対し、ため息を付くリサ。

「旦那様、そもそもあなた様は、レアンヌ様を妻として認めていませんでしたよね。それを自分が好きになったからと言って、掌を返してレアンヌ様を抱こうだなんて…」

「確かに私はレアンヌの事を妻として認めていなかったが…でも彼女は私の妻だ。いずれ子供だって欲しい!」

「はぁ…分かりました。では、近々家庭教師に、夫婦とはどんなものかを、レアンヌ様に教えてもらう様話をしておきます。ですが、レアンヌ様の心の準備が出来るまで、手を出すことはお控えください。それでは失礼します!」

さっさと部屋から出ていくリサ。

「おい、リサ。私達は夫婦だ、どうして手を出してはいけないのだ!」

そう叫んだものの、感情が抑えられずにさっき泣かせてしまった事を後悔しているアントニオ。これ以上嫌われたくないと考え、彼女を抱く事だけはしばらく我慢しようと心に誓ったのだった。
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