邪魔者王女はこの国の英雄と幸せになります

Karamimi

文字の大きさ
44 / 48

第44話:因果応報とはこのことです

しおりを挟む
「ちょっと、あなた。何を言っているの?誰が癇癪もちで我が儘よ!やっぱりまだあの女の事を愛していたのね。あの女の子供を抱きしめるだなんて!」

キーキー言いながら、お父様に迫る王妃様。

「レアンヌは私の娘だ。娘を抱きしめて何が悪い。今までは、君の癇癪が苦手で避けていたが、もう私は逃げない。この国の為にも、君に殺されたレティシアの為にも、そしてレアンヌの為にもだ!レティシア殺害の件も、今後しっかり調査を進めさせてもらう。さらに、公の場で、貴族たちに対する侮辱行為、とても庇えるものではない。君は王妃にはふさわしくない。近々会議を開き、離縁の方向で話を進めさせてもらうから!」

「何ですって?そんな事、お父様が許すわけがありませんわ!」

「確かにかつては絶大な権力を持っていた君の実家も、今や権力は衰えつつある。それに、君を王妃に置いておくことに反対の貴族も多いんだ!」

お父様の言葉に、大勢の貴族が頷いている。

「どうして…どうしてよ。嫌よ、やっと王妃になれたのに…」

「それからカトレナ。私は君の教育も間違えた様だ。とにかく今回の件、私は実の娘だからと言って、甘い処罰を与えるつもりはない。私は国王として恥じない様裁きを下すつもりだ。カトレナをアレクスリア王国王妃暗殺未遂の容疑で、今すぐ牢へ入れろ」

お父様の言葉で、騎士たちがカトレナ王女の元に向かう。

「私の可愛いカトレナに触れないで頂戴。そもそも、あの女の子供が全て行けないのよ。レアンヌ、あんたさえいなければ…」

「お母様の言う通りだわ。あなたさえいなければ、私はアントニオ様と幸せになれたのに…」

王妃様とカトレナ王女が凄い勢いで私に襲い掛かって来た。手には短刀を握っている。一体どこから短刀なんて持ち出したの?すかさず旦那様が私の前に立った。

その時だった。

“レアンヌを守れ”

“レアンヌに手を出すな”

この声は…

一瞬何かが光ったかと思うと、どこからともなく現れた動物たちが、一斉に王妃様とカトレナ王女に襲い掛かる。

「キャァァ、痛い!何なの、この動物たちは。やめなさい。あっちに行って!」

“レアンヌを虐める奴は僕たちが許さないぞ。皆、もっとやれ”

次々と襲い掛かる動物たち。一体どうやって…

“やれやれ、本当に人間とは、醜い生き物だな…レアンヌ、久しぶりだな。相変わらずそこの嫉妬深い男に縛り付けられているのか。レアンヌがピンチの様だったから、助けに来たぞ”

姿を現したのは、なんとミハイル様だ。

「ミハイル様、それに皆も」

「森の精霊、まだレアンヌを諦めていなかったのだな!レアンヌは私の妻だ。あなたには渡さない!」

旦那様がそう叫んでいる。

“本当に嫉妬深い男だな。レアンヌ、どうだ、その嫉妬深い男よりも、私と共に生きないかい?”

そう言ってほほ笑んでいるミハイル様。相変わらず冗談が好きね。

「ミハイル様、またその様なご冗談を。私は旦那様と共に生きると決めたのです。それに私、旦那様がいないと、生きていけませんので」

“そう言うと思ったよ。あの醜い人間たちも、動物たちに懲らしめられて少しは大人しくなるだろう。それじゃあレアンヌ、また会おう”

私のおでこに口づけをして、ミハイル様は消えてしまった。さらに動物たちも次々と消えていく。

「一体何だったんだ、今のは…」

「アントニオ陛下が、森の精霊と呼んでいたわ。もしかしてレアンヌ様は、森の精霊を操れるのかしら?」

「伝説の精霊か…話しは聞いたことがあるが、実際お目にかかったのは初めてだ。あの様な尊いお方が、レアンヌ様についていらっしゃるだなんて…それに口づけをしていたぞ」

次々と驚きの声を上げている。

「あぁ…」

王妃様とカトレナ王女がうなり声をあげたのだ。皆が一斉に彼女たちの方を見る。

「おい、見ろよ。王妃殿下とカトレナ殿下の姿…」

動物たちに引っかかれたり噛みつかれたりしたのか、ドレスはボロボロ、髪もボサボサ、アクセサリーはその場に散らばり、あちこち怪我をしている。これは酷い…

「ちょっと、レアンヌ。あなた一体何をしたのよ!絶対に許せないわ。あの動物たち!今すぐ動物たちを操ったレアンヌと、動物たちを捕まえなさい!今すぐよ!」

そう叫んでいるが、皆全く動く気配はない。それどころか、皆が一斉に王妃様とカトレナ王女を冷たい眼差しで見下ろしている。

「元第二王女で現アレクスリア王国の王妃殿下に危害を加えようとした、王妃とカトレナを今すぐ地下牢へ入れろ!これ以上王族の醜態をさらすわけには行かない。急げ」

「はっ!!」

お父様の指示で、ボロボロの王妃様とカトレナ王女は引きずられるようにして連れて行かれた。

「ちょっと、どうして私たちがこんな目に合わないといないのよ!離して」

「レアンヌのせいよ、全てあんたの!」

そう叫びながら退場していく2人。今まで散々好き勝手して来た2人には、まさに因果応報という言葉がよく合う…

ここにいた全員が、そう感じたのだった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

〖完結〗旦那様が私を殺そうとしました。

藍川みいな
恋愛
私は今、この世でたった一人の愛する旦那様に殺されそうになっている。いや……もう私は殺されるだろう。 どうして、こんなことになってしまったんだろう……。 私はただ、旦那様を愛していただけなのに……。 そして私は旦那様の手で、首を絞められ意識を手放した…… はずだった。 目を覚ますと、何故か15歳の姿に戻っていた。 設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。 全11話で完結になります。

年増令嬢と記憶喪失

くきの助
恋愛
「お前みたいな年増に迫られても気持ち悪いだけなんだよ!」 そう言って思い切りローズを突き飛ばしてきたのは今日夫となったばかりのエリックである。 ちなみにベッドに座っていただけで迫ってはいない。 「吐き気がする!」と言いながら自室の扉を音を立てて開けて出ていった。 年増か……仕方がない……。 なぜなら彼は5才も年下。加えて付き合いの長い年下の恋人がいるのだから。 次の日事故で頭を強く打ち記憶が混濁したのを記憶喪失と間違われた。 なんとか誤解と言おうとするも、今までとは違う彼の態度になかなか言い出せず……

【完結】何故こうなったのでしょう? きれいな姉を押しのけブスな私が王子様の婚約者!!!

りまり
恋愛
きれいなお姉さまが最優先される実家で、ひっそりと別宅で生活していた。 食事も自分で用意しなければならないぐらい私は差別されていたのだ。 だから毎日アルバイトしてお金を稼いだ。 食べるものや着る物を買うために……パン屋さんで働かせてもらった。 パン屋さんは家の事情を知っていて、毎日余ったパンをくれたのでそれは感謝している。 そんな時お姉さまはこの国の第一王子さまに恋をしてしまった。 王子さまに自分を売り込むために、私は王子付きの侍女にされてしまったのだ。 そんなの自分でしろ!!!!!

愛してしまって、ごめんなさい

oro
恋愛
「貴様とは白い結婚を貫く。必要が無い限り、私の前に姿を現すな。」 初夜に言われたその言葉を、私は忠実に守っていました。 けれど私は赦されない人間です。 最期に貴方の視界に写ってしまうなんて。 ※全9話。 毎朝7時に更新致します。

【完結】私は聖女の代用品だったらしい

雨雲レーダー
恋愛
異世界に聖女として召喚された紗月。 元の世界に帰る方法を探してくれるというリュミナス王国の王であるアレクの言葉を信じて、聖女として頑張ろうと決意するが、ある日大学の後輩でもあった天音が真の聖女として召喚されてから全てが変わりはじめ、ついには身に覚えのない罪で荒野に置き去りにされてしまう。 絶望の中で手を差し伸べたのは、隣国グランツ帝国の冷酷な皇帝マティアスだった。 「俺のものになれ」 突然の言葉に唖然とするものの、行く場所も帰る場所もない紗月はしぶしぶ着いて行くことに。 だけど帝国での生活は意外と楽しくて、マティアスもそんなにイヤなやつじゃないのかも? 捨てられた聖女と孤高の皇帝が絆を深めていく一方で、リュミナス王国では次々と異変がおこっていた。 ・完結まで予約投稿済みです。 ・1日3回更新(7時・12時・18時)

【完結】捨てたものに用なんかないでしょう?

風見ゆうみ
恋愛
血の繋がらない姉の代わりに嫁がされたリミアリアは、伯爵の爵位を持つ夫とは一度しか顔を合わせたことがない。 戦地に赴いている彼に代わって仕事をし、使用人や領民から信頼を得た頃、夫のエマオが愛人を連れて帰ってきた。 愛人はリミアリアの姉のフラワ。 フラワは昔から妹のリミアリアに嫌がらせをして楽しんでいた。 「俺にはフラワがいる。お前などいらん」 フラワに騙されたエマオは、リミアリアの話など一切聞かず、彼女を捨てフラワとの生活を始める。 捨てられる形となったリミアリアだが、こうなることは予想しており――。

【完結】本物の聖女は私!? 妹に取って代わられた冷遇王女、通称・氷の貴公子様に拾われて幸せになります

Rohdea
恋愛
───出来損ないでお荷物なだけの王女め! “聖女”に選ばれなかった私はそう罵られて捨てられた。 グォンドラ王国は神に護られた国。 そんな“神の声”を聞ける人間は聖女と呼ばれ、聖女は代々王家の王女が儀式を経て神に選ばれて来た。 そして今代、王家には可愛げの無い姉王女と誰からも愛される妹王女の二人が誕生していた…… グォンドラ王国の第一王女、リディエンヌは18歳の誕生日を向かえた後、 儀式に挑むが神の声を聞く事が出来なかった事で冷遇されるようになる。 そして2年後、妹の第二王女、マリアーナが“神の声”を聞いた事で聖女となる。 聖女となったマリアーナは、まず、リディエンヌの婚約者を奪い、リディエンヌの居場所をどんどん奪っていく…… そして、とうとうリディエンヌは“出来損ないでお荷物な王女”と蔑まれたあげく、不要な王女として捨てられてしまう。 そんな捨てられた先の国で、リディエンヌを拾ってくれたのは、 通称・氷の貴公子様と呼ばれるくらい、人には冷たい男、ダグラス。 二人の出会いはあまり良いものではなかったけれど─── 一方、リディエンヌを捨てたグォンドラ王国は、何故か謎の天変地異が起き、国が崩壊寸前となっていた…… 追記: あと少しで完結予定ですが、 長くなったので、短編⇒長編に変更しました。(2022.11.6)

【完結】聖女は国を救わないと決めていた~「みんなで一緒に死にましょうよ!」と厄災の日、聖女は言った

ノエル
恋愛
「来たりくる厄災から、王国を救う娘が生まれる。娘の左手甲には星印が刻まれている」 ――女神の神託により、王国は「星印の聖女」を待ち望んでいた。 完璧な星印を持つ子爵令嬢アニエスと、不完全な星印しか持たない公爵令嬢レティーナ。 人々はこぞってアニエスを“救いの聖女”と讃え、レティーナを虐げた。 だが、本当に王国を救うのは、誰なのか。 そして、誰にも愛されずに生きてきたレティーナの心を誰が救うのか。

処理中です...