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第43話:陛下の思い
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シーンと静まり返るホール。
すると1人の貴族が
「分かりました、それでは私共は、この国を出ます。アントニオ国王陛下、どうか私共も、アレクスリア王国へ連れて行ってください」
そう叫んだのだ。すると彼を皮切りに
「私も」
「私もお願いします」
ここにいた貴族たちが、一斉に国を出たいと言い出したのだ。
「待ってくれ、貴族全員に出ていかれては、この国は成り立たない。そもそも王族は、貴族に支えられて生きているのだ。だからどうか、出て行かないでくれ。とにかくカトレナは、レアンヌを殺害しようとした罪で、厳正なる処罰を与える事にする」
「ちょっとあなた、どうしてカトレナを処罰するの?あの子は私達の大切な子供なのよ!」
「そうよ、私は悪くないわ」
陛下に向かって、ギャーギャー文句を言う王妃様とカトレナ王女。あまりの迫力に、陛下も困惑している。こうやって陛下はいつも責められてきたのだろう。そう思ったら、なんだか可哀そうになって来た。
「王妃様、それからカトレナ殿下も少し落ち着いて下さい。あなた様の行動で、陛下が困っておられますわ。それに貴族たちも、愛想をつかしてしまっております。そもそも王族は、貴族はもちろん、平民にも支えられているのではありませんか?自分の思い通りにいかないからと言って、癇癪を起すべきではありません。王族は誰よりも謙虚な存在でなければいけないのではないのでしょうか?どうか自分たちの過ちを認め、この国をより良いものにしていく事を考えてはいかがですか?」
この国は王族の為にあるのではない。ここに住む貴族や民の為にあると私は思っている。だからこそ、権力を振りかざすべきではないと思ったのだ。
「な…何なのよ!ちょっと自分が王妃になったからって偉そうなことを言って!ボロボロの離宮で惨めに暮らしていたあなたが、いつからそんな偉そうな口をきけるようになったのかしら?」
「さすがあの女の娘ね。私達に意見するだなんて、図々しい!」
今度は私に向かって、顔を真っ赤にして怒り狂う王妃様とカトレナ王女。すかさず旦那様が私を抱き寄せ、2人を睨んでいる。
「君たち、いい加減に…」
「いい加減にしてくれ!レアンヌは何も間違った事を言っていない!レアンヌの言う通り、これ以上王族に恥をかかせるような事を言うのは止めてくれ!」
そう叫んだのは、陛下だ。
「私が間違っていた。私は昔から、癇癪もちで我が儘でどうしようもない君が、大嫌いだった。何度も君との婚約破棄を申し出たが、受け入れられることはなかった。そんな中、レアンヌの母親、レティシアに出会った。いつも笑顔で、私に優しく接してくれる彼女にどんどん惹かれていった。彼女が傍にいてくれたら、私は何もいらない。彼女だけは絶対に守ろう、そう誓って、無理やり彼女を私の妾にした。でも…」
ポロポロと涙を流す陛下。
「私は王妃の激しい嫉妬と癇癪に耐え切れず、大切なレティシアとレアンヌを、狭い離宮に閉じ込めてしまった。レティシアが死んだとき…いいや、王妃に殺されたときも、葬儀すら上げてやれなかった。まだ幼かったレアンヌの事を心配しつつも、王妃の機嫌を取るため、彼女にも劣悪な環境を与え続けた。結局私は、たった1人愛した女性を不幸にし、娘にも苦労を強いてしまった最低な男だ…すまない、レティシア、レアンヌ」
その場で泣き崩れてしまった陛下。そっと陛下の傍に近づいた。
「陛下、どうか泣かないで下さい。確かに辛い事もありましたが、私も母も、離宮でそれなりに楽しく暮らしておりましたわ。それに、今はたくさんの大切な人に囲まれて、私は幸せです。ですから、もう謝らないで」
陛下に向かってほほ笑む。
「レアンヌ…ありがとう。君を見ていると、若い頃のレティシアを見ている様だ。私の大切な娘…」
そう言うと私を抱きしめる陛下。初めて味わう、父の温もり。
「レアンヌ、本当に今まですまなかった。こうやってずっとレアンヌを抱きしめたかった。でも…私は本当に弱くてダメな人間なんだ。こんな当たり前の事もしてやれなかったのだから…レアンヌ、どうかこれからは、幸せになってくれ」
「もちろんですわ。お父様。どうかお父様も、お体を大切になさってください」
気が付くと、自然とお父様と呼んでいた。そしてお父様からすっと離れると、貴族の方を向き直す。
「皆様、どうか…どうか父をよろしくお願いいたします」
改めて皆に頭を下げた。すると、大きな拍手が沸き上がる。
さらにお父様も
「アントニオ国王陛下、どうか…娘をよろしくお願いします。私が幸せに出来なかった分、あなた様の手で幸せにしてやってください」
何度も何度も旦那様に頭を下げるお父様。きっとお父様も、今まで苦しんできたのだろう。お父様の涙を見て、なんだかそんな気がした。
すると1人の貴族が
「分かりました、それでは私共は、この国を出ます。アントニオ国王陛下、どうか私共も、アレクスリア王国へ連れて行ってください」
そう叫んだのだ。すると彼を皮切りに
「私も」
「私もお願いします」
ここにいた貴族たちが、一斉に国を出たいと言い出したのだ。
「待ってくれ、貴族全員に出ていかれては、この国は成り立たない。そもそも王族は、貴族に支えられて生きているのだ。だからどうか、出て行かないでくれ。とにかくカトレナは、レアンヌを殺害しようとした罪で、厳正なる処罰を与える事にする」
「ちょっとあなた、どうしてカトレナを処罰するの?あの子は私達の大切な子供なのよ!」
「そうよ、私は悪くないわ」
陛下に向かって、ギャーギャー文句を言う王妃様とカトレナ王女。あまりの迫力に、陛下も困惑している。こうやって陛下はいつも責められてきたのだろう。そう思ったら、なんだか可哀そうになって来た。
「王妃様、それからカトレナ殿下も少し落ち着いて下さい。あなた様の行動で、陛下が困っておられますわ。それに貴族たちも、愛想をつかしてしまっております。そもそも王族は、貴族はもちろん、平民にも支えられているのではありませんか?自分の思い通りにいかないからと言って、癇癪を起すべきではありません。王族は誰よりも謙虚な存在でなければいけないのではないのでしょうか?どうか自分たちの過ちを認め、この国をより良いものにしていく事を考えてはいかがですか?」
この国は王族の為にあるのではない。ここに住む貴族や民の為にあると私は思っている。だからこそ、権力を振りかざすべきではないと思ったのだ。
「な…何なのよ!ちょっと自分が王妃になったからって偉そうなことを言って!ボロボロの離宮で惨めに暮らしていたあなたが、いつからそんな偉そうな口をきけるようになったのかしら?」
「さすがあの女の娘ね。私達に意見するだなんて、図々しい!」
今度は私に向かって、顔を真っ赤にして怒り狂う王妃様とカトレナ王女。すかさず旦那様が私を抱き寄せ、2人を睨んでいる。
「君たち、いい加減に…」
「いい加減にしてくれ!レアンヌは何も間違った事を言っていない!レアンヌの言う通り、これ以上王族に恥をかかせるような事を言うのは止めてくれ!」
そう叫んだのは、陛下だ。
「私が間違っていた。私は昔から、癇癪もちで我が儘でどうしようもない君が、大嫌いだった。何度も君との婚約破棄を申し出たが、受け入れられることはなかった。そんな中、レアンヌの母親、レティシアに出会った。いつも笑顔で、私に優しく接してくれる彼女にどんどん惹かれていった。彼女が傍にいてくれたら、私は何もいらない。彼女だけは絶対に守ろう、そう誓って、無理やり彼女を私の妾にした。でも…」
ポロポロと涙を流す陛下。
「私は王妃の激しい嫉妬と癇癪に耐え切れず、大切なレティシアとレアンヌを、狭い離宮に閉じ込めてしまった。レティシアが死んだとき…いいや、王妃に殺されたときも、葬儀すら上げてやれなかった。まだ幼かったレアンヌの事を心配しつつも、王妃の機嫌を取るため、彼女にも劣悪な環境を与え続けた。結局私は、たった1人愛した女性を不幸にし、娘にも苦労を強いてしまった最低な男だ…すまない、レティシア、レアンヌ」
その場で泣き崩れてしまった陛下。そっと陛下の傍に近づいた。
「陛下、どうか泣かないで下さい。確かに辛い事もありましたが、私も母も、離宮でそれなりに楽しく暮らしておりましたわ。それに、今はたくさんの大切な人に囲まれて、私は幸せです。ですから、もう謝らないで」
陛下に向かってほほ笑む。
「レアンヌ…ありがとう。君を見ていると、若い頃のレティシアを見ている様だ。私の大切な娘…」
そう言うと私を抱きしめる陛下。初めて味わう、父の温もり。
「レアンヌ、本当に今まですまなかった。こうやってずっとレアンヌを抱きしめたかった。でも…私は本当に弱くてダメな人間なんだ。こんな当たり前の事もしてやれなかったのだから…レアンヌ、どうかこれからは、幸せになってくれ」
「もちろんですわ。お父様。どうかお父様も、お体を大切になさってください」
気が付くと、自然とお父様と呼んでいた。そしてお父様からすっと離れると、貴族の方を向き直す。
「皆様、どうか…どうか父をよろしくお願いいたします」
改めて皆に頭を下げた。すると、大きな拍手が沸き上がる。
さらにお父様も
「アントニオ国王陛下、どうか…娘をよろしくお願いします。私が幸せに出来なかった分、あなた様の手で幸せにしてやってください」
何度も何度も旦那様に頭を下げるお父様。きっとお父様も、今まで苦しんできたのだろう。お父様の涙を見て、なんだかそんな気がした。
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