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第52話:皆が祝福してくれたけれど…
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「ユーリ、おはよう。まさかあなたとディアン様が、婚約を結ぶ日が来るだなんてね。それで、いつ婚約披露パーティーを行う?もうあなたも15歳だし、早い方がいいわよね。アンとも話したのだけれど、3ヶ月後なんてどうかしら?」
お母様が朝から嬉しそうに、話しかけてきたのだ。婚約披露パーティー。我が国では貴族が婚約をすると、お披露目のパーティーを行う事が一般的だ。その場で披露し、皆から祝福を受ける。
でも私は…
「お母様、その件なのですが、ディアンやお父様たちの意見もあるでしょうから、少し待ってもらえませんか?」
「ユーリったら、そんな呑気な事を言って。もしかして、アレックス様の事を気にしているの?あれほどアレックス様に傷つけられ拒否され、ボロボロにされたのに、あなたって子は…ユーリの気持ちは分かるけれど、婚約を結んだら早々に披露パーティーをするのが貴族界の暗黙のルールなのよ。伯爵家の人間が、もったいぶっている訳にはいかないの」
お母様の言う通り、高貴な身分になればなるほど、準備に時間がかかるため、お披露目まで1年かかる事もある。ただ、我が家もディアンの家も、伯爵家だ。通常伯爵家同士の婚約披露は、4~5ヶ月が一般的。これ以上遅れると、高貴な身分でもないのに、何を準備に戸惑っているのか?など、陰口をたたかれる事もある。
やっぱり引き延ばしても、5ヶ月が限度か…
「分かりましたわ。それなら、せめて5ヶ月後というのはどうでしょう。もちろん、私の一存では決められませんが…」
「そうね、5ヶ月後なら、まあ許容範囲ね。アンにも話してみるわ」
嬉しそうにお母様が去っていく。早速ディアンのお母様の元に向かったのだろう。あんなに嬉しそうなお母様の顔、久しぶりに見たわ。お母様には散々心配をかけたものね。
さあ、私も貴族学院に向かわないと。でも。一体どんな顔をして、アレックス様に会えばいいのだろう…
ディアンと婚約できたのは嬉しいが、アレックス様の事を考えると気が重い。私ったらダメね、こんなんじゃあ、ディアンを幸せに出来ないわ…
はぁっとため息をつきつつ、馬車に乗り込んだ。いつもと見慣れた街並みを、ただ見つめる。
しばらく走ると、貴族学院が見えて来た。アレックス様、もう来ているかしら?どんな顔をして会えばいいのかしら?一気に不安が押し寄せる。でも、自分で決めた道だ。
深呼吸をすると、馬車から降りた。
すると
「おはよう、ユーリ。その指輪、付けてきてくれたのだね。嬉しいよ。さあ、一緒に教室に行こう」
私の元にやって来たのは、ディアンだ。ディアンの顔を見た途端、一気に心が穏やかになる。ディアンが傍にいてくれると、私の心は落ち着くのだ。
「おはよう、ディアン。もちろん付けてくるわ。本当にこの指輪、素敵ね。ありがとう、ディアン」
私とディアンは正式に婚約を結ぶことが決まったのだ。婚約者がいる令嬢は、婚約者から贈られた指輪を付けるのが一般的。その為私も、指輪を付けてきている。
ディアンと一緒に教室に入ると、友人たちが一斉に飛んできた。
「ユーリ、ディアン様、ご婚約決定おめでとう。まさか2人が、急に婚約を結ぶ事になるだなんて」
「ユーリから手紙をもらって驚いたわ。2人が思い合っている事は知っていたけれど、最近はその…」
「まあ、色々とあったみたいだけれど、結ばれて本当によかったわ。ユーリ、ディアン様、おめでとう」
友人たちから嬉しい祝福を頂いた。その言葉を聞いたクラスメイト達も
「まあ、ユーリ様とディアン様がご婚約を?おめでとうございます」
「ディアンはずっと、ユーリ嬢を想っていたからな。おめでとう」
次々と祝福の声を頂いた。
さらに
「おめでとうございます、ユーリ様、ディアン様。ユーリ様、私が手掛けた指輪、どうですか?素敵でしょう?私の自信作なのです。私、実は宝石デザイナーになるのが夢で。今回ユーリ様に贈る指輪をデザインさせていただいた事、光栄に思いますわ」
私達の元にやって来たのは、セレナ様だ。
「まあ、この指輪、セレナ様がデザインされたのですか?とても素敵ですわ。セレナ様の領地は、良質な宝石が沢山取れますものね」
「ええ、そうなのです。せっかく沢山宝石が取れるのなら、その宝石を使って、沢山の人に喜んで欲しいと思い、デザインを始めたのがきっかけなのですが。それが楽しくて楽しくて。宜しければ皆様も、ぜひ私がデザインしたアクセサリーを、身に付けて下さるとうれしいですわ」
いつも穏やかな表情を浮かべているセレナ様が、今まで見たことがないほど目を輝かせて話している。よほど好きなのだろう。
さらにセレナ様は、自分がデザインしたアクセサリーをいくつか見せてくれた。彼女のセンスは素晴らしく、令嬢たちを一気に虜にしていた。
「カレテイス伯爵令嬢に、一気に主役を取られてしまったね」
そう言ってディアンは笑っていた。それでも皆に祝福してもらって、とても幸せだ。
ただ…
アレックス様は今日、学院に来ていない様だ。このままアレックス様が、私たちのせいで学院に来なくなってしまったら…
お母様が朝から嬉しそうに、話しかけてきたのだ。婚約披露パーティー。我が国では貴族が婚約をすると、お披露目のパーティーを行う事が一般的だ。その場で披露し、皆から祝福を受ける。
でも私は…
「お母様、その件なのですが、ディアンやお父様たちの意見もあるでしょうから、少し待ってもらえませんか?」
「ユーリったら、そんな呑気な事を言って。もしかして、アレックス様の事を気にしているの?あれほどアレックス様に傷つけられ拒否され、ボロボロにされたのに、あなたって子は…ユーリの気持ちは分かるけれど、婚約を結んだら早々に披露パーティーをするのが貴族界の暗黙のルールなのよ。伯爵家の人間が、もったいぶっている訳にはいかないの」
お母様の言う通り、高貴な身分になればなるほど、準備に時間がかかるため、お披露目まで1年かかる事もある。ただ、我が家もディアンの家も、伯爵家だ。通常伯爵家同士の婚約披露は、4~5ヶ月が一般的。これ以上遅れると、高貴な身分でもないのに、何を準備に戸惑っているのか?など、陰口をたたかれる事もある。
やっぱり引き延ばしても、5ヶ月が限度か…
「分かりましたわ。それなら、せめて5ヶ月後というのはどうでしょう。もちろん、私の一存では決められませんが…」
「そうね、5ヶ月後なら、まあ許容範囲ね。アンにも話してみるわ」
嬉しそうにお母様が去っていく。早速ディアンのお母様の元に向かったのだろう。あんなに嬉しそうなお母様の顔、久しぶりに見たわ。お母様には散々心配をかけたものね。
さあ、私も貴族学院に向かわないと。でも。一体どんな顔をして、アレックス様に会えばいいのだろう…
ディアンと婚約できたのは嬉しいが、アレックス様の事を考えると気が重い。私ったらダメね、こんなんじゃあ、ディアンを幸せに出来ないわ…
はぁっとため息をつきつつ、馬車に乗り込んだ。いつもと見慣れた街並みを、ただ見つめる。
しばらく走ると、貴族学院が見えて来た。アレックス様、もう来ているかしら?どんな顔をして会えばいいのかしら?一気に不安が押し寄せる。でも、自分で決めた道だ。
深呼吸をすると、馬車から降りた。
すると
「おはよう、ユーリ。その指輪、付けてきてくれたのだね。嬉しいよ。さあ、一緒に教室に行こう」
私の元にやって来たのは、ディアンだ。ディアンの顔を見た途端、一気に心が穏やかになる。ディアンが傍にいてくれると、私の心は落ち着くのだ。
「おはよう、ディアン。もちろん付けてくるわ。本当にこの指輪、素敵ね。ありがとう、ディアン」
私とディアンは正式に婚約を結ぶことが決まったのだ。婚約者がいる令嬢は、婚約者から贈られた指輪を付けるのが一般的。その為私も、指輪を付けてきている。
ディアンと一緒に教室に入ると、友人たちが一斉に飛んできた。
「ユーリ、ディアン様、ご婚約決定おめでとう。まさか2人が、急に婚約を結ぶ事になるだなんて」
「ユーリから手紙をもらって驚いたわ。2人が思い合っている事は知っていたけれど、最近はその…」
「まあ、色々とあったみたいだけれど、結ばれて本当によかったわ。ユーリ、ディアン様、おめでとう」
友人たちから嬉しい祝福を頂いた。その言葉を聞いたクラスメイト達も
「まあ、ユーリ様とディアン様がご婚約を?おめでとうございます」
「ディアンはずっと、ユーリ嬢を想っていたからな。おめでとう」
次々と祝福の声を頂いた。
さらに
「おめでとうございます、ユーリ様、ディアン様。ユーリ様、私が手掛けた指輪、どうですか?素敵でしょう?私の自信作なのです。私、実は宝石デザイナーになるのが夢で。今回ユーリ様に贈る指輪をデザインさせていただいた事、光栄に思いますわ」
私達の元にやって来たのは、セレナ様だ。
「まあ、この指輪、セレナ様がデザインされたのですか?とても素敵ですわ。セレナ様の領地は、良質な宝石が沢山取れますものね」
「ええ、そうなのです。せっかく沢山宝石が取れるのなら、その宝石を使って、沢山の人に喜んで欲しいと思い、デザインを始めたのがきっかけなのですが。それが楽しくて楽しくて。宜しければ皆様も、ぜひ私がデザインしたアクセサリーを、身に付けて下さるとうれしいですわ」
いつも穏やかな表情を浮かべているセレナ様が、今まで見たことがないほど目を輝かせて話している。よほど好きなのだろう。
さらにセレナ様は、自分がデザインしたアクセサリーをいくつか見せてくれた。彼女のセンスは素晴らしく、令嬢たちを一気に虜にしていた。
「カレテイス伯爵令嬢に、一気に主役を取られてしまったね」
そう言ってディアンは笑っていた。それでも皆に祝福してもらって、とても幸せだ。
ただ…
アレックス様は今日、学院に来ていない様だ。このままアレックス様が、私たちのせいで学院に来なくなってしまったら…
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