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第73話:お兄様とアリサお義姉様の馴れ初め話で盛り上がりました
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客間に着くと、おばあ様が紅茶を飲んで待っていた。
「アリサちゃん、よく来てくれたね」
「おばあ様、こんにちは。足の方は大丈夫ですか?無理はなさってはいけませんよ」
おばあ様の傍に行き、足をさすりながら優しく声を掛けるアリサお義姉様。お兄様が言っていた通り、おばあ様にもすごく親切にしてくれている様だ。
「ありがとう、アリサちゃん。もう大丈夫よ。本当に歳をとるといイヤね。ちょっとした段差でも転んでしまうのですもの」
「そうですよ、1人で移動するからこういう事になるのです。これからは必ずメイドが私たちと一緒に行動してくださいね。それにしても、今日のおばあ様、いつもより顔色がいいですわ。きっとローズちゃんが来てくれているからですね」
「やっぱりあなたもそう思う?ローズの顔を見たら、何だか元気が出てきたのよ。私たち、7年近く離れ離れだったでしょう。だからこれからは、私が出来る事は何でもしてあげたいと思っていて。弱っている訳にはいかないものね」
「それはいい心がけですわ。ローズちゃんの為にも、ずっと元気でいて下さいね」
おばあ様とアリサお義姉様の会話を聞いていたら、胸が痛くなった。私はいずれ、国に帰るつもりなのだが…増々そんな事は言えない。
「さあ、皆座って。お茶にしましょう。それで、アリサちゃんはいつからこの家で生活してくれるんだい?」
「はい、来週にはこの家に引っ越してこようと思っておりますわ」
「そうかい、それは楽しみだね」
ん?来週にはアリサお義姉様はこの家に来るの?それなら、私はいらないわよね。
「まあ、アリサお義姉様がこのお家で暮らすのでしたら、私は…」
「ローズちゃん、安心して。この家は広いのですもの。私が入っても、あなたを追い出す事なんて絶対しないから。皆で仲良く暮らしましょうね」
そう言って笑顔を向けてくれたアリサお義姉様。確かに彼女なら、私やおばあ様ともうまくやっていけそうだ。
「そうそう、さっきの話の続きをしましょう。なぜ私がローランドと結婚を決めたかって言っていたわよね。実はね、私の一目ぼれなの」
「エーーー!!!アリサお義姉様がお兄様に一目ぼれ。これのどこに一目ぼれ出来る要素が!」
ついお兄様を指さし、叫んでしまった。
「おい、ローズ、いくら何でも失礼すぎるぞ」
「だってお兄様に一目ぼれだなんて…」
「あら、ローランドはラーディエンス学院内でも非常に人気が高かったのよ。顔は整っているし、勉強は出来るし、面倒見はいいし、それに優しいし。だからね、私、ローランドに猛アプローチを掛けて、数々のライバルを蹴落とし、やっとゲットしたの!本当に熾烈な戦いだったわ」
「そうそう、私とローランドは同い年なの。今年19歳よ。それでね、私がローランドと付き合った後も、私からローランドを奪おうとする輩が現れた訳よ。卒業したらやっと安心できるって思っていたのに。卒業後は勉強に没頭したいからって、中々会えないし。本当に辛かったのよ。でもやっと教授になる事が決まって、プロポーズしてくれたの。本当に嬉しかったわ」
嬉しそうに話すアリサお義姉様。
「そうだったのですね。アリサお義姉様も随分と苦労されて…こんなお兄様の事を、ずっと思い続けていて下さったなんて…お兄様、アリサお義姉様を絶対に幸せにしてあげて下さいね」
「ローズに言われなくてもわかっているよ。本当にアリサには、支えてもらったからね。俺が泊りで勉強をしている時は、アリサが家に泊って、おばあ様の傍にいてくれたんだ。本当に感謝している」
「そうね、アリサちゃんには、感謝してもしきれないわ。アリサちゃん、ローランドを好きになってくれてありがとう」
「私からもお礼を言わせてください。こんなお兄様を好きになって頂き、ありがとうございます。そして、おばあ様の事も。本当に感謝しておりますわ」
「そんな…私の方こそ、結婚を決めてくれて、私を受け入れてくれてありがとう。おばあ様もローズちゃんも、本当に素敵で。私、皆と家族になれることが嬉しくてたまらないの。本当に…」
感極まったのか、泣き出してしまったアリサお義姉様。そんなお義姉様の肩を優しく抱くお兄様。あら?思ったよりも、いい雰囲気ね。幸せそうな2人を見ていると、なんだか私まで幸せな気持ちになる。ただそれと同時に、アデル様の事を考えてしまう。
国を出てから、また4日しか経っていないのに…もうアデル様が恋しくなってきたわ。そっとアデル様に貰ったイヤリングに触れる。アデル様からの初めてのプレゼント、私の宝物だ。
「急に泣き出したりしてごめんなさい。でも、本当に私、ローランドと結婚出来る事が、おばあ様やローズちゃんと家族になれることが嬉しいの。こんな私ですが、どうかよろしくお願いします」
アリサお義姉様が、深々と頭を下げた。
「こちらこそ、よろしくお願いします。こんな兄ですが、どうか返品だけはご勘弁ください」
私もアリサお義姉様に向かって、深々と頭を下げた。
「ローズ、さっきから、俺に対する扱いが酷すぎるだろう」
顔を赤くして、お兄様が怒っている。私は真剣なのだが…
「ローズちゃん、あなた最高に面白いわ。これからも仲良くしましょうね。そうだわ、今度街に買い物に行きましょう。ローズちゃんは、この国に来るのが初めてでしょう。色々と案内するわ」
「本当ですか?それは嬉しいです。楽しみにしていますね」
アリサお義姉様は、本当に素敵な女性だ。なんだか本当のお姉様みたいね。それにしても、お兄様とお義姉様も、色々と乗り越えてきたのね。特にアリサお義姉様は、かなり努力したみたいだし。
でも…あのお兄様に一目ぼれをするなんて…それもお兄様が学院でモテていたなんて。本当に意外だわ。
今日2人の馴れ初めを聞いて、なんだか不思議な感じがしたのだった。
「アリサちゃん、よく来てくれたね」
「おばあ様、こんにちは。足の方は大丈夫ですか?無理はなさってはいけませんよ」
おばあ様の傍に行き、足をさすりながら優しく声を掛けるアリサお義姉様。お兄様が言っていた通り、おばあ様にもすごく親切にしてくれている様だ。
「ありがとう、アリサちゃん。もう大丈夫よ。本当に歳をとるといイヤね。ちょっとした段差でも転んでしまうのですもの」
「そうですよ、1人で移動するからこういう事になるのです。これからは必ずメイドが私たちと一緒に行動してくださいね。それにしても、今日のおばあ様、いつもより顔色がいいですわ。きっとローズちゃんが来てくれているからですね」
「やっぱりあなたもそう思う?ローズの顔を見たら、何だか元気が出てきたのよ。私たち、7年近く離れ離れだったでしょう。だからこれからは、私が出来る事は何でもしてあげたいと思っていて。弱っている訳にはいかないものね」
「それはいい心がけですわ。ローズちゃんの為にも、ずっと元気でいて下さいね」
おばあ様とアリサお義姉様の会話を聞いていたら、胸が痛くなった。私はいずれ、国に帰るつもりなのだが…増々そんな事は言えない。
「さあ、皆座って。お茶にしましょう。それで、アリサちゃんはいつからこの家で生活してくれるんだい?」
「はい、来週にはこの家に引っ越してこようと思っておりますわ」
「そうかい、それは楽しみだね」
ん?来週にはアリサお義姉様はこの家に来るの?それなら、私はいらないわよね。
「まあ、アリサお義姉様がこのお家で暮らすのでしたら、私は…」
「ローズちゃん、安心して。この家は広いのですもの。私が入っても、あなたを追い出す事なんて絶対しないから。皆で仲良く暮らしましょうね」
そう言って笑顔を向けてくれたアリサお義姉様。確かに彼女なら、私やおばあ様ともうまくやっていけそうだ。
「そうそう、さっきの話の続きをしましょう。なぜ私がローランドと結婚を決めたかって言っていたわよね。実はね、私の一目ぼれなの」
「エーーー!!!アリサお義姉様がお兄様に一目ぼれ。これのどこに一目ぼれ出来る要素が!」
ついお兄様を指さし、叫んでしまった。
「おい、ローズ、いくら何でも失礼すぎるぞ」
「だってお兄様に一目ぼれだなんて…」
「あら、ローランドはラーディエンス学院内でも非常に人気が高かったのよ。顔は整っているし、勉強は出来るし、面倒見はいいし、それに優しいし。だからね、私、ローランドに猛アプローチを掛けて、数々のライバルを蹴落とし、やっとゲットしたの!本当に熾烈な戦いだったわ」
「そうそう、私とローランドは同い年なの。今年19歳よ。それでね、私がローランドと付き合った後も、私からローランドを奪おうとする輩が現れた訳よ。卒業したらやっと安心できるって思っていたのに。卒業後は勉強に没頭したいからって、中々会えないし。本当に辛かったのよ。でもやっと教授になる事が決まって、プロポーズしてくれたの。本当に嬉しかったわ」
嬉しそうに話すアリサお義姉様。
「そうだったのですね。アリサお義姉様も随分と苦労されて…こんなお兄様の事を、ずっと思い続けていて下さったなんて…お兄様、アリサお義姉様を絶対に幸せにしてあげて下さいね」
「ローズに言われなくてもわかっているよ。本当にアリサには、支えてもらったからね。俺が泊りで勉強をしている時は、アリサが家に泊って、おばあ様の傍にいてくれたんだ。本当に感謝している」
「そうね、アリサちゃんには、感謝してもしきれないわ。アリサちゃん、ローランドを好きになってくれてありがとう」
「私からもお礼を言わせてください。こんなお兄様を好きになって頂き、ありがとうございます。そして、おばあ様の事も。本当に感謝しておりますわ」
「そんな…私の方こそ、結婚を決めてくれて、私を受け入れてくれてありがとう。おばあ様もローズちゃんも、本当に素敵で。私、皆と家族になれることが嬉しくてたまらないの。本当に…」
感極まったのか、泣き出してしまったアリサお義姉様。そんなお義姉様の肩を優しく抱くお兄様。あら?思ったよりも、いい雰囲気ね。幸せそうな2人を見ていると、なんだか私まで幸せな気持ちになる。ただそれと同時に、アデル様の事を考えてしまう。
国を出てから、また4日しか経っていないのに…もうアデル様が恋しくなってきたわ。そっとアデル様に貰ったイヤリングに触れる。アデル様からの初めてのプレゼント、私の宝物だ。
「急に泣き出したりしてごめんなさい。でも、本当に私、ローランドと結婚出来る事が、おばあ様やローズちゃんと家族になれることが嬉しいの。こんな私ですが、どうかよろしくお願いします」
アリサお義姉様が、深々と頭を下げた。
「こちらこそ、よろしくお願いします。こんな兄ですが、どうか返品だけはご勘弁ください」
私もアリサお義姉様に向かって、深々と頭を下げた。
「ローズ、さっきから、俺に対する扱いが酷すぎるだろう」
顔を赤くして、お兄様が怒っている。私は真剣なのだが…
「ローズちゃん、あなた最高に面白いわ。これからも仲良くしましょうね。そうだわ、今度街に買い物に行きましょう。ローズちゃんは、この国に来るのが初めてでしょう。色々と案内するわ」
「本当ですか?それは嬉しいです。楽しみにしていますね」
アリサお義姉様は、本当に素敵な女性だ。なんだか本当のお姉様みたいね。それにしても、お兄様とお義姉様も、色々と乗り越えてきたのね。特にアリサお義姉様は、かなり努力したみたいだし。
でも…あのお兄様に一目ぼれをするなんて…それもお兄様が学院でモテていたなんて。本当に意外だわ。
今日2人の馴れ初めを聞いて、なんだか不思議な感じがしたのだった。
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