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第16話:ブラック様が構ってくださいます
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貴族学院に入学してから、2ヶ月が過ぎた。毎日友人たちに囲まれ、楽しい日々を送っている。そして私の大好きなブラック様とも、密かに交流を深めているのだ。
ブラック様は本当にお優しい方で、昨日は私の為に栄養満点の特性ジュースを作って下さったのだ。朝とお昼、帰り際にも飲ませてもらっている。
このジュースが美味しくて、飲んだ後体が少しだけ軽くなった。さらにお昼ごはんまでご一緒させていただいた。
きっと私が余命後わずかという話をしたから、気を使ってくれているのだろう。もしかしたらブラック様の負担になっているのかもしれないとも思ったが、私の寿命は本当に残り少ないのだ。
最後ぐらい、いい思い出を作っても罰は当たらないだろう。そう考えて、ブラック様のご厚意に甘えているのだ。
今日も朝からブラック様が校門の前で待っていて下さり、朝一番で特製のジュースを頂いた。さら教室まで送って下さったのだ。
「ユリア、おはよう。ブラック様に教室まで送ってもらったの?よかったわね。実はブラック様にさっき話しかけられて、しばらくはユリアと昼食を食べたいのだけれど、いいかな?と聞かれたの。本当は二つ返事で“いいです”と答えたかったのだけれど、私たちもあなたと少しでも一緒に居たくて。それで、1日おきで交代で昼食を食べる事になったのだけれど、それでよかったかしら?」
まあ、いつの間にかそんな話になっていたのね。
「皆、ありがとう。もちろんいいわ」
残り少ない時間、大好きな人たちに囲まれて過ごせるだなんて、本当に幸せな事だ。きっと神様が、最後の最後に私にプレゼントを下さったのだろう。
「それじゃあ、今日は私達と一緒に昼食を食べましょう。明日はブラック様ね。それにしても、ユリアは随分とブラック様に気に入られているのね。凄いわ。ブラック様と言えば、今やこの国で一番権力を持ったサンディオ公爵家の嫡男ですものね。もしかしたらブラック様が、あなたの病気を治してくださるかもしれないわよ」
「そうよね、ブラック様、本当にユリアの事を気にかけて下さっているもの。このままいけば、ユリアが公爵夫人かしら?」
そう言って友人たちが笑っている。もう、好き勝手言って。
「ブラック様は、ただ私に同情してくださっているだけよ。本当にもう、ブラック様に失礼じゃない!」
「もう、ユリアは鈍いのだから」
そう言って頬を膨らませている友人達。その姿を見て、つい頬が緩む。まさかこんな風に友人たちと殿方の話が出来るだなんて。決して結ばれることがなかったとしても、こうやって話が出来るだけで幸せな事だ。
そんな事を考えているうちに、先生がやって来て授業スタートだ。先生の授業も、あとどれくらい受けられるかしら?そう思うと、なんだか授業の時間も尊い時間に感じられる。私の体が動くうちは、何としてでも学院に通おう。
そう心に誓ったのだった。
そして待ちに待ったお昼休み。友人たちと一緒に食事をしていると
「ユリア嬢、これ、俺が作った特性ジュースだ。飲んでくれ」
私達の元にやって来たのは、ブラック様だ。
「わざわざ私の為にありがとうございます。せっかくなので頂きますわ」
早速ジュースを頂く。
「とても美味しいですわ。このジュースを飲むと、体が軽くなりますの」
「それは良かった。今日は君が好きな料理を持ってきたのだが、少しでも食べてくれるかい?君たち、今日は君たちがユリア嬢と過ごす時間だが、少しだけいいかな?」
「ええ、もちろんですわ」
友人たちに許可を取ると、すかさず私の隣に座ったブラック様。そして早速お弁当を広げたのだ。
「こっちが野菜たっぷりのスープ。こっちがミルク粥だよ。君の体にはこういった物が合うだろうと思って、料理長に作らせた。デザートには果物ゼリーにしたよ。さあ、食べて」
「私の為にわざわざ料理長様に作って頂いたのですか?ありがとうございます」
私の体調を気にして、わざわざ作ってもらっただなんて。嬉しくて涙が込みあげてくるのを、必死に堪えた。
「君の家の料理長は、何を考えているのだい?ユリア嬢が病気だと知っているのに。とにかく、食べられるだけでいいからしっかり食べるのだよ。そうだ、俺が食べさせてあげるよ。はい、口を開けて」
細かく切られた野菜たちをスプーンですくい、私の口に運んでくれた。
「とても美味しいですわ。それに優しい味付けで食べやすいです。ブラック様、本当にありがとうございます」
「お礼は不要だ。たくさん食べてくれ。こっちのミルク粥も」
そう言うと次々と口に料理を口に運んでくれるブラック様。誰かに食べさせてもらうだなんて、なんだか恥ずかしいわ。それに友人たちが
「私達、お邪魔みたいだから先に行っているわね」
そう言って笑顔で去って行った。今日は友人たちと昼食を食べる日だと聞いていたのだが、よかったのかしら?
でも、せっかくブラック様が色々と世話を焼いてくれているのだから、まあいいか。後で友人たちには謝っておこう。
ブラック様は本当にお優しい方で、昨日は私の為に栄養満点の特性ジュースを作って下さったのだ。朝とお昼、帰り際にも飲ませてもらっている。
このジュースが美味しくて、飲んだ後体が少しだけ軽くなった。さらにお昼ごはんまでご一緒させていただいた。
きっと私が余命後わずかという話をしたから、気を使ってくれているのだろう。もしかしたらブラック様の負担になっているのかもしれないとも思ったが、私の寿命は本当に残り少ないのだ。
最後ぐらい、いい思い出を作っても罰は当たらないだろう。そう考えて、ブラック様のご厚意に甘えているのだ。
今日も朝からブラック様が校門の前で待っていて下さり、朝一番で特製のジュースを頂いた。さら教室まで送って下さったのだ。
「ユリア、おはよう。ブラック様に教室まで送ってもらったの?よかったわね。実はブラック様にさっき話しかけられて、しばらくはユリアと昼食を食べたいのだけれど、いいかな?と聞かれたの。本当は二つ返事で“いいです”と答えたかったのだけれど、私たちもあなたと少しでも一緒に居たくて。それで、1日おきで交代で昼食を食べる事になったのだけれど、それでよかったかしら?」
まあ、いつの間にかそんな話になっていたのね。
「皆、ありがとう。もちろんいいわ」
残り少ない時間、大好きな人たちに囲まれて過ごせるだなんて、本当に幸せな事だ。きっと神様が、最後の最後に私にプレゼントを下さったのだろう。
「それじゃあ、今日は私達と一緒に昼食を食べましょう。明日はブラック様ね。それにしても、ユリアは随分とブラック様に気に入られているのね。凄いわ。ブラック様と言えば、今やこの国で一番権力を持ったサンディオ公爵家の嫡男ですものね。もしかしたらブラック様が、あなたの病気を治してくださるかもしれないわよ」
「そうよね、ブラック様、本当にユリアの事を気にかけて下さっているもの。このままいけば、ユリアが公爵夫人かしら?」
そう言って友人たちが笑っている。もう、好き勝手言って。
「ブラック様は、ただ私に同情してくださっているだけよ。本当にもう、ブラック様に失礼じゃない!」
「もう、ユリアは鈍いのだから」
そう言って頬を膨らませている友人達。その姿を見て、つい頬が緩む。まさかこんな風に友人たちと殿方の話が出来るだなんて。決して結ばれることがなかったとしても、こうやって話が出来るだけで幸せな事だ。
そんな事を考えているうちに、先生がやって来て授業スタートだ。先生の授業も、あとどれくらい受けられるかしら?そう思うと、なんだか授業の時間も尊い時間に感じられる。私の体が動くうちは、何としてでも学院に通おう。
そう心に誓ったのだった。
そして待ちに待ったお昼休み。友人たちと一緒に食事をしていると
「ユリア嬢、これ、俺が作った特性ジュースだ。飲んでくれ」
私達の元にやって来たのは、ブラック様だ。
「わざわざ私の為にありがとうございます。せっかくなので頂きますわ」
早速ジュースを頂く。
「とても美味しいですわ。このジュースを飲むと、体が軽くなりますの」
「それは良かった。今日は君が好きな料理を持ってきたのだが、少しでも食べてくれるかい?君たち、今日は君たちがユリア嬢と過ごす時間だが、少しだけいいかな?」
「ええ、もちろんですわ」
友人たちに許可を取ると、すかさず私の隣に座ったブラック様。そして早速お弁当を広げたのだ。
「こっちが野菜たっぷりのスープ。こっちがミルク粥だよ。君の体にはこういった物が合うだろうと思って、料理長に作らせた。デザートには果物ゼリーにしたよ。さあ、食べて」
「私の為にわざわざ料理長様に作って頂いたのですか?ありがとうございます」
私の体調を気にして、わざわざ作ってもらっただなんて。嬉しくて涙が込みあげてくるのを、必死に堪えた。
「君の家の料理長は、何を考えているのだい?ユリア嬢が病気だと知っているのに。とにかく、食べられるだけでいいからしっかり食べるのだよ。そうだ、俺が食べさせてあげるよ。はい、口を開けて」
細かく切られた野菜たちをスプーンですくい、私の口に運んでくれた。
「とても美味しいですわ。それに優しい味付けで食べやすいです。ブラック様、本当にありがとうございます」
「お礼は不要だ。たくさん食べてくれ。こっちのミルク粥も」
そう言うと次々と口に料理を口に運んでくれるブラック様。誰かに食べさせてもらうだなんて、なんだか恥ずかしいわ。それに友人たちが
「私達、お邪魔みたいだから先に行っているわね」
そう言って笑顔で去って行った。今日は友人たちと昼食を食べる日だと聞いていたのだが、よかったのかしら?
でも、せっかくブラック様が色々と世話を焼いてくれているのだから、まあいいか。後で友人たちには謝っておこう。
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