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第43話:ブラック様のお姉様に会いに行きます
ブラック様と婚約してから早1ヶ月。お医者様から処方された薬と特製ドリンクのお陰で、随分と体も楽になった。ただ、思ったほど魔力が戻っていないとの事で、まだ学院には通えていない。
昔はもっとひどい状態でも学院に通っていたので大丈夫だとブラック様に訴えたのだが
“君は俺の婚約者なんだよ。あの時とは状況が違うんだ。とにかく体調が戻るまでは、学院にはいかせられない”
と言われてしまった。ただ、私が目覚めた事を知った友人たちが、お見舞いに来てくれた。どうやら私の為に、魔力の提供を申し出てくれたとの事。本当に彼女たちには、感謝しかない。
彼女たちが困った時は、真っ先に私が手を差し伸べたい、そう思っている。
ちなみに、叔父様と叔母様、カルディアは地下牢に入れられていると聞いていたので、その後どうなったのか気になってブラック様に聞いた。すると、極刑に処されることが決まっていると教えてくれた。ただ、執行まではまだ少し時間があるらしい。
どうやら法律で禁止されている重罪の一つ、私の両親を殺し爵位を奪った事が、極刑の決め手になったとの事。正直彼らのしたことを考えると、自業自得だと感じている。
あんなに優しかった両親を奪ったうえ、私に治癒魔法を強要し搾取し続けた彼ら。今では怒りしかないが、当時の私は、あんな人たちの言いなりになっていたうえ、感謝までしていただなんて。本当にバカだったわ。
ただ、どうして極刑まで時間が掛かるのかブラック様に聞いたのだが、詳しくは教えてくれなかった。まあ、色々とあるのだろう。
「ユリア様、またお勉強をなされているのですか?無理は禁物です。それに今から王宮に向かうのでしょう。ご準備を始めましょう」
私の元にやって来たのは、リースだ。ちなみに私は、ブラック様と婚約をした時点で、次期公爵夫人になる為の勉強を始めた。まだそんな事をしなくてもいいと言うブラック様を必死に説得して、週に1度家庭教師を付けてもらう事になったのだ。
それ以外の日は、自主的に勉強をしている。私は公爵家にとって、足枷の様な存在。せめて私に出来る事は、何でもしたいと考えている。それに何よりも、勉強が好きなのだ。ただブラック様もご義両親もメイドたちも、それをよく思っていないのだ。私には無理をして欲しくないらしい。
本当にこの家の人たちは、いい人ばかりなのだ。
「もうそんな時間なのね。ありがとう、今日は王太子妃殿下に会う事になっているの。私、見た目がこんなのでしょう?王太子妃殿下にガッカリされたりしないかしら?」
ついリースに弱音を吐いてしまう。ブラック様のお姉様、王太子妃殿下はとてもお美しい方だ。髪も白く、おばあちゃんみたいな私を見て、王太子妃殿下がショックを受けないか心配で仕方がないのだ。
「王太子妃殿下は見た目を気にするような人ではありませんわ。奥様の性格によく似ております…というより、それよりも強烈かもしれません。逆にユリア様が引かないか、そちらの方が心配ですわ」
リースが苦笑いしながら教えてくれた。私が王太子妃殿下を見て、引く事は間違いなくないのだが…ただ、お義母様と似た性格なら、きっと大丈夫だろう。
「ありがとう、リース。なんだかホッとしたわ」
「ユリア様、あなた様には誰にも負けないその笑顔があります。どうか王太子妃殿下の前でも、笑顔でいれば全く問題ありませんわ」
笑顔でいれば問題ないか…
お母様が残してくれた“笑顔でいなさい”と言う言葉。その笑顔が、今の私を支えてくれているのね。
「さあ、準備が出来ましたわ」
色々と話をしているうちに、準備を整えてくれたメイドたち。さすが、仕事が早いわね。
「ありがとう、それじゃあ、行ってきます」
部屋から出るとブラック様が待っていてくれた。
「ユリア、そのドレス、とても似合っているよ。とても可愛い。それじゃあ、行こうか」
ブラック様に抱っこされ、馬車に乗り込んだ。
「俺の姉は少し変わっているというか、強引と言うか…とにかくとても疲れる人間なんだ。本当はユリアを会わせたくはないのだが、今回ユリア救出に絶大な協力をしてくれた上、王宮魔術師をけしかけ、一刻も早く魔力を回復する薬の開発にも協力してくれているから、仕方なく応じたのだが…やはり心配だな…」
何やらブラック様がブツブツと言っている。
「王太子妃殿下は、私に治癒魔法を掛けてくれたと天使様から聞いております。私の為に、治癒魔法を掛けてくれるだなんて、お義母様と同様、とてもお優しい女性なのでしょう。私はお会いするのが楽しみですわ」
リースもお義母様と似た性格とおっしゃっていたし、きっと素敵な女性なのだろう。
「君は姉上の恐ろしさを知らないから、そんな呑気な事を言っていられるんだよ…」
まだブツブツとブラック様が呟いている。しばらく走ると、立派な王宮が見えて来た。王宮に来たのは初めてだわ。なんだか緊張してきた。て、ダメよ、どんな時も笑顔でいないと。
「それじゃあ、行こうか。おいで、ユリア」
いつもの様に私を抱きかかえようとするブラック様。さすがに王宮に抱かれていくのは良くないだろう。
「自分で歩いていくので、大丈夫ですわ」
慌ててブラック様の腕から抜けようとしたのだが
「君は体調が万全ではない。王族たちはみんな君の状況を理解しているから、問題ないよ」
あっという間に捕まり、抱きかかえられてしまった。ブラック様が私を大切にしてくれているのは知っているが、さすがに王宮内で抱っこされているのは落ち着かない。どうしよう…そう思っていると、立派な扉の前で止まったのだ。
そしてやっと下ろしてもらえた。きっとこの部屋の向こうに、王太子妃殿下がいらっしゃるのだろう。
昔はもっとひどい状態でも学院に通っていたので大丈夫だとブラック様に訴えたのだが
“君は俺の婚約者なんだよ。あの時とは状況が違うんだ。とにかく体調が戻るまでは、学院にはいかせられない”
と言われてしまった。ただ、私が目覚めた事を知った友人たちが、お見舞いに来てくれた。どうやら私の為に、魔力の提供を申し出てくれたとの事。本当に彼女たちには、感謝しかない。
彼女たちが困った時は、真っ先に私が手を差し伸べたい、そう思っている。
ちなみに、叔父様と叔母様、カルディアは地下牢に入れられていると聞いていたので、その後どうなったのか気になってブラック様に聞いた。すると、極刑に処されることが決まっていると教えてくれた。ただ、執行まではまだ少し時間があるらしい。
どうやら法律で禁止されている重罪の一つ、私の両親を殺し爵位を奪った事が、極刑の決め手になったとの事。正直彼らのしたことを考えると、自業自得だと感じている。
あんなに優しかった両親を奪ったうえ、私に治癒魔法を強要し搾取し続けた彼ら。今では怒りしかないが、当時の私は、あんな人たちの言いなりになっていたうえ、感謝までしていただなんて。本当にバカだったわ。
ただ、どうして極刑まで時間が掛かるのかブラック様に聞いたのだが、詳しくは教えてくれなかった。まあ、色々とあるのだろう。
「ユリア様、またお勉強をなされているのですか?無理は禁物です。それに今から王宮に向かうのでしょう。ご準備を始めましょう」
私の元にやって来たのは、リースだ。ちなみに私は、ブラック様と婚約をした時点で、次期公爵夫人になる為の勉強を始めた。まだそんな事をしなくてもいいと言うブラック様を必死に説得して、週に1度家庭教師を付けてもらう事になったのだ。
それ以外の日は、自主的に勉強をしている。私は公爵家にとって、足枷の様な存在。せめて私に出来る事は、何でもしたいと考えている。それに何よりも、勉強が好きなのだ。ただブラック様もご義両親もメイドたちも、それをよく思っていないのだ。私には無理をして欲しくないらしい。
本当にこの家の人たちは、いい人ばかりなのだ。
「もうそんな時間なのね。ありがとう、今日は王太子妃殿下に会う事になっているの。私、見た目がこんなのでしょう?王太子妃殿下にガッカリされたりしないかしら?」
ついリースに弱音を吐いてしまう。ブラック様のお姉様、王太子妃殿下はとてもお美しい方だ。髪も白く、おばあちゃんみたいな私を見て、王太子妃殿下がショックを受けないか心配で仕方がないのだ。
「王太子妃殿下は見た目を気にするような人ではありませんわ。奥様の性格によく似ております…というより、それよりも強烈かもしれません。逆にユリア様が引かないか、そちらの方が心配ですわ」
リースが苦笑いしながら教えてくれた。私が王太子妃殿下を見て、引く事は間違いなくないのだが…ただ、お義母様と似た性格なら、きっと大丈夫だろう。
「ありがとう、リース。なんだかホッとしたわ」
「ユリア様、あなた様には誰にも負けないその笑顔があります。どうか王太子妃殿下の前でも、笑顔でいれば全く問題ありませんわ」
笑顔でいれば問題ないか…
お母様が残してくれた“笑顔でいなさい”と言う言葉。その笑顔が、今の私を支えてくれているのね。
「さあ、準備が出来ましたわ」
色々と話をしているうちに、準備を整えてくれたメイドたち。さすが、仕事が早いわね。
「ありがとう、それじゃあ、行ってきます」
部屋から出るとブラック様が待っていてくれた。
「ユリア、そのドレス、とても似合っているよ。とても可愛い。それじゃあ、行こうか」
ブラック様に抱っこされ、馬車に乗り込んだ。
「俺の姉は少し変わっているというか、強引と言うか…とにかくとても疲れる人間なんだ。本当はユリアを会わせたくはないのだが、今回ユリア救出に絶大な協力をしてくれた上、王宮魔術師をけしかけ、一刻も早く魔力を回復する薬の開発にも協力してくれているから、仕方なく応じたのだが…やはり心配だな…」
何やらブラック様がブツブツと言っている。
「王太子妃殿下は、私に治癒魔法を掛けてくれたと天使様から聞いております。私の為に、治癒魔法を掛けてくれるだなんて、お義母様と同様、とてもお優しい女性なのでしょう。私はお会いするのが楽しみですわ」
リースもお義母様と似た性格とおっしゃっていたし、きっと素敵な女性なのだろう。
「君は姉上の恐ろしさを知らないから、そんな呑気な事を言っていられるんだよ…」
まだブツブツとブラック様が呟いている。しばらく走ると、立派な王宮が見えて来た。王宮に来たのは初めてだわ。なんだか緊張してきた。て、ダメよ、どんな時も笑顔でいないと。
「それじゃあ、行こうか。おいで、ユリア」
いつもの様に私を抱きかかえようとするブラック様。さすがに王宮に抱かれていくのは良くないだろう。
「自分で歩いていくので、大丈夫ですわ」
慌ててブラック様の腕から抜けようとしたのだが
「君は体調が万全ではない。王族たちはみんな君の状況を理解しているから、問題ないよ」
あっという間に捕まり、抱きかかえられてしまった。ブラック様が私を大切にしてくれているのは知っているが、さすがに王宮内で抱っこされているのは落ち着かない。どうしよう…そう思っていると、立派な扉の前で止まったのだ。
そしてやっと下ろしてもらえた。きっとこの部屋の向こうに、王太子妃殿下がいらっしゃるのだろう。
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