91 / 124
第91話:後悔しないために~グレイソン視点~
しおりを挟む
「グレイソン、そろそろ教室に行こう」
「ああ、そうだな。アルフレッド、ありがとう。君のお陰で、僕は自分の過ちに気が付いたよ。一度しっかりと、ルージュと話してみる。それから、謝罪もしたいし。でも、ルージュは許してくれるだろうか?僕は本当に自分でも驚くほどの暴言を吐いたんだよ。こんな僕なんて…」
「だから、俺はお前のそのウジウジしたところが嫌いなんだよ!“僕なんて”と言うな!許すか許さないかは、ルージュ嬢が決める事でお前が決める事じゃないと、何度言ったらわかるんだ。本当に世話の焼けるやつだな!」
またアルフレッドに怒られてしまった。
「お前はもう少し、精神を鍛えた方がいいな。ほら、もう教室に行くぞ。本当に世話の焼ける奴だ」
そう言って笑っていた。
「アルフレッド、僕と友達になってくれてありがとう。こんな風に本音でぶつかり合える友人は、アルフレッドぐらいだよ。これからも、僕の友達でいてくれるかい?」
「何だよ、急に。気持ち悪いな。当たり前だろう、お前は俺の親友だ。ほら、もう行くぞ」
両親が亡くなり、叔父上に引き取られてからはずっと1人だった。でも、いつしか僕にはたくさんの大切な人が出来た。アルフレッドももちろんその1人だ。アルフレッドは僕が辛いとき、僕を支えてくれる大切な人。
僕もいつか、アルフレッドを支えてあげられるような人間になりたい。そんな彼と出会わせてくれ、話せるきっかけを作ってくれたのはルージュだ。ルージュは僕に、沢山の幸せやかけがえのない人たちを与えてくれた。
彼女のお陰で、今の僕がある。
彼女には返しきれない程の恩があるんだ。だからこそ、僕の手でルージュを幸せにしたいと思っていたのに…
僕は一体どこで何を間違えてしまったのだろう…
まだ挽回できるかな?
教室に着くと、何を思ったのかヴァイオレット嬢が僕の傍にやって来た。
「グレイソン様、聞きましたわよ。あの女…失礼しました。ルージュ様が国を出たのですってね。最近グレイソン様、ルージュ様の事を嫌っていらしたもの。よかったですね。これからは私とも仲良くしてくださいね」
何を思ったのか、僕の手を握り嬉しそうに話しかけてきたのだ。
「ルージュはすぐに戻ってきますよ。それから、僕は君と仲良くするつもりはない。手を放してください」
自分でもびっくりする程、冷たい言葉をかけ、手を振りほどいた。いつもいつも、ルージュを目の敵にして。ルージュが一体何をしたというのだ!
プイっとあちらの方向を向くと、席に着いた。1度目の生の時、僕はヴァイオレット嬢にうつつを抜かしたと聞いたが、一体あの女のどこに惹かれたのだろう。全く理解できない。
ただ、1つ言える事は、僕はかなり愚か者だったのだろうという事だ。ちらりとヴァイオレット嬢の方を見ると、なぜかこちらを見つめていて、ウインクされた。
その瞬間、背筋が凍るような寒気を覚えた。あの女、一体どんな神経をしているのだ。僕、結構酷い事を言ったよね?それなのに…
もうあの女の事を考えるのは止めよう。それよりもルージュの事だ、学院が終わったら、すぐに義両親に話しをしないと。
そんな中、休み時間に珍しく殿下が話しかけてきたのだ。
「グレイソン殿、ルージュが国を出たとは一体どういうことだい?どうしてルージュが。もしかして僕が君に1度目の生の事を話したから…君の様子が変だったのも、そのせいだよね。どうしよう…すぐにルージュを探さないと!」
真っ青な顔をしてうろたえている殿下。いつも冷静な彼なのに、こんなにうろたえるだなんて。
「殿下、ルージュは…」
「すぐに王宮に連絡して、捜索を開始させないと」
「クリストファー、落ち着いて。ちょっとこっちに来て」
うろたえる殿下の側にやって来たのは、セレーナ嬢だ。殿下をどこかに連れて行ってしまった。しばらくすると、落ち着きを取り戻した殿下。
一体何を話していたのだろう。
その後も長い長い授業が終わり、やっと放課後になった。
「アルフレッド、悪いが今日は、騎士団の稽古をお休みするよ」
「分かっているよ。今のグレイソンじゃあ、稽古に身が入らないだろう?それよりもグレイソン、俺も一緒に付いていってやろうか?1人だと不安だろう」
「アルフレッドの気持ちは嬉しいが、1人で大丈夫だよ。それじゃあ、また明日」
「ああ、また明日な」
アルフレッドと別れると、急いで馬車に乗り込んだ。義両親としっかり話をするためだ。僕が全て間違っていたこと、これからも公爵家に置いてもらいたい事、騎士団の話は白紙に戻して欲しい事。
それから、ルージュに戻ってきてもらいたい事をしっかり話そう。
もしかしたらあまりにも我が儘を言う僕に、愛想をつかしてしまうかもしれない。義両親には僕のせいで、随分辛い思いをさせてしまったからだ。
でも…
もう僕は逃げない。ちゃんと話をして、誠心誠意謝ろう。それが僕のやるべきことだから。
「ああ、そうだな。アルフレッド、ありがとう。君のお陰で、僕は自分の過ちに気が付いたよ。一度しっかりと、ルージュと話してみる。それから、謝罪もしたいし。でも、ルージュは許してくれるだろうか?僕は本当に自分でも驚くほどの暴言を吐いたんだよ。こんな僕なんて…」
「だから、俺はお前のそのウジウジしたところが嫌いなんだよ!“僕なんて”と言うな!許すか許さないかは、ルージュ嬢が決める事でお前が決める事じゃないと、何度言ったらわかるんだ。本当に世話の焼けるやつだな!」
またアルフレッドに怒られてしまった。
「お前はもう少し、精神を鍛えた方がいいな。ほら、もう教室に行くぞ。本当に世話の焼ける奴だ」
そう言って笑っていた。
「アルフレッド、僕と友達になってくれてありがとう。こんな風に本音でぶつかり合える友人は、アルフレッドぐらいだよ。これからも、僕の友達でいてくれるかい?」
「何だよ、急に。気持ち悪いな。当たり前だろう、お前は俺の親友だ。ほら、もう行くぞ」
両親が亡くなり、叔父上に引き取られてからはずっと1人だった。でも、いつしか僕にはたくさんの大切な人が出来た。アルフレッドももちろんその1人だ。アルフレッドは僕が辛いとき、僕を支えてくれる大切な人。
僕もいつか、アルフレッドを支えてあげられるような人間になりたい。そんな彼と出会わせてくれ、話せるきっかけを作ってくれたのはルージュだ。ルージュは僕に、沢山の幸せやかけがえのない人たちを与えてくれた。
彼女のお陰で、今の僕がある。
彼女には返しきれない程の恩があるんだ。だからこそ、僕の手でルージュを幸せにしたいと思っていたのに…
僕は一体どこで何を間違えてしまったのだろう…
まだ挽回できるかな?
教室に着くと、何を思ったのかヴァイオレット嬢が僕の傍にやって来た。
「グレイソン様、聞きましたわよ。あの女…失礼しました。ルージュ様が国を出たのですってね。最近グレイソン様、ルージュ様の事を嫌っていらしたもの。よかったですね。これからは私とも仲良くしてくださいね」
何を思ったのか、僕の手を握り嬉しそうに話しかけてきたのだ。
「ルージュはすぐに戻ってきますよ。それから、僕は君と仲良くするつもりはない。手を放してください」
自分でもびっくりする程、冷たい言葉をかけ、手を振りほどいた。いつもいつも、ルージュを目の敵にして。ルージュが一体何をしたというのだ!
プイっとあちらの方向を向くと、席に着いた。1度目の生の時、僕はヴァイオレット嬢にうつつを抜かしたと聞いたが、一体あの女のどこに惹かれたのだろう。全く理解できない。
ただ、1つ言える事は、僕はかなり愚か者だったのだろうという事だ。ちらりとヴァイオレット嬢の方を見ると、なぜかこちらを見つめていて、ウインクされた。
その瞬間、背筋が凍るような寒気を覚えた。あの女、一体どんな神経をしているのだ。僕、結構酷い事を言ったよね?それなのに…
もうあの女の事を考えるのは止めよう。それよりもルージュの事だ、学院が終わったら、すぐに義両親に話しをしないと。
そんな中、休み時間に珍しく殿下が話しかけてきたのだ。
「グレイソン殿、ルージュが国を出たとは一体どういうことだい?どうしてルージュが。もしかして僕が君に1度目の生の事を話したから…君の様子が変だったのも、そのせいだよね。どうしよう…すぐにルージュを探さないと!」
真っ青な顔をしてうろたえている殿下。いつも冷静な彼なのに、こんなにうろたえるだなんて。
「殿下、ルージュは…」
「すぐに王宮に連絡して、捜索を開始させないと」
「クリストファー、落ち着いて。ちょっとこっちに来て」
うろたえる殿下の側にやって来たのは、セレーナ嬢だ。殿下をどこかに連れて行ってしまった。しばらくすると、落ち着きを取り戻した殿下。
一体何を話していたのだろう。
その後も長い長い授業が終わり、やっと放課後になった。
「アルフレッド、悪いが今日は、騎士団の稽古をお休みするよ」
「分かっているよ。今のグレイソンじゃあ、稽古に身が入らないだろう?それよりもグレイソン、俺も一緒に付いていってやろうか?1人だと不安だろう」
「アルフレッドの気持ちは嬉しいが、1人で大丈夫だよ。それじゃあ、また明日」
「ああ、また明日な」
アルフレッドと別れると、急いで馬車に乗り込んだ。義両親としっかり話をするためだ。僕が全て間違っていたこと、これからも公爵家に置いてもらいたい事、騎士団の話は白紙に戻して欲しい事。
それから、ルージュに戻ってきてもらいたい事をしっかり話そう。
もしかしたらあまりにも我が儘を言う僕に、愛想をつかしてしまうかもしれない。義両親には僕のせいで、随分辛い思いをさせてしまったからだ。
でも…
もう僕は逃げない。ちゃんと話をして、誠心誠意謝ろう。それが僕のやるべきことだから。
797
あなたにおすすめの小説
【完結】これをもちまして、終了とさせていただきます
楽歩
恋愛
異世界から王宮に現れたという“女神の使徒”サラ。公爵令嬢のルシアーナの婚約者である王太子は、簡単に心奪われた。
伝承に語られる“女神の使徒”は時代ごとに現れ、国に奇跡をもたらす存在と言われている。婚約解消を告げる王、口々にルシアーナの処遇を言い合う重臣。
そんな混乱の中、ルシアーナは冷静に状況を見据えていた。
「王妃教育には、国の内部機密が含まれている。君がそれを知ったまま他家に嫁ぐことは……困難だ。女神アウレリア様を祀る神殿にて、王家の監視のもと、一生を女神に仕えて過ごすことになる」
神殿に閉じ込められて一生を過ごす? 冗談じゃないわ。
「お話はもうよろしいかしら?」
王族や重臣たち、誰もが自分の思惑通りに動くと考えている中で、ルシアーナは静かに、己の存在感を突きつける。
※39話、約9万字で完結予定です。最後までお付き合いいただけると嬉しいですm(__)m
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
前世と今世の幸せ
夕香里
恋愛
【商業化予定のため、時期未定ですが引き下げ予定があります。詳しくは近況ボードをご確認ください】
幼い頃から皇帝アルバートの「皇后」になるために妃教育を受けてきたリーティア。
しかし聖女が発見されたことでリーティアは皇后ではなく、皇妃として皇帝に嫁ぐ。
皇帝は皇妃を冷遇し、皇后を愛した。
そのうちにリーティアは病でこの世を去ってしまう。
この世を去った後に訳あってもう一度同じ人生を繰り返すことになった彼女は思う。
「今世は幸せになりたい」と
※小説家になろう様にも投稿しています
初夜に大暴言を吐かれた伯爵夫人は、微笑みと共に我が道を行く ―旦那様、今更擦り寄られても困ります―
望月 或
恋愛
「お前の噂を聞いたぞ。毎夜町に出て男を求め、毎回違う男と朝までふしだらな行為に明け暮れているそうだな? その上糸目を付けず服や装飾品を買い漁り、多大な借金を背負っているとか……。そんな醜悪な女が俺の妻だとは非常に不愉快極まりない! 今後俺に話し掛けるな! 俺に一切関与するな! 同じ空気を吸ってるだけでとんでもなく不快だ……!!」
【王命】で決められた婚姻をし、ハイド・ランジニカ伯爵とオリービア・フレイグラント子爵令嬢の初夜は、彼のその暴言で始まった。
そして、それに返したオリービアの一言は、
「あらあら、まぁ」
の六文字だった。
屋敷に住まわせている、ハイドの愛人と噂されるユーカリや、その取巻きの使用人達の嫌がらせも何のその、オリービアは微笑みを絶やさず自分の道を突き進んでいく。
ユーカリだけを信じ心酔していたハイドだったが、オリービアが屋敷に来てから徐々に変化が表れ始めて……
※作者独自の世界観満載です。違和感を感じたら、「あぁ、こういう世界なんだな」と思って頂けたら有難いです……。
完結 貴族生活を棄てたら王子が追って来てメンドクサイ。
音爽(ネソウ)
恋愛
王子の婚約者になってから様々な嫌がらせを受けるようになった侯爵令嬢。
王子は助けてくれないし、母親と妹まで嫉妬を向ける始末。
貴族社会が嫌になった彼女は家出を決行した。
だが、有能がゆえに王子妃に選ばれた彼女は追われることに……
公爵家の秘密の愛娘
ゆきむらさり
恋愛
〔あらすじ〕📝グラント公爵家は王家に仕える名門の家柄。
過去の事情により、今だに独身の当主ダリウス。国王から懇願され、ようやく伯爵未亡人との婚姻を決める。
そんな時、グラント公爵ダリウスの元へと現れたのは1人の少女アンジェラ。
「パパ……私はあなたの娘です」
名乗り出るアンジェラ。
◇
アンジェラが現れたことにより、グラント公爵家は一変。伯爵未亡人との再婚もあやふや。しかも、アンジェラが道中に出逢った人物はまさかの王族。
この時からアンジェラの世界も一変。華やかに色付き出す。
初めはよそよそしいグラント公爵ダリウス(パパ)だが、次第に娘アンジェラを気に掛けるように……。
母娘2代のハッピーライフ&淑女達と貴公子達の恋模様💞
🔶設定などは独自の世界観でご都合主義となります。ハピエン💞
🔶稚拙ながらもHOTランキング(最高20位)に入れて頂き(2025.5.9)、ありがとうございます🙇♀️
人質姫と忘れんぼ王子
雪野 結莉
恋愛
何故か、同じ親から生まれた姉妹のはずなのに、第二王女の私は冷遇され、第一王女のお姉様ばかりが可愛がられる。
やりたいことすらやらせてもらえず、諦めた人生を送っていたが、戦争に負けてお金の為に私は売られることとなった。
お姉様は悠々と今まで通りの生活を送るのに…。
初めて投稿します。
書きたいシーンがあり、そのために書き始めました。
初めての投稿のため、何度も改稿するかもしれませんが、どうぞよろしくお願いします。
小説家になろう様にも掲載しております。
読んでくださった方が、表紙を作ってくださいました。
新○文庫風に作ったそうです。
気に入っています(╹◡╹)
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる