41 / 57
第41話:これは罠ですよね?
しおりを挟む
心配そうな顔のブラッド様を見送った後、1人隅のイスに座り、ジュースを頂く。なんとなく罠の様な気がするが、とにかく人目の多いここにいれば、きっと大丈夫だろう。
辺りをキョロキョロ見渡すと、令嬢たちが近づいてきたのだ。
「あら、アントアーネ様、ブラッド様と一緒ではないのですか?」
「ええ、先生に呼び出された様で、今教室に行っておりますわ」
面倒な人たちが近づいて来た、さっさとあしらおうと思い、返事だけをしてその場を去ろうとした時だった。
「あら?おかしいわね、先生が夜会で生徒を呼び出すことはありませんわよ。もしかして、あなたの傍にいるのがいやで、先生が呼んでいると声をかけてもらう様に、誰かに依頼したのではなくって」
「あなた達、何を言っているの?ブラッド様は、そんな人ではないわ。いい加減な事を、言わないで」
「あら?そうかしら?最近ブラッド様とアイーナ様が、校舎裏で仲良く会話をいるという噂ですわよ。きっと今も、アイーナ様に会いに行ったのではありませんか?」
「あなたと違い、アイーナ様は美しくて聡明で、人望もありますからね。ブラッド様がひかれるのも、無理はありませんわ」
「その話、僕も聞いたことがあるよ。アイーナ嬢はずっと、ブラッド殿に好意を抱いていたそうだね。それで最近、勇気をもって話しかけて、少しずつ距離を縮めているらしいよ」
急に話に入って来たのは、ラドル様だ。
「いい加減な事を言わないで下さい!ブラッド様はずっと、私と一緒にいて下さったのです。アイーナ様と密会など、できる訳がありませんわ」
そうよ、きっとこれは罠だわ。そうに違いない。
でも…
確かにアイーナ様は、お美しくて人望も厚い。勉学も出来るし、家柄も悪くない。最近は領地経営もかなりうまくっている様で、かなり裕福と聞く。
それに、アイーナ様がブラッド様に何度も話しかけている姿を、見た事もある。もしかして、本当に2人は…
「アントアーネ、君がブラッド殿を信じたい気持ちは分かる。そこまで言うのなら、実際に教室に行ってみよう。そこで、全てがわかると思うよ。それとも、教室に行くのが怖いのかい?」
怖い?教室に行くのが?
「いいえ、怖くなんてありませんわ。もし本当にブラッド様が、アイーナ様を愛していらっしゃるのでしたら、私は2人を祝福するまでですから」
祝福?本当にその様な事が出来るの?
でも…
もし本当に2人が愛し合っているのなら、その時は受け入れるしかない…
「それじゃあ、一緒に教室に行ってみよう。アントアーネ、もしブラッド殿とアイーナ嬢が愛し合っていたとしても、大丈夫だよ。君には僕がいるからね」
そう言って私に触れようとしたラドル様を、スッと交わした。
「私とあなた様は、既に婚約を解消しているのです。軽々しく触らないで下さい。それでは、教室に参りましょう」
ラドル様と令嬢たちと一緒に、教室へと向かう。
「アントアーネ、そんなに悲しそうな顔をしないで。2人の事、もっと早く教えようと思ったのだけれど、ブラッド殿が君の傍にいて中々教えられなくてね。本当にごめんね」
「ラドル様が謝る必要はありませんわ。そもそもブラッド様の様な素敵な男性を、独り占めできると思っていたこの女が図々しいのです」
「そうですわ、こんな女の為に、ラドル様が心を痛める必要はありませんわ」
相変わらず、好き勝手言っている人たちを無視し、教室へと向かう。
教室の近くまで来ると、灯りが付いていた。どうやらまだ、教室の中に入るようだ。
「アントアーネ、やはり君には刺激が強すぎるかもしれない。ここで止めておくかい?」
「その様なお気遣いは不要ですわ。さあ、参りましょう」
教室の扉に手をかけ、思いっきり開けた。
するとそこにいたのは…
「きゃぁぁ、いくら何でも激しすぎますわ」
1人の令嬢が叫んだ。
そこには、服がお互いはだけたブラッド様とアイーナ様が、抱き合うような形で机の上に倒れ込んでいたのだ。
「アントアーネ…これは…違うんだ…」
辺りをキョロキョロ見渡すと、令嬢たちが近づいてきたのだ。
「あら、アントアーネ様、ブラッド様と一緒ではないのですか?」
「ええ、先生に呼び出された様で、今教室に行っておりますわ」
面倒な人たちが近づいて来た、さっさとあしらおうと思い、返事だけをしてその場を去ろうとした時だった。
「あら?おかしいわね、先生が夜会で生徒を呼び出すことはありませんわよ。もしかして、あなたの傍にいるのがいやで、先生が呼んでいると声をかけてもらう様に、誰かに依頼したのではなくって」
「あなた達、何を言っているの?ブラッド様は、そんな人ではないわ。いい加減な事を、言わないで」
「あら?そうかしら?最近ブラッド様とアイーナ様が、校舎裏で仲良く会話をいるという噂ですわよ。きっと今も、アイーナ様に会いに行ったのではありませんか?」
「あなたと違い、アイーナ様は美しくて聡明で、人望もありますからね。ブラッド様がひかれるのも、無理はありませんわ」
「その話、僕も聞いたことがあるよ。アイーナ嬢はずっと、ブラッド殿に好意を抱いていたそうだね。それで最近、勇気をもって話しかけて、少しずつ距離を縮めているらしいよ」
急に話に入って来たのは、ラドル様だ。
「いい加減な事を言わないで下さい!ブラッド様はずっと、私と一緒にいて下さったのです。アイーナ様と密会など、できる訳がありませんわ」
そうよ、きっとこれは罠だわ。そうに違いない。
でも…
確かにアイーナ様は、お美しくて人望も厚い。勉学も出来るし、家柄も悪くない。最近は領地経営もかなりうまくっている様で、かなり裕福と聞く。
それに、アイーナ様がブラッド様に何度も話しかけている姿を、見た事もある。もしかして、本当に2人は…
「アントアーネ、君がブラッド殿を信じたい気持ちは分かる。そこまで言うのなら、実際に教室に行ってみよう。そこで、全てがわかると思うよ。それとも、教室に行くのが怖いのかい?」
怖い?教室に行くのが?
「いいえ、怖くなんてありませんわ。もし本当にブラッド様が、アイーナ様を愛していらっしゃるのでしたら、私は2人を祝福するまでですから」
祝福?本当にその様な事が出来るの?
でも…
もし本当に2人が愛し合っているのなら、その時は受け入れるしかない…
「それじゃあ、一緒に教室に行ってみよう。アントアーネ、もしブラッド殿とアイーナ嬢が愛し合っていたとしても、大丈夫だよ。君には僕がいるからね」
そう言って私に触れようとしたラドル様を、スッと交わした。
「私とあなた様は、既に婚約を解消しているのです。軽々しく触らないで下さい。それでは、教室に参りましょう」
ラドル様と令嬢たちと一緒に、教室へと向かう。
「アントアーネ、そんなに悲しそうな顔をしないで。2人の事、もっと早く教えようと思ったのだけれど、ブラッド殿が君の傍にいて中々教えられなくてね。本当にごめんね」
「ラドル様が謝る必要はありませんわ。そもそもブラッド様の様な素敵な男性を、独り占めできると思っていたこの女が図々しいのです」
「そうですわ、こんな女の為に、ラドル様が心を痛める必要はありませんわ」
相変わらず、好き勝手言っている人たちを無視し、教室へと向かう。
教室の近くまで来ると、灯りが付いていた。どうやらまだ、教室の中に入るようだ。
「アントアーネ、やはり君には刺激が強すぎるかもしれない。ここで止めておくかい?」
「その様なお気遣いは不要ですわ。さあ、参りましょう」
教室の扉に手をかけ、思いっきり開けた。
するとそこにいたのは…
「きゃぁぁ、いくら何でも激しすぎますわ」
1人の令嬢が叫んだ。
そこには、服がお互いはだけたブラッド様とアイーナ様が、抱き合うような形で机の上に倒れ込んでいたのだ。
「アントアーネ…これは…違うんだ…」
691
あなたにおすすめの小説
嫌われたと思って離れたのに
ラム猫
恋愛
私は、婚約者のカイルに嫌われたと思った。冷たくそっけなく、近づくたびに避けられる日々。
距離を置くことを選び、留学の準備も進めて心を落ち着かせようとするけれど——。
【完結】わたしは大事な人の側に行きます〜この国が不幸になりますように〜
彩華(あやはな)
恋愛
一つの密約を交わし聖女になったわたし。
わたしは婚約者である王太子殿下に婚約破棄された。
王太子はわたしの大事な人をー。
わたしは、大事な人の側にいきます。
そして、この国不幸になる事を祈ります。
*わたし、王太子殿下、ある方の視点になっています。敢えて表記しておりません。
*ダークな内容になっておりますので、ご注意ください。
ハピエンではありません。ですが、救済はいれました。
婚約者の幼馴染って、つまりは赤の他人でしょう?そんなにその人が大切なら、自分のお金で養えよ。貴方との婚約、破棄してあげるから、他
猿喰 森繁
恋愛
完結した短編まとめました。
大体1万文字以内なので、空いた時間に気楽に読んでもらえると嬉しいです。
【完結】要らないと言っていたのに今更好きだったなんて言うんですか?
星野真弓
恋愛
十五歳で第一王子のフロイデンと婚約した公爵令嬢のイルメラは、彼のためなら何でもするつもりで生活して来た。
だが三年が経った今では冷たい態度ばかり取るフロイデンに対する恋心はほとんど冷めてしまっていた。
そんなある日、フロイデンが「イルメラなんて要らない」と男友達と話しているところを目撃してしまい、彼女の中に残っていた恋心は消え失せ、とっとと別れることに決める。
しかし、どういうわけかフロイデンは慌てた様子で引き留め始めて――
【改稿版】光を忘れたあなたに、永遠の後悔を
桜野なつみ
恋愛
幼き日より、王と王妃は固く結ばれていた。
政略ではなく、互いに慈しみ育んだ、真実の愛。
二人の間に生まれた双子は王国の希望であり、光だった。
だが国に流行病が蔓延したある日、ひとりの“聖女”が現れる。
聖女が癒やしの奇跡を見せたとされ、国中がその姿に熱狂する。
その熱狂の中、王は次第に聖女に惹かれていく。
やがて王は心を奪われ、王妃を遠ざけてゆく……
ーーーーーーーー
初作品です。
自分の読みたい要素をギュッと詰め込みました。
【完結】27王女様の護衛は、私の彼だった。
華蓮
恋愛
ラビートは、アリエンスのことが好きで、結婚したら少しでも贅沢できるように出世いいしたかった。
王女の護衛になる事になり、出世できたことを喜んだ。
王女は、ラビートのことを気に入り、休みの日も呼び出すようになり、ラビートは、休みも王女の護衛になり、アリエンスといる時間が少なくなっていった。
未来予知できる王太子妃は断罪返しを開始します
もるだ
恋愛
未来で起こる出来事が分かるクラーラは、王宮で開催されるパーティーの会場で大好きな婚約者──ルーカス王太子殿下から謀反を企てたと断罪される。王太子妃を狙うマリアに嵌められたと予知したクラーラは、断罪返しを開始する!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる