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第41話:これは罠ですよね?
心配そうな顔のブラッド様を見送った後、1人隅のイスに座り、ジュースを頂く。なんとなく罠の様な気がするが、とにかく人目の多いここにいれば、きっと大丈夫だろう。
辺りをキョロキョロ見渡すと、令嬢たちが近づいてきたのだ。
「あら、アントアーネ様、ブラッド様と一緒ではないのですか?」
「ええ、先生に呼び出された様で、今教室に行っておりますわ」
面倒な人たちが近づいて来た、さっさとあしらおうと思い、返事だけをしてその場を去ろうとした時だった。
「あら?おかしいわね、先生が夜会で生徒を呼び出すことはありませんわよ。もしかして、あなたの傍にいるのがいやで、先生が呼んでいると声をかけてもらう様に、誰かに依頼したのではなくって」
「あなた達、何を言っているの?ブラッド様は、そんな人ではないわ。いい加減な事を、言わないで」
「あら?そうかしら?最近ブラッド様とアイーナ様が、校舎裏で仲良く会話をいるという噂ですわよ。きっと今も、アイーナ様に会いに行ったのではありませんか?」
「あなたと違い、アイーナ様は美しくて聡明で、人望もありますからね。ブラッド様がひかれるのも、無理はありませんわ」
「その話、僕も聞いたことがあるよ。アイーナ嬢はずっと、ブラッド殿に好意を抱いていたそうだね。それで最近、勇気をもって話しかけて、少しずつ距離を縮めているらしいよ」
急に話に入って来たのは、ラドル様だ。
「いい加減な事を言わないで下さい!ブラッド様はずっと、私と一緒にいて下さったのです。アイーナ様と密会など、できる訳がありませんわ」
そうよ、きっとこれは罠だわ。そうに違いない。
でも…
確かにアイーナ様は、お美しくて人望も厚い。勉学も出来るし、家柄も悪くない。最近は領地経営もかなりうまくっている様で、かなり裕福と聞く。
それに、アイーナ様がブラッド様に何度も話しかけている姿を、見た事もある。もしかして、本当に2人は…
「アントアーネ、君がブラッド殿を信じたい気持ちは分かる。そこまで言うのなら、実際に教室に行ってみよう。そこで、全てがわかると思うよ。それとも、教室に行くのが怖いのかい?」
怖い?教室に行くのが?
「いいえ、怖くなんてありませんわ。もし本当にブラッド様が、アイーナ様を愛していらっしゃるのでしたら、私は2人を祝福するまでですから」
祝福?本当にその様な事が出来るの?
でも…
もし本当に2人が愛し合っているのなら、その時は受け入れるしかない…
「それじゃあ、一緒に教室に行ってみよう。アントアーネ、もしブラッド殿とアイーナ嬢が愛し合っていたとしても、大丈夫だよ。君には僕がいるからね」
そう言って私に触れようとしたラドル様を、スッと交わした。
「私とあなた様は、既に婚約を解消しているのです。軽々しく触らないで下さい。それでは、教室に参りましょう」
ラドル様と令嬢たちと一緒に、教室へと向かう。
「アントアーネ、そんなに悲しそうな顔をしないで。2人の事、もっと早く教えようと思ったのだけれど、ブラッド殿が君の傍にいて中々教えられなくてね。本当にごめんね」
「ラドル様が謝る必要はありませんわ。そもそもブラッド様の様な素敵な男性を、独り占めできると思っていたこの女が図々しいのです」
「そうですわ、こんな女の為に、ラドル様が心を痛める必要はありませんわ」
相変わらず、好き勝手言っている人たちを無視し、教室へと向かう。
教室の近くまで来ると、灯りが付いていた。どうやらまだ、教室の中に入るようだ。
「アントアーネ、やはり君には刺激が強すぎるかもしれない。ここで止めておくかい?」
「その様なお気遣いは不要ですわ。さあ、参りましょう」
教室の扉に手をかけ、思いっきり開けた。
するとそこにいたのは…
「きゃぁぁ、いくら何でも激しすぎますわ」
1人の令嬢が叫んだ。
そこには、服がお互いはだけたブラッド様とアイーナ様が、抱き合うような形で机の上に倒れ込んでいたのだ。
「アントアーネ…これは…違うんだ…」
辺りをキョロキョロ見渡すと、令嬢たちが近づいてきたのだ。
「あら、アントアーネ様、ブラッド様と一緒ではないのですか?」
「ええ、先生に呼び出された様で、今教室に行っておりますわ」
面倒な人たちが近づいて来た、さっさとあしらおうと思い、返事だけをしてその場を去ろうとした時だった。
「あら?おかしいわね、先生が夜会で生徒を呼び出すことはありませんわよ。もしかして、あなたの傍にいるのがいやで、先生が呼んでいると声をかけてもらう様に、誰かに依頼したのではなくって」
「あなた達、何を言っているの?ブラッド様は、そんな人ではないわ。いい加減な事を、言わないで」
「あら?そうかしら?最近ブラッド様とアイーナ様が、校舎裏で仲良く会話をいるという噂ですわよ。きっと今も、アイーナ様に会いに行ったのではありませんか?」
「あなたと違い、アイーナ様は美しくて聡明で、人望もありますからね。ブラッド様がひかれるのも、無理はありませんわ」
「その話、僕も聞いたことがあるよ。アイーナ嬢はずっと、ブラッド殿に好意を抱いていたそうだね。それで最近、勇気をもって話しかけて、少しずつ距離を縮めているらしいよ」
急に話に入って来たのは、ラドル様だ。
「いい加減な事を言わないで下さい!ブラッド様はずっと、私と一緒にいて下さったのです。アイーナ様と密会など、できる訳がありませんわ」
そうよ、きっとこれは罠だわ。そうに違いない。
でも…
確かにアイーナ様は、お美しくて人望も厚い。勉学も出来るし、家柄も悪くない。最近は領地経営もかなりうまくっている様で、かなり裕福と聞く。
それに、アイーナ様がブラッド様に何度も話しかけている姿を、見た事もある。もしかして、本当に2人は…
「アントアーネ、君がブラッド殿を信じたい気持ちは分かる。そこまで言うのなら、実際に教室に行ってみよう。そこで、全てがわかると思うよ。それとも、教室に行くのが怖いのかい?」
怖い?教室に行くのが?
「いいえ、怖くなんてありませんわ。もし本当にブラッド様が、アイーナ様を愛していらっしゃるのでしたら、私は2人を祝福するまでですから」
祝福?本当にその様な事が出来るの?
でも…
もし本当に2人が愛し合っているのなら、その時は受け入れるしかない…
「それじゃあ、一緒に教室に行ってみよう。アントアーネ、もしブラッド殿とアイーナ嬢が愛し合っていたとしても、大丈夫だよ。君には僕がいるからね」
そう言って私に触れようとしたラドル様を、スッと交わした。
「私とあなた様は、既に婚約を解消しているのです。軽々しく触らないで下さい。それでは、教室に参りましょう」
ラドル様と令嬢たちと一緒に、教室へと向かう。
「アントアーネ、そんなに悲しそうな顔をしないで。2人の事、もっと早く教えようと思ったのだけれど、ブラッド殿が君の傍にいて中々教えられなくてね。本当にごめんね」
「ラドル様が謝る必要はありませんわ。そもそもブラッド様の様な素敵な男性を、独り占めできると思っていたこの女が図々しいのです」
「そうですわ、こんな女の為に、ラドル様が心を痛める必要はありませんわ」
相変わらず、好き勝手言っている人たちを無視し、教室へと向かう。
教室の近くまで来ると、灯りが付いていた。どうやらまだ、教室の中に入るようだ。
「アントアーネ、やはり君には刺激が強すぎるかもしれない。ここで止めておくかい?」
「その様なお気遣いは不要ですわ。さあ、参りましょう」
教室の扉に手をかけ、思いっきり開けた。
するとそこにいたのは…
「きゃぁぁ、いくら何でも激しすぎますわ」
1人の令嬢が叫んだ。
そこには、服がお互いはだけたブラッド様とアイーナ様が、抱き合うような形で机の上に倒れ込んでいたのだ。
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