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第43話:証拠はそろっています
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「さて、それでは実際何が起こったのか、皆様で見て行きましょうか」
確かこの辺りに、ブラッド様が仕掛けていた小型カメラが…あったわ。
「先生、こちらの小型カメラに、全てがうつされているはずですわ。すぐに再生を…」
「止めて下さい、アントアーネ様。さすがに人の密会を撮影するだなんて、悪趣味ですわよ」
必死に止めに入ったのは、アイーナ様だ。
「あら、どこが悪趣味なのですか?そもそもこの小型カメラは、ブラッド様の不正疑惑事件の時から設置されていたものですわ。あなたも設置されている事を、知っていたはずですが」
あの時から、ずっと設置されていたものだ。今更知らないとは言わせない。
「とにかくこの映像を見れば、全てが分かりそうですね。すぐに再生を…」
「先生、どうかお許しください。この様な映像を見られたら、私、お嫁にいけませんわ」
必死に訴えるアイーナ様を他所に、映像が再生される。そこには、何も知らずに教室に入って来たブラッド様を待っていたアイーナ様の姿が。さらに、教室を出ようとするブラッド様を、必死に引き留めている。
すると体調に異変が出始めたブラッド様が、机に倒れ込みそうになっているのを、アイーナ様が押し倒し、ブラッド様の服をゆっくり脱がせ始めたのだ。
必死に抵抗するブラッド様だが、うまく体が動かない様だ。
何なの…この映像は!見ているだけで、非常に腹立たしい映像だ。
「もうやめて下さい!そうですわ、私がブラッド様に薬を飲ませて、襲ったのです。既成事実を作ってしまえば、ブラッド様は私をお嫁さんにしてくれると思ったのです」
「アイーナ嬢、君は何を考えているのだい?貴族学院で、それもリューズ王国の留学生でもあるブラッド殿に、薬を飲ませて襲うだなんて。立派な強姦罪だぞ」
「アイーナ様が、そんな方だっただなんて…」
「令嬢として最低ですわ。そこまでして、ブラッド様を手に入れたかっただなんて」
先生と令嬢たちに責められるアイーナ様。
「確かに私は最低な事をしました。ですが、もとはと言えば、ラドル様が…」
「アイーナ嬢、僕の名前を出すのは止めてくれるかい?僕が君に何かしたかい?」
「そうですわ、どうしてそこで、ラドル様のお名前が出てい来るの?アイーナ様、さすがに無理がありますわ」
「もしかして、ご自分の罪を、お優しいラドル様に擦り付けようとしているのですか?最低ですね。先生、こんな最低な女を、さっさと連れて行ってください。まさかこんな卑猥な事をする人間と、一緒に勉強をしていただなんて」
「本当ですわね、先生、アイーナ様を退学にして下さい」
「こんな人間と一緒に、卒業なんてしたくありませんわ」
「そんな…皆様、今までずっと私の傍にいて下さっていたではありませんか?私たち、お友達ですわよね」
必死にアイーナ様が縋りついているが、そんな彼女を振り払い、睨みつける令嬢たち。あんなに仲が良かったのに、こうもあっさり切り捨てるだなんて…
もちろんアイーナ様がしたことは、許される事ではない。ブラッド様がどれほど怖い思いをしたのか、そう考えると、八つ裂きにしてやりたいくらいだ。
でも…
「とにかく、アイーナ嬢はこちらに来なさい。君たち、彼女にも将来があります。どうかこの話しは、内内にとどめておいてください。決して口外しない様に。分かりましたね」
そう言うと担任の先生が、泣き崩れるアイーナ様を連れて教室から出て行った。
「君たちも、ホールに戻ってください。くれぐれも、口外しないで下さいね」
「承知いたしました。私は決して口外しませんわ。それでは私は、ブラッド様が心配ですのでこれで失礼いたします」
残っていた先生たちに頭を下げて、一足先に教室から出た。
「待って、アントアーネ」
そんな私の腕を掴んできたのは、ラドル様だ。きっとこの男が、今回の件も仕掛けたのだろう。現にアイーナ様は、ラドル様の名前を出していた。
「私に何か御用でしょうか?」
「アントアーネ、いい加減機嫌を直してくれないかい?ブラッド殿は、もうすぐリューズ王国に帰るのだろう。彼の傍にずっといても、別れがつらくなるだけではないのかい?
それに君は、ずっとこの国で生きるつもりなのだろう。それなら他国の令息よりも、自国の人間と仲良くなっておいた方がいいと思うんだ。僕が君の悪い噂に関する誤解を解いてあげるから、だからどうか機嫌を…」
「いい加減にしてください!また哀れな令息たちを使って、彼らに罪を擦り付けるつもりですか?正直私はもう、この国の人間にどう思われようが関係ありません。
それに何よりも、私はあなたが嫌いなのです。卑劣な手を使って、人を平気で傷つけるあなたが!私は機嫌が悪い訳ではありません。ただ、もうあなたと関わりたくないだけです。どうかもう、私の事は放っておいてください」
もういい加減にしてほしい。どうして私を…私の大切な人を傷つけるような事をするのだろう。そんな事をされればされるほど、どんどん嫌いになっていくというのに。
確かこの辺りに、ブラッド様が仕掛けていた小型カメラが…あったわ。
「先生、こちらの小型カメラに、全てがうつされているはずですわ。すぐに再生を…」
「止めて下さい、アントアーネ様。さすがに人の密会を撮影するだなんて、悪趣味ですわよ」
必死に止めに入ったのは、アイーナ様だ。
「あら、どこが悪趣味なのですか?そもそもこの小型カメラは、ブラッド様の不正疑惑事件の時から設置されていたものですわ。あなたも設置されている事を、知っていたはずですが」
あの時から、ずっと設置されていたものだ。今更知らないとは言わせない。
「とにかくこの映像を見れば、全てが分かりそうですね。すぐに再生を…」
「先生、どうかお許しください。この様な映像を見られたら、私、お嫁にいけませんわ」
必死に訴えるアイーナ様を他所に、映像が再生される。そこには、何も知らずに教室に入って来たブラッド様を待っていたアイーナ様の姿が。さらに、教室を出ようとするブラッド様を、必死に引き留めている。
すると体調に異変が出始めたブラッド様が、机に倒れ込みそうになっているのを、アイーナ様が押し倒し、ブラッド様の服をゆっくり脱がせ始めたのだ。
必死に抵抗するブラッド様だが、うまく体が動かない様だ。
何なの…この映像は!見ているだけで、非常に腹立たしい映像だ。
「もうやめて下さい!そうですわ、私がブラッド様に薬を飲ませて、襲ったのです。既成事実を作ってしまえば、ブラッド様は私をお嫁さんにしてくれると思ったのです」
「アイーナ嬢、君は何を考えているのだい?貴族学院で、それもリューズ王国の留学生でもあるブラッド殿に、薬を飲ませて襲うだなんて。立派な強姦罪だぞ」
「アイーナ様が、そんな方だっただなんて…」
「令嬢として最低ですわ。そこまでして、ブラッド様を手に入れたかっただなんて」
先生と令嬢たちに責められるアイーナ様。
「確かに私は最低な事をしました。ですが、もとはと言えば、ラドル様が…」
「アイーナ嬢、僕の名前を出すのは止めてくれるかい?僕が君に何かしたかい?」
「そうですわ、どうしてそこで、ラドル様のお名前が出てい来るの?アイーナ様、さすがに無理がありますわ」
「もしかして、ご自分の罪を、お優しいラドル様に擦り付けようとしているのですか?最低ですね。先生、こんな最低な女を、さっさと連れて行ってください。まさかこんな卑猥な事をする人間と、一緒に勉強をしていただなんて」
「本当ですわね、先生、アイーナ様を退学にして下さい」
「こんな人間と一緒に、卒業なんてしたくありませんわ」
「そんな…皆様、今までずっと私の傍にいて下さっていたではありませんか?私たち、お友達ですわよね」
必死にアイーナ様が縋りついているが、そんな彼女を振り払い、睨みつける令嬢たち。あんなに仲が良かったのに、こうもあっさり切り捨てるだなんて…
もちろんアイーナ様がしたことは、許される事ではない。ブラッド様がどれほど怖い思いをしたのか、そう考えると、八つ裂きにしてやりたいくらいだ。
でも…
「とにかく、アイーナ嬢はこちらに来なさい。君たち、彼女にも将来があります。どうかこの話しは、内内にとどめておいてください。決して口外しない様に。分かりましたね」
そう言うと担任の先生が、泣き崩れるアイーナ様を連れて教室から出て行った。
「君たちも、ホールに戻ってください。くれぐれも、口外しないで下さいね」
「承知いたしました。私は決して口外しませんわ。それでは私は、ブラッド様が心配ですのでこれで失礼いたします」
残っていた先生たちに頭を下げて、一足先に教室から出た。
「待って、アントアーネ」
そんな私の腕を掴んできたのは、ラドル様だ。きっとこの男が、今回の件も仕掛けたのだろう。現にアイーナ様は、ラドル様の名前を出していた。
「私に何か御用でしょうか?」
「アントアーネ、いい加減機嫌を直してくれないかい?ブラッド殿は、もうすぐリューズ王国に帰るのだろう。彼の傍にずっといても、別れがつらくなるだけではないのかい?
それに君は、ずっとこの国で生きるつもりなのだろう。それなら他国の令息よりも、自国の人間と仲良くなっておいた方がいいと思うんだ。僕が君の悪い噂に関する誤解を解いてあげるから、だからどうか機嫌を…」
「いい加減にしてください!また哀れな令息たちを使って、彼らに罪を擦り付けるつもりですか?正直私はもう、この国の人間にどう思われようが関係ありません。
それに何よりも、私はあなたが嫌いなのです。卑劣な手を使って、人を平気で傷つけるあなたが!私は機嫌が悪い訳ではありません。ただ、もうあなたと関わりたくないだけです。どうかもう、私の事は放っておいてください」
もういい加減にしてほしい。どうして私を…私の大切な人を傷つけるような事をするのだろう。そんな事をされればされるほど、どんどん嫌いになっていくというのに。
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