私を陥れる様な婚約者はいりません!彼と幸せになりますから邪魔しないで下さい

Karamimi

文字の大きさ
43 / 73

第43話:証拠はそろっています

「さて、それでは実際何が起こったのか、皆様で見て行きましょうか」

 確かこの辺りに、ブラッド様が仕掛けていた小型カメラが…あったわ。

「先生、こちらの小型カメラに、全てがうつされているはずですわ。すぐに再生を…」

「止めて下さい、アントアーネ様。さすがに人の密会を撮影するだなんて、悪趣味ですわよ」

 必死に止めに入ったのは、アイーナ様だ。

「あら、どこが悪趣味なのですか?そもそもこの小型カメラは、ブラッド様の不正疑惑事件の時から設置されていたものですわ。あなたも設置されている事を、知っていたはずですが」

 あの時から、ずっと設置されていたものだ。今更知らないとは言わせない。

「とにかくこの映像を見れば、全てが分かりそうですね。すぐに再生を…」

「先生、どうかお許しください。この様な映像を見られたら、私、お嫁にいけませんわ」

 必死に訴えるアイーナ様を他所に、映像が再生される。そこには、何も知らずに教室に入って来たブラッド様を待っていたアイーナ様の姿が。さらに、教室を出ようとするブラッド様を、必死に引き留めている。

 すると体調に異変が出始めたブラッド様が、机に倒れ込みそうになっているのを、アイーナ様が押し倒し、ブラッド様の服をゆっくり脱がせ始めたのだ。

 必死に抵抗するブラッド様だが、うまく体が動かない様だ。

 何なの…この映像は!見ているだけで、非常に腹立たしい映像だ。

「もうやめて下さい!そうですわ、私がブラッド様に薬を飲ませて、襲ったのです。既成事実を作ってしまえば、ブラッド様は私をお嫁さんにしてくれると思ったのです」

「アイーナ嬢、君は何を考えているのだい?貴族学院で、それもリューズ王国の留学生でもあるブラッド殿に、薬を飲ませて襲うだなんて。立派な強姦罪だぞ」

「アイーナ様が、そんな方だっただなんて…」

「令嬢として最低ですわ。そこまでして、ブラッド様を手に入れたかっただなんて」

 先生と令嬢たちに責められるアイーナ様。

「確かに私は最低な事をしました。ですが、もとはと言えば、ラドル様が…」

「アイーナ嬢、僕の名前を出すのは止めてくれるかい?僕が君に何かしたかい?」

「そうですわ、どうしてそこで、ラドル様のお名前が出てい来るの?アイーナ様、さすがに無理がありますわ」

「もしかして、ご自分の罪を、お優しいラドル様に擦り付けようとしているのですか?最低ですね。先生、こんな最低な女を、さっさと連れて行ってください。まさかこんな卑猥な事をする人間と、一緒に勉強をしていただなんて」

「本当ですわね、先生、アイーナ様を退学にして下さい」

「こんな人間と一緒に、卒業なんてしたくありませんわ」

「そんな…皆様、今までずっと私の傍にいて下さっていたではありませんか?私たち、お友達ですわよね」

 必死にアイーナ様が縋りついているが、そんな彼女を振り払い、睨みつける令嬢たち。あんなに仲が良かったのに、こうもあっさり切り捨てるだなんて…

 もちろんアイーナ様がしたことは、許される事ではない。ブラッド様がどれほど怖い思いをしたのか、そう考えると、八つ裂きにしてやりたいくらいだ。

 でも…

「とにかく、アイーナ嬢はこちらに来なさい。君たち、彼女にも将来があります。どうかこの話しは、内内にとどめておいてください。決して口外しない様に。分かりましたね」

 そう言うと担任の先生が、泣き崩れるアイーナ様を連れて教室から出て行った。

「君たちも、ホールに戻ってください。くれぐれも、口外しないで下さいね」

「承知いたしました。私は決して口外しませんわ。それでは私は、ブラッド様が心配ですのでこれで失礼いたします」

 残っていた先生たちに頭を下げて、一足先に教室から出た。

「待って、アントアーネ」

 そんな私の腕を掴んできたのは、ラドル様だ。きっとこの男が、今回の件も仕掛けたのだろう。現にアイーナ様は、ラドル様の名前を出していた。

「私に何か御用でしょうか?」

「アントアーネ、いい加減機嫌を直してくれないかい?ブラッド殿は、もうすぐリューズ王国に帰るのだろう。彼の傍にずっといても、別れがつらくなるだけではないのかい?

 それに君は、ずっとこの国で生きるつもりなのだろう。それなら他国の令息よりも、自国の人間と仲良くなっておいた方がいいと思うんだ。僕が君の悪い噂に関する誤解を解いてあげるから、だからどうか機嫌を…」

「いい加減にしてください!また哀れな令息たちを使って、彼らに罪を擦り付けるつもりですか?正直私はもう、この国の人間にどう思われようが関係ありません。

 それに何よりも、私はあなたが嫌いなのです。卑劣な手を使って、人を平気で傷つけるあなたが!私は機嫌が悪い訳ではありません。ただ、もうあなたと関わりたくないだけです。どうかもう、私の事は放っておいてください」

 もういい加減にしてほしい。どうして私を…私の大切な人を傷つけるような事をするのだろう。そんな事をされればされるほど、どんどん嫌いになっていくというのに。

あなたにおすすめの小説

奪われる人生とはお別れします 婚約破棄の後は幸せな日々が待っていました

水空 葵
恋愛
婚約者だった王太子殿下は、最近聖女様にかかりっきりで私には見向きもしない。 それなのに妃教育と称して仕事を押し付けてくる。 しまいには建国パーティーの時に婚約解消を突き付けられてしまった。 王太子殿下、それから私の両親。今まで尽くしてきたのに、裏切るなんて許せません。 でも、これ以上奪われるのは嫌なので、さっさとお別れしましょう。 ◇2024/2/5 HOTランキング1位に掲載されました。 ◇第17回 恋愛小説大賞で6位&奨励賞を頂きました。 ◇レジーナブックスより書籍発売中です! 本当にありがとうございます!

2度目の人生は好きにやらせていただきます

みおな
恋愛
公爵令嬢アリスティアは、婚約者であるエリックに学園の卒業パーティーで冤罪で婚約破棄を言い渡され、そのまま処刑された。 そして目覚めた時、アリスティアは学園入学前に戻っていた。 今度こそは幸せになりたいと、アリスティアは婚約回避を目指すことにする。

嘘つきな唇〜もう貴方のことは必要ありません〜

みおな
恋愛
 伯爵令嬢のジュエルは、王太子であるシリウスから求婚され、王太子妃になるべく日々努力していた。  そんなある日、ジュエルはシリウスが一人の女性と抱き合っているのを見てしまう。  その日以来、何度も何度も彼女との逢瀬を重ねるシリウス。  そんなに彼女が好きなのなら、彼女を王太子妃にすれば良い。  ジュエルが何度そう言っても、シリウスは「彼女は友人だよ」と繰り返すばかり。  堂々と嘘をつくシリウスにジュエルは・・・

婚約破棄を望むなら〜私の愛した人はあなたじゃありません〜

みおな
恋愛
 王家主催のパーティーにて、私の婚約者がやらかした。 「お前との婚約を破棄する!!」  私はこの馬鹿何言っているんだと思いながらも、婚約破棄を受け入れてやった。  だって、私は何ひとつ困らない。 困るのは目の前でふんぞり返っている元婚約者なのだから。

「離縁状の印が乾く前に、王太子殿下から花束が届きました」〜五年間「置物」と呼ばれた侯爵夫人、夫が青ざめるのは王家との縁が切れてからでした〜

まさき
恋愛
侯爵夫人として過ごした五年間、夫に名前を呼ばれたことが一度もなかった。 愛人を夜会に連れてきた翌朝、私は離縁状を置いて屋敷を出た。 夫は「すぐ戻る」と思っていたらしい。 でも届いたのは、王太子殿下からの白薔薇だった。 「五年、待ちすぎました。今度こそ私の隣に」 幼馴染の殿下は、いつも私を「アメリア」と呼んでくれた。 ただそれだけで、五年分の何かが、ほどけていった。 夫が全てを失うのはこれからの話。 私が本当の笑顔を取り戻すのも、これからの話。

悪女役らしく離婚を迫ろうとしたのに、夫の反応がおかしい

廻り
恋愛
第18回恋愛小説大賞にて奨励賞をいただきました。応援してくださりありがとうございました! レジーナブックス様から書籍が4月下旬に発売されます!  王太子妃シャルロット20歳は、前世の記憶が蘇る。  ここは小説の世界で、シャルロットは王太子とヒロインの恋路を邪魔する『悪女役』。 『断罪される運命』から逃れたいが、夫は離婚に応じる気がない。  ならばと、シャルロットは別居を始める。 『夫が離婚に応じたくなる計画』を思いついたシャルロットは、それを実行することに。  夫がヒロインと出会うまで、タイムリミットは一年。  それまでに離婚に応じさせたいシャルロットと、なぜか様子がおかしい夫の話。

【完結】愛とは呼ばせない

野村にれ
恋愛
リール王太子殿下とサリー・ペルガメント侯爵令嬢は六歳の時からの婚約者である。 二人はお互いを励まし、未来に向かっていた。 しかし、王太子殿下は最近ある子爵令嬢に御執心で、サリーを蔑ろにしていた。 サリーは幾度となく、王太子殿下に問うも、答えは得られなかった。 二人は身分差はあるものの、子爵令嬢は男装をしても似合いそうな顔立ちで、長身で美しく、 まるで対の様だと言われるようになっていた。二人を見つめるファンもいるほどである。 サリーは婚約解消なのだろうと受け止め、承知するつもりであった。 しかし、そうはならなかった。

記憶が戻ったのは婚約が解消された後でした。

しゃーりん
恋愛
王太子殿下と婚約している公爵令嬢ダイアナは目を覚ますと自分がどこにいるのかわからなかった。 眠る前と部屋の雰囲気が違ったからだ。 侍女とも話が噛み合わず、どうやら丸一年間の記憶がダイアナにはなかった。 ダイアナが記憶にないその一年の間に、王太子殿下との婚約は解消されており、別の男性と先日婚約したばかりだった。 彼が好きになったのは記憶のないダイアナであるため、ダイアナは婚約を解消しようとするお話です。