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第50話:うんざりです
翌日、ブラッド様といつもの様に、貴族学院へと向かう。
2人で話し合って、いつも通り過ごすことになった。馬車から降りると、ブラッド様が私の手を握ったのだ。
「ブラッド様、手を握るのはよくないかと」
「どうしてだい?今までだって、こうして手をつないで教室まで行っていたではないか。いつも通りだよ」
言われてみれば、私たちはいつも手を繋いで教室まで行っていた。それに男女別の授業のとき以外は、ずっと一緒にいたし、お弁当も食べさせあいっこなどをしていた。
恋人同士と変わらない生活を、今まで送っていたのだ。私ったら、どうして今まで気が付かなかったのだろう。なんだか急に、恥ずかしくなってきた。
「アントアーネ、顔が赤いよ。どうしたのだい?熱でもあるのかい?少し熱いね、これは大変だ」
ブラッド様が私のおでこに、自分のおでこをくっつけてきたのだ。さらに顔が熱くなる。
「熱などありませんわ。ブラッド様が急におでこをくっつけて来たから、びっくりしただけですわ」
プイっとあちらの方を向き、そのまま歩き出す。もう、どうしてこんなにドキドキするのよ。
気持ちが通じ合ってから、変に意識してしまっている。この前までは、平気だったのに…
「アントアーネ、待って…」
「アントアーネ、おはよう。あれ?何だか顔が赤いね。どうしたのだい?もしかして、熱でもあるのかい?」
私の元にやって来たのは、ラドル様だ。夜会の時、私ははっきりとラドル様を拒絶した。それなのに、何事もなかったかのように、近づいてきたのだ。
この人のメンタルは、一体どうなっているの?
「何度も申し上げておりますが、どうか私の事は放っておいてください。ブラッド様、行きましょう」
ブラッド様の手を握り、教室へと向かう。教室に入ると、令嬢たちが飛んできたのだ。
「ブラッド様、聞きましたわ。大変でしたね。アイーナ様に薬を飲まされて、襲われそうになったのですってね。まさかアイーナ様が、その様な卑劣な事をなさる人だっただなんて」
「アイーナ様、ずっとブラッド様に好意を抱いていらしたものね。それでもその様な事をなさることは、犯罪ですわ。もちろん、貴族裁判にかけるのですよね」
「大人しそうな顔をして、やる事が大胆よね。本当に気持ち悪いですわ」
「もう二度と、表舞台には立てない様に、徹底的に叩くべきですわ。そもそも私は、アイーナ様に良い印象を持っていなかったのよ。ほら、あの人は自慢ばかりで、感じが悪いでしょう」
「そうそう、自分よりも身分の低い人間を駒の様に扱って。私も嫌いだったのですよね」
次々とアイーナ様の悪口が飛び交う。ついこの前まで、当たり前のように仲良くしていた令嬢たちなのに。確かにアイーナ様は、悪い事をした。ブラッド様を襲った事は、決して許される事ではないし、私も絶対に許せない。
でも、だからって掌を返して、アイーナ様の悪口を言うだなんて…この国の令嬢たちは、いつもそうだ。本当にうんざりする。
「君たち、アイーナ嬢の件は、内密にと言われていたのに。それに君たちには関係のない事だ。あることない事を言いふらすのは、どうかと思うよ。これは俺とアイーナ嬢の問題だ。今後この件に関しては、黙っていてくれ。
それから、この話しを言いふらした人たち、君たちがやった事は、アイーナ嬢だけでなく、俺の名誉をも傷つけたことになる。令息でもある俺が、令嬢に薬を盛られ、襲われそうになるだなんて、恥以外何物でもないからな。
これ以上話を大きくするなら、口外した人間を名誉棄損で訴えるから、そのつもりで」
ブラッド様が、はっきりと告げたのだ。
「ブラッド様、申し訳ございません。もう二度とこの話しはしませんので、どうか穏便に。皆様、このお話しは、どうか口外しない様にお願いします」
あの日一緒にいた令嬢たちが、必死に訴えている。口の軽い子たち。この子達には、もううんざりだ。
2人で話し合って、いつも通り過ごすことになった。馬車から降りると、ブラッド様が私の手を握ったのだ。
「ブラッド様、手を握るのはよくないかと」
「どうしてだい?今までだって、こうして手をつないで教室まで行っていたではないか。いつも通りだよ」
言われてみれば、私たちはいつも手を繋いで教室まで行っていた。それに男女別の授業のとき以外は、ずっと一緒にいたし、お弁当も食べさせあいっこなどをしていた。
恋人同士と変わらない生活を、今まで送っていたのだ。私ったら、どうして今まで気が付かなかったのだろう。なんだか急に、恥ずかしくなってきた。
「アントアーネ、顔が赤いよ。どうしたのだい?熱でもあるのかい?少し熱いね、これは大変だ」
ブラッド様が私のおでこに、自分のおでこをくっつけてきたのだ。さらに顔が熱くなる。
「熱などありませんわ。ブラッド様が急におでこをくっつけて来たから、びっくりしただけですわ」
プイっとあちらの方を向き、そのまま歩き出す。もう、どうしてこんなにドキドキするのよ。
気持ちが通じ合ってから、変に意識してしまっている。この前までは、平気だったのに…
「アントアーネ、待って…」
「アントアーネ、おはよう。あれ?何だか顔が赤いね。どうしたのだい?もしかして、熱でもあるのかい?」
私の元にやって来たのは、ラドル様だ。夜会の時、私ははっきりとラドル様を拒絶した。それなのに、何事もなかったかのように、近づいてきたのだ。
この人のメンタルは、一体どうなっているの?
「何度も申し上げておりますが、どうか私の事は放っておいてください。ブラッド様、行きましょう」
ブラッド様の手を握り、教室へと向かう。教室に入ると、令嬢たちが飛んできたのだ。
「ブラッド様、聞きましたわ。大変でしたね。アイーナ様に薬を飲まされて、襲われそうになったのですってね。まさかアイーナ様が、その様な卑劣な事をなさる人だっただなんて」
「アイーナ様、ずっとブラッド様に好意を抱いていらしたものね。それでもその様な事をなさることは、犯罪ですわ。もちろん、貴族裁判にかけるのですよね」
「大人しそうな顔をして、やる事が大胆よね。本当に気持ち悪いですわ」
「もう二度と、表舞台には立てない様に、徹底的に叩くべきですわ。そもそも私は、アイーナ様に良い印象を持っていなかったのよ。ほら、あの人は自慢ばかりで、感じが悪いでしょう」
「そうそう、自分よりも身分の低い人間を駒の様に扱って。私も嫌いだったのですよね」
次々とアイーナ様の悪口が飛び交う。ついこの前まで、当たり前のように仲良くしていた令嬢たちなのに。確かにアイーナ様は、悪い事をした。ブラッド様を襲った事は、決して許される事ではないし、私も絶対に許せない。
でも、だからって掌を返して、アイーナ様の悪口を言うだなんて…この国の令嬢たちは、いつもそうだ。本当にうんざりする。
「君たち、アイーナ嬢の件は、内密にと言われていたのに。それに君たちには関係のない事だ。あることない事を言いふらすのは、どうかと思うよ。これは俺とアイーナ嬢の問題だ。今後この件に関しては、黙っていてくれ。
それから、この話しを言いふらした人たち、君たちがやった事は、アイーナ嬢だけでなく、俺の名誉をも傷つけたことになる。令息でもある俺が、令嬢に薬を盛られ、襲われそうになるだなんて、恥以外何物でもないからな。
これ以上話を大きくするなら、口外した人間を名誉棄損で訴えるから、そのつもりで」
ブラッド様が、はっきりと告げたのだ。
「ブラッド様、申し訳ございません。もう二度とこの話しはしませんので、どうか穏便に。皆様、このお話しは、どうか口外しない様にお願いします」
あの日一緒にいた令嬢たちが、必死に訴えている。口の軽い子たち。この子達には、もううんざりだ。
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