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第51話:卒業までの我慢
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ブラッド様がきつく口止めはしたものの、一度広がった噂は中々消えるものではない。すっかりアイーナ様の事件は、広まってしまった。
とはいえ、直接ブラッド様に何かを言ってくる人はいないのが、唯一の救いだ。
「アントアーネ、この時期に、悪目立ちをしてしまったね。卒業まで、静かに過ごしたかったのに。すまない、俺のせいで」
「ブラッド様のせいではありませんわ。おしゃべりな令嬢たちのせいです。それにしても、先生からも口外しない様にと言われていたのに、あんなにペラペラと話してしまうだなんて。
本当にこの国の令嬢たちは、口が軽くて噂好きなのですね」
私もその噂のせいで、随分と苦しめられた。
「アントアーネも、この国の貴族たちには随分苦しめられたものね。リューズ王国の貴族たちは、皆君に好意的だから安心してくれ。10年前、君はたくさんの貴族たちと仲良くなっただろう。
皆あの時の事を、覚えているのだよ。何度も“アントアーネは、もうリューズ王国にはこないのか?”と、聞かれたくらいだからね。君ならきっと、リューズ王国でうまくやっていけるよ」
「まあ、10年も前に会っただけなのに、そんな風に言ってくださる方がいるのですね。嬉しいですわ。早くリューズ王国に行きたいです。その為にも、卒業まではとにかく静かに目立たず過ごさないといけませんね。
特にブラッディ伯爵令息様に知られたら大変です。リューズ王国の話は、学院では控えましょう」
「アントアーネ、今僕の名前を呼んだかい?それにリューズ王国がどうとかと言っていたけれど、リューズ王国がどうしたのだい?」
私達の元に現れたのは、ラドル様だ。
「い…いえ、別に何でもありませんわ。ほら、ブラッド様が来月には、リューズ王国に帰られるでしょう。その件について、話していたのですわ」
「アントアーネは、リューズ王国に10年前に来た事があってね。それで、懐かしいなという話もしていたのだよ。アントアーネは、リューズ王国に沢山友達がいるからね。皆アントアーネに会いたがっているという話をしていたのだよ」
「リューズ王国に、アントアーネの友達がいるだって!そんな嘘で、アントアーネの気を引こうとしても無駄だよ。アントアーネは君がリューズ王国に帰った後も、ずっとこの国で過ごすのだから!そうだろう、アントアーネ」
「ええ…まあ…」
何と答えていいか分からず、言葉を濁した。
「俺は嘘など言っていないよ。本当にアントアーネに会いたがっている貴族たちが、沢山いるのだよ。まあ、君には関係ない事だけれどね。行こうか、アントアーネ」
「ええ、行きましょうか」
ブラッド様を睨みつけているラドル様のわきを通り、そのまま歩き出す。睨んではいるが、特に何かを言ってくることはない様だ。
なんとかごまかせた様だけれど、もしさっきの話を聞かれていたら、厄介な事になる。これからはリューズ王国に関する話は、絶対に学院ではしないようにしないと。
大丈夫、ラドル様は私がリューズ王国に行く事を知らない。ブラッド様は貴族学院を卒業後、すぐにリューズ王国に1人で帰ると思っているブラッド様が、今わざわざ何かを起こして来る事はないはずだ。
とはいえ、過去に2回も事件を起こしているラドル様の事だ。油断はできない。
ブラッド様も同じことを思ったのか
「すまない、まさかラドル殿があんな近くにいただなんて…彼はまだ、アントアーネを諦めていないのだよね。ずっと近くで君を見ている事を、知っていたのに。完全に油断してしまった。
これからは学院にいる間は、今まで以上に会話の内容に気を付けよう」
「そうですわね、学院にいる間は、あまり話をしない方がいいかもしれませんね」
あと少しで卒業だ。それまでの辛抱。とにかく、ラドル様に感付かれない様に、十分注意しないと。
※次回、ラドル視点です。
よろしくお願いします。
とはいえ、直接ブラッド様に何かを言ってくる人はいないのが、唯一の救いだ。
「アントアーネ、この時期に、悪目立ちをしてしまったね。卒業まで、静かに過ごしたかったのに。すまない、俺のせいで」
「ブラッド様のせいではありませんわ。おしゃべりな令嬢たちのせいです。それにしても、先生からも口外しない様にと言われていたのに、あんなにペラペラと話してしまうだなんて。
本当にこの国の令嬢たちは、口が軽くて噂好きなのですね」
私もその噂のせいで、随分と苦しめられた。
「アントアーネも、この国の貴族たちには随分苦しめられたものね。リューズ王国の貴族たちは、皆君に好意的だから安心してくれ。10年前、君はたくさんの貴族たちと仲良くなっただろう。
皆あの時の事を、覚えているのだよ。何度も“アントアーネは、もうリューズ王国にはこないのか?”と、聞かれたくらいだからね。君ならきっと、リューズ王国でうまくやっていけるよ」
「まあ、10年も前に会っただけなのに、そんな風に言ってくださる方がいるのですね。嬉しいですわ。早くリューズ王国に行きたいです。その為にも、卒業まではとにかく静かに目立たず過ごさないといけませんね。
特にブラッディ伯爵令息様に知られたら大変です。リューズ王国の話は、学院では控えましょう」
「アントアーネ、今僕の名前を呼んだかい?それにリューズ王国がどうとかと言っていたけれど、リューズ王国がどうしたのだい?」
私達の元に現れたのは、ラドル様だ。
「い…いえ、別に何でもありませんわ。ほら、ブラッド様が来月には、リューズ王国に帰られるでしょう。その件について、話していたのですわ」
「アントアーネは、リューズ王国に10年前に来た事があってね。それで、懐かしいなという話もしていたのだよ。アントアーネは、リューズ王国に沢山友達がいるからね。皆アントアーネに会いたがっているという話をしていたのだよ」
「リューズ王国に、アントアーネの友達がいるだって!そんな嘘で、アントアーネの気を引こうとしても無駄だよ。アントアーネは君がリューズ王国に帰った後も、ずっとこの国で過ごすのだから!そうだろう、アントアーネ」
「ええ…まあ…」
何と答えていいか分からず、言葉を濁した。
「俺は嘘など言っていないよ。本当にアントアーネに会いたがっている貴族たちが、沢山いるのだよ。まあ、君には関係ない事だけれどね。行こうか、アントアーネ」
「ええ、行きましょうか」
ブラッド様を睨みつけているラドル様のわきを通り、そのまま歩き出す。睨んではいるが、特に何かを言ってくることはない様だ。
なんとかごまかせた様だけれど、もしさっきの話を聞かれていたら、厄介な事になる。これからはリューズ王国に関する話は、絶対に学院ではしないようにしないと。
大丈夫、ラドル様は私がリューズ王国に行く事を知らない。ブラッド様は貴族学院を卒業後、すぐにリューズ王国に1人で帰ると思っているブラッド様が、今わざわざ何かを起こして来る事はないはずだ。
とはいえ、過去に2回も事件を起こしているラドル様の事だ。油断はできない。
ブラッド様も同じことを思ったのか
「すまない、まさかラドル殿があんな近くにいただなんて…彼はまだ、アントアーネを諦めていないのだよね。ずっと近くで君を見ている事を、知っていたのに。完全に油断してしまった。
これからは学院にいる間は、今まで以上に会話の内容に気を付けよう」
「そうですわね、学院にいる間は、あまり話をしない方がいいかもしれませんね」
あと少しで卒業だ。それまでの辛抱。とにかく、ラドル様に感付かれない様に、十分注意しないと。
※次回、ラドル視点です。
よろしくお願いします。
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