8 / 35
第8話:マナーレッスンは天国です
しおりを挟む
馬車に乗り動き出した瞬間、再び本性を露わにしたジャクソン様。
「おい、お前は少し顔に出すぎだ。いいか、俺のこの性格に今すぐ慣れろ。いいな。大体お前のマッサージは下手糞なんだよ。明日はもっとマシなマッサージを行えよ。あぁ、喉が渇いた。カモミールティをよこせ」
「今は馬車の中です。そんなものはありません」
「あぁ?!俺が喉が渇いたと言えばすぐに出せ!いいな、今日は初日だから許してやるが、明日からはきちんと準備しておけよ」
そう言うと、靴を脱ぎ捨て私の膝の上に乗せた。何なのよ、こいつは。感じの悪い事この上ない!まあ、よく考えてみたらそう簡単に5億ゼニーもの大金、手に入る訳ないわよね。
「おい、知っているか?遠くの国では、足の裏もマッサージするらしい。お前、やってみろ」
またこいつは、無理難題を言い出して…でもやらないと、また怒り出しそうね。仕方ない。正直触りたくもないが、靴下を丁寧に脱がせた。足の裏のマッサージってどうやるのかしら?よくわからないので、軽くもむ。すると
「止めろ、くすぐったい。この下手糞!王宮の図書館にマッサージの本があるから、それでも読んで勉強しろ!」
そう言って怒られてしまった。だったらやらせないで欲しいわ。そんなやり取りをしているうちに、王宮に着いた。初めて来た王宮。なんだか一気に緊張してきた。
背筋をピンと伸ばし、ゆっくり馬車から降りた。
「ティアラ、緊張しているのかい?大丈夫だよ。僕がそばに居るからね。さあ、行こう」
それにしてもこの人の切り替えのうまさは天才的ね。本当にすごいわ。表の顔で対応するジャクソン様に連れられ、王宮内に入っていく。初めて入る王宮は、物凄く立派だ。つい周りをキョロキョロしてしまう。
「ティアラは王宮は初めてかい?でも、あまりキョロキョロするのはよくないよ。これから毎日来られるのだからね」
笑顔でそう言ったジャクソン様。でも目が笑っていない。これは後で怒られるかもしれない。
「申し訳ございません。以後気を付けますわ」
「謝らなくていいんだよ。さあ、この部屋だ」
部屋に入ると、お母様世代の女性が待っていた。
「お待たせして、すまなかったね。彼女が伯爵令嬢で僕の恋人の、ティアラ・フェースティン嬢だ。申し訳ないけど、彼女の教育を頼めるかい?」
「ティアラ、フェースティンと申します。どうぞよろしくお願いいたします」
そう言うと、カーテシーを決めた。これでも伯爵令嬢としてある程度のマナーは学んできたのだ。
「こちらこそ、どうぞよろしくお願いいたします。それにしてもジャクソン殿下、本当にティアラ様に王妃教育と同じ教育を受けさせるのですか?」
「ああ、彼女には完璧な女性になってもらいたいからね。それに、彼女もそれを望んでいるんだ」
「わかりましたわ。さすがジャクソン殿下、ご自分の恋人にも王妃様並みの教育を受けさせたいだなんて。任せて下さい。立派な令嬢に育て上げますから」
なぜか張り切る先生。
「では早速始めましょう」
「それじゃあ、ティアラ。また後で迎えに来るから頑張ってね」
そう言って去っていったジャクソン様。早速マナーレッスン開始だ。
「そうです、お上手ですよ。ティアラ様。さあ、少し休憩しましょう」
1時間ほどレッスンを受けた後、いったん休憩だ。
「さすがジャクソン殿下が見初めただけの事はありますわ。物凄く筋がよろしいです。それにしても、あんなにもお優しいジャクソン殿下に愛されて、ティアラ様はお幸せですわね」
やはり先生もあの鬼畜に完全に騙されている様だ。本当に、外面だけは素晴らしいものね。私も完全に騙されたわ。おっと、背筋を伸ばして、ゆっくりお茶を飲むのよね。確か休憩中も気を抜いてはいけないと、以前マナーの先生に教えられた。
「ティアラ様、あなた様は随分としっかり教育を受けていらしたのね。通常休憩と聞くと、つい気を緩めてしまう令嬢が多いのです。でも、ティアラ様は気を緩めることなく、しっかりマナーを意識していらっしゃる。ある程度の基礎も出来ておりますし、本当に素晴らしいですわ」
なぜか絶賛してくれる先生。あぁ、何て優しい先生なのかしら?あの鬼畜と今まで一緒にいたせいか、先生が女神様に見える。その後も1時間マナーレッスンを受けた。ちょうど日も沈んだ頃
「ティアラ、迎えに来たよ。お疲れ様」
やって来たのは鬼畜…ではなくジャクソン様だ。
「ジャクソン殿下、ティアラ様は本当に素晴らしいですわ。教えた事をその場でやってしまわれますのよ」
「それは本当かい?ティアラ、凄いじゃないか。さすが僕の恋人だ」
ニコニコしながらそう言ったジャクソン様。とりあえず、レッスンはうまくこなせてよかったわ。それにしても、ずっとマナーレッスンを受けていたいくらい先生が優しかった。この分だと、マナーレッスンは問題なさそうね。
「おい、お前は少し顔に出すぎだ。いいか、俺のこの性格に今すぐ慣れろ。いいな。大体お前のマッサージは下手糞なんだよ。明日はもっとマシなマッサージを行えよ。あぁ、喉が渇いた。カモミールティをよこせ」
「今は馬車の中です。そんなものはありません」
「あぁ?!俺が喉が渇いたと言えばすぐに出せ!いいな、今日は初日だから許してやるが、明日からはきちんと準備しておけよ」
そう言うと、靴を脱ぎ捨て私の膝の上に乗せた。何なのよ、こいつは。感じの悪い事この上ない!まあ、よく考えてみたらそう簡単に5億ゼニーもの大金、手に入る訳ないわよね。
「おい、知っているか?遠くの国では、足の裏もマッサージするらしい。お前、やってみろ」
またこいつは、無理難題を言い出して…でもやらないと、また怒り出しそうね。仕方ない。正直触りたくもないが、靴下を丁寧に脱がせた。足の裏のマッサージってどうやるのかしら?よくわからないので、軽くもむ。すると
「止めろ、くすぐったい。この下手糞!王宮の図書館にマッサージの本があるから、それでも読んで勉強しろ!」
そう言って怒られてしまった。だったらやらせないで欲しいわ。そんなやり取りをしているうちに、王宮に着いた。初めて来た王宮。なんだか一気に緊張してきた。
背筋をピンと伸ばし、ゆっくり馬車から降りた。
「ティアラ、緊張しているのかい?大丈夫だよ。僕がそばに居るからね。さあ、行こう」
それにしてもこの人の切り替えのうまさは天才的ね。本当にすごいわ。表の顔で対応するジャクソン様に連れられ、王宮内に入っていく。初めて入る王宮は、物凄く立派だ。つい周りをキョロキョロしてしまう。
「ティアラは王宮は初めてかい?でも、あまりキョロキョロするのはよくないよ。これから毎日来られるのだからね」
笑顔でそう言ったジャクソン様。でも目が笑っていない。これは後で怒られるかもしれない。
「申し訳ございません。以後気を付けますわ」
「謝らなくていいんだよ。さあ、この部屋だ」
部屋に入ると、お母様世代の女性が待っていた。
「お待たせして、すまなかったね。彼女が伯爵令嬢で僕の恋人の、ティアラ・フェースティン嬢だ。申し訳ないけど、彼女の教育を頼めるかい?」
「ティアラ、フェースティンと申します。どうぞよろしくお願いいたします」
そう言うと、カーテシーを決めた。これでも伯爵令嬢としてある程度のマナーは学んできたのだ。
「こちらこそ、どうぞよろしくお願いいたします。それにしてもジャクソン殿下、本当にティアラ様に王妃教育と同じ教育を受けさせるのですか?」
「ああ、彼女には完璧な女性になってもらいたいからね。それに、彼女もそれを望んでいるんだ」
「わかりましたわ。さすがジャクソン殿下、ご自分の恋人にも王妃様並みの教育を受けさせたいだなんて。任せて下さい。立派な令嬢に育て上げますから」
なぜか張り切る先生。
「では早速始めましょう」
「それじゃあ、ティアラ。また後で迎えに来るから頑張ってね」
そう言って去っていったジャクソン様。早速マナーレッスン開始だ。
「そうです、お上手ですよ。ティアラ様。さあ、少し休憩しましょう」
1時間ほどレッスンを受けた後、いったん休憩だ。
「さすがジャクソン殿下が見初めただけの事はありますわ。物凄く筋がよろしいです。それにしても、あんなにもお優しいジャクソン殿下に愛されて、ティアラ様はお幸せですわね」
やはり先生もあの鬼畜に完全に騙されている様だ。本当に、外面だけは素晴らしいものね。私も完全に騙されたわ。おっと、背筋を伸ばして、ゆっくりお茶を飲むのよね。確か休憩中も気を抜いてはいけないと、以前マナーの先生に教えられた。
「ティアラ様、あなた様は随分としっかり教育を受けていらしたのね。通常休憩と聞くと、つい気を緩めてしまう令嬢が多いのです。でも、ティアラ様は気を緩めることなく、しっかりマナーを意識していらっしゃる。ある程度の基礎も出来ておりますし、本当に素晴らしいですわ」
なぜか絶賛してくれる先生。あぁ、何て優しい先生なのかしら?あの鬼畜と今まで一緒にいたせいか、先生が女神様に見える。その後も1時間マナーレッスンを受けた。ちょうど日も沈んだ頃
「ティアラ、迎えに来たよ。お疲れ様」
やって来たのは鬼畜…ではなくジャクソン様だ。
「ジャクソン殿下、ティアラ様は本当に素晴らしいですわ。教えた事をその場でやってしまわれますのよ」
「それは本当かい?ティアラ、凄いじゃないか。さすが僕の恋人だ」
ニコニコしながらそう言ったジャクソン様。とりあえず、レッスンはうまくこなせてよかったわ。それにしても、ずっとマナーレッスンを受けていたいくらい先生が優しかった。この分だと、マナーレッスンは問題なさそうね。
16
あなたにおすすめの小説
図書館でうたた寝してたらいつの間にか王子と結婚することになりました
鳥花風星
恋愛
限られた人間しか入ることのできない王立図書館中枢部で司書として働く公爵令嬢ベル・シュパルツがお気に入りの場所で昼寝をしていると、目の前に見知らぬ男性がいた。
素性のわからないその男性は、たびたびベルの元を訪れてベルとたわいもない話をしていく。本を貸したりお茶を飲んだり、ありきたりな日々を何度か共に過ごしていたとある日、その男性から期間限定の婚約者になってほしいと懇願される。
とりあえず婚約を受けてはみたものの、その相手は実はこの国の第二王子、アーロンだった。
「俺は欲しいと思ったら何としてでも絶対に手に入れる人間なんだ」
【完結】氷の王太子に嫁いだら、毎晩甘やかされすぎて困っています
22時完結
恋愛
王国一の冷血漢と噂される王太子レオナード殿下。
誰に対しても冷たく、感情を見せることがないことから、「氷の王太子」と恐れられている。
そんな彼との政略結婚が決まったのは、公爵家の地味な令嬢リリア。
(殿下は私に興味なんてないはず……)
結婚前はそう思っていたのに――
「リリア、寒くないか?」
「……え?」
「もっとこっちに寄れ。俺の腕の中なら、温かいだろう?」
冷酷なはずの殿下が、新婚初夜から優しすぎる!?
それどころか、毎晩のように甘やかされ、気づけば離してもらえなくなっていた。
「お前の笑顔は俺だけのものだ。他の男に見せるな」
「こんなに可愛いお前を、冷たく扱うわけがないだろう?」
(ちょ、待ってください! 殿下、本当に氷のように冷たい人なんですよね!?)
結婚してみたら、噂とは真逆で、私にだけ甘すぎる旦那様だったようです――!?
【完結】夫が私に魅了魔法をかけていたらしい
綺咲 潔
恋愛
公爵令嬢のエリーゼと公爵のラディリアスは2年前に結婚して以降、まるで絵に描いたように幸せな結婚生活を送っている。
そのはずなのだが……最近、何だかラディリアスの様子がおかしい。
気になったエリーゼがその原因を探ってみると、そこには女の影が――?
そんな折、エリーゼはラディリアスに呼び出され、思いもよらぬ告白をされる。
「君が僕を好いてくれているのは、魅了魔法の効果だ。つまり……本当の君は僕のことを好きじゃない」
私が夫を愛するこの気持ちは偽り?
それとも……。
*全17話で完結予定。
魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました
iru
恋愛
小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。
両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。
両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。
しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。
魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。
自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。
一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。
初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。
恋人になりたいが、年上で雇い主。
もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。
そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。
そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。
レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか?
両片思いのすれ違いのお話です。
完結 貴族生活を棄てたら王子が追って来てメンドクサイ。
音爽(ネソウ)
恋愛
王子の婚約者になってから様々な嫌がらせを受けるようになった侯爵令嬢。
王子は助けてくれないし、母親と妹まで嫉妬を向ける始末。
貴族社会が嫌になった彼女は家出を決行した。
だが、有能がゆえに王子妃に選ばれた彼女は追われることに……
【完結】モブのメイドが腹黒公爵様に捕まりました
ベル
恋愛
皆さまお久しぶりです。メイドAです。
名前をつけられもしなかった私が主人公になるなんて誰が思ったでしょうか。
ええ。私は今非常に困惑しております。
私はザーグ公爵家に仕えるメイド。そして奥様のソフィア様のもと、楽しく時に生温かい微笑みを浮かべながら日々仕事に励んでおり、平和な生活を送らせていただいておりました。
...あの腹黒が現れるまでは。
『無口な旦那様は妻が可愛くて仕方ない』のサイドストーリーです。
個人的に好きだった二人を今回は主役にしてみました。
過保護な公爵は虚弱な妻と遊びたい
黒猫子猫
恋愛
公爵家当主レグルスは、三カ月前に令嬢ミアを正妻に迎えた。可憐な外見から虚弱な女性だと思い、過保護に接しなければと戒めていたが、実際の彼女は非常に活発で明るい女性だった。レグルスはすっかりミアの虜になって、彼女も本来の姿を見せてくれるようになり、夫婦生活は円満になるはずだった。だが、ある日レグルスが仕事を切り上げて早めに帰宅すると、ミアの態度はなぜか頑なになっていた。そればかりか、必死でレグルスから逃げようとする。
レグルスはもちろん、追いかけた。
※短編『虚弱な公爵夫人は夫の過保護から逃れたい』の後日談・ヒーロー視点のお話です。これのみでも読めます。
兄みたいな騎士団長の愛が実は重すぎでした
鳥花風星
恋愛
代々騎士団寮の寮母を務める家に生まれたレティシアは、若くして騎士団の一つである「群青の騎士団」の寮母になり、
幼少の頃から仲の良い騎士団長のアスールは、そんなレティシアを陰からずっと見守っていた。レティシアにとってアスールは兄のような存在だが、次第に兄としてだけではない思いを持ちはじめてしまう。
アスールにとってもレティシアは妹のような存在というだけではないようで……。兄としてしか思われていないと思っているアスールはレティシアへの思いを拗らせながらどんどん膨らませていく。
すれ違う恋心、アスールとライバルの心理戦。拗らせ溺愛が激しい、じれじれだけどハッピーエンドです。
☆他投稿サイトにも掲載しています。
☆番外編はアスールの同僚ノアールがメインの話になっています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる