お金の為に優しい殿下の恋人役を引き受けたのですが…実は自己中俺様王子だなんて聞いていません

Karamimi

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第9話:王族と食事をする事になりました

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さすがに今日はクタクタだ。マナーレッスンも終わったし、これで解放されるわね。そう思っていたのだが…

「ティアラ、両親と兄夫婦が君に会いたがっているんだ。せっかくだから、皆でディナーをしようという事になってね。さあ、食堂に向かおう」

何ですって!既にクタクタで倒れそうなのに、今度は王族と食事ですって。何なの…このハードスケジュールは…でも、王族の誘いを断る事なんて出来ない。仕方なくジャクソン様についていく。

「いいか、わかっていると思うが、粗相だけはするなよ。とりあえず両親に好かれろ。それがお前に与えられた課題だ。失敗したら、分かっているよな?」

ニヤリと笑ったジャクソン様。本当に悪魔の微笑だわ…きっと失敗したら間違いなく締め上げられるわね…でもどうやって陛下や王妃様に好かれればいいのかしら?どうしていいのかわからず、重い足取りで食堂へと向かった。

食堂には既に、陛下と王妃様、さらに王太子夫妻も待っていた。ひぃぃぃ、この国の最高権力者が集まっている…おっといけない。挨拶をしないとね。

「お初にお目にかかります。ティアラ・フェースティンと申します。どうぞよろしくお願いいたします」

さっきおさらいしたばかりのカーテシーを決める。

「あなたがティアラ嬢ね、さあ、座って」

王妃様に促され、早速席に着いた。

「そう言えば、ティアラ嬢の双子の弟のテオ殿は、最近手術を受けたばかりと聞いた。もう大丈夫なのかい?」

話しかけて来たのは陛下だ。

「はい、お陰様で随分と元気になりました。お気遣いいただき、ありがとうございます」

「伯爵家は息子の医療費を捻出するため、随分と苦労していたらしいね。去年は領地の作物も不作だったみたいだし。それでも、テオ殿が完治できたのは大きい。今年は領地の方も豊作の様だし、これからの活躍に期待しているよ」

「ありがとうございます、王太子殿下」

どうやら話した感じ、皆いい人そうだ。よかった。

「さあ、早速食事にしましょう」

王妃様の言葉で、次々と料理が運ばれてきた。初めて見る王宮の食事。見た事もない程豪華な料理が並ぶ。一気にテンションが上がる。でも、フォークとナイフの使い方には気を付けないとね。

あぁ、それにしても美味しいわ。こんなにもおいしい食事を食べられるなんて、幸せね。つい夢中で食べてしまう。

すると
「ティアラ嬢は本当に美味しそうに食事をするのね。見ていて気持ちいいわ」
話しかけて来たのは王妃様だ。しまった、つい夢中で食べてしまったわ。

「申し訳ございません。あまりの料理のおいしさに、つい夢中で食べてしまいました」
素直に謝罪した。あぁ、やってしまったわ。きっと後でジャクソン様に怒られる…そう思ったのだが

「謝らなくてもいいのよ。実は私も食べるのが大好きなの」

そう言ってほほ笑んでくれた王妃様。さらに

「私もよ。だから、食べる事が好きな令嬢は大歓迎。そうだわ、今王都で流行っているお菓子を取り寄せたの。よかったらこの後、一緒に食べない?お義母様もぜひ」

王太子妃様まで、そう言ってくださったのだ。それも王都で人気のお菓子ですって!

「本当ですか?嬉しいです。ぜひご一緒させていただきますわ」

つい食いついてしまった。その後デザートまで美味しく頂いた後、女性陣だけでお茶を楽しんだ。ずっと雲の上の人たちだと思っていたが、話してみると意外と普通の人たちだった。それにしても、王妃様は本当にお優しくて素敵な方だわ。どうしてこんなにも素敵な方から、あんな鬼畜が生まれたのかしら?

もしかして、王妃様も二重人格とか?一瞬そんな事を疑ってしまった。

「そうそう、ティアラちゃん。ジャクソンはああ見えて、意外と気難しい性格なの。それに、きっと遺伝的に少し嫉妬深いところがあると思うわ。あんな子だけれど、どうかこれからもよろしくね」

ん?遺伝的に嫉妬深い?まあ、別にジャクソン様が嫉妬深かろうが何だろうが、恋愛感情を抱いていない私たちには関係ない。ただ、あの鬼畜っぷりは何とかして欲しいが…

「お義母様、きっとジャクソンの事だから、まだティアラちゃんに嫌われるような事はしていないはずですわ。私も正式に婚約するまでは、そこまで酷くはなかったですもの」

「そうね、まあ、ミディアム王女の事もあるから、まだ婚約は結べないけれど、出来るだけ早めに婚約は結んだ方がよさそうね」

「そうですわね。お義母様」

目の前で2人がよくわからない話で盛り上がっている。でもどうやら王妃様と王太子妃様には認めてもらえた様だ。よかったわ。とにかく、課題はクリアね。

その後も3人で美味しいお菓子を食べながら、話に花を咲かせたのであった。
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