25 / 26
番外編
サーラ…愛しているよ…~エイダン視点~
冷たく薄暗い地下牢で、今日も僕は目を覚ました。簡易的なベッドとトイレしかない狭い地下牢。地下という事もあり、ジメジメしている。もちろん窓もないので、今昼間なのか夜なのかよく分からない。
部屋には外側から頑丈な南京錠が付いているうえ、鎖で繋がれている為、外に出る事は出来ない。
さらに地下牢には大きな画面が準備されており、定期的に映像が流れて来る。そう、僕の可愛いサーラの映像が…でも、いつもあの男と一緒だ。僕から全てを奪った憎き男。バージレーション王国の第三王子で、今はこの国の国王になったオーフェンという男だ。
学院にいた時は分厚い眼鏡をかけ、ほとんど存在感が無かった。まさかあの男がバージレーション王国の第三王子だったなんて!それも、ずっとサーラと密会していたらしい。
そう、僕がもっとサーラを厳しく監視していれば、きっとあの男と接触することは無かったのだろう。ふと画面から流れて来る映像に目が留まる。オレンジ色のドレスに身を包んだサーラが、嬉しそうに男に微笑んでいる。
こんな風にサーラが笑った姿を見たのは、いつぶりだろう。そう、初めてサーラに出会った時に見たサーラの笑顔は、まさにこんな感じだった。僕はサーラのこの笑顔が好きだったはずなのに…
僕が喉から手が出る程欲しかった笑顔。結婚したらサーラの笑顔を独り占めし、堪能しようと持っていた姿を、今一番憎いあの男に向けられている。そっと画面に手を伸ばしてみるが、もちろん触れることは出来ない。
ああ…
僕のサーラ…
どうしてこんな事になってしまったのだろう…
もしも僕が最初からサーラに優しく接していたら、今頃サーラの隣に居れたのかな…
そう、今頃後悔しても遅い。どうやら僕は愛し方を間違ってしまった様だ。思い返してみれば、いつもサーラは僕と目を合わそうとしなかった。笑う事も、泣く事も、怒る事もいつの間にかしなくなってしまった。そう、まるでお人形の様に。
もっと早く僕が気づいていたら…
もっと大切にしていたら…
「サーラ、ごめんね…でもね、僕は君を心から愛していたんだ。それだけは、まぎれもない事実だから…」
サーラの美しい笑顔を見ながら目を閉じる。そして夢を見る。もちろん、サーラが僕に笑いかけ、ギューッと抱き着いて来る幸せな夢だ…
「サーラ、愛しているよ…これからは、夢の中でずっと一緒だ…」
~あとがき~
かなり気持ち悪い視点になってしまいました(;^_^A
エイダンはこの後も、妄想の世界でサーラと愛をはぐくんでいく事でしょう…
次回の番外編からは、オーフェンとサーラの新婚生活を書いて行こうと思っております。
もしよろしければ、引き続きよろしくお願いしますm(__)m
部屋には外側から頑丈な南京錠が付いているうえ、鎖で繋がれている為、外に出る事は出来ない。
さらに地下牢には大きな画面が準備されており、定期的に映像が流れて来る。そう、僕の可愛いサーラの映像が…でも、いつもあの男と一緒だ。僕から全てを奪った憎き男。バージレーション王国の第三王子で、今はこの国の国王になったオーフェンという男だ。
学院にいた時は分厚い眼鏡をかけ、ほとんど存在感が無かった。まさかあの男がバージレーション王国の第三王子だったなんて!それも、ずっとサーラと密会していたらしい。
そう、僕がもっとサーラを厳しく監視していれば、きっとあの男と接触することは無かったのだろう。ふと画面から流れて来る映像に目が留まる。オレンジ色のドレスに身を包んだサーラが、嬉しそうに男に微笑んでいる。
こんな風にサーラが笑った姿を見たのは、いつぶりだろう。そう、初めてサーラに出会った時に見たサーラの笑顔は、まさにこんな感じだった。僕はサーラのこの笑顔が好きだったはずなのに…
僕が喉から手が出る程欲しかった笑顔。結婚したらサーラの笑顔を独り占めし、堪能しようと持っていた姿を、今一番憎いあの男に向けられている。そっと画面に手を伸ばしてみるが、もちろん触れることは出来ない。
ああ…
僕のサーラ…
どうしてこんな事になってしまったのだろう…
もしも僕が最初からサーラに優しく接していたら、今頃サーラの隣に居れたのかな…
そう、今頃後悔しても遅い。どうやら僕は愛し方を間違ってしまった様だ。思い返してみれば、いつもサーラは僕と目を合わそうとしなかった。笑う事も、泣く事も、怒る事もいつの間にかしなくなってしまった。そう、まるでお人形の様に。
もっと早く僕が気づいていたら…
もっと大切にしていたら…
「サーラ、ごめんね…でもね、僕は君を心から愛していたんだ。それだけは、まぎれもない事実だから…」
サーラの美しい笑顔を見ながら目を閉じる。そして夢を見る。もちろん、サーラが僕に笑いかけ、ギューッと抱き着いて来る幸せな夢だ…
「サーラ、愛しているよ…これからは、夢の中でずっと一緒だ…」
~あとがき~
かなり気持ち悪い視点になってしまいました(;^_^A
エイダンはこの後も、妄想の世界でサーラと愛をはぐくんでいく事でしょう…
次回の番外編からは、オーフェンとサーラの新婚生活を書いて行こうと思っております。
もしよろしければ、引き続きよろしくお願いしますm(__)m
あなたにおすすめの小説
三回目の人生も「君を愛することはない」と言われたので、今度は私も拒否します
冬野月子
恋愛
「君を愛することは、決してない」
結婚式を挙げたその夜、夫は私にそう告げた。
私には過去二回、別の人生を生きた記憶がある。
そうして毎回同じように言われてきた。
逃げた一回目、我慢した二回目。いずれも上手くいかなかった。
だから今回は。
「離縁状の印が乾く前に、王太子殿下から花束が届きました」〜五年間「置物」と呼ばれた侯爵夫人、夫が青ざめるのは王家との縁が切れてからでした〜
まさき
恋愛
侯爵夫人として過ごした五年間、夫に名前を呼ばれたことが一度もなかった。
愛人を夜会に連れてきた翌朝、私は離縁状を置いて屋敷を出た。
夫は「すぐ戻る」と思っていたらしい。
でも届いたのは、王太子殿下からの白薔薇だった。
「五年、待ちすぎました。今度こそ私の隣に」
幼馴染の殿下は、いつも私を「アメリア」と呼んでくれた。
ただそれだけで、五年分の何かが、ほどけていった。
夫が全てを失うのはこれからの話。
私が本当の笑顔を取り戻すのも、これからの話。
【完結】本日、私の妹のことが好きな婚約者と結婚いたしました
音芽 心
恋愛
私は今日、幼い頃から大好きだった人と結婚式を挙げる。
____私の妹のことが昔から好きな婚約者と、だ。
だから私は決めている。
この白い結婚を一年で終わらせて、彼を解放してあげることを。
彼の気持ちを直接聞いたことはないけれど……きっとその方が、彼も喜ぶだろうから。
……これは、恋を諦めていた令嬢が、本当の幸せを掴むまでの物語。
結婚しても別居して私は楽しくくらしたいので、どうぞ好きな女性を作ってください
シンさん
ファンタジー
サナス伯爵の娘、ニーナは隣国のアルデーテ王国の王太子との婚約が決まる。
国に行ったはいいけど、王都から程遠い別邸に放置され、1度も会いに来る事はない。
溺愛する女性がいるとの噂も!
それって最高!好きでもない男の子供をつくらなくていいかもしれないし。
それに私は、最初から別居して楽しく暮らしたかったんだから!
そんな別居願望たっぷりの伯爵令嬢と王子の恋愛ストーリー
最後まで書きあがっていますので、随時更新します。
表紙はエブリスタでBeeさんに描いて頂きました!綺麗なイラストが沢山ございます。リンク貼らせていただきました。
〖完結〗その子は私の子ではありません。どうぞ、平民の愛人とお幸せに。
藍川みいな
恋愛
愛する人と結婚した…はずだった……
結婚式を終えて帰る途中、見知らぬ男達に襲われた。
ジュラン様を庇い、顔に傷痕が残ってしまった私を、彼は醜いと言い放った。それだけではなく、彼の子を身篭った愛人を連れて来て、彼女が産む子を私達の子として育てると言い出した。
愛していた彼の本性を知った私は、復讐する決意をする。決してあなたの思い通りになんてさせない。
*設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
*全16話で完結になります。
*番外編、追加しました。
愛人を選んだ夫を捨てたら、元婚約者の公爵に捕まりました
由香
恋愛
伯爵夫人リュシエンヌは、夫が公然と愛人を囲う結婚生活を送っていた。
尽くしても感謝されず、妻としての役割だけを求められる日々。
けれど彼女は、泣きわめくことも縋ることもなく、静かに離婚を選ぶ。
そうして“捨てられた妻”になったはずの彼女の前に現れたのは、かつて婚約していた元婚約者――冷静沈着で有能な公爵セドリックだった。
再会とともに始まるのは、彼女の価値を正しく理解し、決して手放さない男による溺愛の日々。
一方、彼女を失った元夫は、妻が担っていたすべてを失い、社会的にも転落していく。
“尽くすだけの妻”から、“選ばれ、守られる女性”へ。
静かに離婚しただけなのに、
なぜか元婚約者の公爵に捕まりました。
白い結婚を告げようとした王子は、冷遇していた妻に恋をする
夏生 羽都
恋愛
ランゲル王国の王太子ヘンリックは結婚式を挙げた夜の寝室で、妻となったローゼリアに白い結婚を宣言する、
……つもりだった。
夫婦の寝室に姿を見せたヘンリックを待っていたのは、妻と同じ髪と瞳の色を持った見知らぬ美しい女性だった。
「『愛するマリーナのために、私はキミとは白い結婚とする』でしたか? 早くおっしゃってくださいな」
そう言って椅子に座っていた美しい女性は悠然と立ち上がる。
「そ、その声はっ、ローゼリア……なのか?」
女性の声を聞いた事で、ヘンリックはやっと彼女が自分の妻となったローゼリアなのだと気付いたのだが、驚きのあまり白い結婚を宣言する事も出来ずに逃げるように自分の部屋へと戻ってしまうのだった。
※こちらは「裏切られた令嬢は、30歳も年上の伯爵さまに嫁ぎましたが、白い結婚ですわ。」のIFストーリーです。
ヘンリック(王太子)が主役となります。
また、上記作品をお読みにならなくてもお楽しみ頂ける内容となっております。
【奨励賞】初恋のその先で、私は母になる
妄夢【ピッコマノベルズ連載中】
恋愛
第19回恋愛小説大賞にて、奨励賞を受賞いたしました。読者の皆様のおかげです!本当ありがとうございます。
王宮で12年働き、気づけば28歳。
恋も結婚も遠いものだと思っていたオリビアの人生は、憧れの年下公爵と一夜を共にしたことで大きく動き出す。
優しく守ろうとする彼。
けれどオリビアは、誰かに選ばれるだけの人生を終わらせたいと思っていた。
揺れる想いの中で、彼女が選んだのは――
自分の足で立ち、自分の未来を選ぶこと。
これは、一人の女性が恋を通して自分を取り戻し、母として、そして一人の人間として強くなっていく物語。
※表紙画像はAI生成イラストをつかっています。