9 / 53
第9話:やっとジャンヌを手に入れたと思ったのに~シャーロン視点~
「分かったよ…本当に上手く行くのだろうね?」
「ああ、任せて。僕は君たちの悪事を見つけ、白状させただけ。グラディオンはたまたま街で、悪の組織と接触してしまい、大けがを負った。そこにたまたま通りかかった僕の執事が、助けただけ。僕たちとグラディオンの事件は、全く別のもの。執事にもそう説明させるよ」
たとえグラディオンが何か言って来たとしても、しらばっくれれば問題ない。これでうまくいく。
グラディオンが命をかけて手に入れた証拠を横取りした事への罪悪感はあったが、僕は何が何でもジャンヌが欲しい。だからグラディオン、許してね。
そっと心の中で、グラディオンに謝った。
その後僕は、証拠を手に、彼らを連れて隊長の元に向かった。僕が上手く口利きをしてあげたおかげで、彼らは3ヶ月の謹慎程度で事なきを得た。
もちろん、ジャンヌからも遠征から帰って来た騎士団長からも感謝され、今回の件を理由に、騎士団長を上手く丸め込み、ジャンヌの婚約者になる事が出来た。一応僕から頼んだのだが、なぜか親同士が決めた婚約という事になったが、その点はどちらでもいい。
さらに…
幸いグラディオンも命に別状はなく、すぐに意識を取り戻した。グラディオンは、僕が手柄を横取りしたことに関して、何も言わなかった。それどころから、僕とジャンヌが婚約をする事を知ると
“ジャンヌを幸せにしてやってくれ”
そう悲しそうに呟いていた。こいつ、ジャンヌが好きだったくせに。こうもあっさり諦めるだなんて、たいしてジャンヌの事が好きではなかったのだな。
ただジャンヌは、グラディオンの怪我を非常に心配しており、お見舞いに行っていた。それが無性に腹が立つ。それにこれ以上、ジャンヌを男どもの多い騎士団なんかにいさせたくはない。
今回の事件で完全に僕に惚れたジャンヌ。そんな彼女に、これからは僕の婚約者としてふさわしい令嬢になって欲しい旨を伝えた。そして、騎士団も辞めさせた。
もう二度と、あんな男どもの多い場所になんて、ジャンヌを行かせるものか。もちろん、グラディオンにも会わせない。
ただ、なぜかジャンヌと婚約しても、僕の心にはモヤモヤが残っていた。
そう、僕はこの5年、ずっと寂しい思いをしていたのだ。ジャンヌは僕だけを見てくれず、他の男たちと常に仲良くしていた。その間、僕がどれほど悲しく寂しかったか。
そうだ、ジャンヌにも僕と同じ悲しみや寂しさを味わってもらおう。そして反省してもらうのだ。僕だけを見てくれなかった、騎士団時代の事を。
騎士団長には“ジャンヌを絶対に幸せにします。絶対に泣かせるような事はしません。この命にかけても”なんて臭いセリフで必死に訴えたが、まあ少しくらいジャンヌに悲しい思いをさせてもいいだろう。
どうせ騎士団長は、夜会など貴族の行事にはあまり参加しないし。参加しても、あまり周りを見ていない。領地経営と騎士団の仕事で手いっぱいのあの人が、ジャンヌを見る余裕なんてないはずだ。
そして僕は婚約後、あえて他の令嬢と仲良くした。どの女も、自分をいかに美しく見せるかばかりで、本当につまらない。でも、こんなつまらない女たちを相手にしていると、ジャンヌが寂しそうにこちらを見ているのだ。
その顔がまた、たまらない。
どうだい?ジャンヌ。僕の気持ちが少しは分かったかい?5年間辛い日々に耐えた暁には、たっぷり愛してあげるから。そう心の中で、ジャンヌに呟いた。
そう、後少しでジャンヌを許してあげようと思っていたのに…それなのに…
まさかあんな写真を撮られていただなんて…でも、僕はジャンヌを救った恩人なんだ。ジャンヌはあんな写真を見せられてショックで僕を避けようとしているけれど、きっと落ち着いたら、僕の事を許してくれるはずだ。騎士団長だって、あの時の事を物凄く感謝していたし。
第一僕は、本当にジャンヌ以外には興味がない。口づけされた事や抱き着かれた事ですら、覚えていない程に。僕にとってジャンヌ以外の令嬢なんて、そこら辺に落ちている石ころと同じなのに。
大丈夫だ、きっとまだ間に合う。
ジャンヌは十分傷ついた様だし、そろそろ許してあげよう。これからは時間が許す限り、ジャンヌの傍にいて、今まで出来なかった愛情をたっぷり注いであげよう。
それに令嬢たちとは、今後一切の関りを絶とう。そうすればきっと、ジャンヌも許してくれるはず。
なんていったって僕は、彼女の汚名をはらしてあげた恩人なのだから…
※次回からジャンヌ視点に戻ります。
よろしくお願いしますm(__)m
「ああ、任せて。僕は君たちの悪事を見つけ、白状させただけ。グラディオンはたまたま街で、悪の組織と接触してしまい、大けがを負った。そこにたまたま通りかかった僕の執事が、助けただけ。僕たちとグラディオンの事件は、全く別のもの。執事にもそう説明させるよ」
たとえグラディオンが何か言って来たとしても、しらばっくれれば問題ない。これでうまくいく。
グラディオンが命をかけて手に入れた証拠を横取りした事への罪悪感はあったが、僕は何が何でもジャンヌが欲しい。だからグラディオン、許してね。
そっと心の中で、グラディオンに謝った。
その後僕は、証拠を手に、彼らを連れて隊長の元に向かった。僕が上手く口利きをしてあげたおかげで、彼らは3ヶ月の謹慎程度で事なきを得た。
もちろん、ジャンヌからも遠征から帰って来た騎士団長からも感謝され、今回の件を理由に、騎士団長を上手く丸め込み、ジャンヌの婚約者になる事が出来た。一応僕から頼んだのだが、なぜか親同士が決めた婚約という事になったが、その点はどちらでもいい。
さらに…
幸いグラディオンも命に別状はなく、すぐに意識を取り戻した。グラディオンは、僕が手柄を横取りしたことに関して、何も言わなかった。それどころから、僕とジャンヌが婚約をする事を知ると
“ジャンヌを幸せにしてやってくれ”
そう悲しそうに呟いていた。こいつ、ジャンヌが好きだったくせに。こうもあっさり諦めるだなんて、たいしてジャンヌの事が好きではなかったのだな。
ただジャンヌは、グラディオンの怪我を非常に心配しており、お見舞いに行っていた。それが無性に腹が立つ。それにこれ以上、ジャンヌを男どもの多い騎士団なんかにいさせたくはない。
今回の事件で完全に僕に惚れたジャンヌ。そんな彼女に、これからは僕の婚約者としてふさわしい令嬢になって欲しい旨を伝えた。そして、騎士団も辞めさせた。
もう二度と、あんな男どもの多い場所になんて、ジャンヌを行かせるものか。もちろん、グラディオンにも会わせない。
ただ、なぜかジャンヌと婚約しても、僕の心にはモヤモヤが残っていた。
そう、僕はこの5年、ずっと寂しい思いをしていたのだ。ジャンヌは僕だけを見てくれず、他の男たちと常に仲良くしていた。その間、僕がどれほど悲しく寂しかったか。
そうだ、ジャンヌにも僕と同じ悲しみや寂しさを味わってもらおう。そして反省してもらうのだ。僕だけを見てくれなかった、騎士団時代の事を。
騎士団長には“ジャンヌを絶対に幸せにします。絶対に泣かせるような事はしません。この命にかけても”なんて臭いセリフで必死に訴えたが、まあ少しくらいジャンヌに悲しい思いをさせてもいいだろう。
どうせ騎士団長は、夜会など貴族の行事にはあまり参加しないし。参加しても、あまり周りを見ていない。領地経営と騎士団の仕事で手いっぱいのあの人が、ジャンヌを見る余裕なんてないはずだ。
そして僕は婚約後、あえて他の令嬢と仲良くした。どの女も、自分をいかに美しく見せるかばかりで、本当につまらない。でも、こんなつまらない女たちを相手にしていると、ジャンヌが寂しそうにこちらを見ているのだ。
その顔がまた、たまらない。
どうだい?ジャンヌ。僕の気持ちが少しは分かったかい?5年間辛い日々に耐えた暁には、たっぷり愛してあげるから。そう心の中で、ジャンヌに呟いた。
そう、後少しでジャンヌを許してあげようと思っていたのに…それなのに…
まさかあんな写真を撮られていただなんて…でも、僕はジャンヌを救った恩人なんだ。ジャンヌはあんな写真を見せられてショックで僕を避けようとしているけれど、きっと落ち着いたら、僕の事を許してくれるはずだ。騎士団長だって、あの時の事を物凄く感謝していたし。
第一僕は、本当にジャンヌ以外には興味がない。口づけされた事や抱き着かれた事ですら、覚えていない程に。僕にとってジャンヌ以外の令嬢なんて、そこら辺に落ちている石ころと同じなのに。
大丈夫だ、きっとまだ間に合う。
ジャンヌは十分傷ついた様だし、そろそろ許してあげよう。これからは時間が許す限り、ジャンヌの傍にいて、今まで出来なかった愛情をたっぷり注いであげよう。
それに令嬢たちとは、今後一切の関りを絶とう。そうすればきっと、ジャンヌも許してくれるはず。
なんていったって僕は、彼女の汚名をはらしてあげた恩人なのだから…
※次回からジャンヌ視点に戻ります。
よろしくお願いしますm(__)m
あなたにおすすめの小説
【完結】愛され令嬢は、死に戻りに気付かない
かまり
恋愛
公爵令嬢エレナは、婚約者の王子と聖女に嵌められて処刑され、死に戻るが、
それを夢だと思い込んだエレナは考えなしに2度目を始めてしまう。
しかし、なぜかループ前とは違うことが起きるため、エレナはやはり夢だったと確信していたが、
結局2度目も王子と聖女に嵌められる最後を迎えてしまった。
3度目の死に戻りでエレナは聖女に勝てるのか?
聖女と婚約しようとした王子の目に、涙が見えた気がしたのはなぜなのか?
そもそも、なぜ死に戻ることになったのか?
そして、エレナを助けたいと思っているのは誰なのか…
色んな謎に包まれながらも、王子と幸せになるために諦めない、
そんなエレナの逆転勝利物語。
【完結】時戻り令嬢は復讐する
やまぐちこはる
恋愛
ソイスト侯爵令嬢ユートリーと想いあう婚約者ナイジェルス王子との結婚を楽しみにしていた。
しかしナイジェルスが長期の視察に出た数日後、ナイジェルス一行が襲撃された事を知って倒れたユートリーにも魔の手が。
自分の身に何が起きたかユートリーが理解した直後、ユートリーの命もその灯火を消した・・・と思ったが、まるで悪夢を見ていたように目が覚める。
夢だったのか、それともまさか時を遡ったのか?
迷いながらもユートリーは動き出す。
サスペンス要素ありの作品です。
設定は緩いです。
6時と18時の一日2回更新予定で、全80話です、よろしくお願い致します。
奪われる人生とはお別れします 婚約破棄の後は幸せな日々が待っていました
水空 葵
恋愛
婚約者だった王太子殿下は、最近聖女様にかかりっきりで私には見向きもしない。
それなのに妃教育と称して仕事を押し付けてくる。
しまいには建国パーティーの時に婚約解消を突き付けられてしまった。
王太子殿下、それから私の両親。今まで尽くしてきたのに、裏切るなんて許せません。
でも、これ以上奪われるのは嫌なので、さっさとお別れしましょう。
◇2024/2/5 HOTランキング1位に掲載されました。
◇第17回 恋愛小説大賞で6位&奨励賞を頂きました。
◇レジーナブックスより書籍発売中です!
本当にありがとうございます!
愛しているなら何でもできる? どの口が言うのですか
風見ゆうみ
恋愛
「君のことは大好きだけど、そういうことをしたいとは思えないんだ」
初夜の晩、爵位を継いで伯爵になったばかりの夫、ロン様は私を寝室に置いて自分の部屋に戻っていった。
肉体的に結ばれることがないまま、3ヶ月が過ぎた頃、彼は私の妹を連れてきて言った。
「シェリル、落ち着いて聞いてほしい。ミシェルたちも僕たちと同じ状況らしいんだ。だから、夜だけパートナーを交換しないか?」
「お姉様が生んだ子供をわたしが育てて、わたしが生んだ子供をお姉様が育てれば血筋は途切れないわ」
そんな提案をされた私は、その場で離婚を申し出た。
でも、夫は絶対に別れたくないと離婚を拒み、両親や義両親も夫の味方だった。
※独特の異世界の世界観であり、設定はゆるゆるで、ご都合主義です。
※誤字脱字など見直して気を付けているつもりですが、やはりございます。申し訳ございません。教えていただけますと有り難いです。
【完結】婚約破棄に祝砲を。あら、殿下ったらもうご結婚なさるのね? では、祝辞代わりに花嫁ごと吹き飛ばしに伺いますわ。
猫屋敷むぎ
恋愛
王都最古の大聖堂。
ついに幸せいっぱいの結婚式を迎えた、公女リシェル・クレイモア。
しかし、一年前。同じ場所での結婚式では――
見知らぬ女を連れて現れたセドリック王子が、高らかに宣言した。
「俺は――愛を選ぶ! お前との婚約は……破棄だ!」
確かに愛のない政略結婚だったけれど。
――やがて、仮面の執事クラウスと共に踏み込む、想像もできなかった真実。
「お嬢様、祝砲は芝居の終幕でと、相場は決まっております――」
仮面が落ちるとき、空を裂いて祝砲が鳴り響く。
シリアスもラブも笑いもまとめて撃ち抜く、“婚約破棄から始まる、公女と執事の逆転ロマンス劇場”、ここに開幕!
――ミステリ仕立ての愛と逆転の物語です。スッキリ逆転、ハピエン保証。
※「小説家になろう」にも掲載。
※ アルファポリス完結恋愛13位。応援ありがとうございます。
元カレの今カノは聖女様
abang
恋愛
「イブリア……私と別れて欲しい」
公爵令嬢 イブリア・バロウズは聖女と王太子の愛を妨げる悪女で社交界の嫌われ者。
婚約者である王太子 ルシアン・ランベールの関心は、品行方正、心優しく美人で慈悲深い聖女、セリエ・ジェスランに奪われ王太子ルシアンはついにイブリアに別れを切り出す。
極め付けには、王妃から嫉妬に狂うただの公爵令嬢よりも、聖女が婚約者に適任だと「ルシアンと別れて頂戴」と多額の手切れ金。
社交会では嫉妬に狂った憐れな令嬢に"仕立てあげられ"周りの人間はどんどんと距離を取っていくばかり。
けれども当の本人は…
「悲しいけれど、過ぎればもう過去のことよ」
と、噂とは違いあっさりとした様子のイブリア。
それどころか自由を謳歌する彼女はとても楽しげな様子。
そんなイブリアの態度がルシアンは何故か気に入らない様子で…
更には婚約破棄されたイブリアの婚約者の座を狙う王太子の側近達。
「私をあんなにも嫌っていた、聖女様の取り巻き達が一体私に何の用事があって絡むの!?嫌がらせかしら……!」
私の頑張りは、とんだ無駄骨だったようです
風見ゆうみ
恋愛
私、リディア・トゥーラル男爵令嬢にはジッシー・アンダーソンという婚約者がいた。ある日、学園の中庭で彼が女子生徒に告白され、その生徒と抱き合っているシーンを大勢の生徒と一緒に見てしまった上に、その場で婚約破棄を要求されてしまう。
婚約破棄を要求されてすぐに、ミラン・ミーグス公爵令息から求婚され、ひそかに彼に思いを寄せていた私は、彼の申し出を受けるか迷ったけれど、彼の両親から身を引く様にお願いされ、ミランを諦める事に決める。
そんな私は、学園を辞めて遠くの街に引っ越し、平民として新しい生活を始めてみたんだけど、ん? 誰かからストーカーされてる? それだけじゃなく、ミランが私を見つけ出してしまい…!?
え、これじゃあ、私、何のために引っ越したの!?
※恋愛メインで書くつもりですが、ざまぁ必要のご意見があれば、微々たるものになりますが、ざまぁを入れるつもりです。
※ざまぁ希望をいただきましたので、タグを「ざまぁ」に変更いたしました。
※史実とは関係ない異世界の世界観であり、設定も緩くご都合主義です。魔法も存在します。作者の都合の良い世界観や設定であるとご了承いただいた上でお読み下さいませ。