17 / 53
第17話:俺の前に現れた女の子~グラディオン視点~
ガルディス侯爵家の嫡男として生まれた俺は、父親の強い希望で6歳の時、騎士団に入れられた。元々体を動かすことが大好きだった俺は、騎士団への入団は苦ではなかった。
ただ…
「グラディオン、お前新入りだろ。これ、1人で片づけておけよ」
そう言って面倒な仕事は、全て俺に押し付ける意地悪な先輩たち。
あんな奴らの言う事なんて、聞きたくない。でも、逆らうと後が面倒だ。仕方なく1人片づけをしていると
「あなた、新しく入った子?またあの人たち、新人の子に片づけを全て押し付けて。大丈夫?私も手伝うわ」
オレンジ色の髪に赤い瞳をした女の子が、俺に話しかけてきたのだ。確か騎士団長の娘が、騎士団にいると聞いたことがある。きっとこの子がそうなのだろう。それにしても、女なのに騎士団に入るだなんて、変わっているな。
「これは俺が頼まれた仕事だから。それに誰かに手伝ってもらっただなんて先輩たちに知られると、面倒なので」
そう伝えたのだが…
「この量、1人で片づけていたら夜になってしまうわ。さあ、一緒にやりましょう」
そう言ってもくもくと片づけを始めた女の子。
「そうそう、自己紹介をしないとね。私、ジャンヌ・マリアーズよ。あなたのお名前は?」
「グラディオン・ガルディス」
めんどくさそうに名前を答えた。
「グラディオン、素敵な名前ね。よろしくね、グラディオン」
そう言ってにっこりとほほ笑んだジャンヌ。この子、意外と可愛い顔をしているな…て、そんな事はどうでもいいか。さっさと片づけないと。
この日は2人で片づけたおかげで、何とか夜になるまでに片づける事が出来た。
そしてジャンヌは、この日を境に、俺の片づけを手伝う様になった。さらに
「あなた達、いつもグラディオンにばかり片づけをさせないで、自分たちでしたらどうなの?大体、後輩に片づけを押し付けて恥ずかしくないの?」
隊長がいる前で、大きな声でジャンヌが先輩に意見したのだ。ジャンヌの言葉を聞いた隊長。
「一体どういうことだ?グラディオン1人に片づけをさせていたとは。詳しく話を聞かせてくれ」
隊長に洗いざらいぶちまけたジャンヌによって、意地悪な先輩たちは隊長からこってり絞られていた。
ジャンヌ、あんな事を言って大丈夫かな?俺の不安は的中した。
「ジャンヌ、よくも隊長にチクリやがったな。女だからって、タダじゃおかないぞ!」
真っ赤な顔をして怒り狂う先輩たち。
「隊長にバレたらまずい事をしているあなた達が悪いのでしょう。大体、年下の新人に大きな顔をして、隊長にはペコペコ頭を下げるだなんて、恥ずかしくないのかしら?それでも騎士団員なの?情けない」
おい、ジャンヌ。さすがにマズイぞ。そう思ったのだが、時すでに遅し。
「騎士団長の娘だからって、調子に乗りやがって。ただじゃおかないからな!痛い目見せてやる」
怒り狂った先輩の1人が、ジャンヌに襲い掛かって来たのだ。危ない!そう思ったのだが、ジャンヌはいとも簡単に先輩を倒してしまったのだ。そう、ジャンヌは滅茶苦茶強かったのだ。
「口ばかり達者で、大したことないのね。新人虐めをしている暇があったら、しっかり稽古に励んだらどうなの?いい?もしこれから新人虐めをしたら、私が許さないから。それとも今から、コテンパンにしてあげましょうか?」
ニヤリと笑ったジャンヌ。そんなジャンヌに恐怖を感じたのか
「す…すみませんでした」
そう言って逃げていく先輩たち。あの人たち、大したことないな…
「グラディオン、意地悪な先輩たちは、私が退治したわ。それにしてもあの人たち、口ほどにもなかったわね。あんなに弱いのに、よく威張ってられたわね」
そう言ってジャンヌが笑っていた。
ジャンヌは女の子なのに、あんなに強いだなんて。きっと恐ろしいほど強い騎士団長の娘だから強いのだろう。その時の俺は、そう思っていた。
でも、それは間違いだったのだ。ジャンヌは誰よりも早く稽古場に来て朝練を行い、稽古が終わった後も、必死に自主練を行っていたのだ。
どうしてこんなに頑張るのだろう…ジャンヌは女の子なのに…不思議に思った俺は、ジャンヌに聞いた。すると
「私もね、騎士団に入った頃、先輩に意地悪をされたんだ。私は騎士団長の娘だったことも、気に入らなかったのだと思う。それが悔しくて、必死に稽古に励んだの。絶対にあの人たちより強くなってみせるって。そして、あの先輩たちを見返してやるって!それにね、強かったら意地悪な先輩たちから、皆を守れるでしょう?新しく入って来た子たちには、嫌な思いをして欲しくないの」
そう笑顔で教えてくれた。その言葉通り、ジャンヌは新人虐めをする先輩を見つけると、片っ端から倒していった。
きっとジャンヌは、騎士団が大好きなのだろう。だからこそ、新しく入った子たちが嫌な思いをして欲しくない。皆が少しでも楽しく過ごせるように、彼女なりに必死なのだろう。
そんなジャンヌを見ていると、俺も頑張らないと!そう思うようになっていた。
ただ…
「グラディオン、お前新入りだろ。これ、1人で片づけておけよ」
そう言って面倒な仕事は、全て俺に押し付ける意地悪な先輩たち。
あんな奴らの言う事なんて、聞きたくない。でも、逆らうと後が面倒だ。仕方なく1人片づけをしていると
「あなた、新しく入った子?またあの人たち、新人の子に片づけを全て押し付けて。大丈夫?私も手伝うわ」
オレンジ色の髪に赤い瞳をした女の子が、俺に話しかけてきたのだ。確か騎士団長の娘が、騎士団にいると聞いたことがある。きっとこの子がそうなのだろう。それにしても、女なのに騎士団に入るだなんて、変わっているな。
「これは俺が頼まれた仕事だから。それに誰かに手伝ってもらっただなんて先輩たちに知られると、面倒なので」
そう伝えたのだが…
「この量、1人で片づけていたら夜になってしまうわ。さあ、一緒にやりましょう」
そう言ってもくもくと片づけを始めた女の子。
「そうそう、自己紹介をしないとね。私、ジャンヌ・マリアーズよ。あなたのお名前は?」
「グラディオン・ガルディス」
めんどくさそうに名前を答えた。
「グラディオン、素敵な名前ね。よろしくね、グラディオン」
そう言ってにっこりとほほ笑んだジャンヌ。この子、意外と可愛い顔をしているな…て、そんな事はどうでもいいか。さっさと片づけないと。
この日は2人で片づけたおかげで、何とか夜になるまでに片づける事が出来た。
そしてジャンヌは、この日を境に、俺の片づけを手伝う様になった。さらに
「あなた達、いつもグラディオンにばかり片づけをさせないで、自分たちでしたらどうなの?大体、後輩に片づけを押し付けて恥ずかしくないの?」
隊長がいる前で、大きな声でジャンヌが先輩に意見したのだ。ジャンヌの言葉を聞いた隊長。
「一体どういうことだ?グラディオン1人に片づけをさせていたとは。詳しく話を聞かせてくれ」
隊長に洗いざらいぶちまけたジャンヌによって、意地悪な先輩たちは隊長からこってり絞られていた。
ジャンヌ、あんな事を言って大丈夫かな?俺の不安は的中した。
「ジャンヌ、よくも隊長にチクリやがったな。女だからって、タダじゃおかないぞ!」
真っ赤な顔をして怒り狂う先輩たち。
「隊長にバレたらまずい事をしているあなた達が悪いのでしょう。大体、年下の新人に大きな顔をして、隊長にはペコペコ頭を下げるだなんて、恥ずかしくないのかしら?それでも騎士団員なの?情けない」
おい、ジャンヌ。さすがにマズイぞ。そう思ったのだが、時すでに遅し。
「騎士団長の娘だからって、調子に乗りやがって。ただじゃおかないからな!痛い目見せてやる」
怒り狂った先輩の1人が、ジャンヌに襲い掛かって来たのだ。危ない!そう思ったのだが、ジャンヌはいとも簡単に先輩を倒してしまったのだ。そう、ジャンヌは滅茶苦茶強かったのだ。
「口ばかり達者で、大したことないのね。新人虐めをしている暇があったら、しっかり稽古に励んだらどうなの?いい?もしこれから新人虐めをしたら、私が許さないから。それとも今から、コテンパンにしてあげましょうか?」
ニヤリと笑ったジャンヌ。そんなジャンヌに恐怖を感じたのか
「す…すみませんでした」
そう言って逃げていく先輩たち。あの人たち、大したことないな…
「グラディオン、意地悪な先輩たちは、私が退治したわ。それにしてもあの人たち、口ほどにもなかったわね。あんなに弱いのに、よく威張ってられたわね」
そう言ってジャンヌが笑っていた。
ジャンヌは女の子なのに、あんなに強いだなんて。きっと恐ろしいほど強い騎士団長の娘だから強いのだろう。その時の俺は、そう思っていた。
でも、それは間違いだったのだ。ジャンヌは誰よりも早く稽古場に来て朝練を行い、稽古が終わった後も、必死に自主練を行っていたのだ。
どうしてこんなに頑張るのだろう…ジャンヌは女の子なのに…不思議に思った俺は、ジャンヌに聞いた。すると
「私もね、騎士団に入った頃、先輩に意地悪をされたんだ。私は騎士団長の娘だったことも、気に入らなかったのだと思う。それが悔しくて、必死に稽古に励んだの。絶対にあの人たちより強くなってみせるって。そして、あの先輩たちを見返してやるって!それにね、強かったら意地悪な先輩たちから、皆を守れるでしょう?新しく入って来た子たちには、嫌な思いをして欲しくないの」
そう笑顔で教えてくれた。その言葉通り、ジャンヌは新人虐めをする先輩を見つけると、片っ端から倒していった。
きっとジャンヌは、騎士団が大好きなのだろう。だからこそ、新しく入った子たちが嫌な思いをして欲しくない。皆が少しでも楽しく過ごせるように、彼女なりに必死なのだろう。
そんなジャンヌを見ていると、俺も頑張らないと!そう思うようになっていた。
あなたにおすすめの小説
【完結】愛され令嬢は、死に戻りに気付かない
かまり
恋愛
公爵令嬢エレナは、婚約者の王子と聖女に嵌められて処刑され、死に戻るが、
それを夢だと思い込んだエレナは考えなしに2度目を始めてしまう。
しかし、なぜかループ前とは違うことが起きるため、エレナはやはり夢だったと確信していたが、
結局2度目も王子と聖女に嵌められる最後を迎えてしまった。
3度目の死に戻りでエレナは聖女に勝てるのか?
聖女と婚約しようとした王子の目に、涙が見えた気がしたのはなぜなのか?
そもそも、なぜ死に戻ることになったのか?
そして、エレナを助けたいと思っているのは誰なのか…
色んな謎に包まれながらも、王子と幸せになるために諦めない、
そんなエレナの逆転勝利物語。
【完結】時戻り令嬢は復讐する
やまぐちこはる
恋愛
ソイスト侯爵令嬢ユートリーと想いあう婚約者ナイジェルス王子との結婚を楽しみにしていた。
しかしナイジェルスが長期の視察に出た数日後、ナイジェルス一行が襲撃された事を知って倒れたユートリーにも魔の手が。
自分の身に何が起きたかユートリーが理解した直後、ユートリーの命もその灯火を消した・・・と思ったが、まるで悪夢を見ていたように目が覚める。
夢だったのか、それともまさか時を遡ったのか?
迷いながらもユートリーは動き出す。
サスペンス要素ありの作品です。
設定は緩いです。
6時と18時の一日2回更新予定で、全80話です、よろしくお願い致します。
奪われる人生とはお別れします 婚約破棄の後は幸せな日々が待っていました
水空 葵
恋愛
婚約者だった王太子殿下は、最近聖女様にかかりっきりで私には見向きもしない。
それなのに妃教育と称して仕事を押し付けてくる。
しまいには建国パーティーの時に婚約解消を突き付けられてしまった。
王太子殿下、それから私の両親。今まで尽くしてきたのに、裏切るなんて許せません。
でも、これ以上奪われるのは嫌なので、さっさとお別れしましょう。
◇2024/2/5 HOTランキング1位に掲載されました。
◇第17回 恋愛小説大賞で6位&奨励賞を頂きました。
◇レジーナブックスより書籍発売中です!
本当にありがとうございます!
愛しているなら何でもできる? どの口が言うのですか
風見ゆうみ
恋愛
「君のことは大好きだけど、そういうことをしたいとは思えないんだ」
初夜の晩、爵位を継いで伯爵になったばかりの夫、ロン様は私を寝室に置いて自分の部屋に戻っていった。
肉体的に結ばれることがないまま、3ヶ月が過ぎた頃、彼は私の妹を連れてきて言った。
「シェリル、落ち着いて聞いてほしい。ミシェルたちも僕たちと同じ状況らしいんだ。だから、夜だけパートナーを交換しないか?」
「お姉様が生んだ子供をわたしが育てて、わたしが生んだ子供をお姉様が育てれば血筋は途切れないわ」
そんな提案をされた私は、その場で離婚を申し出た。
でも、夫は絶対に別れたくないと離婚を拒み、両親や義両親も夫の味方だった。
※独特の異世界の世界観であり、設定はゆるゆるで、ご都合主義です。
※誤字脱字など見直して気を付けているつもりですが、やはりございます。申し訳ございません。教えていただけますと有り難いです。
【完結】婚約破棄に祝砲を。あら、殿下ったらもうご結婚なさるのね? では、祝辞代わりに花嫁ごと吹き飛ばしに伺いますわ。
猫屋敷むぎ
恋愛
王都最古の大聖堂。
ついに幸せいっぱいの結婚式を迎えた、公女リシェル・クレイモア。
しかし、一年前。同じ場所での結婚式では――
見知らぬ女を連れて現れたセドリック王子が、高らかに宣言した。
「俺は――愛を選ぶ! お前との婚約は……破棄だ!」
確かに愛のない政略結婚だったけれど。
――やがて、仮面の執事クラウスと共に踏み込む、想像もできなかった真実。
「お嬢様、祝砲は芝居の終幕でと、相場は決まっております――」
仮面が落ちるとき、空を裂いて祝砲が鳴り響く。
シリアスもラブも笑いもまとめて撃ち抜く、“婚約破棄から始まる、公女と執事の逆転ロマンス劇場”、ここに開幕!
――ミステリ仕立ての愛と逆転の物語です。スッキリ逆転、ハピエン保証。
※「小説家になろう」にも掲載。
※ アルファポリス完結恋愛13位。応援ありがとうございます。
元カレの今カノは聖女様
abang
恋愛
「イブリア……私と別れて欲しい」
公爵令嬢 イブリア・バロウズは聖女と王太子の愛を妨げる悪女で社交界の嫌われ者。
婚約者である王太子 ルシアン・ランベールの関心は、品行方正、心優しく美人で慈悲深い聖女、セリエ・ジェスランに奪われ王太子ルシアンはついにイブリアに別れを切り出す。
極め付けには、王妃から嫉妬に狂うただの公爵令嬢よりも、聖女が婚約者に適任だと「ルシアンと別れて頂戴」と多額の手切れ金。
社交会では嫉妬に狂った憐れな令嬢に"仕立てあげられ"周りの人間はどんどんと距離を取っていくばかり。
けれども当の本人は…
「悲しいけれど、過ぎればもう過去のことよ」
と、噂とは違いあっさりとした様子のイブリア。
それどころか自由を謳歌する彼女はとても楽しげな様子。
そんなイブリアの態度がルシアンは何故か気に入らない様子で…
更には婚約破棄されたイブリアの婚約者の座を狙う王太子の側近達。
「私をあんなにも嫌っていた、聖女様の取り巻き達が一体私に何の用事があって絡むの!?嫌がらせかしら……!」
私の頑張りは、とんだ無駄骨だったようです
風見ゆうみ
恋愛
私、リディア・トゥーラル男爵令嬢にはジッシー・アンダーソンという婚約者がいた。ある日、学園の中庭で彼が女子生徒に告白され、その生徒と抱き合っているシーンを大勢の生徒と一緒に見てしまった上に、その場で婚約破棄を要求されてしまう。
婚約破棄を要求されてすぐに、ミラン・ミーグス公爵令息から求婚され、ひそかに彼に思いを寄せていた私は、彼の申し出を受けるか迷ったけれど、彼の両親から身を引く様にお願いされ、ミランを諦める事に決める。
そんな私は、学園を辞めて遠くの街に引っ越し、平民として新しい生活を始めてみたんだけど、ん? 誰かからストーカーされてる? それだけじゃなく、ミランが私を見つけ出してしまい…!?
え、これじゃあ、私、何のために引っ越したの!?
※恋愛メインで書くつもりですが、ざまぁ必要のご意見があれば、微々たるものになりますが、ざまぁを入れるつもりです。
※ざまぁ希望をいただきましたので、タグを「ざまぁ」に変更いたしました。
※史実とは関係ない異世界の世界観であり、設定も緩くご都合主義です。魔法も存在します。作者の都合の良い世界観や設定であるとご了承いただいた上でお読み下さいませ。