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第32話:グラディオンを避けてしまいます
翌日、寝不足のまま朝を迎えた。
結局昨日は、ずっとグラディオンの事を考えていて、ろくに眠る事が出来なかったのだ。その上、結論を出すことが出来なかった。
考えても考えても、自分がどうしたらいいのか分からないのだ。周りから比較的決断力があると言われているのに、これだけ悩んでも結論が出ないだなんて、本当に情けない。
でも、妥協した結論なんて絶対に出したくはない。自分が納得するまで、悩み続けようと思っている。だってそれが、グラディオンに対する私の誠意だと思うから。
本来ならグラディオンにはこれからも友達として、隊の上司として付き合っていきたいと伝えるべきなのだろう。でも…なぜだろう、はっきりとグラディオンに“友達だ”と、言い切れない自分がいるのだ。
私の心の中に眠る“何か”が引っかかっていて、その答えを出すことが出来ない。
本当にいつから私は、こんなに優柔不断になったのかしら?
はぁ~っとため息をつきながら、騎士団の制服に着替えた。
「お嬢様、少し顔色が良くない様ですが、大丈夫ですか?」
心配そうにメイドが訪ねて来た。やっぱり寝不足だから、顔色が良くないのね。ただでさえグラディオンにどんな顔をして会ったらいいか悩んでいるのに、今日騎士団をお休みしたら、明日以降余計行きづらくなる。
「心配してくれてありがとう。でも、こう見えて元気だから大丈夫よ。それじゃあ、行ってくるわね」
そのまま馬車に乗り込み、騎士団を目指す。今日はお父様もディーノも少し早めに騎士団に行った様で、1人で向かう。お父様やディーノに寝不足の件を突っ込まれなかったのはいいが、1人だとつい色々と考えてしまうのだ。
私は今日、いつも通りグラディオンに接する事が出来るかしら?自信ないな…
なんだか気が重くなってきた。
でも、もう騎士団に着いてしまった。仕方がない、腹をくくるしかない。気合を入れ直し、馬車から降り稽古場へと向かった。大丈夫よ、いつも通り。そうよ、いつも通りにすればいいのよ。
何度も自分に言い聞かせる。
「おはよう、ジャンヌ。今日はいつもより遅くないか?」
一瞬びくりと肩を震わせ、ゆっくりと声の方を振り向く。
「お…おはよう、グラディオン。あら、そうかしら?いつも通り来たつもりだけれど」
若干声が裏返ってしまったわ。こんな日に限って、一番にグラディオンに会うだなんて。
「ジャンヌ、お前顔色が悪いぞ。それにしゃべり方も変だし。体調が良くないのか?すぐに医務室に行こう。お前はすぐに無理をするかなら。ほら、行くぞ」
ふいにグラディオンが手を掴んだのだ。無意識にグラディオンの手を振り払ってしまった。やってしまったわ…これじゃあ、完全に感じの悪い子じゃない。
「わ…私は大丈夫よ。ちょっと昨日、夜更かししちゃって。さあ、稽古を始めましょう」
グラディオンの方を見ずに、急いで稽古場へと向かった。ごめん、グラディオン。やっぱり私には、普通に接するなんて無理だわ。でも、この状況はマズいわよね。
どうしよう…
とにかく今は、稽古に集中しよう。稽古に集中すればきっと、グラディオンの事を考えなくて済む。そう思っていたのだが…
「ジャンヌ、何をボーっとしているんだ。もっと集中しないと怪我をするぞ。それにお前、今日顔色が悪いな。グラディオン隊長に言って、休ませてもらったらどうだ?」
一緒に稽古をしていた子に、心配されてしまった。
「ごめんなさい。でも大丈夫…」
「グラディオン隊長。ジャンヌの体調がよくないみたいです」
ちょっと、大きな声でそんな事を言わないでよ。グラディオンが来るじゃない。
案の定
「ジャンヌ、大丈夫か?やっぱりお前、体調が悪かったのだな。すぐに医務室に連れて行ってやるから」
何を思ったのか、私を抱きかかえようとしたグラディオン。すかさずよけてしまった。
「あ…あの…グラディオンは忙しいでしょう。そうね…ファビレス、悪いのだけれど医務室に連れて行ってくれるかしら?」
「え…僕?えっと…わかったよ。行こうか」
近くにいたファビレスがゆっくりと私の方に近づいてきて、医務室へと連れて行ってくれる。いつも物静かなファビレス。今回も無言のまま、医務室へとやって来た。
「あら?先生がいらっしゃらないわ。留守にしていらっしゃるのかしら?」
「本当だね。見て、ジャンヌ。ここに“急患が入ったため、しばらく留守にします”と書いてあるよ。どうしよう、これじゃあジャンヌを見てもらえないね」
「心配してくれてありがとう。実は昨日夜更かしをしちゃって。寝不足なだけだから、ベッドで少し休ませてもらうわ。きっと寝たら元気になると思うから。ファビレス、医務室まで連れてきてくれてありがとう」
ファビレスにお礼を言って、ベッドに横になろうとした時だった。
「ジャンヌ、大事な話があるんだ。少しだけいいかな?」
真剣な表情のファビレス。一体どうしたのかしら?
結局昨日は、ずっとグラディオンの事を考えていて、ろくに眠る事が出来なかったのだ。その上、結論を出すことが出来なかった。
考えても考えても、自分がどうしたらいいのか分からないのだ。周りから比較的決断力があると言われているのに、これだけ悩んでも結論が出ないだなんて、本当に情けない。
でも、妥協した結論なんて絶対に出したくはない。自分が納得するまで、悩み続けようと思っている。だってそれが、グラディオンに対する私の誠意だと思うから。
本来ならグラディオンにはこれからも友達として、隊の上司として付き合っていきたいと伝えるべきなのだろう。でも…なぜだろう、はっきりとグラディオンに“友達だ”と、言い切れない自分がいるのだ。
私の心の中に眠る“何か”が引っかかっていて、その答えを出すことが出来ない。
本当にいつから私は、こんなに優柔不断になったのかしら?
はぁ~っとため息をつきながら、騎士団の制服に着替えた。
「お嬢様、少し顔色が良くない様ですが、大丈夫ですか?」
心配そうにメイドが訪ねて来た。やっぱり寝不足だから、顔色が良くないのね。ただでさえグラディオンにどんな顔をして会ったらいいか悩んでいるのに、今日騎士団をお休みしたら、明日以降余計行きづらくなる。
「心配してくれてありがとう。でも、こう見えて元気だから大丈夫よ。それじゃあ、行ってくるわね」
そのまま馬車に乗り込み、騎士団を目指す。今日はお父様もディーノも少し早めに騎士団に行った様で、1人で向かう。お父様やディーノに寝不足の件を突っ込まれなかったのはいいが、1人だとつい色々と考えてしまうのだ。
私は今日、いつも通りグラディオンに接する事が出来るかしら?自信ないな…
なんだか気が重くなってきた。
でも、もう騎士団に着いてしまった。仕方がない、腹をくくるしかない。気合を入れ直し、馬車から降り稽古場へと向かった。大丈夫よ、いつも通り。そうよ、いつも通りにすればいいのよ。
何度も自分に言い聞かせる。
「おはよう、ジャンヌ。今日はいつもより遅くないか?」
一瞬びくりと肩を震わせ、ゆっくりと声の方を振り向く。
「お…おはよう、グラディオン。あら、そうかしら?いつも通り来たつもりだけれど」
若干声が裏返ってしまったわ。こんな日に限って、一番にグラディオンに会うだなんて。
「ジャンヌ、お前顔色が悪いぞ。それにしゃべり方も変だし。体調が良くないのか?すぐに医務室に行こう。お前はすぐに無理をするかなら。ほら、行くぞ」
ふいにグラディオンが手を掴んだのだ。無意識にグラディオンの手を振り払ってしまった。やってしまったわ…これじゃあ、完全に感じの悪い子じゃない。
「わ…私は大丈夫よ。ちょっと昨日、夜更かししちゃって。さあ、稽古を始めましょう」
グラディオンの方を見ずに、急いで稽古場へと向かった。ごめん、グラディオン。やっぱり私には、普通に接するなんて無理だわ。でも、この状況はマズいわよね。
どうしよう…
とにかく今は、稽古に集中しよう。稽古に集中すればきっと、グラディオンの事を考えなくて済む。そう思っていたのだが…
「ジャンヌ、何をボーっとしているんだ。もっと集中しないと怪我をするぞ。それにお前、今日顔色が悪いな。グラディオン隊長に言って、休ませてもらったらどうだ?」
一緒に稽古をしていた子に、心配されてしまった。
「ごめんなさい。でも大丈夫…」
「グラディオン隊長。ジャンヌの体調がよくないみたいです」
ちょっと、大きな声でそんな事を言わないでよ。グラディオンが来るじゃない。
案の定
「ジャンヌ、大丈夫か?やっぱりお前、体調が悪かったのだな。すぐに医務室に連れて行ってやるから」
何を思ったのか、私を抱きかかえようとしたグラディオン。すかさずよけてしまった。
「あ…あの…グラディオンは忙しいでしょう。そうね…ファビレス、悪いのだけれど医務室に連れて行ってくれるかしら?」
「え…僕?えっと…わかったよ。行こうか」
近くにいたファビレスがゆっくりと私の方に近づいてきて、医務室へと連れて行ってくれる。いつも物静かなファビレス。今回も無言のまま、医務室へとやって来た。
「あら?先生がいらっしゃらないわ。留守にしていらっしゃるのかしら?」
「本当だね。見て、ジャンヌ。ここに“急患が入ったため、しばらく留守にします”と書いてあるよ。どうしよう、これじゃあジャンヌを見てもらえないね」
「心配してくれてありがとう。実は昨日夜更かしをしちゃって。寝不足なだけだから、ベッドで少し休ませてもらうわ。きっと寝たら元気になると思うから。ファビレス、医務室まで連れてきてくれてありがとう」
ファビレスにお礼を言って、ベッドに横になろうとした時だった。
「ジャンヌ、大事な話があるんだ。少しだけいいかな?」
真剣な表情のファビレス。一体どうしたのかしら?
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