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第39話:夢じゃないよな~グラディオン視点~
「坊ちゃま、屋敷に着きましたよ。どうされたのですか?ボーっとされて」
しまった、またジャンヌの事を考えていた。
「すまない」
急いで馬車から降りると、自室に向かい着替えを済ます。
今日、俺にとって人生最高の日になったのだ。まさかジャンヌと気持ちが通じ合うだなんて…
今日の出来事を思い出し、つい頬が緩む。俺は10年近く、ずっとジャンヌに片思いをしていたのだ。その思いが、まさか報われる日が来るだなんて…
どうしても信じられなくて、今さっきジャンヌの家に行き、後日改めて両親と挨拶に来るというと、ジャンヌが嬉しそうに微笑んだのだ。
その顔を見た瞬間、夢ではなかったのだと確信した。まさか俺がジャンヌと婚約できるだなんて。やっぱり信じられない。
でも、もう既に第7部隊の皆は、俺たちが婚約する事を知っているし、医務室の先生だって知っている。とにかく早く、騎士団長に話しをしないとな。いや、その前に、俺の両親に話しをしないと。
「坊ちゃま、夕食の準備が出来ておりますよ」
「ああ、分かった」
ちょうどいい、夕食の後に両親に話しをしよう。きっと父上も母上も喜んでくれるはずだ。ジャンヌがこの侯爵家に嫁いでくるのだから、俺も本格的に次期侯爵になる準備を進めないとな。
騎士団が休みの時は、父上と一緒に領地を見て回るのもいいだろう。でも、休みの日はジャンヌと一緒にいたい。
とにかくやる事が多すぎるが、大丈夫だ。ジャンヌとの幸せな未来の為なら、何だってできる気がする。
「あの…坊ちゃま、ご夕食のお時間ですが…」
全く動かない俺にしびれを切らしたのか、再び執事に話し掛けられた。
「すまない、すぐに行くよ」
色々と考えたい事はあるが、今は両親にジャンヌの事を話すのが専決だ。
急いで食堂へと向かうと、既に両親が待っていた。
「遅いぞ、グラディオン。あんまり遅いから、先に食べているぞ」
「申し訳ございません。ちょっと色々とありまして。父上、母上、食後大事なお話しがあるので、お時間を頂けますか?」
「大事な話?一体なにかしら?いい話だといいのだけれど…」
「何だ?もしかして騎士団長になる事が決まったのか?現騎士団長のマリアーズ伯爵からは、ぜひグラディオンを次期騎士団長にという話をもらっているが。でも、まだグラディオンは16歳だからな。騎士団もいいが、そろそろ本腰を入れて侯爵家を継ぐ準備もしてもらわないとな。私もいつまでも元気でいられる保証はないし」
「分かっています。その件に関しても、お話ししましょう」
そう両親に伝え、黙々と食事をする。そんな俺を見ながら、両親が顔を見合わせている。そして食後。
「それでグラディオン、今日はどんな話があるのだい?」
父上と母上が、真剣な表情でこちらを見つめていた。心なしか、2人とも不安そうな顔をしているのは、気のせいだろう。
「父上、母上、実は俺、マリアーズ伯爵家の令嬢、ジャンヌと婚約したいと考えております」
両親の目を見ながら、はっきりとそう伝えた。そんな俺の言葉を聞いて、目を大きく見開き、固まっている父上と母上。そんなに驚かなくてもいいだろうというくらい、びっくりしている。
「ちょっと待ってくれ、確かにグラディオンがジャンヌ嬢に昔から好意を抱いていることは知っている。でも、ジャンヌ嬢の気持ちもあるだろう」
「そうよ、いくらあなたが婚約したいと言っても、マリアーズ伯爵とジャンヌ嬢にお伺いを立てないと」
「その件なのだが今日、ジャンヌから正式に俺と婚約したいと伝えてもらいました。ジャンヌにそんな事を言わせてしまった事は不覚だが、それでもジャンヌも俺と同じ気持ちだという事を知り、一刻も早くジャンヌと婚約したいと思いまして」
「なんと!そうか、ジャンヌ嬢もやっとグラディオンを受け入れていくれたのか。それはめでたいな」
「そうだったの。グラディオン、よかったわね。あなた、ずっとジャンヌ嬢の事が大好きだったものね。既に2人の間で話が付いているなら、私たちがとやかく言うつもりはないわ。それにしても、グラディオンが令嬢と婚約したいと言い出すだなんて…」
「そうだな…もしかしたらグラディオンは、一生独身を貫くのではないかと心配していたのだ。それもずっと思い続けていたジャンヌ嬢と結ばれるだなんて。こんなめでたい事はない」
母上だけでなく、父上までも涙を流して喜んでいる。きっと俺が今まで、ジャンヌ以外の令嬢に全く興味をしめなさなかったから、密かに心配していたのだろう。
「ご心配をおかけして申し訳ございません。それでですね、ジャンヌのご両親に話しを付けたいので、近いうちに父上と母上も、ジャンヌの家に来ていただけますか?」
「ええ、もちろんよ。こういった話は、早い方がいいわ。明日にでもマリアーズ伯爵家にお伺いしましょう。すぐに使いを出さないと」
「そうだな、万が一ジャンヌ嬢の気持ちが変わると大変だ。それにしても、ジャンヌ嬢が家に嫁いできてくれるだなんて、嬉しいな」
「そうね、ジャンヌ嬢はとても素敵な令嬢ですもの。私も武術を習おうかしら?」
「いい年をして、やめておけ。怪我をするぞ」
そう言って父上と母上が笑っている。
ある程度予想はしていたが、想像以上に喜んでいた両親。そんな両親の姿を見て、なんだか俺も嬉しい気持ちになったのだった。
※次回、ジャンヌ視点に戻ります。
よろしくお願いします。
しまった、またジャンヌの事を考えていた。
「すまない」
急いで馬車から降りると、自室に向かい着替えを済ます。
今日、俺にとって人生最高の日になったのだ。まさかジャンヌと気持ちが通じ合うだなんて…
今日の出来事を思い出し、つい頬が緩む。俺は10年近く、ずっとジャンヌに片思いをしていたのだ。その思いが、まさか報われる日が来るだなんて…
どうしても信じられなくて、今さっきジャンヌの家に行き、後日改めて両親と挨拶に来るというと、ジャンヌが嬉しそうに微笑んだのだ。
その顔を見た瞬間、夢ではなかったのだと確信した。まさか俺がジャンヌと婚約できるだなんて。やっぱり信じられない。
でも、もう既に第7部隊の皆は、俺たちが婚約する事を知っているし、医務室の先生だって知っている。とにかく早く、騎士団長に話しをしないとな。いや、その前に、俺の両親に話しをしないと。
「坊ちゃま、夕食の準備が出来ておりますよ」
「ああ、分かった」
ちょうどいい、夕食の後に両親に話しをしよう。きっと父上も母上も喜んでくれるはずだ。ジャンヌがこの侯爵家に嫁いでくるのだから、俺も本格的に次期侯爵になる準備を進めないとな。
騎士団が休みの時は、父上と一緒に領地を見て回るのもいいだろう。でも、休みの日はジャンヌと一緒にいたい。
とにかくやる事が多すぎるが、大丈夫だ。ジャンヌとの幸せな未来の為なら、何だってできる気がする。
「あの…坊ちゃま、ご夕食のお時間ですが…」
全く動かない俺にしびれを切らしたのか、再び執事に話し掛けられた。
「すまない、すぐに行くよ」
色々と考えたい事はあるが、今は両親にジャンヌの事を話すのが専決だ。
急いで食堂へと向かうと、既に両親が待っていた。
「遅いぞ、グラディオン。あんまり遅いから、先に食べているぞ」
「申し訳ございません。ちょっと色々とありまして。父上、母上、食後大事なお話しがあるので、お時間を頂けますか?」
「大事な話?一体なにかしら?いい話だといいのだけれど…」
「何だ?もしかして騎士団長になる事が決まったのか?現騎士団長のマリアーズ伯爵からは、ぜひグラディオンを次期騎士団長にという話をもらっているが。でも、まだグラディオンは16歳だからな。騎士団もいいが、そろそろ本腰を入れて侯爵家を継ぐ準備もしてもらわないとな。私もいつまでも元気でいられる保証はないし」
「分かっています。その件に関しても、お話ししましょう」
そう両親に伝え、黙々と食事をする。そんな俺を見ながら、両親が顔を見合わせている。そして食後。
「それでグラディオン、今日はどんな話があるのだい?」
父上と母上が、真剣な表情でこちらを見つめていた。心なしか、2人とも不安そうな顔をしているのは、気のせいだろう。
「父上、母上、実は俺、マリアーズ伯爵家の令嬢、ジャンヌと婚約したいと考えております」
両親の目を見ながら、はっきりとそう伝えた。そんな俺の言葉を聞いて、目を大きく見開き、固まっている父上と母上。そんなに驚かなくてもいいだろうというくらい、びっくりしている。
「ちょっと待ってくれ、確かにグラディオンがジャンヌ嬢に昔から好意を抱いていることは知っている。でも、ジャンヌ嬢の気持ちもあるだろう」
「そうよ、いくらあなたが婚約したいと言っても、マリアーズ伯爵とジャンヌ嬢にお伺いを立てないと」
「その件なのだが今日、ジャンヌから正式に俺と婚約したいと伝えてもらいました。ジャンヌにそんな事を言わせてしまった事は不覚だが、それでもジャンヌも俺と同じ気持ちだという事を知り、一刻も早くジャンヌと婚約したいと思いまして」
「なんと!そうか、ジャンヌ嬢もやっとグラディオンを受け入れていくれたのか。それはめでたいな」
「そうだったの。グラディオン、よかったわね。あなた、ずっとジャンヌ嬢の事が大好きだったものね。既に2人の間で話が付いているなら、私たちがとやかく言うつもりはないわ。それにしても、グラディオンが令嬢と婚約したいと言い出すだなんて…」
「そうだな…もしかしたらグラディオンは、一生独身を貫くのではないかと心配していたのだ。それもずっと思い続けていたジャンヌ嬢と結ばれるだなんて。こんなめでたい事はない」
母上だけでなく、父上までも涙を流して喜んでいる。きっと俺が今まで、ジャンヌ以外の令嬢に全く興味をしめなさなかったから、密かに心配していたのだろう。
「ご心配をおかけして申し訳ございません。それでですね、ジャンヌのご両親に話しを付けたいので、近いうちに父上と母上も、ジャンヌの家に来ていただけますか?」
「ええ、もちろんよ。こういった話は、早い方がいいわ。明日にでもマリアーズ伯爵家にお伺いしましょう。すぐに使いを出さないと」
「そうだな、万が一ジャンヌ嬢の気持ちが変わると大変だ。それにしても、ジャンヌ嬢が家に嫁いできてくれるだなんて、嬉しいな」
「そうね、ジャンヌ嬢はとても素敵な令嬢ですもの。私も武術を習おうかしら?」
「いい年をして、やめておけ。怪我をするぞ」
そう言って父上と母上が笑っている。
ある程度予想はしていたが、想像以上に喜んでいた両親。そんな両親の姿を見て、なんだか俺も嬉しい気持ちになったのだった。
※次回、ジャンヌ視点に戻ります。
よろしくお願いします。
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