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第43話:真実を教えて差し上げました
「ちょっとあなた、飲みすぎよ。グラディオンだって、ジャンヌ嬢を助けたかったに決まっているでしょう」
「そうですわ。そんな言い方をしたら、グラディオン様がお気の毒すぎます」
女性陣が必死に男性陣を止めている。でも…
「助けたかったのなら、なぜ助けなかったんだ。あんなひ弱そうな男に先を越されるだなんて」
「そうだそうだ!」
完全に出来上がっている2人。言っていい事を悪い事がある。もう我慢できない。
「いい加減にしてくださいませ。2人とも何も知らないのに、グラディオンを責めないで下さい!!」
私が急に大きな声を出したためか、皆が一斉に私の方を見た。
「あの時私の無罪を晴らすため、グラディオンは危険を承知で1人、私を陥れた人たちのアジトに乗り込んだのです。あの人たちは悪の組織と繋がっていて、その男たちを倒し、書類を取り返したのはグラディオンなのですよ!そのせいでグラディオンは大けがを負ってしまい…そこにたまたま来たシャーロン様が、グラディオンの手柄を横取りしたのです!」
「ジャンヌ、その事はもういいんだ。過ぎた事だ」
「いいえ、よくありません。グラディオンがどんな思いであの時私を助けてくれたのか、どんな思いで本当の事を話さなかったのか、お父様たちに分かりますか?グラディオンは私の幸せを願って真実を話さず、自分の胸のうちにしまっていたのです。そうとも知らず、私は…」
気が付くと涙が溢れていた。
「ジャンヌ、本当にもういいんだ。俺は今、幸せだから」
涙を流す私を抱きしめてくれるグラディオン。
「ジャンヌ…それは本当か?グラディオン、どういう事だ」
一気に酔いがさめたお父様が、グラディオンに真顔で訪ねている。もうこのまま黙っている事は出来ないと思ったのか、グラディオンがあの時の事をお父様たちにすべて話した。
さらにファビレスから聞いた話も、私が付け加えた。
「そんな…それじゃあ、グラディオンがジャンヌを助けてくれたのか…よく考えてみれば、グラディオンがチンピラと意味もなく喧嘩をするなんておかしいと思ったのだ。でも俺は、シャーロン達の話を鵜呑みにして、ろくに調査をしなかった。なんて事だ…」
その場に座り込むお父様。
「グラディオン、すまなかった。俺は一体何を見て来たのだろう…4年半前、グラディオンがどれほど悔しい思いをしたか、考えただけで申し訳なさすぎる」
「騎士団長、謝らないで下さい。俺は今、ジャンヌと婚約出来る事になって幸せです。遠回りした分、お互いの気持ちを確かめ合う事が出来たと俺は思っております。それに俺も、あの時正直に話さなかったのもいけなかったのですし」
「グラディオン、お前ってやつは。なんていい奴なんだ。それにしてもシャーロンの野郎。許せん!あいつは騎士団で何を学んだんだ。あんな卑怯で卑劣な男に、4年もの間ジャンヌの婚約者にしていただなんて…本当に自分が情けない」
「マリアーズ伯爵、そんなに落ち込まないで下さい。グラディオンの言う通り、2人は結ばれたのですから、いいではありませんか。それにしてもまさか、グラディオンのあのケガは、ジャンヌ嬢を守るためだったなんて。さすが私の息子だ」
「何が“さすが私の息子だ”よ。さっきまでグラディオンの事を罵っていたくせに。でも…グラディオンはやっぱり、ジャンヌ嬢を助けようとしていたのね。その気持ちを、ジャンヌ嬢もしっかり理解してくれている。それが私は一番嬉しいわ」
「そうだな、きっとグラディオンとジャンヌ嬢は、運命の赤い糸で結ばれていたのだな。切っても切れない糸で。いやぁ、めでたい。マリアーズ伯爵、さあ、飲みましょう。ワインを持ってきてくれ」
「そうですな…過去を悔いても仕方がないですな。グラディオン、やっぱり次の騎士団長はお前しかない。俺はもう騎士団長を引退して、グラディオンに譲ろう。グラディオンとジャンヌの婚約と、グラディオンの騎士団長就任間近を祝って、乾杯!」
「乾杯」
お父様とグラディオンのお父様が再び乾杯をして、ワインをぐびぐび飲みだした。
「騎士団長、俺はまだ16歳です。もう少し騎士団長でいてくれないと、困ります」
グラディオンが必死にお父様に訴えているが、全く聞いていないお父様。グラディオンのお父様と楽しそうにお酒を飲んでいる。
さっきまでグラディオンに謝罪していたお父様は、一体どこにいったのだろう…
その後もお酒を飲み盛り上がる男たちに付き合いきれなくなったグラディオンのお母様とグラディオンは、家に帰って行った。もちろん、私とお母様も、部屋から出る。
「あんなに飲んで。きっと明日、二日酔いで動けないわよ。騎士団にはお休みの連絡を入れておかないと」
そう言ってお母様は呆れていたが、お父様のあんな嬉しそうな顔を見たら、なんだか私まで嬉しくなった。それに4年半前の真実も伝えられた。
やっぱりお父様には、真実を知って欲しいと思っていたのだ。ただ…お父様、覚えているわよね?その点だけが、気がかりだった。
※次回、シャーロン視点です。
よろしくお願いします。
「そうですわ。そんな言い方をしたら、グラディオン様がお気の毒すぎます」
女性陣が必死に男性陣を止めている。でも…
「助けたかったのなら、なぜ助けなかったんだ。あんなひ弱そうな男に先を越されるだなんて」
「そうだそうだ!」
完全に出来上がっている2人。言っていい事を悪い事がある。もう我慢できない。
「いい加減にしてくださいませ。2人とも何も知らないのに、グラディオンを責めないで下さい!!」
私が急に大きな声を出したためか、皆が一斉に私の方を見た。
「あの時私の無罪を晴らすため、グラディオンは危険を承知で1人、私を陥れた人たちのアジトに乗り込んだのです。あの人たちは悪の組織と繋がっていて、その男たちを倒し、書類を取り返したのはグラディオンなのですよ!そのせいでグラディオンは大けがを負ってしまい…そこにたまたま来たシャーロン様が、グラディオンの手柄を横取りしたのです!」
「ジャンヌ、その事はもういいんだ。過ぎた事だ」
「いいえ、よくありません。グラディオンがどんな思いであの時私を助けてくれたのか、どんな思いで本当の事を話さなかったのか、お父様たちに分かりますか?グラディオンは私の幸せを願って真実を話さず、自分の胸のうちにしまっていたのです。そうとも知らず、私は…」
気が付くと涙が溢れていた。
「ジャンヌ、本当にもういいんだ。俺は今、幸せだから」
涙を流す私を抱きしめてくれるグラディオン。
「ジャンヌ…それは本当か?グラディオン、どういう事だ」
一気に酔いがさめたお父様が、グラディオンに真顔で訪ねている。もうこのまま黙っている事は出来ないと思ったのか、グラディオンがあの時の事をお父様たちにすべて話した。
さらにファビレスから聞いた話も、私が付け加えた。
「そんな…それじゃあ、グラディオンがジャンヌを助けてくれたのか…よく考えてみれば、グラディオンがチンピラと意味もなく喧嘩をするなんておかしいと思ったのだ。でも俺は、シャーロン達の話を鵜呑みにして、ろくに調査をしなかった。なんて事だ…」
その場に座り込むお父様。
「グラディオン、すまなかった。俺は一体何を見て来たのだろう…4年半前、グラディオンがどれほど悔しい思いをしたか、考えただけで申し訳なさすぎる」
「騎士団長、謝らないで下さい。俺は今、ジャンヌと婚約出来る事になって幸せです。遠回りした分、お互いの気持ちを確かめ合う事が出来たと俺は思っております。それに俺も、あの時正直に話さなかったのもいけなかったのですし」
「グラディオン、お前ってやつは。なんていい奴なんだ。それにしてもシャーロンの野郎。許せん!あいつは騎士団で何を学んだんだ。あんな卑怯で卑劣な男に、4年もの間ジャンヌの婚約者にしていただなんて…本当に自分が情けない」
「マリアーズ伯爵、そんなに落ち込まないで下さい。グラディオンの言う通り、2人は結ばれたのですから、いいではありませんか。それにしてもまさか、グラディオンのあのケガは、ジャンヌ嬢を守るためだったなんて。さすが私の息子だ」
「何が“さすが私の息子だ”よ。さっきまでグラディオンの事を罵っていたくせに。でも…グラディオンはやっぱり、ジャンヌ嬢を助けようとしていたのね。その気持ちを、ジャンヌ嬢もしっかり理解してくれている。それが私は一番嬉しいわ」
「そうだな、きっとグラディオンとジャンヌ嬢は、運命の赤い糸で結ばれていたのだな。切っても切れない糸で。いやぁ、めでたい。マリアーズ伯爵、さあ、飲みましょう。ワインを持ってきてくれ」
「そうですな…過去を悔いても仕方がないですな。グラディオン、やっぱり次の騎士団長はお前しかない。俺はもう騎士団長を引退して、グラディオンに譲ろう。グラディオンとジャンヌの婚約と、グラディオンの騎士団長就任間近を祝って、乾杯!」
「乾杯」
お父様とグラディオンのお父様が再び乾杯をして、ワインをぐびぐび飲みだした。
「騎士団長、俺はまだ16歳です。もう少し騎士団長でいてくれないと、困ります」
グラディオンが必死にお父様に訴えているが、全く聞いていないお父様。グラディオンのお父様と楽しそうにお酒を飲んでいる。
さっきまでグラディオンに謝罪していたお父様は、一体どこにいったのだろう…
その後もお酒を飲み盛り上がる男たちに付き合いきれなくなったグラディオンのお母様とグラディオンは、家に帰って行った。もちろん、私とお母様も、部屋から出る。
「あんなに飲んで。きっと明日、二日酔いで動けないわよ。騎士団にはお休みの連絡を入れておかないと」
そう言ってお母様は呆れていたが、お父様のあんな嬉しそうな顔を見たら、なんだか私まで嬉しくなった。それに4年半前の真実も伝えられた。
やっぱりお父様には、真実を知って欲しいと思っていたのだ。ただ…お父様、覚えているわよね?その点だけが、気がかりだった。
※次回、シャーロン視点です。
よろしくお願いします。
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