私だってあなたなんて願い下げです!これからの人生は好きに生きます

Karamimi

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第53話:共に歩みたい相手を見つけました

「お嬢様、ガルディス侯爵と夫人、グラディオン様がいらっしゃっております。お急ぎください」

「もういらしたの?わかったわ。すぐに行くわ」

急いでグラディオン達がいる客間へと向かった。

「お待たせして申し訳ございません」

「遅いぞ、ジャンヌ。お前は一体何をしていたんだ。今日はお前とグラディオンが、正式に婚約を結ぶ日なんだぞ」

お父様がすかさず私に怒鳴っている。

「騎士団長、そんなに怒らないで下さい。ジャンヌ、こっちにおいで。昨日はシャーロンの判決が出たりして、ジャンヌの心も穏やかではなかったのだろう」

私を庇ってくれるのは、グラディオンだ。ただ、今日寝坊したのは、昨日夜遅くまでグラディオンの家の領地の勉強をしていた為なのだが…黙っておくことにしよう。

「皆そろった事ですし、早速婚約届の紙にサインを…と言いたいところなのですが、既にさっき皆記載したので、後はジャンヌ嬢のサインだけです」

どうやら私のサインだけの様だ。もう、少しぐらい待っていてくれたらいいのに…なんて、寝坊した私が言える立場ではない。急いでサインをした。

「これでグラディオンとジャンヌ嬢は、正式に婚約者同士だ。1ヶ月後にはグラディオンの副騎士団長就任、1年後には2人の結婚式と忙しい日々が続くが、大丈夫か?」

お義父様がグラディオンに問いかけている。

「大丈夫ですよ、ジャンヌも傍にいてくれるし。2人で力を合わせて、上手くやっていきます。なあ、ジャンヌ」

「もちろんよ、お互い支え合っていきましょうね」

私達は常に対等な立場、それがなんだか心地いいのだ。

「婚約届も無事記入したし、次はジャンヌ嬢の誕生日パーティ兼婚約披露パーティだ。今日は忙しいな」

確かに今日は大忙しだ。一旦部屋に戻り、今度はパーティ用のドレスに着替え、中庭へとやって来た。今日の会場でもある中庭は、既に準備が整っている様だ。

「ジャンヌ、お待たせ。そのドレス、よく似合っているな」

「グラディオン!あなたのオレンジ色のスーツもよく似合っているわよ。ただ、少し派手ね」

「派手なぐらいの方が、目だっていいだろう?ほら、客が来たぞ」

入り口の方を見ると、次々と貴族たちがやって来た。その中には、アリスの姿もある。

「ジャンヌ、グラディオン様、ご婚約おめでとうございます。まさかジャンヌがグラディオン様と婚約する事になるだなんて、思わなかったわ。それにしてもシャーロン様の件、大変だったわね。自ら不貞を働いたくせに、ジャンヌと再度婚約を結び直したいだなんて、本当に図々しいわ」

「どうしてアリスが、シャーロン様の不貞を知っているの?」

私は誰にも話していないはずなのだが…

「あら?知らないの?先日あなたのお母様がお茶会で、うっかりシャーロン様と令嬢がふしだらな行動をとっている写真を落としてしまって。それで他の夫人たちに、見られてしまったのよ。それで一気に噂が広がって。写真に写っていた令嬢たちにも火の粉が飛んで、色々と大変な様よ」

「まあ、お母様が?それで令嬢たちは、どうなったの?」

あの人、今回のシャーロン様の事件、物凄く怒っていたものね。まさか写真を皆に見せるだなんて!

「ジャンヌ、夫人を怒らないであげて。うっかり落としてしまっただけなのだから。令嬢たちの中には、婚約者がいる子もいて、今婚約破棄だの慰謝料などで大揉めよ。婚約者の居ない子も“ふしだらな子”というレッテルを貼られてしまって。今後大変だと思うわ」

あの子たち、今大変な目にあっているのね。でも…自らあんな写真を撮って私に送って来るような子たちだもの。自業自得よね…

「ジャンヌに嫌がらせしていた令嬢たちも、今後は貴族社会で大きな顔は出来ないから安心して。それじゃあ、また後でね」

そう言ってアリスが去って行った。

「相変わらずアリス嬢、情報通だな。ジャンヌ、そろそろ時間だぞ」

「ええ、分かったわ」

グラディオンと一緒に、一旦両親たちの元へと向かった。そして

「皆様、今日は娘、ジャンヌの誕生日パーティにご参加いただき、ありがとうございます。既にご存じの方も多いと思いますが、今日、ジャンヌは正式にガルディス侯爵家のグラディオン殿と婚約いたしました。まだまだ未熟な2人ではございますが、温かく見守って頂けると幸いです」

お父様の挨拶と同時に、グラディオンと一緒に前に出た。そして

「皆様、先ほどマリアーズ伯爵から話しが会った通り、私グラディオン・ガルディスとジャンヌ・マリアーズは正式に婚約いたしました。ジャンヌに初めて会ったのは、お互い6歳の時です。あれ以来10年、私はずっとジャンヌを想い続けておりました。まさかその思いが報われる日が来るなんて、未だに信じられないくらいです。俺たちはまだまだ半人前です。でもお互い足りないところを、もう片方が補っていく、そんな夫婦になりたいと考えております。どうか温かい目で見守って頂ければ嬉しいです」

グラディオンがそう言うと、頭を下げたのだ。グラディオンらしい挨拶ね。私もグラディオンと一緒に頭を下げる。すると

「いいぞ、グラディオン隊長!」

「10年越しの想いが実ってよかった!これぞ愛の奇跡!」

「「「「「おめでとう、グラディオン隊長、ジャンヌ」」」」」」

近くで見守ってくれていた騎士団員たちが、一斉に叫んだ。さらに…

「グラディオン殿、ジャンヌ嬢、おめでとう」

「おめでとうございます」

騎士団員たちに続き、次から次へと祝福の言葉が。さらに大きな拍手まで送られた。

「ジャンヌ、俺たち、皆に祝福されているみたいだな」

「そうね、私、貴族社会にはずっと味方がいないと思っていた。でも、まさかこんなにたくさんの人に祝福されるだなんて…」

嬉しくて涙が込みあげそうになるのを必死に堪えた。

「ジャンヌ、改めて俺と婚約してくれてありがとう。俺は今、猛烈に幸せだよ」

「お礼を言うのは私の方だわ。私も今、猛烈に幸せよ」

シャーロン様と婚約破棄をしたとき、貴族社会に私の居場所はないと思った。もう騎士団しか私には残っていないとも。でも…

グラディオンと再会したことで、私の人生は大きく変わった。私はグラディオンを通じて、沢山の居場所を見つけたのだ。

グラディオン、本当にありがとう。あなたがいてくれたから、今の幸せがある。あなたが私の意見を尊重してくれるから、私は自分の好きな事が出来る。

私もついに見つけたわ、共に歩みたいと思える相手を。

まさかこんなに近くにいただなんてね。

一度離れてしまった私達だけれど、もう二度と離れる事はないだろう。

私達は、切っても切れない強い絆で結ばれているのだから…



おしまい


~あとがき~
これにて完結です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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