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ヒューゴとマリアのIFストーリー
王太子でもある僕に出来る事
「殿下、いよいよ今日は、陛下や貴族たちに話をする日ですね。今日は離宮から、側室の子供たちも呼んであります。彼らの今後の処遇についても、話し合った方がいいかと思いまして」
「ありがとう。君には本当に感謝しているよ」
今日はいよいよ一夫多妻制に関する問題点を、貴族や両親に話をする日だ。もちろん、みんなが“はいそうですか”とは、納得してくれないだろう。それでも、根気強く話をするつもりだ。
準備した資料を手に、会議室へと向かう。どうやら一番最後だった様で、会議室には皆が集まっていた。そこには、マリアの父親でもあるレィークス侯爵の姿も。
「皆様、今日はお集まりいただき、ありがとうございます。今日集まって頂いたのは、王族の一夫多妻制について話し合うためです」
僕の言葉を聞き、ざわめきが起きる。
「ヒューゴ、前にも話したが、一夫多妻制は昔からある決まりだ。お前がレィークス侯爵家の令嬢に好意を抱いている事は知っている。だからと言って、お前の我が儘で決まりを変える事は出来ないんだ」
すかさず反論する父上。他の貴族たちも
「陛下の言う通りです。殿下は随分とレィークス侯爵令嬢に熱を上げていて、他の令嬢たちを寄せ付けないと聞いております。王家繁栄のためにも、やはり側室は持つべきかと」
そう意見している。さらにレィークス侯爵までも
「殿下が娘を大切にして頂いている事は、大変光栄な事だと思っております。しかし、娘のせいで一夫多妻制を廃止するのはいかがなものかと…娘はそんな事を望んでいません」
そう言いだしたのだ。
「皆さん、落ち着いて下さい。僕はただ、マリアだけを愛したいから、一夫多妻制を廃止したいと言っている訳ではないのです。この国の、王家の今後の為を思って提案しているのです。まずはこの資料をご覧ください」
すかさず資料を提示した。本当はマリアだけを愛したいから、一夫多妻制を廃止したいのだが、今はそんな事は言えない。とにかく、一夫多妻制がいかに悪しき制度か、皆にわかってもらわないと。
「見ていただいた通り、今王家は経済難に直面しています。それもこれも、王妃だけでなく側室やその子供たちにも莫大なお金が掛けられているからです。さらに、側室たちの子供たち、僕の異母兄弟たちは、経済難から随分と我慢を強いた生活を送っている事もわかりました。王子や王女たちの将来にも、暗い影を落としているのです。多くの王子、王女が裏で裕福な貴族の養子に出されることが決まっています。中には30歳以上年上の未亡人の元に、婿養子に行く者もおります。この状況を見ても、まだ一夫多妻制が王家の繁栄につながるとお思いですか?」
食い入るように資料を見ていた貴族たち。僕が準備した資料を見て、かなり驚いている様だ。
「確かに殿下の言う通りだ…実は私も、薄々は王家の財政難には気が付いておりました…」
「近年王族に対する支出が増えている事は、私も気になっていたのです。それに、王子や王女たちについても、噂では聞いておりましたが、ここまで酷い扱いを受けているだなんて…陛下の血を引く王子が未亡人になった貴族の婿養子になるなんて、さすがに問題でしょう」
次々と貴族たちが声を上げ始めた。そんな中、まだ渋い顔をしているのは父上だ。
「だが、一夫多妻制は、先祖代々受け継がれてきたルールだ。簡単に廃止する訳には…」
「父上、そもそも一夫多妻制は、1000年前“1人の女性だけとしか結婚できないなんて嫌だと言った国王”によってつくられた制度なのです。“たくさんの令嬢を愛したい”という、ふしだらな理由で作られた制度を、そこまでして守る必要があるのですか?」
僕はその部分が記載された資料を、父上に差し出した。さらに、過去に起こった側室やその子供たちによる、王太子を暗殺しようとした事件も提示する。
「はっきり言って、一夫多妻制は問題の多い制度なのです。その事実に目を背け、これがルールだからと従い続けた我々王族は、はっきり言って愚かでしかありません。いい加減ここで目を覚ましましょう。そして、今日は異母兄弟たちにも来てもらっています。彼らの気持ちも、僕は聞きたい。出来れば彼らの意向を、出来るだけ聞き入れたいと僕は思っています」
真っすぐと異母兄弟の方を見つめる。すると
「殿下、我々の事を考えて下さり、ありがとうございます。実は私も、一夫多妻制には疑問を抱いておりました。私は側室の子供として、確かに教育等は受けさせてもらいました。ただ、最近では財政難から、夜会などへの参加は必要最低限、裕福な貴族の養子になる様進められたこともあります。はっきり言って、王族とは名ばかりの存在です。これ以上私たちの様な人間を生み出さないためにも、一夫多妻制は廃止すべきだと思います」
そうはっきりと告げたのは異母兄上だ。
「それから、私は可能であれば爵位を頂き、細々と暮らしていく事を希望します」
「「「私たちもです」」」
異母兄上の言葉に、何人かの王子たちも賛同する。
「お前たち…わかった。とにかく今すぐ一夫多妻制を廃止という訳には行かない。これから、しっかり議論を進めていく事にしよう」
あんなに消極的だった父上も、議論を進めていくと約束してくれた。まだ時間が掛かりそうだが、これで一歩前進出来たぞ。
「ありがとう。君には本当に感謝しているよ」
今日はいよいよ一夫多妻制に関する問題点を、貴族や両親に話をする日だ。もちろん、みんなが“はいそうですか”とは、納得してくれないだろう。それでも、根気強く話をするつもりだ。
準備した資料を手に、会議室へと向かう。どうやら一番最後だった様で、会議室には皆が集まっていた。そこには、マリアの父親でもあるレィークス侯爵の姿も。
「皆様、今日はお集まりいただき、ありがとうございます。今日集まって頂いたのは、王族の一夫多妻制について話し合うためです」
僕の言葉を聞き、ざわめきが起きる。
「ヒューゴ、前にも話したが、一夫多妻制は昔からある決まりだ。お前がレィークス侯爵家の令嬢に好意を抱いている事は知っている。だからと言って、お前の我が儘で決まりを変える事は出来ないんだ」
すかさず反論する父上。他の貴族たちも
「陛下の言う通りです。殿下は随分とレィークス侯爵令嬢に熱を上げていて、他の令嬢たちを寄せ付けないと聞いております。王家繁栄のためにも、やはり側室は持つべきかと」
そう意見している。さらにレィークス侯爵までも
「殿下が娘を大切にして頂いている事は、大変光栄な事だと思っております。しかし、娘のせいで一夫多妻制を廃止するのはいかがなものかと…娘はそんな事を望んでいません」
そう言いだしたのだ。
「皆さん、落ち着いて下さい。僕はただ、マリアだけを愛したいから、一夫多妻制を廃止したいと言っている訳ではないのです。この国の、王家の今後の為を思って提案しているのです。まずはこの資料をご覧ください」
すかさず資料を提示した。本当はマリアだけを愛したいから、一夫多妻制を廃止したいのだが、今はそんな事は言えない。とにかく、一夫多妻制がいかに悪しき制度か、皆にわかってもらわないと。
「見ていただいた通り、今王家は経済難に直面しています。それもこれも、王妃だけでなく側室やその子供たちにも莫大なお金が掛けられているからです。さらに、側室たちの子供たち、僕の異母兄弟たちは、経済難から随分と我慢を強いた生活を送っている事もわかりました。王子や王女たちの将来にも、暗い影を落としているのです。多くの王子、王女が裏で裕福な貴族の養子に出されることが決まっています。中には30歳以上年上の未亡人の元に、婿養子に行く者もおります。この状況を見ても、まだ一夫多妻制が王家の繁栄につながるとお思いですか?」
食い入るように資料を見ていた貴族たち。僕が準備した資料を見て、かなり驚いている様だ。
「確かに殿下の言う通りだ…実は私も、薄々は王家の財政難には気が付いておりました…」
「近年王族に対する支出が増えている事は、私も気になっていたのです。それに、王子や王女たちについても、噂では聞いておりましたが、ここまで酷い扱いを受けているだなんて…陛下の血を引く王子が未亡人になった貴族の婿養子になるなんて、さすがに問題でしょう」
次々と貴族たちが声を上げ始めた。そんな中、まだ渋い顔をしているのは父上だ。
「だが、一夫多妻制は、先祖代々受け継がれてきたルールだ。簡単に廃止する訳には…」
「父上、そもそも一夫多妻制は、1000年前“1人の女性だけとしか結婚できないなんて嫌だと言った国王”によってつくられた制度なのです。“たくさんの令嬢を愛したい”という、ふしだらな理由で作られた制度を、そこまでして守る必要があるのですか?」
僕はその部分が記載された資料を、父上に差し出した。さらに、過去に起こった側室やその子供たちによる、王太子を暗殺しようとした事件も提示する。
「はっきり言って、一夫多妻制は問題の多い制度なのです。その事実に目を背け、これがルールだからと従い続けた我々王族は、はっきり言って愚かでしかありません。いい加減ここで目を覚ましましょう。そして、今日は異母兄弟たちにも来てもらっています。彼らの気持ちも、僕は聞きたい。出来れば彼らの意向を、出来るだけ聞き入れたいと僕は思っています」
真っすぐと異母兄弟の方を見つめる。すると
「殿下、我々の事を考えて下さり、ありがとうございます。実は私も、一夫多妻制には疑問を抱いておりました。私は側室の子供として、確かに教育等は受けさせてもらいました。ただ、最近では財政難から、夜会などへの参加は必要最低限、裕福な貴族の養子になる様進められたこともあります。はっきり言って、王族とは名ばかりの存在です。これ以上私たちの様な人間を生み出さないためにも、一夫多妻制は廃止すべきだと思います」
そうはっきりと告げたのは異母兄上だ。
「それから、私は可能であれば爵位を頂き、細々と暮らしていく事を希望します」
「「「私たちもです」」」
異母兄上の言葉に、何人かの王子たちも賛同する。
「お前たち…わかった。とにかく今すぐ一夫多妻制を廃止という訳には行かない。これから、しっかり議論を進めていく事にしよう」
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