あなたの重すぎる愛は私が受け止めます

Karamimi

文字の大きさ
29 / 51

第29話:親友との再会です

しおりを挟む
「レイチェル様、お待たせしてごめんなさい」

急いで彼女の待つ部屋へと向かうと、レイチェル様が立って待っていてくれた。

「クリスティーヌ様、急に押しかけてごめんなさい。アルフレッド様は?」

「アルフレッド様は、父と一緒に今外出しております。さあ、お座りください」

レイチェル様が席に着くと、すぐにアリアがお茶を入れてくれた。

「アリア、今からレイチェル様と大切なお話をするの。申し訳ないのだけれど、出て行ってくれるかしら?」

私の言葉に目を大きく見開くアリア。

「しかし…」

「大丈夫よ。お願い」

「かしこまりました。私はお部屋の外で待機しておりますので、いつでもお呼びください」

少し不安そうな顔のアリアが、部屋から出て行った。よし、準備は整ったわね。ゆっくり深呼吸をし、レイチェル様の方を向きなおった。

「クリスティーヌ様、つかぬことをお伺いしますが、日本という国をご存じですか?“私はあなたと生きていきます”という漫画とか、知っていたりしませんか?」

ふいにレイチェル様がそんな事を呟いたのだ。やっぱりレイチェル様は…

「はい、知っておりますわ。今日頂いた和菓子、もしかして“安楽堂”の関係者の方ですか?私の前世の名前は、村上幸(むらかみさち)です。お店の隣に住んでいました」

「やっぱり…あなた、幸だったのね。私は市花(いちか)よ!幸、久しぶりね」

やっぱりレイチェル様が、いっちゃんだったのね…

レイチェル様が私に抱き着いて来た。私も彼女をギュッと抱きしめた。前世の親友で幼馴染のいっちゃんも、まさかこの世界に転生していただなんて…嬉しくて涙が溢れ出す。

「まさか幸が、あの悪役ヒロイン、クリスティーヌに転生していただなんて。急にクリスティーヌがアルフレッド様に優しくなっていたでしょう?もしかしたらクリスティーヌは、番外編通り、二度目の生をいきているのか?はたまた私と同じように、あの漫画を読んでいた子が転生したのか、どっちだろうって。だから日本人なら知っているお菓子を出して確認したの。それで幸は、いつ前世の記憶を取り戻したの?」

「実は12歳の時に、前世の記憶を取り戻したの。まさか自分が、悪役ヒロインのクリスティーヌに転生していただなんて、びっくりだわ。私ね、転生したと知った時、神様に誓ったの。絶対にアルフレッド様を幸せにしてみせるって!それが私の使命でもあるでしょう?それでいっちゃんは、いつから前世の記憶があるの?」

「私は物心ついた時からよ。ただ、レイチェルは漫画には登場していなかったから、最初は気が付かなかったの。そんな中、アルフレッド様のご両親が亡くなったって聞いて、そこでこの世界に転生したことを初めて知ったのよ。ただ、私は漫画にすら登場しない人物でしょう。正直倒れそうなくらいショックだったわ。それでも、何とかアルフレッド様を助けたくて、色々と考えていたの」

「そうだったの!だからにっくき悪役ヒロイン、クリスティーヌに冷たかったのね。分かるわ、私も自分をぶん殴ってやりたかったくらいだもの。いっちゃん、私、絶対にアルフレッド様を幸せにして見せるわ。きっと神様が、アルフレッド様推しを代表して、私に彼を託したと考えているのよ。お願い、私に協力して欲しいの!」

いっちゃんに頭を下げた。見た目は違えど、彼女は間違いなく親友のいっちゃんだ。前世では物心ついた時から一緒に過ごし、苦楽を共にして来た親友なのだ。

「もちろんよ!幸、私達でアルフレッド様を幸せにしましょう。私も自分の全ての人生をかけて、あなたに協力するわ!」

いっちゃんがガッチリ手を握り、笑顔で頷いてくれている。その姿を見た瞬間、涙が溢れだした。

「ありがとう、いっちゃん…実はね、カリーナ殿下がどうやら黒幕みたいなの。あの人、アルフレッド様にかなり執着している様で。彼を手に入れるために、自分の兄でもある王太子殿下を私に近づかせたのよ。きっとアルフレッド様を死に追いやったのも、あの女の仕業だわ!」


今まで溜め込んでいた思いを、一気に彼女にぶつけた。

「そうだったのね。確かにカリーナ殿下、なんだか胡散臭い気がしていたのよ。幸、もっと詳しく話して」

私は今までの出来事を事細かく話した。カロイド殿下は、妹のカリーナ殿下に頼まれて、私に近づいた事。カリーナ殿下は、アルフレッド様にかなり執着しているという事。そんなカリーナ様とカロイド殿下を避けたいのだが、中々うまくいかない事。

カリーナ殿下の執着心は異常で、アルフレッド様が彼女を相当怖がっている事。そしてカリーナ殿下は、アルフレッド様の不幸を望んでいるという事を、詳しく話したのだった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。

沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。 すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。 だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。 イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。 変わり果てた現実を前に、 夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。 深い後悔と悲しみに苛まれながら、 失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。 しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。 贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。 そして、母の心を知っていく子供たち。 イネスが求める愛とは、 そして、幸せとは――。

【完結】6人目の娘として生まれました。目立たない伯爵令嬢なのに、なぜかイケメン公爵が離れない

朝日みらい
恋愛
エリーナは、伯爵家の6人目の娘として生まれましたが、幸せではありませんでした。彼女は両親からも兄姉からも無視されていました。それに才能も兄姉と比べると特に特別なところがなかったのです。そんな孤独な彼女の前に現れたのが、公爵家のヴィクトールでした。彼女のそばに支えて励ましてくれるのです。エリーナはヴィクトールに何かとほめられながら、自分の力を信じて幸せをつかむ物語です。

どうぞ、おかまいなく

こだま。
恋愛
婚約者が他の女性と付き合っていたのを目撃してしまった。 婚約者が好きだった主人公の話。

【完結】旦那様、どうぞ王女様とお幸せに!~転生妻は離婚してもふもふライフをエンジョイしようと思います~

魯恒凛
恋愛
地味で気弱なクラリスは夫とは結婚して二年経つのにいまだに触れられることもなく、会話もない。伯爵夫人とは思えないほど使用人たちにいびられ冷遇される日々。魔獣騎士として人気の高い夫と国民の妹として愛される王女の仲を引き裂いたとして、巷では悪女クラリスへの風当たりがきついのだ。 ある日前世の記憶が甦ったクラリスは悟る。若いクラリスにこんな状況はもったいない。白い結婚を理由に円満離婚をして、夫には王女と幸せになってもらおうと決意する。そして、離婚後は田舎でもふもふカフェを開こうと……!  そのためにこっそり仕事を始めたものの、ひょんなことから夫と友達に!? 「好きな相手とどうやったらうまくいくか教えてほしい」 初恋だった夫。胸が痛むけど、お互いの幸せのために王女との仲を応援することに。 でもなんだか様子がおかしくて……? 不器用で一途な夫と前世の記憶が甦ったサバサバ妻の、すれ違い両片思いのラブコメディ。 ※5/19〜5/21 HOTランキング1位!たくさんの方にお読みいただきありがとうございます ※他サイトでも公開しています。

王太子妃専属侍女の結婚事情

蒼あかり
恋愛
伯爵家の令嬢シンシアは、ラドフォード王国 王太子妃の専属侍女だ。 未だ婚約者のいない彼女のために、王太子と王太子妃の命で見合いをすることに。 相手は王太子の側近セドリック。 ところが、幼い見た目とは裏腹に令嬢らしからぬはっきりとした物言いのキツイ性格のシンシアは、それが元でお見合いをこじらせてしまうことに。 そんな二人の行く末は......。 ☆恋愛色は薄めです。 ☆完結、予約投稿済み。 新年一作目は頑張ってハッピーエンドにしてみました。 ふたりの喧嘩のような言い合いを楽しんでいただければと思います。 そこまで激しくはないですが、そういうのが苦手な方はご遠慮ください。 よろしくお願いいたします。

虚弱体質?の脇役令嬢に転生したので、食事療法を始めました

たくわん
恋愛
「跡継ぎを産めない貴女とは結婚できない」婚約者である公爵嫡男アレクシスから、冷酷に告げられた婚約破棄。その場で新しい婚約者まで紹介される屈辱。病弱な侯爵令嬢セラフィーナは、社交界の哀れみと嘲笑の的となった。

令嬢から成り下がったメイドの分際で、侯爵様と目が合ってしまって

あおとあい
恋愛
彼はメイドの私に手を差し出した。「私と、踊っていただけませんか?」 かつては伯爵令嬢として、誰もが羨む生活を送っていたエルナ。 しかし、いわれなき罪で家は没落し、今は嫌な貴族の下で働く「身分落ち」のメイド。 二度と表舞台に立つことなどないはずだった。 あの日の豪華絢爛な舞踏会で、彼と目が合うまでは。 アルフォンス・ベルンハルト侯爵。 冷徹な「戦場の英雄」として国中の注目を集める、今もっともホットで、もっとも手が届かない男。 退屈そうに会場を見渡していた彼の視線が、影に徹していた私を捉えて。 彼は真っ直ぐに歩み寄り、埃まみれの私に手を差し出した。 「私と、踊っていただけませんか?」 メイドの分際で、英雄のパートナー!? 前代未聞のスキャンダルから始まる逆転劇。 ※毎日17時更新

P.S. 推し活に夢中ですので、返信は不要ですわ

汐瀬うに
恋愛
アルカナ学院に通う伯爵令嬢クラリスは、幼い頃から婚約者である第一王子アルベルトと共に過ごしてきた。しかし彼は言葉を尽くさず、想いはすれ違っていく。噂、距離、役割に心を閉ざしながらも、クラリスは自分の居場所を見つけて前へ進む。迎えたプロムの夜、ようやく言葉を選び、追いかけてきたアルベルトが告げたのは――遅すぎる本心だった。 ※こちらの作品はカクヨム・アルファポリス・小説家になろうに並行掲載しています。

処理中です...