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第38話:どうしてこんなに上手くいかないの?~カリーナ殿下視点~
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王宮に戻ると、急いで自室の奥の部屋へと向かった。
「どうして…どうしてこんなに上手くいかないの?全てあの女のせいよ」
怒りからあのにっくき女、クリスティーヌの絵に向かって何度もナイフを突き刺した。あの女、いつもいつも目障りなのよ。あの女のせいで私は…
あの女とアルフレッド様が幸せそうにしている姿を見るだけで、体の奥から怒りを覚えるのだ。
私を拒み続けるアルフレッド様。私がこれほどまでに愛していているのに、私の心をズタズタにしたあの男に復讐するため、お兄様を利用してあの女を奪ってやろうと思ったのに…
そもそもあの女も、最初はアルフレッド様を怖がっていたじゃない。それにお兄様にも一目惚れしていたし、それなのにどうしてよ!
私を傷つけたあの男が、私以上に傷つき絶望する姿を見たいだけなのに…絶望するどころか、毎日幸せそうな顔をして!
許せない!許せない!許せない!!!
絶対にアルフレッド様を、幸せになんかさせない。
だから今日、私の可愛いペットの“キャリーヌ”を使い、あの女を始末しようと思ったのに…それなのにお兄様がそれを台無しにしたのよ。大体お兄様もお兄様よ、レイチェル嬢なんかに惚れちゃって。
最近では私のお願いを聞いてくれなくなってしまったのだ。その上、今日の私の作戦の邪魔までするだなんて!本当に使えない男だわ。
お兄様に対しても怒りが沸き上がっていた時だった。
「カリーナ、君、なんて事をしてくれたんだ。あの丘にジャガーンドを放ったのはカリーナだろう?あのジャガーンドは間違いなく、君が飼っている“キャリーヌ”だった」
お兄様が怖い顔でやって来たのだ。
「お兄様こそ、どうして私の計画を邪魔するのですか?あそこでひっそりと、あの女を抹殺しようと思っていたのに!」
「やっぱり君はジャガーンドを使って、クリスティーヌ嬢を始末しようとしていたのだね。ただあの時、僕の大切なレイチェル嬢もいたよね?レイチェル嬢もまとめて始末するつもりだったのだろう。違うかい?」
「別に私は、レイチェル嬢を始末するつもりはありませんでしたわ。ただ、2人でいたから仕方なかったのです」
そう、あの女の傍には、いつもレイチェル様がいる。だから仕方がなかったのだ。
「ふざけるな!丘にあんな恐ろしい動物を逃がすだなんて!君の逃がしたジャガーンドはさっき捕獲して、森に帰した」
「帰したですって?あの子は私の大切なペットよ。なんて事をしたのよ」
「僕を襲ったのだぞ!第一、あんな恐ろしい動物を王宮で飼うこと自体、僕は反対だったんだ!殺さなかっただけ有難いと思え」
「お兄様が勝手に襲われたのでしょう?第一、どうしてお兄様があんな場所にいたのですか?令嬢の領域に入るだなんて、王太子失格ですわ!」
「僕が王太子失格なら、君は王女失格だ。あろう事か、公爵令嬢を2人も殺そうとしたのだからね。カリーナ、もう君の我が儘には付き合いきれない。そもそも僕は王太子だ。君の歪んだ愛情のせいで、罪もない貴族が危険に晒されているというのに…僕はレイチェル嬢と出会って目が覚めたんだ。これからは、彼女に恥じない様に生きていく」
「何が彼女に恥ない様にいきていくですか?大体あの女、どうしてあんなに強いのよ。もしかしたら、スパイかもしれませんわ!」
「失礼な事を言うな。レイチェル嬢は、いつ何時襲われても自分の身は自分で守る様、武術を極めていたと言っていた。それにしても今日のレイチェル嬢、本当にかっこよかったな…まるで絵本に出て来る王子様の様だった…」
お兄様が気持ち悪い顔で、うっとりとしている。何なの、この変態!
「この国の王子はお兄様自身でしょう。令嬢に助けられるだなんて、恥ずかしくないのですか?そんなお兄様の事なんて、絶対にレイチェル様は相手にしませんわ。フラれてビービー泣く羽目になるのが落ちです」
「何だって!いくら妹でも、それ以上僕を侮辱すると許さないぞ!それから、もう二度と罪もない貴族に手を出すな。第一クリスティーヌ嬢は、僕の愛しのレイチェル嬢の友人なんだ。彼女にもしものことがあったら、レイチェル嬢はきっと…考えただけでめまいがしそうだ」
お兄様がフラフラと倒れそうになっている。本当にうざい男ね。
「僕はこれから王太子としてレイチェル嬢の婚約者として、恥じない様に生きる。たとえ妹であっても、これ以上クリスティーヌ嬢やアルフレッド殿に手出しをしたら、タダじゃおかないからな。もちろん、レイチェル嬢にもだ!僕は警告したからね。それからこの気持ち悪い部屋、すぐに元に戻すように。分かったね」
そう言うとお兄様は部屋から出て行った。何がレイチェル嬢の婚約者としてよ。まだ婚約していないじゃない!
お兄様まであの女の味方をするだなんて…
増々許せない!
見ていなさいよ、クリスティーヌ、アルフレッド様。あなた達を絶対に地獄に叩き落してやるのだから。
※次回、クリスティーヌ視点に戻ります。
よろしくお願いします。
「どうして…どうしてこんなに上手くいかないの?全てあの女のせいよ」
怒りからあのにっくき女、クリスティーヌの絵に向かって何度もナイフを突き刺した。あの女、いつもいつも目障りなのよ。あの女のせいで私は…
あの女とアルフレッド様が幸せそうにしている姿を見るだけで、体の奥から怒りを覚えるのだ。
私を拒み続けるアルフレッド様。私がこれほどまでに愛していているのに、私の心をズタズタにしたあの男に復讐するため、お兄様を利用してあの女を奪ってやろうと思ったのに…
そもそもあの女も、最初はアルフレッド様を怖がっていたじゃない。それにお兄様にも一目惚れしていたし、それなのにどうしてよ!
私を傷つけたあの男が、私以上に傷つき絶望する姿を見たいだけなのに…絶望するどころか、毎日幸せそうな顔をして!
許せない!許せない!許せない!!!
絶対にアルフレッド様を、幸せになんかさせない。
だから今日、私の可愛いペットの“キャリーヌ”を使い、あの女を始末しようと思ったのに…それなのにお兄様がそれを台無しにしたのよ。大体お兄様もお兄様よ、レイチェル嬢なんかに惚れちゃって。
最近では私のお願いを聞いてくれなくなってしまったのだ。その上、今日の私の作戦の邪魔までするだなんて!本当に使えない男だわ。
お兄様に対しても怒りが沸き上がっていた時だった。
「カリーナ、君、なんて事をしてくれたんだ。あの丘にジャガーンドを放ったのはカリーナだろう?あのジャガーンドは間違いなく、君が飼っている“キャリーヌ”だった」
お兄様が怖い顔でやって来たのだ。
「お兄様こそ、どうして私の計画を邪魔するのですか?あそこでひっそりと、あの女を抹殺しようと思っていたのに!」
「やっぱり君はジャガーンドを使って、クリスティーヌ嬢を始末しようとしていたのだね。ただあの時、僕の大切なレイチェル嬢もいたよね?レイチェル嬢もまとめて始末するつもりだったのだろう。違うかい?」
「別に私は、レイチェル嬢を始末するつもりはありませんでしたわ。ただ、2人でいたから仕方なかったのです」
そう、あの女の傍には、いつもレイチェル様がいる。だから仕方がなかったのだ。
「ふざけるな!丘にあんな恐ろしい動物を逃がすだなんて!君の逃がしたジャガーンドはさっき捕獲して、森に帰した」
「帰したですって?あの子は私の大切なペットよ。なんて事をしたのよ」
「僕を襲ったのだぞ!第一、あんな恐ろしい動物を王宮で飼うこと自体、僕は反対だったんだ!殺さなかっただけ有難いと思え」
「お兄様が勝手に襲われたのでしょう?第一、どうしてお兄様があんな場所にいたのですか?令嬢の領域に入るだなんて、王太子失格ですわ!」
「僕が王太子失格なら、君は王女失格だ。あろう事か、公爵令嬢を2人も殺そうとしたのだからね。カリーナ、もう君の我が儘には付き合いきれない。そもそも僕は王太子だ。君の歪んだ愛情のせいで、罪もない貴族が危険に晒されているというのに…僕はレイチェル嬢と出会って目が覚めたんだ。これからは、彼女に恥じない様に生きていく」
「何が彼女に恥ない様にいきていくですか?大体あの女、どうしてあんなに強いのよ。もしかしたら、スパイかもしれませんわ!」
「失礼な事を言うな。レイチェル嬢は、いつ何時襲われても自分の身は自分で守る様、武術を極めていたと言っていた。それにしても今日のレイチェル嬢、本当にかっこよかったな…まるで絵本に出て来る王子様の様だった…」
お兄様が気持ち悪い顔で、うっとりとしている。何なの、この変態!
「この国の王子はお兄様自身でしょう。令嬢に助けられるだなんて、恥ずかしくないのですか?そんなお兄様の事なんて、絶対にレイチェル様は相手にしませんわ。フラれてビービー泣く羽目になるのが落ちです」
「何だって!いくら妹でも、それ以上僕を侮辱すると許さないぞ!それから、もう二度と罪もない貴族に手を出すな。第一クリスティーヌ嬢は、僕の愛しのレイチェル嬢の友人なんだ。彼女にもしものことがあったら、レイチェル嬢はきっと…考えただけでめまいがしそうだ」
お兄様がフラフラと倒れそうになっている。本当にうざい男ね。
「僕はこれから王太子としてレイチェル嬢の婚約者として、恥じない様に生きる。たとえ妹であっても、これ以上クリスティーヌ嬢やアルフレッド殿に手出しをしたら、タダじゃおかないからな。もちろん、レイチェル嬢にもだ!僕は警告したからね。それからこの気持ち悪い部屋、すぐに元に戻すように。分かったね」
そう言うとお兄様は部屋から出て行った。何がレイチェル嬢の婚約者としてよ。まだ婚約していないじゃない!
お兄様まであの女の味方をするだなんて…
増々許せない!
見ていなさいよ、クリスティーヌ、アルフレッド様。あなた達を絶対に地獄に叩き落してやるのだから。
※次回、クリスティーヌ視点に戻ります。
よろしくお願いします。
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