44 / 51
第44話:一体何が起こっているのだ?…~アルフレッド視点~
しおりを挟む
今日は王太子殿下とレイチェル嬢の婚約発表パーティー。もちろん、僕たちも全員で出席予定だ。
着替えを済ませ、クリスティーヌの部屋の前で待つ。すると、ゆっくりとクリスティーヌが出て来た。
僕の瞳の色に合わせて、青いドレスを着たクリスティーヌは本当に美しい。
「お待たせてしまったのですね。ごめんなさい。今日のアルフレッド様、とても素敵ですわ。きっと今日の参列者の中で、一番カッコいい事でしょう。いいえ、参列者だけでなく、今日の主役でもある王太子殿下よりもずっとカッコいいはずですわ。こんな素敵なアルフレッド様を狙う悪党がいるかもしれません。私が必ずアルフレッド様をお守りいたしますので、どうかご安心を!」
クリスティーヌが僕を守るか。彼女はいつも、僕を必死に守ろうとしてくれている。でも僕が、クリスティーヌを守りたいのだけれどな…
「ありがとう、クリスティーヌ。今日はたくさんの貴族が来るから、どうか僕から離れないで欲しい。いいかい?絶対に離れてはダメだよ」
「ええ、もちろんですわ。今日はカリーナ殿下もいらっしゃるでしょうから、厳重警戒で行きましょう」
カリーナ殿下か。そう言えば最近大人しいな。もしかして僕の事を、諦めてくれたのか?その瞬間、ニヤリと笑うあの女の顔が浮かんだ。
いいや…
あの女が僕を諦めているとは思えない。ただ、今日は自分の兄の大切な婚約披露パーティーだ。さすがに何か仕掛けてくることはないだろう。
「アルフレッド様、どうされましたか?もしかしてカリーナ殿下の名前を出してしまった事で、嫌な気持ちになりましたか?申し訳ございません」
可愛いクリスティーヌが、なぜか僕に謝っている。
「違うんだ。ちょっと考え事をしていて。さあ、そろそろ行こう」
既に待っていた義両親と一緒に、馬車に乗り込んだ。正直僕は、王宮にはいい思い出がない。でも、クリスティーヌが傍にいてくれるからきっと大丈夫だ。
王宮に着くと、今日の会場でもある大ホールに案内された。既にたくさんの貴族たちが集まっている。クリスティーヌが僕から離れない様に、すっと腰に手を回した。そんな僕に気が付いたクリスティーヌが、僕にすり寄って来る。やっぱりクリスティーヌは可愛いな…
大丈夫だ、もうクリスティーヌが僕から逃げる事はない。きっと大丈夫。だって今日、レイチェル嬢は正式にカロイド殿下の婚約者になるのだから…
しばらくすると、主役でもある2人と、王族たちが出て来た。そして貴族一同が見守る中、2人が婚約届にサインをした。
「皆様、今この場を持ちまして、カロイド・ディア・サムリン殿下とレイチェル・ディスティーヌ嬢が正式に婚約したことを発表いたします。カロイド殿下、レイチェル嬢、おめでとうございます」
「「「「「おめでとうございます」」」」」
貴族たちから歓喜と大きな拍手が送られる。クリスティーヌも嬉しそうに拍手をしていた。どうやら完全に僕の取り越し苦労だった様だ。よく考えてみたら、2人は令嬢同士。もしかしたら僕に隠れて、恋の話をしていたのかもしれない。令嬢たちは、そういった話が好きだと聞くからな。
特にレイチェル嬢は、次期王妃になる事が決まったのだから、色々と不安な事も多いだろう。でもそれならそうと、僕に話してくれたらよかったのに…さすがの僕も、そこまでクリスティーヌを縛り付けたりはしないのにな…
そんな事を考えているうちに、パーティーが始まった。
「アルフレッド様、私たちも踊りましょう」
嬉しそうに僕の手を握り歩き出したクリスティーヌ。音楽に合わせてゆっくり踊る。こうやってクリスティーヌと踊れるだなんて、本当に幸せだな。
その時だった。何やら猛烈な視線を感じる。ふと視線の方に目をやると、そこにはカリーナ殿下がニヤニヤしながらこちらを見ていたのだ。その姿を見た瞬間、一気に体が凍り付くのを感じた。
怖い…またあの女が僕を…
「アルフレッド様、大丈夫ですか?とにかく一度お休みしましょう」
僕の異変に気が付いたクリスティーヌが、すぐにダンスをやめ、近くの休憩スペースに連れて行ってくれた。僕は一体何をしているのだろう。あの女を見ただけで、こんなに動揺するだなんて。でも…あの女の目…
「アルフレッド様、どうか落ち着いて下さい」
ギュッとクリスティーヌが抱きしめてくれる。その温もりが温かくて落ち着く。
「ありがとう、クリスティーヌ。すまない、急に取り乱してしまって」
「私の事は気にしないで下さい。カリーナ殿下に恐怖を感じたのですよね。大丈夫ですわ、どんなことがあっても、あなた様は私が守りますから」
クリスティーヌ、君は僕にとって女神の様な女性だ。彼女がいるだけで、僕の心はこんなにも穏やかになれるのだから…
しばらく僕を抱きしめたあと、ゆっくりと離れたクリスティーヌ。
「もう震えも止まったようですね。そろそろ殿下やレイチェル様に挨拶に行きましょうか?」
「でも、まだ沢山の貴族に囲まれているから、もう少し後にしよう」
もうちょっとだけ、クリスティーヌと2人きりでいたいのだ。
「分かりましたわ。それではもう少しゆっくりしましょう」
すっと僕の隣にクリスティーヌが座った。そんな彼女を、ギュッと抱き寄せる。
「よろしければジュースをどうぞ」
メイドがジュースを手渡してくれた。せっかくなので頂こう。クリスティーヌと一緒に、ジュースを頂いた。
その時だった。
「ぐ…」
ジュースを飲んだクリスティーヌが、急に苦しみだしたのだ。
「クリスティーヌ!一体どうしたのだい?」
着替えを済ませ、クリスティーヌの部屋の前で待つ。すると、ゆっくりとクリスティーヌが出て来た。
僕の瞳の色に合わせて、青いドレスを着たクリスティーヌは本当に美しい。
「お待たせてしまったのですね。ごめんなさい。今日のアルフレッド様、とても素敵ですわ。きっと今日の参列者の中で、一番カッコいい事でしょう。いいえ、参列者だけでなく、今日の主役でもある王太子殿下よりもずっとカッコいいはずですわ。こんな素敵なアルフレッド様を狙う悪党がいるかもしれません。私が必ずアルフレッド様をお守りいたしますので、どうかご安心を!」
クリスティーヌが僕を守るか。彼女はいつも、僕を必死に守ろうとしてくれている。でも僕が、クリスティーヌを守りたいのだけれどな…
「ありがとう、クリスティーヌ。今日はたくさんの貴族が来るから、どうか僕から離れないで欲しい。いいかい?絶対に離れてはダメだよ」
「ええ、もちろんですわ。今日はカリーナ殿下もいらっしゃるでしょうから、厳重警戒で行きましょう」
カリーナ殿下か。そう言えば最近大人しいな。もしかして僕の事を、諦めてくれたのか?その瞬間、ニヤリと笑うあの女の顔が浮かんだ。
いいや…
あの女が僕を諦めているとは思えない。ただ、今日は自分の兄の大切な婚約披露パーティーだ。さすがに何か仕掛けてくることはないだろう。
「アルフレッド様、どうされましたか?もしかしてカリーナ殿下の名前を出してしまった事で、嫌な気持ちになりましたか?申し訳ございません」
可愛いクリスティーヌが、なぜか僕に謝っている。
「違うんだ。ちょっと考え事をしていて。さあ、そろそろ行こう」
既に待っていた義両親と一緒に、馬車に乗り込んだ。正直僕は、王宮にはいい思い出がない。でも、クリスティーヌが傍にいてくれるからきっと大丈夫だ。
王宮に着くと、今日の会場でもある大ホールに案内された。既にたくさんの貴族たちが集まっている。クリスティーヌが僕から離れない様に、すっと腰に手を回した。そんな僕に気が付いたクリスティーヌが、僕にすり寄って来る。やっぱりクリスティーヌは可愛いな…
大丈夫だ、もうクリスティーヌが僕から逃げる事はない。きっと大丈夫。だって今日、レイチェル嬢は正式にカロイド殿下の婚約者になるのだから…
しばらくすると、主役でもある2人と、王族たちが出て来た。そして貴族一同が見守る中、2人が婚約届にサインをした。
「皆様、今この場を持ちまして、カロイド・ディア・サムリン殿下とレイチェル・ディスティーヌ嬢が正式に婚約したことを発表いたします。カロイド殿下、レイチェル嬢、おめでとうございます」
「「「「「おめでとうございます」」」」」
貴族たちから歓喜と大きな拍手が送られる。クリスティーヌも嬉しそうに拍手をしていた。どうやら完全に僕の取り越し苦労だった様だ。よく考えてみたら、2人は令嬢同士。もしかしたら僕に隠れて、恋の話をしていたのかもしれない。令嬢たちは、そういった話が好きだと聞くからな。
特にレイチェル嬢は、次期王妃になる事が決まったのだから、色々と不安な事も多いだろう。でもそれならそうと、僕に話してくれたらよかったのに…さすがの僕も、そこまでクリスティーヌを縛り付けたりはしないのにな…
そんな事を考えているうちに、パーティーが始まった。
「アルフレッド様、私たちも踊りましょう」
嬉しそうに僕の手を握り歩き出したクリスティーヌ。音楽に合わせてゆっくり踊る。こうやってクリスティーヌと踊れるだなんて、本当に幸せだな。
その時だった。何やら猛烈な視線を感じる。ふと視線の方に目をやると、そこにはカリーナ殿下がニヤニヤしながらこちらを見ていたのだ。その姿を見た瞬間、一気に体が凍り付くのを感じた。
怖い…またあの女が僕を…
「アルフレッド様、大丈夫ですか?とにかく一度お休みしましょう」
僕の異変に気が付いたクリスティーヌが、すぐにダンスをやめ、近くの休憩スペースに連れて行ってくれた。僕は一体何をしているのだろう。あの女を見ただけで、こんなに動揺するだなんて。でも…あの女の目…
「アルフレッド様、どうか落ち着いて下さい」
ギュッとクリスティーヌが抱きしめてくれる。その温もりが温かくて落ち着く。
「ありがとう、クリスティーヌ。すまない、急に取り乱してしまって」
「私の事は気にしないで下さい。カリーナ殿下に恐怖を感じたのですよね。大丈夫ですわ、どんなことがあっても、あなた様は私が守りますから」
クリスティーヌ、君は僕にとって女神の様な女性だ。彼女がいるだけで、僕の心はこんなにも穏やかになれるのだから…
しばらく僕を抱きしめたあと、ゆっくりと離れたクリスティーヌ。
「もう震えも止まったようですね。そろそろ殿下やレイチェル様に挨拶に行きましょうか?」
「でも、まだ沢山の貴族に囲まれているから、もう少し後にしよう」
もうちょっとだけ、クリスティーヌと2人きりでいたいのだ。
「分かりましたわ。それではもう少しゆっくりしましょう」
すっと僕の隣にクリスティーヌが座った。そんな彼女を、ギュッと抱き寄せる。
「よろしければジュースをどうぞ」
メイドがジュースを手渡してくれた。せっかくなので頂こう。クリスティーヌと一緒に、ジュースを頂いた。
その時だった。
「ぐ…」
ジュースを飲んだクリスティーヌが、急に苦しみだしたのだ。
「クリスティーヌ!一体どうしたのだい?」
63
あなたにおすすめの小説
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
【完結】6人目の娘として生まれました。目立たない伯爵令嬢なのに、なぜかイケメン公爵が離れない
朝日みらい
恋愛
エリーナは、伯爵家の6人目の娘として生まれましたが、幸せではありませんでした。彼女は両親からも兄姉からも無視されていました。それに才能も兄姉と比べると特に特別なところがなかったのです。そんな孤独な彼女の前に現れたのが、公爵家のヴィクトールでした。彼女のそばに支えて励ましてくれるのです。エリーナはヴィクトールに何かとほめられながら、自分の力を信じて幸せをつかむ物語です。
【完結】旦那様、どうぞ王女様とお幸せに!~転生妻は離婚してもふもふライフをエンジョイしようと思います~
魯恒凛
恋愛
地味で気弱なクラリスは夫とは結婚して二年経つのにいまだに触れられることもなく、会話もない。伯爵夫人とは思えないほど使用人たちにいびられ冷遇される日々。魔獣騎士として人気の高い夫と国民の妹として愛される王女の仲を引き裂いたとして、巷では悪女クラリスへの風当たりがきついのだ。
ある日前世の記憶が甦ったクラリスは悟る。若いクラリスにこんな状況はもったいない。白い結婚を理由に円満離婚をして、夫には王女と幸せになってもらおうと決意する。そして、離婚後は田舎でもふもふカフェを開こうと……!
そのためにこっそり仕事を始めたものの、ひょんなことから夫と友達に!?
「好きな相手とどうやったらうまくいくか教えてほしい」
初恋だった夫。胸が痛むけど、お互いの幸せのために王女との仲を応援することに。
でもなんだか様子がおかしくて……?
不器用で一途な夫と前世の記憶が甦ったサバサバ妻の、すれ違い両片思いのラブコメディ。
※5/19〜5/21 HOTランキング1位!たくさんの方にお読みいただきありがとうございます
※他サイトでも公開しています。
王太子妃専属侍女の結婚事情
蒼あかり
恋愛
伯爵家の令嬢シンシアは、ラドフォード王国 王太子妃の専属侍女だ。
未だ婚約者のいない彼女のために、王太子と王太子妃の命で見合いをすることに。
相手は王太子の側近セドリック。
ところが、幼い見た目とは裏腹に令嬢らしからぬはっきりとした物言いのキツイ性格のシンシアは、それが元でお見合いをこじらせてしまうことに。
そんな二人の行く末は......。
☆恋愛色は薄めです。
☆完結、予約投稿済み。
新年一作目は頑張ってハッピーエンドにしてみました。
ふたりの喧嘩のような言い合いを楽しんでいただければと思います。
そこまで激しくはないですが、そういうのが苦手な方はご遠慮ください。
よろしくお願いいたします。
虚弱体質?の脇役令嬢に転生したので、食事療法を始めました
たくわん
恋愛
「跡継ぎを産めない貴女とは結婚できない」婚約者である公爵嫡男アレクシスから、冷酷に告げられた婚約破棄。その場で新しい婚約者まで紹介される屈辱。病弱な侯爵令嬢セラフィーナは、社交界の哀れみと嘲笑の的となった。
令嬢から成り下がったメイドの分際で、侯爵様と目が合ってしまって
あおとあい
恋愛
彼はメイドの私に手を差し出した。「私と、踊っていただけませんか?」
かつては伯爵令嬢として、誰もが羨む生活を送っていたエルナ。
しかし、いわれなき罪で家は没落し、今は嫌な貴族の下で働く「身分落ち」のメイド。
二度と表舞台に立つことなどないはずだった。
あの日の豪華絢爛な舞踏会で、彼と目が合うまでは。
アルフォンス・ベルンハルト侯爵。
冷徹な「戦場の英雄」として国中の注目を集める、今もっともホットで、もっとも手が届かない男。
退屈そうに会場を見渡していた彼の視線が、影に徹していた私を捉えて。
彼は真っ直ぐに歩み寄り、埃まみれの私に手を差し出した。
「私と、踊っていただけませんか?」
メイドの分際で、英雄のパートナー!?
前代未聞のスキャンダルから始まる逆転劇。
※毎日17時更新
P.S. 推し活に夢中ですので、返信は不要ですわ
汐瀬うに
恋愛
アルカナ学院に通う伯爵令嬢クラリスは、幼い頃から婚約者である第一王子アルベルトと共に過ごしてきた。しかし彼は言葉を尽くさず、想いはすれ違っていく。噂、距離、役割に心を閉ざしながらも、クラリスは自分の居場所を見つけて前へ進む。迎えたプロムの夜、ようやく言葉を選び、追いかけてきたアルベルトが告げたのは――遅すぎる本心だった。
※こちらの作品はカクヨム・アルファポリス・小説家になろうに並行掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる