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第7話:幸せな時間
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「ありがとう、シャレル。今はこんなものしか食べさせてあげられないけれど、マーラル王国に着いたら、美味しいものを沢山食べようね」
「まあ、それは楽しみですわ。それでしたら、一刻も早く、マーラル王国に向かわないといけないですね。なんだか楽しみになって参りましたわ」
「僕も楽しみだよ。まさかシャレルと一緒に行けるだなんてね…シャレル、僕の事を受け入れてくれて、ありがとう」
「私の方こそ、助けていただきありがとうございます。せっかくなので、今を楽しみましょう。見て下さい、ダーウィン様、沢山の牛や馬がいますわ。私、動物を生で見たことがなくて」
「本当だね。あんなに沢山の動物、僕も初めて見たよ」
昨日とは打って変わり、ダーウィン様の緊張も随分和らいだようだ。
この日は2人で話しをしながら、馬車の移動を楽しんだ。
夜も、小さな宿に泊まった。もちろん、2人同じ部屋だ。
「見て下さい、ダーウィン様、今日のお部屋は、ベッドが上下に1つづつありますわ。こんなベッド、初めて見ました」
「本当だね、僕も初めてだよ。でも…今日はシャレルと一緒に寝られないね…」
ポツリとダーウィン様が呟いたのだ。びっくりしてダーウィン様の方を見た。
「いや、何でもない。今の言葉は気にしないでくれ」
手をブンブン振って、必死に否定している。その姿が、なんだか可愛い。そんなダーウィン様の手を握り、下のベッドに誘導した。
「少し狭いですが、今日も2人で休みましょう。私もダーウィン様の温もりがあった方が、よく眠れるので」
「でも、さすがに狭くないかい?僕のせいで、シャレルが狭い思いをしたら…」
「私は大丈夫ですわ。2人で横になっても、そこまで狭くはないですし。それにこうやって2人で寄り添って寝たら、温かいです。さあ、もう休みましょう。おやすみなさい」
そっとダーウィン様に寄り添い、瞼を閉じた。こんな風に好きな人の温もりを感じながら眠れるだなんて、本当に幸せな事だ。
この日もあっという間に眠りについたのだった。
そしてこの日以降、グンと距離が縮まった私たち。今まですれ違った時間を埋めるように寄り添い、お互いの話を沢山した。そして夜は、小さな宿に泊まり、2人一緒に眠りにつく。
そして…
「シャレル、明日のお昼には、いよいよマーラル王国に入るよ。この1週間、君には随分と苦労を掛けてしまったね。マーラル王国に入ったら、まずは家を借りよう。それから、最低限にはなるが、使用人を雇おう。シャレルには随分と苦労を掛けてしまったからね。どうかマーラル王国では、穏やかに生きて欲しい」
「使用人だなんて。限られたお金しかありませんのに、その様な贅沢をしてはいけませんわ。私、家事というものを覚えますわ。確か平民は、自分で料理を作り、掃除をして洗濯をするそうです。私は確かに世間知らずですが、ダーウィン様と一緒にいられるのなら、何だって頑張るつもりです」
正直自信はないが、何とかなるだろう。そんな思いで、胸を叩いた。
「お金の心配はいらないよ。僕たちが一生遊んで暮らせるだけのお金は持ってきているから。それに僕も、マーラル王国に着いたら、やってみたい仕事があってね。それが軌道に乗れば、何とかなるよ。それから、その…」
急にダーウィン様がモジモジし始めたのだ。一体どうしたのだろう?不思議に思っていると…
「シャレル、マーラル王国に着いたら、僕と結婚してくれるかい?僕は愚かで、君の父親を助ける事が出来なかった。何の罪もない公爵を助ける事も出来ず、大切なシャレルには苦労を掛けてばかりだ。それでも僕は、シャレルを幸せにしたいと思っている。だから、その…」
「ダーウィン様、ありがとうございます。嬉しいですわ。まさかダーウィン様から、結婚の言葉を頂けるだなんて。実はマーラル王国に着いたら、私と結婚して欲しい旨を伝えようと思っていたのです。それに父の事は、ジョーン殿下が悪いのです。どうか気にしないで下さい」
ギュッとダーウィン様に抱き着き、そう伝えた。
「ありがとう、シャレル。こんな事を言っては不謹慎かもしれないが、シャレルと一緒に過ごしたこの1週間が、僕にとっては本当に幸せで…その上、僕の気持ちを受け入れてくれるだなんて…こんなに嬉しい事があってよいのかな?これから一気に地獄に叩き落されたりしないかな?」
「まあ、ダーウィン様ったら、大げさなのですから。マーラル王国に着いたら、きっともっともっと楽しい事や嬉しい事が待ち受けているはずですわ。私もダーウィン様も、散々傷ついて来たのですもの。落ちるところまで落ちたのですから、後は上がるだけですわ」
ダーウィン様の言う通り、この1週間、私も幸せだった。辛い事もあったけれど、きっと私たちは幸せになれる。その為に、マーラル王国に向かうのだから…
「まあ、それは楽しみですわ。それでしたら、一刻も早く、マーラル王国に向かわないといけないですね。なんだか楽しみになって参りましたわ」
「僕も楽しみだよ。まさかシャレルと一緒に行けるだなんてね…シャレル、僕の事を受け入れてくれて、ありがとう」
「私の方こそ、助けていただきありがとうございます。せっかくなので、今を楽しみましょう。見て下さい、ダーウィン様、沢山の牛や馬がいますわ。私、動物を生で見たことがなくて」
「本当だね。あんなに沢山の動物、僕も初めて見たよ」
昨日とは打って変わり、ダーウィン様の緊張も随分和らいだようだ。
この日は2人で話しをしながら、馬車の移動を楽しんだ。
夜も、小さな宿に泊まった。もちろん、2人同じ部屋だ。
「見て下さい、ダーウィン様、今日のお部屋は、ベッドが上下に1つづつありますわ。こんなベッド、初めて見ました」
「本当だね、僕も初めてだよ。でも…今日はシャレルと一緒に寝られないね…」
ポツリとダーウィン様が呟いたのだ。びっくりしてダーウィン様の方を見た。
「いや、何でもない。今の言葉は気にしないでくれ」
手をブンブン振って、必死に否定している。その姿が、なんだか可愛い。そんなダーウィン様の手を握り、下のベッドに誘導した。
「少し狭いですが、今日も2人で休みましょう。私もダーウィン様の温もりがあった方が、よく眠れるので」
「でも、さすがに狭くないかい?僕のせいで、シャレルが狭い思いをしたら…」
「私は大丈夫ですわ。2人で横になっても、そこまで狭くはないですし。それにこうやって2人で寄り添って寝たら、温かいです。さあ、もう休みましょう。おやすみなさい」
そっとダーウィン様に寄り添い、瞼を閉じた。こんな風に好きな人の温もりを感じながら眠れるだなんて、本当に幸せな事だ。
この日もあっという間に眠りについたのだった。
そしてこの日以降、グンと距離が縮まった私たち。今まですれ違った時間を埋めるように寄り添い、お互いの話を沢山した。そして夜は、小さな宿に泊まり、2人一緒に眠りにつく。
そして…
「シャレル、明日のお昼には、いよいよマーラル王国に入るよ。この1週間、君には随分と苦労を掛けてしまったね。マーラル王国に入ったら、まずは家を借りよう。それから、最低限にはなるが、使用人を雇おう。シャレルには随分と苦労を掛けてしまったからね。どうかマーラル王国では、穏やかに生きて欲しい」
「使用人だなんて。限られたお金しかありませんのに、その様な贅沢をしてはいけませんわ。私、家事というものを覚えますわ。確か平民は、自分で料理を作り、掃除をして洗濯をするそうです。私は確かに世間知らずですが、ダーウィン様と一緒にいられるのなら、何だって頑張るつもりです」
正直自信はないが、何とかなるだろう。そんな思いで、胸を叩いた。
「お金の心配はいらないよ。僕たちが一生遊んで暮らせるだけのお金は持ってきているから。それに僕も、マーラル王国に着いたら、やってみたい仕事があってね。それが軌道に乗れば、何とかなるよ。それから、その…」
急にダーウィン様がモジモジし始めたのだ。一体どうしたのだろう?不思議に思っていると…
「シャレル、マーラル王国に着いたら、僕と結婚してくれるかい?僕は愚かで、君の父親を助ける事が出来なかった。何の罪もない公爵を助ける事も出来ず、大切なシャレルには苦労を掛けてばかりだ。それでも僕は、シャレルを幸せにしたいと思っている。だから、その…」
「ダーウィン様、ありがとうございます。嬉しいですわ。まさかダーウィン様から、結婚の言葉を頂けるだなんて。実はマーラル王国に着いたら、私と結婚して欲しい旨を伝えようと思っていたのです。それに父の事は、ジョーン殿下が悪いのです。どうか気にしないで下さい」
ギュッとダーウィン様に抱き着き、そう伝えた。
「ありがとう、シャレル。こんな事を言っては不謹慎かもしれないが、シャレルと一緒に過ごしたこの1週間が、僕にとっては本当に幸せで…その上、僕の気持ちを受け入れてくれるだなんて…こんなに嬉しい事があってよいのかな?これから一気に地獄に叩き落されたりしないかな?」
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ダーウィン様の言う通り、この1週間、私も幸せだった。辛い事もあったけれど、きっと私たちは幸せになれる。その為に、マーラル王国に向かうのだから…
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