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第25話:このモヤモヤした気持ちは一体…~ダーウィン視点~
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ふと時計を見る。もうこんな時間か。急いで昼食を食べ、午後の稽古に励む。
そろそろ王妃教育が終わる事だな。いつもはシャレルが僕を迎えに来てくれるが、今日は僕がシャレルを迎えに行こう。
そう思い、シャレルが王妃教育を受けている部屋へとやっていた。すると、ちょうど教育係でもある、マーレス伯爵夫人が部屋から出てきたのだ。
「マーレス伯爵夫人、お疲れ様です。シャレルはどこですか?」
「ダーウィン殿下、ごきげんよう。シャレル様なら、先ほどお部屋から出ていかれましたわ。もしかしたら、入れ違いになってしまったのかもしれませんね」
入れ違いか。きっとシャレルは僕を探しに、稽古場に行ったのだろう。急いでシャレルの元に向かわないと。夫人に挨拶をして、稽古場へと向かう。
でも、稽古場にもシャレルの姿はなかった。きっと僕の姿がないから、移動したのだろう。そうなると、僕が準備したバラ園だな。そう思い、急いでバラ園へと向かう。
いた、シャレルだ。
僕が声をかけようとした時だった。嬉しそうに誰かと話をしているシャレル。一体誰と話をしているのだ?そっと近くに寄っていくと、相手は…
「母上…」
そう、シャレルは嬉しそうに母上と話をしていたのだ。
せっかく2人が楽しそうに話しをしているのだ。邪魔をしてはいけない、そんな気がして、その場を後にした。
まあ、僕はいつでもシャレルと話が出来るし、今日くらい母上に譲ってもいいか。そう思っていたのだが、次の日も、その次の日も、またその次の日も、母上はシャレルの元に通い、楽しそうに話しをしているのだ。
あまりにも仲睦まじく話しているので、さすがの僕も間に入れない。そんな日々が、1週間続いたある日。
「母上、毎日シャレルとお茶をしている様ですが…」
意を決して母上に話しかけた。正直僕はまだ、母上が苦手なのだ。いくら母上と和解したとはいえ、そう簡単に関係を修復できるわけではない。
「あら、見ていたの?実はね、お姉様が帰った日に、改めてシャレルちゃんに謝罪をしたの。今まで色々と冷たくしてごめんなさいって。それで成り行きで一緒にお茶をする様になったのだけれど、あの子、本当にいい子ね。話せば話すほど楽しくて。ほら、シャレルちゃんのお母様は、彼女を生んですぐに亡くなったでしょう。だから私が、あの子のお母さん代わりになれたらって。ちょっと図々しいかしら?」
嬉しそうに話す母上。今まで散々シャレルを無視していたのに…でも、そんな母上の心を動かしたのは、きっとシャレルなのだろう。
「母上の気持ちは分かりますが…その…」
「ごめんなさい。もしかして私、シャレルちゃんとダーウィンの時間を奪ってしまっていたのかしら?でもあなた達、いつも仲睦まじいから、少しくらい私にシャレルちゃんを貸してくれてもいいわよね」
何が少しくらいシャレルちゃんを貸してくれてもいいわよね!だ。いい訳ないだろう、僕だって、まだシャレルとの仲は深まっていないのだ。これからもっともっと2人で交流を持って、仲を深めていかないといけないのに!
だが、今の僕にはまだ母上にそんな事を言う勇気はない。情けないな、自分の母親にすら、自分の気持ちを伝えられないだなんて…
母上と話をした後、ついため息が出てしまう。
もっともっとシャレルと話がしたいのに…
て、落ち込んでいる場合ではない。何とかして、母上からシャレルを奪還しないと。
翌日、いつもより早くシャレルの部屋の前で待つ。すると…
「あら?殿下、今日もシャレル様をお待ちなのですか?今日はいつも以上に王妃教育が順調で、30分ほど前に終わりましたよ」
何だって?また一歩遅かったか。くそ、どこまで僕は要領が悪いんだ。きっとまた母上にシャレルを取られているはずだ。急いでバラ園へと向かおうとした時だった。
「シャレル嬢、本当にありがとうございます。助かりました。あなた様は女神さまです」
「そんな大げさな。どうか次からは、なくさないようにしてくださいね」
若い男がシャレルの手を握り、涙を流しながら頭を下げている。シャレルの手を、若い男が…
その瞬間、言いようのない怒りがこみ上げてきた。シャレルは僕の婚約者なのに!
「あなたは確か、バレッド伯爵家のジョンソン殿でしたね。シャレルとは一体どのような関係で?」
極力冷静に装いながら、男に話しかけた。
「ダーウィン殿下、お久しぶりです。実は大切な書類をなくしてしまいまして、お優しいシャレル嬢が一緒に探して、見つけて下さったのです。本当にシャレル嬢は、素敵な女性ですね」
うっとりとした顔でシャレルを見つめる令息。こんな目でシャレルを見ないでくれ。それにしても、どうしてシャレルは、こうも男性からの人気が高いのだろう。ジョーンといい、この男といい。いいや、男だけではない。女性にも人気が高いのだ。
特に母上は、シャレルをたいそう気に入っている。
どいつもこいつも!
「バレッド伯爵令息様は、大げさなのですから。書類が見つかってよかったですわね。それでは、私たちはこれで。ダーウィン様、参りましょう」
すっと僕の手を握り、歩き出したシャレル。久しぶりに触れるシャレルの手。この手を離したくなくて、ギュッと握った。
「ダーウィン様、最近どこにいらしたのですか?ずっと探していたのですよ。でも、やっと捕まえましたわ。今日は私の傍にいてもらいますからね」
そう言ってシャレルが笑ったのだ。“やっと捕まえた”は僕のセリフだ。ただ、シャレルも僕を探してくれていたのか…そう思うと、なんだか嬉しい。
僕の方こそ、今日はずっと傍にいてもらうからね。もう他の人には渡したくない。ずっと僕の傍にいて欲しい。そんな事を言ったら、引かれてしまうかな?
まさか僕に、こんな感情があっただなんて、自分でも驚きだ。シャレル、僕は君が思っている様な男ではないかもしれない。それでも僕は、君が大好きだ。こんな僕だけれど、これからもずっと一緒にいて欲しい。
シャレルの手を握りながら、この手を二度と離さない。そう誓ったのだった。
※次回、シャレル視点に戻ります。
よろしくお願いします。
そろそろ王妃教育が終わる事だな。いつもはシャレルが僕を迎えに来てくれるが、今日は僕がシャレルを迎えに行こう。
そう思い、シャレルが王妃教育を受けている部屋へとやっていた。すると、ちょうど教育係でもある、マーレス伯爵夫人が部屋から出てきたのだ。
「マーレス伯爵夫人、お疲れ様です。シャレルはどこですか?」
「ダーウィン殿下、ごきげんよう。シャレル様なら、先ほどお部屋から出ていかれましたわ。もしかしたら、入れ違いになってしまったのかもしれませんね」
入れ違いか。きっとシャレルは僕を探しに、稽古場に行ったのだろう。急いでシャレルの元に向かわないと。夫人に挨拶をして、稽古場へと向かう。
でも、稽古場にもシャレルの姿はなかった。きっと僕の姿がないから、移動したのだろう。そうなると、僕が準備したバラ園だな。そう思い、急いでバラ園へと向かう。
いた、シャレルだ。
僕が声をかけようとした時だった。嬉しそうに誰かと話をしているシャレル。一体誰と話をしているのだ?そっと近くに寄っていくと、相手は…
「母上…」
そう、シャレルは嬉しそうに母上と話をしていたのだ。
せっかく2人が楽しそうに話しをしているのだ。邪魔をしてはいけない、そんな気がして、その場を後にした。
まあ、僕はいつでもシャレルと話が出来るし、今日くらい母上に譲ってもいいか。そう思っていたのだが、次の日も、その次の日も、またその次の日も、母上はシャレルの元に通い、楽しそうに話しをしているのだ。
あまりにも仲睦まじく話しているので、さすがの僕も間に入れない。そんな日々が、1週間続いたある日。
「母上、毎日シャレルとお茶をしている様ですが…」
意を決して母上に話しかけた。正直僕はまだ、母上が苦手なのだ。いくら母上と和解したとはいえ、そう簡単に関係を修復できるわけではない。
「あら、見ていたの?実はね、お姉様が帰った日に、改めてシャレルちゃんに謝罪をしたの。今まで色々と冷たくしてごめんなさいって。それで成り行きで一緒にお茶をする様になったのだけれど、あの子、本当にいい子ね。話せば話すほど楽しくて。ほら、シャレルちゃんのお母様は、彼女を生んですぐに亡くなったでしょう。だから私が、あの子のお母さん代わりになれたらって。ちょっと図々しいかしら?」
嬉しそうに話す母上。今まで散々シャレルを無視していたのに…でも、そんな母上の心を動かしたのは、きっとシャレルなのだろう。
「母上の気持ちは分かりますが…その…」
「ごめんなさい。もしかして私、シャレルちゃんとダーウィンの時間を奪ってしまっていたのかしら?でもあなた達、いつも仲睦まじいから、少しくらい私にシャレルちゃんを貸してくれてもいいわよね」
何が少しくらいシャレルちゃんを貸してくれてもいいわよね!だ。いい訳ないだろう、僕だって、まだシャレルとの仲は深まっていないのだ。これからもっともっと2人で交流を持って、仲を深めていかないといけないのに!
だが、今の僕にはまだ母上にそんな事を言う勇気はない。情けないな、自分の母親にすら、自分の気持ちを伝えられないだなんて…
母上と話をした後、ついため息が出てしまう。
もっともっとシャレルと話がしたいのに…
て、落ち込んでいる場合ではない。何とかして、母上からシャレルを奪還しないと。
翌日、いつもより早くシャレルの部屋の前で待つ。すると…
「あら?殿下、今日もシャレル様をお待ちなのですか?今日はいつも以上に王妃教育が順調で、30分ほど前に終わりましたよ」
何だって?また一歩遅かったか。くそ、どこまで僕は要領が悪いんだ。きっとまた母上にシャレルを取られているはずだ。急いでバラ園へと向かおうとした時だった。
「シャレル嬢、本当にありがとうございます。助かりました。あなた様は女神さまです」
「そんな大げさな。どうか次からは、なくさないようにしてくださいね」
若い男がシャレルの手を握り、涙を流しながら頭を下げている。シャレルの手を、若い男が…
その瞬間、言いようのない怒りがこみ上げてきた。シャレルは僕の婚約者なのに!
「あなたは確か、バレッド伯爵家のジョンソン殿でしたね。シャレルとは一体どのような関係で?」
極力冷静に装いながら、男に話しかけた。
「ダーウィン殿下、お久しぶりです。実は大切な書類をなくしてしまいまして、お優しいシャレル嬢が一緒に探して、見つけて下さったのです。本当にシャレル嬢は、素敵な女性ですね」
うっとりとした顔でシャレルを見つめる令息。こんな目でシャレルを見ないでくれ。それにしても、どうしてシャレルは、こうも男性からの人気が高いのだろう。ジョーンといい、この男といい。いいや、男だけではない。女性にも人気が高いのだ。
特に母上は、シャレルをたいそう気に入っている。
どいつもこいつも!
「バレッド伯爵令息様は、大げさなのですから。書類が見つかってよかったですわね。それでは、私たちはこれで。ダーウィン様、参りましょう」
すっと僕の手を握り、歩き出したシャレル。久しぶりに触れるシャレルの手。この手を離したくなくて、ギュッと握った。
「ダーウィン様、最近どこにいらしたのですか?ずっと探していたのですよ。でも、やっと捕まえましたわ。今日は私の傍にいてもらいますからね」
そう言ってシャレルが笑ったのだ。“やっと捕まえた”は僕のセリフだ。ただ、シャレルも僕を探してくれていたのか…そう思うと、なんだか嬉しい。
僕の方こそ、今日はずっと傍にいてもらうからね。もう他の人には渡したくない。ずっと僕の傍にいて欲しい。そんな事を言ったら、引かれてしまうかな?
まさか僕に、こんな感情があっただなんて、自分でも驚きだ。シャレル、僕は君が思っている様な男ではないかもしれない。それでも僕は、君が大好きだ。こんな僕だけれど、これからもずっと一緒にいて欲しい。
シャレルの手を握りながら、この手を二度と離さない。そう誓ったのだった。
※次回、シャレル視点に戻ります。
よろしくお願いします。
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