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第67話:どうしてこんな事を?
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まさか…
「そう、私よ。シャレルちゃん」
この声は!
「クラスィーズ公爵夫人、どうしてですか?どうしてジョーン殿下の手助けをなさったのですか?あなた様は私やダーウィン様の事を、大切に思って下さっていたのではないのですか?それに王妃様の事も。きっとこのような事をあなた様がなさったと知ったら、王妃様も悲しまれますわ」
ジョーン殿下に協力していたのは、クラスィーズ公爵夫人、王妃様の実のお姉様だったのだ。
「どうしてですって?だって、ジョーンが可哀そうでしょう?ダーウィンと同じタイミングで生まれたのに、ダーウィンだけが何もかも持って行ってしまうだなんて。彼らは双子なのに…だからね、せめてジョーンには、シャレルちゃんをあげたいなって思ったの」
この人は、何を言っているの?ダーウィン様が全てを持って行ってしまう?私をあげたい?
言っていることが、全く分からない。それでも、きちんと話を聞かないと。
「クラスィーズ公爵夫人、私が手紙を送った時から、ジョーン殿下の味方だったのですか?お2人はいつから繋がっていらしたのですか?」
「シャレルちゃんからお手紙をもらった時は、ジョーンとは繋がっていなかったのよ。あなたの手紙を見て、ファレオ王国に行って、マリーヌとの誤解が解けた事、本当に嬉しく思っているわ。私にとってマリーヌは、大切な妹だから。まさか妹が苦しんでいただなんて、夢にも思わなかったもの。シャレルちゃん、あの時はありがとう」
「それなら、どうして私とダーウィン様の仲を裂こうとするのですか?」
「裂こうとなんてしていないわ。ダーウィンは王太子の座も、母親の愛情も手に入れたでしょう。でも、ジョーンは何もなかったの。唯一独り占めしていた母親の愛情も、ダーウィンと分かち合う事になってしまった。その事で、ジョーンは酷くショックを受けたの。その事を、ジョーンに訴えられて…涙ながらに訴えるジョーンを見たら、何かしてあげたくなったよ。ジョーンとダーウィンは双子でしょう?やはり同じように、欲しいものを与えてあげないと。そう思ったの。
ジョーンはね、シャレルちゃんさえいればいいと言ったから、それならシャレルちゃんだけでも、ジョーンに与えてあげようと思ったの。だからディーラス王国にいる優秀なスパイたちと、最新の機器をジョーンに与えたのよ」
なるほど、我が国よりも発展しているディーラス王国のスパイたちと、最新の機器を手に入れたジョーン殿下は、彼らを使って色々と動いたのね。だから私が、どれだけ優秀なスパイを雇っても、見破られたのだわ。
「ただ、ダーウィンを毒殺しようとした事は、よくなかったわね。ダーウィンは私にとっても、大切な甥ですもの」
「伯母上が手伝って下さらなかったから、ディン程度の男に見破られてしまったのですよ。伯母上なら、兄上の殺害に賛成してくれると思ったのですが。マリアの時は、協力してくれたから」
「ああ、あの愚かな侯爵令嬢の事?あの女、嫉妬に狂ってシャレルちゃんを傷つけようとしたのよね。でもあの子、最後まであなたに頼まれた事、口外しなかったわね。ジョーン、あの子がおバカでよかったわね」
そう言って笑っているクラスィーズ公爵夫人。何がおかしいの?
「マリア様のやった事は、確かに許される事ではなかったです。あの事件のせいで、私は唯一の肉親でもある父を失うところでした。ですが、マリア様の事を、笑える立場ですか?彼女やエレディス侯爵を裏で操っていたあなた達が!私は、あなた達の事も絶対に許せませんわ!」
「シャレルちゃん、落ち着いて。私もジョーンも、あの2人にアドバイスを与えただけよ。実行したのは、あの人たちなの。そうでしょう?ジョーン」
「ええ、そうですよ。ちょっと優しい言葉をかければ、すぐに動く愚かな女を利用して、何が悪いのだい?あの女だって、次期王妃になれるかもと喜んでいたのだよ。欲に目がくらんだから、結局命を失った。自業自得だな」
「自業自得…確かにそうかもしれません。ジョーン殿下、どうして彼女が最後まであなたの事を話さなかったか、知っていますか?あなたを愛していたから。最後まであなたを守ろうとしたのです。その思いだけは、どうか分かって差し上げて下さい」
「僕を愛していただって?それは迷惑極まりないね。あんな女に愛されていただなんて、反吐が出る。さっさと殺して正解だったな」
「確かにあのような愚かな女に愛されてもねぇ…」
そう言って笑っている2人。この人たち、どこまで腐っているの?マリア様がどんな思いで命を落としたか。彼女は最後まで自分の意思を貫いて、死んでいったというのに…
怒りから、つい2人を睨みつけてしまった。
「シャレル、そんな怖い顔をしないでくれ。とにかく僕は、伯母上の協力の元、この地に来たのだよ。君を迎えにね。伯母上のスパイたちは非常に優秀で、騎士団にもうまく入り込んでくれてね。騎士団に扮した伯母上のスパイたちに見守られながら、この地まで来ることが出来たのだよ」
「さあ、ジョーン。シャレルちゃんを連れて、もう行きなさい。そうそう、この真珠のネックレスは返してね。あなたの居場所を特定するためのものだったの。万が一、悪用されたら大変だから」
すっと私の首から、ネックレスを回収する夫人。そうか、このネックレスは、私の居場所を常に把握するために贈ったのね。そうとも知らずに、私は…
「そう、私よ。シャレルちゃん」
この声は!
「クラスィーズ公爵夫人、どうしてですか?どうしてジョーン殿下の手助けをなさったのですか?あなた様は私やダーウィン様の事を、大切に思って下さっていたのではないのですか?それに王妃様の事も。きっとこのような事をあなた様がなさったと知ったら、王妃様も悲しまれますわ」
ジョーン殿下に協力していたのは、クラスィーズ公爵夫人、王妃様の実のお姉様だったのだ。
「どうしてですって?だって、ジョーンが可哀そうでしょう?ダーウィンと同じタイミングで生まれたのに、ダーウィンだけが何もかも持って行ってしまうだなんて。彼らは双子なのに…だからね、せめてジョーンには、シャレルちゃんをあげたいなって思ったの」
この人は、何を言っているの?ダーウィン様が全てを持って行ってしまう?私をあげたい?
言っていることが、全く分からない。それでも、きちんと話を聞かないと。
「クラスィーズ公爵夫人、私が手紙を送った時から、ジョーン殿下の味方だったのですか?お2人はいつから繋がっていらしたのですか?」
「シャレルちゃんからお手紙をもらった時は、ジョーンとは繋がっていなかったのよ。あなたの手紙を見て、ファレオ王国に行って、マリーヌとの誤解が解けた事、本当に嬉しく思っているわ。私にとってマリーヌは、大切な妹だから。まさか妹が苦しんでいただなんて、夢にも思わなかったもの。シャレルちゃん、あの時はありがとう」
「それなら、どうして私とダーウィン様の仲を裂こうとするのですか?」
「裂こうとなんてしていないわ。ダーウィンは王太子の座も、母親の愛情も手に入れたでしょう。でも、ジョーンは何もなかったの。唯一独り占めしていた母親の愛情も、ダーウィンと分かち合う事になってしまった。その事で、ジョーンは酷くショックを受けたの。その事を、ジョーンに訴えられて…涙ながらに訴えるジョーンを見たら、何かしてあげたくなったよ。ジョーンとダーウィンは双子でしょう?やはり同じように、欲しいものを与えてあげないと。そう思ったの。
ジョーンはね、シャレルちゃんさえいればいいと言ったから、それならシャレルちゃんだけでも、ジョーンに与えてあげようと思ったの。だからディーラス王国にいる優秀なスパイたちと、最新の機器をジョーンに与えたのよ」
なるほど、我が国よりも発展しているディーラス王国のスパイたちと、最新の機器を手に入れたジョーン殿下は、彼らを使って色々と動いたのね。だから私が、どれだけ優秀なスパイを雇っても、見破られたのだわ。
「ただ、ダーウィンを毒殺しようとした事は、よくなかったわね。ダーウィンは私にとっても、大切な甥ですもの」
「伯母上が手伝って下さらなかったから、ディン程度の男に見破られてしまったのですよ。伯母上なら、兄上の殺害に賛成してくれると思ったのですが。マリアの時は、協力してくれたから」
「ああ、あの愚かな侯爵令嬢の事?あの女、嫉妬に狂ってシャレルちゃんを傷つけようとしたのよね。でもあの子、最後まであなたに頼まれた事、口外しなかったわね。ジョーン、あの子がおバカでよかったわね」
そう言って笑っているクラスィーズ公爵夫人。何がおかしいの?
「マリア様のやった事は、確かに許される事ではなかったです。あの事件のせいで、私は唯一の肉親でもある父を失うところでした。ですが、マリア様の事を、笑える立場ですか?彼女やエレディス侯爵を裏で操っていたあなた達が!私は、あなた達の事も絶対に許せませんわ!」
「シャレルちゃん、落ち着いて。私もジョーンも、あの2人にアドバイスを与えただけよ。実行したのは、あの人たちなの。そうでしょう?ジョーン」
「ええ、そうですよ。ちょっと優しい言葉をかければ、すぐに動く愚かな女を利用して、何が悪いのだい?あの女だって、次期王妃になれるかもと喜んでいたのだよ。欲に目がくらんだから、結局命を失った。自業自得だな」
「自業自得…確かにそうかもしれません。ジョーン殿下、どうして彼女が最後まであなたの事を話さなかったか、知っていますか?あなたを愛していたから。最後まであなたを守ろうとしたのです。その思いだけは、どうか分かって差し上げて下さい」
「僕を愛していただって?それは迷惑極まりないね。あんな女に愛されていただなんて、反吐が出る。さっさと殺して正解だったな」
「確かにあのような愚かな女に愛されてもねぇ…」
そう言って笑っている2人。この人たち、どこまで腐っているの?マリア様がどんな思いで命を落としたか。彼女は最後まで自分の意思を貫いて、死んでいったというのに…
怒りから、つい2人を睨みつけてしまった。
「シャレル、そんな怖い顔をしないでくれ。とにかく僕は、伯母上の協力の元、この地に来たのだよ。君を迎えにね。伯母上のスパイたちは非常に優秀で、騎士団にもうまく入り込んでくれてね。騎士団に扮した伯母上のスパイたちに見守られながら、この地まで来ることが出来たのだよ」
「さあ、ジョーン。シャレルちゃんを連れて、もう行きなさい。そうそう、この真珠のネックレスは返してね。あなたの居場所を特定するためのものだったの。万が一、悪用されたら大変だから」
すっと私の首から、ネックレスを回収する夫人。そうか、このネックレスは、私の居場所を常に把握するために贈ったのね。そうとも知らずに、私は…
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