異世界の美少女と入れ替わったらいきなり婚約破棄を突き付けられたんですけど‥‥。無問題!私、幸せになるんで!!

むぎてん

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ああ、私、死ぬのか。

カボチャ切ろうとして手が滑って自分の手首切って死ぬとか、アホ過ぎない??



死ぬ直前にはお花畑が見えるって聞いたことあるけど真っ暗でなんにも見えないよ?

天国とか地獄ってホントにあるのかなぁ。
それともテレビ消したみたいにプツッと切れて、それっきりかな。



自分の手首から流れた血だまりの中でそんなことをぼんやりと考えていると、ふわりと温かい何かが頬を掠めた。
真っ暗だった瞼の裏側を柔らかな光が照らす。
地面の底まで沈んでいきそうだった身体が軽くなった気がした。


『目をお開けなさい』

頭の中で、女性の声が響いた。

おお!
お迎えの天使ってホントにいるんだ。

まさか死神ってことはないよね?
そこまでに悪いことはしてないつもりだから地獄行きではないはず。

『目をお開けなさい』

再度響いた少し低めの落ち着きのある声に
閉じていた目をうっすらと開けると、眩い金色の光の中にメチャクチャ綺麗な天使様が立っていた。

腰まである真っ直ぐな金髪。
アメジストのような紫の瞳。
透き通るような白い肌。
ちっちゃい頭。
長い手足。

さすが天使様。
天上人は次元が違うね。



美しい天使様に心の中で問いかけた。


──天使様、私天国にいけますか?

『天国?いえ、わたくしは貴女に‥‥』

──え、まさかの地獄行き?

『そうではなく、わたくしは貴女にお願いがあっ‥‥』

──えーまじで!?
  確かに私は男を誑かして生きてきたけど
  それはキャバ嬢という仕事でやってたこ 
  とだから!

『あの、わたくしの話を‥‥』

──確かにプレゼントは沢山貰ったよ?
  でも直接現金を貰ったりはしてないも
  ん。

『いいからわたくしの話をお聞きなさ‥‥』

 ──枕もしてないし、ホントに普通にキャ
   バ嬢やってただけで地獄行きとか
   勘弁し‥‥

『お黙りなさい!!』

──ひっ!!

『黙ってわたくしの話をお聞きなさい!』

──はい!!ごめんなさい!!

『単刀直入に申します。貴女、そのまま死ぬか、わたくしと入れ替わるか、どちらか選びなさい!』

──‥‥は?
  入れ替わる?
  天使様、ちょっと意味が分からないんで
  すけど。

『わたくしは天使ではなく人間です。それで、どうなさるの?わたくしと入れ替わるかそのまま死ぬか。さっさと選んで下さいませ』

──えー?人間なの?
  うそー、こんなに綺麗な人間なんて見た
  ことないよ?

  てか、なに?
  入れ替わるってどういうこと?

『貴女はわたくしに、そしてわたくしは貴女になるのです』

──え?
  あなたは私になるの?

『ええ。貴女はわたくしになってわたくしの人生を生きる。わたくしは貴女になって貴女の人生を生きるということです』

──でも私、もうすぐ死んじゃうよ?

『心配は御無用。わたくしならその程度の傷など治癒魔法で簡単になおせますから』

──魔法?
  あなたは魔法使いなの?
  すごーい!
  私も魔法使ってみたいなぁ。
  そういえば小さい頃見てたアニメに出て 
  きた魔法使いの女の子、メチャ可愛か
  ったんだよね!
  スティックを振るとキラキラ光ってフリ
  フリのドレス姿に変身し‥‥
 
『とにかく!入れ替わるか入れ替わらないか、早く選んで下さいな!時間がないのです!貴女が入れ替わりを拒否なさるなら急いで他の誰かを探さなければなりません。貴女はどうぞそのままお亡くなりになって下さいませ!』

──や、やだ!!
  変わる、変わるよ!!入れ替わる!!
  私まだ死にたくない!!
  だから助けて!!!

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