異世界の美少女と入れ替わったらいきなり婚約破棄を突き付けられたんですけど‥‥。無問題!私、幸せになるんで!!

むぎてん

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今度はそっと、ゆっくり目を開けてみると
眩しい光が少しずつ晴れてきた。

そして、パチンと頭の中で何かが弾けた瞬間、視界と聴覚が一気にクリアになった。





な‥‥‥なんだここ?

キラキラのドレスやタキシードを着た人たちが沢山いる。
大きなシャンデリアに真っ赤な絨毯。
おまけにオーケストラ?
優雅な音楽が流れてる。

その音楽に合わせてダンスを踊る人、ワイングラス片手に談笑する人。

まるでシンデレラとか絵本の中の舞踏会みたい。

なにこれ、映画の撮影か何かかな?
エリーゼは女優さんだったの?
確かにエリーゼはハリウッド女優も裸足で逃げ出すくらいの天使みたいな美少女だった。

でも監督さんみたいな人もいないし、カメラもない。

てことは、これは映画の撮影なんかじゃなくて、こういう世界ってこと?


自分の体を見下ろしてみると、ボルドー色のシンプルなマーメイドドレスと肩に掛かるサラサラの金髪。
白くて細い手には閉じた扇子を持ってる。

それをぱららっと開くと、銀色の膜が張られてる。
その銀の膜に映ったのは紛れもなくさっき入れ替わったエリーゼの顔だ。

ふわぁーー!!!
私、ホントにエリーゼになってる!!!

扇子をぱちっと閉じてもう一度自分の体を見下ろしてみる。

こんな美しいドレスに身を包んで、優雅で煌びやかな舞踏会に参加するのがエリーゼの日常なの?

何とかなるでしょって思ってたけど、これはちょっと不安だなぁ。


そんなことをボケッと考えていると、
黒い蝶ネクタイを着けたボーイさんが軽く私にぶつかった。

「あっ!」
みるみる真っ青になり、ガタガタと震え出すボーイさん。
「ももも申し訳ございません!!」
青を通り越して真っ白な顔は、正に顔面蒼白。
今にも土下座しそうな勢いだ。

え、何?
ちょっとぶつかっただけなのに。


『ちょっとぶつかっただけじゃん?大袈裟だよー。それに私の方こそボケッとしてて、ごめんね』

そう言おうとして口を開いた。

「ほんの軽くぶつかっただけですもの。全く問題はございませんわ。わたくしもぼんやりしておりましたから。こちらこそごめんなさいね」

す、凄い、勝手にエリーゼ語に自動変換された!
私はホントにエリーゼになったんだ!



「エリーゼ!!貴様!後輩の者を虐めているのか!!」

いきなり会場中に響くような大声と共に、背の高い太った男が私とボーイさんの間に立ち塞がった。

オーケストラの音楽や談笑する声がピタリと止んで、大勢の人たちが一斉に私たちを見る。

な、何?
虐めてないよ?

金ピカのタキシードに身を包み、整髪料をたっぷり付けたギトギトの黒髪を七三に撫で付けたお太りさんは私を睨み付けながらもボーイさんを庇うように後ろに下がらせる。

だから虐めてないって!冤罪だってば!

「今日という今日はもう我慢ならん!お前とは婚約破棄だ!!」

は?婚約破棄??
婚約破棄ってなに!?!?!

ちょっと待って、この金ピカのお太りさん、まさかエリーゼの婚約者なの?!
確かに私はエリーゼになったけど貴方のことなんか知らないよ!!


「強気のアーロン様、素敵ですぅ」

お目々パッチリで可愛らしいピンクの髪の女の子が金ピカお太りさんを誉める。

え?その髪染めてるの?
それとも地髪?
地髪なら凄いな。
横に大きく膨らんだドレスもピンクだ。
ショッキングピンク。
これでもかとフリルとレースが付いてる。

金ピカのお太りさんと、ショッキングピンクの女の子。
目がチカチカする!!


ってか、なにこの状況。

知らない世界に来ていきなり冤罪かけられた上に婚約破棄とかいわれても困るんですけど!

『え!虐めてなんてないよ?』
って言おうとしたら

「は?虐めてなどおりませんが?」
ってエリーゼ語に変換された。

「だ、黙れ!とにかくお前とは婚約破棄だ!」


もう!!
どうすりゃいいのよこの状況!
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