異世界の美少女と入れ替わったらいきなり婚約破棄を突き付けられたんですけど‥‥。無問題!私、幸せになるんで!!

むぎてん

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オーケストラの音楽に合わせてみんながそれぞれのパートナーとダンスを始めた。

「わたくしたちも踊りましょう?」

アーロンさんの耳元に顔を近付けて小さな声で囁いた。

「わたくしたちが踊らなければさっきの婚約破棄宣言は本当だったのだと皆さんに疑われてしまいますわよ?」


アーロンさんはエリーゼと婚約破棄をしたいんだろうけどさ。
あんなやり方は駄目だよ?
もっと穏便な、アーロンさんが怒られなくても済む方法を考えようよ。



キョロキョロ周りを見渡して、みんなが自分たちに注目していると気付いたアーロンさん。
慌てて跪いて右手を差し出した。

おお!
さすが王子様だね!!
結構気品があるよ!


私はニッコリ微笑んでアーロンさんの手に自分の手を重ねた。





✳✳✳✳✳✳✳✳✳
ダンスって楽しいーー!!

軽快な音楽に合わせてエリーゼの体も軽やかに動く。

エリーゼの体には、しっかりとダンステクが染みついているらしい。

これならカーテシーやテーブルマナーもきっと大丈夫!
お嬢様言葉もスラスラ出て来るし!
何とかこの世界でエリーゼとして生きていけるんじゃない?


「エリーゼ‥‥」

「なんでしょう?」

「お前は‥‥誰だ?」

ありゃ、バレてるか。
まぁ、普通にバレるよね。
一応幼少期からの婚約者なんだし、これまでのエリーゼの態度とは正反対だもん。

「後できちんとと説明いたします。今はダンスを楽しみましょう」

「‥‥‥‥」

私は繋がれたアーロンさんの手をギュッと握ってクルっと回った。

アーロンさんは太ってるけど身長も高い。
そのどっしりした体でしっかり私を支えて踊るから、安心感が半端ない。


音楽がゆっくりと途切れてフィニッシュを決める。

あー、楽しかった!
ダンスってマジで楽しい!
もっと踊りたい!

アーロンさんの耳元に顔を寄せて、小声でお願いしてみる。

「もう一曲、踊りませんこと?」

「‥‥‥‥‥‥」

すぐに新しい曲が流れ始めた。
さっきのアップテンポと違って静かな曲調。
これは、チークってヤツだね。

アーロンさんの肩に手を添えて胸元に頬を寄せると、アーロンさんの体が一瞬ピクリと固まった。

エリーゼの記憶ではアーロンさんとチークって踊ったことない。
密着するのが嫌だったんだろうな。

でもステップは完璧に憶えてる辺り、さすが努力家のエリーゼだね。

「この曲が終わったら二人きりでお話し致しましょう」

「あ、ああ」


音楽が止んで、今度こそ楽しいダンスの時間は終わり。

さて、アーロンさんは私の説明に納得してくれるかな?
そして、穏便な婚約破棄計画、二人でしっかり練らなきゃね。

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