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ダンスを終えた私とアーロンさんのもとに数人の令息令嬢が集まってきた。
「エリーゼ様とアーロン殿下のダンス、とってもステキでしたわ」
「それにしてもまさか二曲続けて踊られるなんて驚きましたよ」
「お二人がこんなに仲のよい婚約者同士だったなんて思ってもみませんでしたわ。学園ではお話しなさるどころか、目を合わせることすらございませんでしたでしょう?」
この人たち、にこやかに褒めながらもこれは探りを入れてるね。
上手く誤魔化してさっさと退散しなきゃボロが出そう。
「学生は学業が本分ですもの。わたくしとアーロン様は『学園ではお互いを律して勉学に勤しもう』と入学の時に約束していたのですわ」
「そうなのですか?では最近アーロン様がキャメロン嬢と仲良くなさっておられたのは‥‥」
「今日の余興の打ち合わせに決まってますでしょう?ね、アーロン様」
「あ‥ああ」
「あら、てっきりアーロン殿下は優秀なエリーゼ様よりもご自分と感性の近いキャメロンさんの方がお好きなのだと‥‥」
「アーロンさまっ!!」
おっと!キャメロンが突撃してきた!!
勝手に喋って貰っちゃ困る!
私はキャメロンの前に進み出ると、ニッコリ笑ってキュッと抱きついた。
「キャメロンさん、今日はわたくしとアーロン様のためにドッキリ余興に協力してくれてありがとう。貴女の演技、とってもお上手でしたわよ」
そして耳元でこっそり
(2分でいいから黙ってて下さいませ)
と囁いた。
キャメロンが納得いかない顔で私を睨み付けたけど、そんなのは全然恐くない。
エリーゼの睨みはめちゃ恐かったけど!
令嬢の一人が扇子を口許に当ててキャメロンに話しかけた。
「わたくしたち、本気で騙されるところでしたわ。キャメロンさんは本当に阿婆擦れの演技がお上手ですのね」
令息も口の端を歪めて笑いながら相づちを打つ。
「いくら何でも命知らずで驚いたよ」
「‥‥え?」
キャメロンが意味が分からないと言うように首をかしげた。
「だって領地も持たない商売男爵家の庶子である君が、ブレスリン公爵令嬢のエリーゼ嬢に土下座を強要するなんてさ」
「ええ、わたくし驚きすぎて不覚にも足が震えてしまいましたわ」
「あれが演技でなきゃ、バセット男爵家は破滅だろう。お家取り潰しどころか一家処刑もあり得るよ」
いいい一家処刑!?!?
怒られるんじゃないの?とは思ったけど‥‥一家処刑?!
キャメロンが
「い、一家処刑‥‥」
と小さく呟いた。
キャメロンも知らなかったんかい!
「今日のその派手なピンクのお衣装も余興の為にお誂えになったのでしょう?でなければ、そんな趣味の悪いドレスなんて恥ずかしくてとても袖を通す事などできませんもの」
「そんなことはないよ。元平民のキャメロン嬢によく似合っているじゃないか」
「平民と言うよりも娼婦のほうがお似合いではなくて?おほほほ」
「確かに!ははははは」
周りの令嬢令息たちもクスクスと嘲笑する。
うわぁ、貴族の嫌味、マジで感じ悪い。
キャメロンのこと完全に見下して馬鹿にしてる。
ついでのようにアーロンさんのことも馬鹿にした!!
キャバ嬢同士の嫌味よか数段酷い。
そもそもキャメロンはなにも知らなかったんだよ?
流石に可哀想過ぎるでしょ!
「そのドレスは今日の為にアーロン様とわたくしで用意した物ですわ。キャメロンさん、せっかくの卒業パーティーにこんなドレスを着させてしまってごめんなさい。お詫びに可愛らしい貴女に似合うステキなドレスを送らせて欲しいのだけど、よろしいかしら?」
「は、はい‥‥」
もう、今度からは気を付けなね?
キャメロンはすっかり大人しくなって下を向いて涙目になってるのに、それでもまだニヤニヤ笑って見てる令嬢令息たち、最悪だね。きっしょ!!!
「アーロン様、わたくしダンスを張り切りすぎて少し疲れてしまいましたわ」
「そ、そうだな。休憩しよう」
「わたくしたちは少々席を外しますわ。皆さまはどうぞパーティーをお楽しみになって下さいませね」
周りのみんなにニッコリ微笑んで、アーロンさんと腕を組んでホールを後にした。
「エリーゼ様とアーロン殿下のダンス、とってもステキでしたわ」
「それにしてもまさか二曲続けて踊られるなんて驚きましたよ」
「お二人がこんなに仲のよい婚約者同士だったなんて思ってもみませんでしたわ。学園ではお話しなさるどころか、目を合わせることすらございませんでしたでしょう?」
この人たち、にこやかに褒めながらもこれは探りを入れてるね。
上手く誤魔化してさっさと退散しなきゃボロが出そう。
「学生は学業が本分ですもの。わたくしとアーロン様は『学園ではお互いを律して勉学に勤しもう』と入学の時に約束していたのですわ」
「そうなのですか?では最近アーロン様がキャメロン嬢と仲良くなさっておられたのは‥‥」
「今日の余興の打ち合わせに決まってますでしょう?ね、アーロン様」
「あ‥ああ」
「あら、てっきりアーロン殿下は優秀なエリーゼ様よりもご自分と感性の近いキャメロンさんの方がお好きなのだと‥‥」
「アーロンさまっ!!」
おっと!キャメロンが突撃してきた!!
勝手に喋って貰っちゃ困る!
私はキャメロンの前に進み出ると、ニッコリ笑ってキュッと抱きついた。
「キャメロンさん、今日はわたくしとアーロン様のためにドッキリ余興に協力してくれてありがとう。貴女の演技、とってもお上手でしたわよ」
そして耳元でこっそり
(2分でいいから黙ってて下さいませ)
と囁いた。
キャメロンが納得いかない顔で私を睨み付けたけど、そんなのは全然恐くない。
エリーゼの睨みはめちゃ恐かったけど!
令嬢の一人が扇子を口許に当ててキャメロンに話しかけた。
「わたくしたち、本気で騙されるところでしたわ。キャメロンさんは本当に阿婆擦れの演技がお上手ですのね」
令息も口の端を歪めて笑いながら相づちを打つ。
「いくら何でも命知らずで驚いたよ」
「‥‥え?」
キャメロンが意味が分からないと言うように首をかしげた。
「だって領地も持たない商売男爵家の庶子である君が、ブレスリン公爵令嬢のエリーゼ嬢に土下座を強要するなんてさ」
「ええ、わたくし驚きすぎて不覚にも足が震えてしまいましたわ」
「あれが演技でなきゃ、バセット男爵家は破滅だろう。お家取り潰しどころか一家処刑もあり得るよ」
いいい一家処刑!?!?
怒られるんじゃないの?とは思ったけど‥‥一家処刑?!
キャメロンが
「い、一家処刑‥‥」
と小さく呟いた。
キャメロンも知らなかったんかい!
「今日のその派手なピンクのお衣装も余興の為にお誂えになったのでしょう?でなければ、そんな趣味の悪いドレスなんて恥ずかしくてとても袖を通す事などできませんもの」
「そんなことはないよ。元平民のキャメロン嬢によく似合っているじゃないか」
「平民と言うよりも娼婦のほうがお似合いではなくて?おほほほ」
「確かに!ははははは」
周りの令嬢令息たちもクスクスと嘲笑する。
うわぁ、貴族の嫌味、マジで感じ悪い。
キャメロンのこと完全に見下して馬鹿にしてる。
ついでのようにアーロンさんのことも馬鹿にした!!
キャバ嬢同士の嫌味よか数段酷い。
そもそもキャメロンはなにも知らなかったんだよ?
流石に可哀想過ぎるでしょ!
「そのドレスは今日の為にアーロン様とわたくしで用意した物ですわ。キャメロンさん、せっかくの卒業パーティーにこんなドレスを着させてしまってごめんなさい。お詫びに可愛らしい貴女に似合うステキなドレスを送らせて欲しいのだけど、よろしいかしら?」
「は、はい‥‥」
もう、今度からは気を付けなね?
キャメロンはすっかり大人しくなって下を向いて涙目になってるのに、それでもまだニヤニヤ笑って見てる令嬢令息たち、最悪だね。きっしょ!!!
「アーロン様、わたくしダンスを張り切りすぎて少し疲れてしまいましたわ」
「そ、そうだな。休憩しよう」
「わたくしたちは少々席を外しますわ。皆さまはどうぞパーティーをお楽しみになって下さいませね」
周りのみんなにニッコリ微笑んで、アーロンさんと腕を組んでホールを後にした。
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