異世界の美少女と入れ替わったらいきなり婚約破棄を突き付けられたんですけど‥‥。無問題!私、幸せになるんで!!

むぎてん

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27エリーゼ

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ああ!なんてことだ!
私はまた同じ過ちを繰り返しているというのか!!

アーロンは自殺した夫ではない。
全くの他人だ。
それなのに私は知らぬ間に同じ事を繰り返していたのだ。

駄目なのは夫ではない。
アーロンではない。
この私だ。


相手が誰であっても同じだ。

私は他人に心を寄せることが出来ない。
感情に寄り添うことが出来ない。
喜びも、悲しみも、苦しみも。
全てにおいて全く共感することが出来ない。

まるで自己愛しか持てない人格障害だ。

ああ、そうか。
私はそういう人間なんだ。


このままでは私はアーロンを壊してしまう。アーロンは夫と同じように壊れてしまう。


駄目だ。
それだけは駄目だ!



とにかくここから逃げなければ!
アーロンを壊してしまう前に逃げなければ!

後のことなどどうでもいい。

もしもアーロンが壊れるのだとしても、それを見ずに済むならそれでいい。
夫に死なれたあの時と同じ苦しみを味わうのは絶対にゴメンだ!!

ああ‥‥ほらね。
私という人間は何処まで行っても自己愛の塊だ。




目を閉じると、私を恐れているのを誤魔化すように睨み付けるアーロンの顔が脳裏に浮かんだ。





私の中に優しい人を入れよう。

アーロンの顔が自然と綻んでしまうほどに優しくて可愛らしい人を。
アーロンを心から愛してくれる素敵な人を。
そして、弱いアーロンを支えてくれる強さを持つ人を。


アーロンの運命の相手の元へ‥‥
神よ、どうか私の魂をアーロンの運命の相手の元へ!!!










✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳
「時間です!!目を閉じて歯を食いしばって下さいませ!!」

「うわわわわああぁぁぁ!!!!!」

大きな叫び声を上げてエリカが消えた。



きっと目を開けたら煌びやかなパーティー会場に面食らうだろう。
そして私の記憶を探ってアーロンの存在を知るのだ。


ねぇ、エリカ。
貴女はアーロンにどんな言葉をかける?



脳天気で、単純で、鬱陶しいほど可愛らしくて純粋なエリカ。

『じゃあ私はもう、エリカには戻れないんだね』

そう言って悲しそうに呟いたエリカを見て、私は初めて他人の心に苦しさを憶えた。

ああ、これが共感するということか。
それともエリカの可愛らしさに当てられただけだろうか。



エリカ。
私は貴女に私の人生を背負わせた。

それでも貴女はアーロンの運命の相手。
どうか、どうか幸せになって欲しい。


そっと目を閉じて両手を合わせた。

神様、お願いです。
どうかエリカを幸せにしてあげて。


何処までも自分勝手な私は、生まれて初めて他人の幸せを神に祈った。



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