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真っ直ぐに伸びた艶のある黒髪。
ふっくらとしたまろい頬。
黒曜石のような細い瞳。
控えめな小さな鼻と小さな唇。
薄い夜着から透けて見えるふくよかな体。
正しく男の劣情を煽る美しい女がそこにいた。
彼女の、まるで何も映していないかのような空虚な瞳が、俺を見て少しづつ見開かれていく。
ああ、俺が恐いか。
「では!どっ、どうかくれぐれもよろしくお願いします!」
店主が牽制の言葉と共に外からドアを閉めた途端、俺はベッドの彼女を押し倒し馬乗りになっていた。
『無理強いはしない』という言葉など、舌の根も乾かぬうちに理性と共に吹っ飛んでいた。
泣かれてもいい。
叫ばれてもいい。
吐かれてもいい。
だから
「諦めろ」
頼むから、俺を受け入れてくれ。
やさしく、やさしく抱くから。
「目を閉じていろ、直ぐに終わる」
せめて俺の醜い姿を見ずにすむよう
気休めの言葉を掛けた。
なのに、何故かその美しい瞳を閉じることなく俺をじっと見つめる女。
こんなふうに真っ直ぐに見つめられたことなど、生まれて初めてだ。
「何故、見る」
見ないでくれ。
こんなにも醜く汚らわしい俺を、そんな綺麗な目で見るな。
「貴方を見ていたいです」
彼女の声は少女のような見かけとは異なり、とても落ち着いた、少し低めの声だった。
「な、ぜ‥‥」
「貴方が美しいから」
この女は何を言っている?
「初めてのお客様が貴方のような方で良かったです。貴方には私なんかが相手で申し訳ないですが」
彼女の言葉が理解できない。
「美しい‥‥?」
「はい。‥‥優しくして欲しいなんて言いません。好きにして下さい」
その瞬間、俺の体の中の血液が沸騰した。
片手で彼女の腰を強く掴んで、もう片手でベルトを外しトラウザーズをズリ落ろすと、強引に彼女の中に押し入った。
「っっ‥‥!!!」
歯を食いしばり、苦痛に歪む美しい女。
それでも目を閉じずに俺を見ている。
見るな!見るな!
こんな、見目も心も汚らわしいまるで汚物のような俺を、
見るな!!!!
美しい、だと?
白々しい嘘を言えば逃れられると思ったか。
泣けよ、
喚けよ、
吐きたいなら吐け!
薄いシュミーズを力任せに破り裂き、乱暴に胸を揉みながら滅茶苦茶に腰を振たくった。
俺の醜い大きな瞳からボタボタと涙がこぼれて女の頬に落ちる。
女の頬を濡らす俺の涙が、より一層彼女を汚す。
大きな罪悪感にほんの少しの愉悦が混じる。
本当に、俺は最低だ。
まるで獣、
まるで鬼畜!
そうだ、どうせ俺は初めから恐ろしい ”化け物”だ!!
「泣か、ないで」
女の声に一瞬で我に返った。
呆然と固まる俺の頬を撫でて
「泣かないで」
女はもう一度言って、奇形と言われるほどに小さな俺の頭を柔らかな胸に抱きしめた。
「うそ。泣いて。私の分も、貴方が泣いて」
女の言葉に心をぎゅっと絞られて、俺の中の悲しみと苦しみの全てが吹きだした。
「っ‥‥う、うあぁあああぁああ!!!」
思わず女の中に劣情を吐き出すと、
女のそこがうねるように収縮して俺を優しく締め付けた。
恍惚の瞳で俺を見つめたまま小さく痙攣する女から、甘い甘い匂いが立ち上った。
目眩を起こしそうなほどの芳香に包まれて、俺は生まれて初めての幸せという感情をかみしめていた。
ふっくらとしたまろい頬。
黒曜石のような細い瞳。
控えめな小さな鼻と小さな唇。
薄い夜着から透けて見えるふくよかな体。
正しく男の劣情を煽る美しい女がそこにいた。
彼女の、まるで何も映していないかのような空虚な瞳が、俺を見て少しづつ見開かれていく。
ああ、俺が恐いか。
「では!どっ、どうかくれぐれもよろしくお願いします!」
店主が牽制の言葉と共に外からドアを閉めた途端、俺はベッドの彼女を押し倒し馬乗りになっていた。
『無理強いはしない』という言葉など、舌の根も乾かぬうちに理性と共に吹っ飛んでいた。
泣かれてもいい。
叫ばれてもいい。
吐かれてもいい。
だから
「諦めろ」
頼むから、俺を受け入れてくれ。
やさしく、やさしく抱くから。
「目を閉じていろ、直ぐに終わる」
せめて俺の醜い姿を見ずにすむよう
気休めの言葉を掛けた。
なのに、何故かその美しい瞳を閉じることなく俺をじっと見つめる女。
こんなふうに真っ直ぐに見つめられたことなど、生まれて初めてだ。
「何故、見る」
見ないでくれ。
こんなにも醜く汚らわしい俺を、そんな綺麗な目で見るな。
「貴方を見ていたいです」
彼女の声は少女のような見かけとは異なり、とても落ち着いた、少し低めの声だった。
「な、ぜ‥‥」
「貴方が美しいから」
この女は何を言っている?
「初めてのお客様が貴方のような方で良かったです。貴方には私なんかが相手で申し訳ないですが」
彼女の言葉が理解できない。
「美しい‥‥?」
「はい。‥‥優しくして欲しいなんて言いません。好きにして下さい」
その瞬間、俺の体の中の血液が沸騰した。
片手で彼女の腰を強く掴んで、もう片手でベルトを外しトラウザーズをズリ落ろすと、強引に彼女の中に押し入った。
「っっ‥‥!!!」
歯を食いしばり、苦痛に歪む美しい女。
それでも目を閉じずに俺を見ている。
見るな!見るな!
こんな、見目も心も汚らわしいまるで汚物のような俺を、
見るな!!!!
美しい、だと?
白々しい嘘を言えば逃れられると思ったか。
泣けよ、
喚けよ、
吐きたいなら吐け!
薄いシュミーズを力任せに破り裂き、乱暴に胸を揉みながら滅茶苦茶に腰を振たくった。
俺の醜い大きな瞳からボタボタと涙がこぼれて女の頬に落ちる。
女の頬を濡らす俺の涙が、より一層彼女を汚す。
大きな罪悪感にほんの少しの愉悦が混じる。
本当に、俺は最低だ。
まるで獣、
まるで鬼畜!
そうだ、どうせ俺は初めから恐ろしい ”化け物”だ!!
「泣か、ないで」
女の声に一瞬で我に返った。
呆然と固まる俺の頬を撫でて
「泣かないで」
女はもう一度言って、奇形と言われるほどに小さな俺の頭を柔らかな胸に抱きしめた。
「うそ。泣いて。私の分も、貴方が泣いて」
女の言葉に心をぎゅっと絞られて、俺の中の悲しみと苦しみの全てが吹きだした。
「っ‥‥う、うあぁあああぁああ!!!」
思わず女の中に劣情を吐き出すと、
女のそこがうねるように収縮して俺を優しく締め付けた。
恍惚の瞳で俺を見つめたまま小さく痙攣する女から、甘い甘い匂いが立ち上った。
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