玄関開けたら……森、でした!?

太もも大使

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湖から出てきました~

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京子達はぐでんぐでんに酔い倒した2頭の獣を構い倒していた。
モフモフと顔を埋めたり毛並みに逆らって進行してみたり、最期にこの布団(狼さん)のお腹で寝ようとよじ登っていると……

湖の中から

ザバァーーーっと

青い蛇の頭のような首の長い生物が顔を覗かせた。光沢のある鱗が太陽に照らされて眩しい。あきらかに伸びた首の分だけで熊さんより大きかった。口から二又ふたまたに別れた舌がチョロチョロ出たり入ったり…

茫然と見上げる京子。ビックリしてる獣2頭に対して蛇さんは一言告げた。

《酒飲むなら私も混ぜなさい!!》

「いいよ~♪」
と、にんまり笑う京子。

  <え?>

〔は?〕
と、目が点になる獣2頭…

〔50年くらい一緒に居て初めて知ったわ…お主、酒好きだったのか。〕

50年も同じ領域に居て知らないとは、関係が希薄きはくなのか、過度に干渉かんしょうしないようにしているのか、吃驚仰天びっくりぎょうてんの獣2頭であったが、そんな事京子には関係無い。

「いや~大きいね~…そこまで大きいとてのひら一杯しか出せないから満足出来ないかも…ごめんなさ~い」

《何?そんな事?大丈夫よ♪
    湖の中の酒蔵が少なくなって…ん"ん"っ、念のため人化の術覚えたから♪》

  <なんか不穏な言葉が聴こえたぞぃ?>

〔我も聴こえたが…〕

《シャ~~~ラップ!!じゃあ、ちょっと上がるわね?》

蛇さんの全体像が気になる京子は、静かに上がってくるさまをじっと見つめた。

ザバァーーー…ピタリ…ピタリ…

「ん?ピタリ?足音?」

気になった音源を探すと、ズルズルと湖から這い出てきた身体の鎌首かまくびの根元に小さい小さいお足が…

「え?  足ちっさ!  身体デッカッ!!あ、水掻きみずかきになってるのね♪」

身体が半分?程出てきたら、何か呪文のようなものを言うと身体が光り始めた。
身体が縮み始め女性らしいシルエットが浮かび上がって来る。
最期に一瞬強く光るとそこに居たのは…

サラサラの青色の長い髪…
切れ目の力強い瞳…
シュッとした輪郭りんかく
プルンとしてしっとりした唇…
ボイーンと飛び出た双球…
ほんのり6つに割れた腹筋…
キュッっとしたくびれ…
程よい大きさのお尻をした…



全裸の女性だった…

《コレでどうじゃ♪さぁ酒を飲ませよ♪》

堂々と仁王立ちをして全身を見せびらかせている。

「おぉ~~~♪って、服着なさい!!さすがに服着よう?ね?」

熊さんと狼さんの性別は不明だが、自分よりスタイルの良い女性が全裸で立っているのはいたたまれない。

《大丈~夫♪鱗で隠してるからね。》

よくみ見てみると、確かに胸のポッチに青い鱗が一枚づつ付いている…が、下は無かった。

「いや、下の方が大事でしょうよ!?」


《人型の身体など全身隠しとるから、どこを隠して良いかわからないし、酒が飲めれば良いじゃない♪》

そう言って、その場に胡座あぐら胡座をかいて座り

《はよう、酒をくれ♪》

と、のたまった。

<〔「はぁ~~~…」〕>

元アラフォーちびっこ若返りおばはんと、身体の大きな動物さん2頭は同時に頭を抱えて、ため息を着いた…

<まぁ我も女型だから、気にしないが…>

「え?ぷ…熊さん女性なの?狼さんは?」

〔俺も女型だし〕

「ふむ…じゃあいっか。とりあえず…飲もう♪」

《おぅ、飲もう♪ついでにお主らも飲め!》

顔を引き吊らせる熊さんと狼さん…

仕方無しに、なし崩しに、渋々しぶしぶえんになって座る。

《おぅ熊の、器作れ》

蛇のようなトカゲさんに言われ熊さんは渋々魔法で器を作らされた。

熊さんの不思議パワーで作った器を受け取り、

「何のお酒にします?清酒でもブランデーでも、ビールでも、私が飲んだこと有るのは出てくるっぽいのよね~♪」

《よし。じゃあ、ぶらんでーってのくれるかい?》

「強いお酒ですよ?」

《大丈夫だ!みんなも飲め。》

…………

<〔「《カンパーイ!!》」〕>



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