玄関開けたら……森、でした!?

太もも大使

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一応偉い人に相談することになりました

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湖の水が尽きることの無いように、湖からすくって酒に変換出来る京子はとても素晴らしい存在だ。多分だが、一度飲んだ液体状のものならほぼ何でも造り出せるだろう…。
伝説級のポーションとかも…

トカゲさんは、上機嫌で飲みつつ考えた。ここを出ていくと、好きな時に酒を飲めなくなる。

横を見ると、同じく上機嫌でみまくる京子…ちんまい容姿ようしをしているが、元アラフォーらしく会社で偉い立場だったということで言葉つかいも丁寧に話せる。まだのほほんとした会話しかしていないが……下界(人街)に行けばそっちでも良い稼ぎにもなるし、お金にも困らないが…なにより、自分が呑めなくなる!!困る…超困る!!それはいただけない。奴に相談するか…超女好きだが…奴しかそのたぐいの相談は出来ないだろうし…良い解決法を教えてもらおう。

《おい熊!!奴に連絡取れるよな?》

<奴…というと、あの管理者へんたいか?>

《そうだ。》

<大丈夫か?あの管理者へんたいに会わせても…>

「なんだか…管理者としか聴こえないはずなのに、めちゃくちゃ不安になるんだけど、狼さん誰の事言ってるかわかる?」

〔ふむ…奴は…………
    この湖の管理者をしているお人だ。元森の民でとても偉く素晴らしいのだが、全ての適齢期の女性に興奮するのだ…。本人は呪いと言っておったが、多分本能だと思っておる。〕

「……その人、大丈夫なの…?」

《とにかく!連絡してみるがよい!!そして私は元の姿に戻る。》

そういって、ポフンッと煙に巻かれると元の脚が小さいのに身体が大きい身体に変身した。

熊さんはトコトコと森の木に話しかけ始めた。
電話的なやつかな?

狼さんは、私の隣にお座りした。

私は、とりあえずビールを飲む。

《〔おい!〕》

怒られました。


ドドドドドドド!!


何か工事現場で聞くみたいな音が聞こえます。

<走って話を聞きに来るそうだ……。>

熊さん帰ってきてた。

え?この音走ってるの?どんな走り方よ?

ドドドドドドド!!

音聞こえるのにどこ走ってるかわからないってどういうこと?

〔おい!京子、あそこだ。〕

キョロキョロと音の出てるところを探していると狼さんが教えてくれた。
ちょうど湖の反対側の森の中から白いのが飛び出して来た。
そのまま湖の手前で三段跳びのように飛び上がる。

「おぉぉ~~♪」

素晴らしいジャンプりょくを発揮しております。

「おぉぉ……お?」

失速しているように見えますね……。

「ねぇ、狼さん…アレ、ココまで来ると思う?」

〔本気を出せば…あるいは……。〕

良くみるとめっちゃ分厚い服着てるように見えるけど、落ちたら溺れるんじゃ……

そんな事思っていると…

湖の真ん中辺りに

ザッパーーーーーーーン!!

………………

………………

「え?大丈夫なの?」

《大丈夫じゃろ。》

溺れて……ないわね。お……泳いでる。

「え?戻っていってるけど?」

〔どうせアヤツの事だから何か格好悪いとか思ってるんじゃない?〕

<あ、通信来た…。…………。>

はぁ~~、と頭を抱えた熊さん。

<ていくつーテイク2希望だと…。>

テイク2……。あ、向こう岸でピースしてる。

<さっきは魔法無しだったから次は使う。とさ>

「え?さっきのジャンプ自力なの?この湖の直径500メートルぐらいあるわよ?」

250メートルも自力でジャンプしたの?凄い。

もの凄く深いため息を付いて狼さんが話し出す。

〔うむ。ちからだけなら……この世界最強クラスだからの…。ただ性格の問題でこの聖域でおさまっておるだけなのだ。〕

「聖域って?この場所?」

〔そうだ。そして、我らは聖獣ぞ!!〕

「熊さんも?」

<そうだぞ?そうでなければ、人語じんご話せないぞ?>

「あぁそういえば喋ってたわね♪」

フフン!と器用に2足歩行で胸を張る熊さんと狼さん。狼さんってさっきお座りしてたから、お手とか出来ないかな?
と、狼さんと熊さんを見ていると…

<〔せんぞ?〕>

「何で分かったの!?エスパーなの!?」

<"えすぱー"とは、何かわからんが何かよこしまな事考えてる顔をしておったぞ?>

「…………チッ」

〔おいコラ!!〕

アッハッハッ

はるか向こう岸で、自分を見て!!とばかりにひたすらピースしたまま動かない管理者と言う人を放置して、わいわい楽しんでしまいました。











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