玄関開けたら……森、でした!?

太もも大使

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テイク2らしいです

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忘れ去られた管理者が再び走り出した音で思いだし、湖(聖湖せいこ)の反対側に向き直る。
ビールを持って観戦モード!!

〔ビールを飲むな!〕

そんな言葉はとりあえず無視します。

グビグビ……クゥ~~♪

おおぉ、飛ぶか?ぶか?ぶのか?

来たーーーーー!!

ドドドドドドド……ダン!!

おぉぉ~……グングン近付いてきております。

来た来た来た来た……

「あ…」

<〔《あ!》〕>

ザッパーーーーーーーン!!

失敗しております。

水飛沫みずしぶきがココまで飛び散って来ました。

ぷか~ん……。

「ていうか、大丈夫かしら?浮いてるんじゃない?」

<さっきは、盛大にお腹打ったからのぅ…。>

うわ~痛そう……

そして少しづつ離れていく。

バシャバシャ聞こえるのでトカゲさんの方を見ると尻尾しっぽで波を立てて遠くにやろうとしていた。

本当に苦手なんだねぇ…。

少しすると、ピクリと動いた。ちゃんと生きているようだ。
髪が水面に扇状に広がっている。分厚そうに見えた服装は平安時代の服にも見えるけど…。

うつ伏せで浮いている管理者さんの肘が水面から出てきた。
手の先まで出ると、手のひらを水面に付けた。
するとどうだろう…。
水面を地面のようにして、起き上がろうとしている!?

ザパーーーー

反対側の手も水面に付け上半身が持ち上がるのだが、まだ顔は水面下にある。
早く顔出せよ!!

ついに長い髪の頭がついに持ち上がり…………

長い髪の隙間から瞳がギョロっとこちらを向いた…。

「ギャーーーーー!!」

怖いわ!カッコいい登場じゃなくてホラーじゃないか!?え?なに?貞○?貞○なの?井戸からの登場シーンみたいなのはなんなの!?

「ファーーーーーー!!」

えええええ?何か奇声を発してるんだけど!?

「だだだ大丈夫なの?あの人……  人よね?」

ついに水面上に四つん這いの状態に変化した。

四つん這いのまま…

高速で近寄ってくる!!

「いやいやいやいや!?貞○かと思ってたら、テ○○ケ!?そっち?もっと古くなったし、実際に見るとテケ○○の方が怖いじゃない!!」

しかも途中からピョーンと飛んでこちら側に着地しようとしている。

キャーーーと叫んだら、トカゲさんが尻尾で叩き落としてくれた。

「……ありがとうトカゲさん…。いえ、トカゲ様……」

トカゲ様を見ると肌が鱗なのに鳥肌立ったみたいになってた。どういう肌の構造しているんだろうか……

《気色の悪い動きしてんじゃねぇ!!》

周りを見渡すと、熊さんは心配そうに、狼さんは器用に右前足で目を押さえていた。

トカゲ様に叩き落とされた、何か……偉い人は今度はちゃんと水面上に着地した。
どうやって水面上に浮いていられるのだろうか…チャクラかな?不思議パワーだね…
知り合いにうず○きさんとかいるの?

「痛いじゃないか!!」

立ち上がった人を良く見ると、長い髪は腰まで伸び、顔の偏差値はめっちゃ高い。こりゃモテそうだ。
それに何故か十二単じゅうにひとえを着ている。何でソレ着てんの?何で知ってんの?


……って、胸の辺りに膨らみが……

「え?女性なの?」

「性別はね…。これ、絶対呪いだと思うよね?もう黒髪で醤油顔の時点で興奮し過ぎて変な声出ちゃったけど、改めて自己紹介するね?俺は、"平成"産まれの元30歳で日本人だった人だよ♪名前は忘れちゃった♪」

「あ、うん。同郷なんだね。」

不思議パワーがある世界で呪いっていわれると有りそうで怖いわ~…。てか、ツッコミ所満載で理解が追い付かないわ…。

「それで何で来たの?」

「え?」

何しに来たのか問うと不思議な顔をされた。

「トカゲちゃん?」

不気味な顔でトカゲ様に問い掛けた。

《いや、私はこの子がココから出ていかないように……》

「私…ココに居たらダメなの?」

《居てくれるのか……?よっしゃ!管理者!もう帰ってよいぞ♪》

「え?」と固まる管理者さん。

「もう40数年働いたんだもの。
あとは1日中お酒飲んで暮らすさ……かえれるか分からないし…。」

「還そうか?」



「え?」









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