魔性の王と奴隷契約 〜世界を救った聖女ですが、結婚予定の勇者に乗り移った魔王に溺愛されて困っています~

ぽんぽこ@3/28新作発売!!

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1-1♡ 崩壊は淫靡な音律と共に

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「だめ……っ、それ以上は契約外……んぁっ、でしょうッ……!?」
「ふぅん? でも言い訳をして良いというのも……キミとの契約に無かったよね?」
「むぐっ……!?」

 上半身を裸になった男にベッドへ押さえつけられ、止めさせようと開いた口をキスで無理やり塞がれてしまう。
 仕事服である彼女の清楚な修道服は乱れ、普段誰にも見せることがない白い四肢はあらわになってしまっていた。

 神に使える聖職者にあるまじき淫猥な姿だが、そんな事を気にしている余裕は彼女にはない。
 むしろ女は拒否の言葉とは裏腹に、男の背中を愛する人を抱くように手を回していた。


 何度も自分を護ってきたこの背中を、彼女は知っている。
 命懸けの戦闘で鍛えられた、あのたくましい腕も。
 鋼のような筋肉で造られた胸を、彼の汗がどのように流れていくかさえも。

 共に戦い、死闘の末に魔王を打ち倒した勇者。
 救世の英雄と民から尊敬されている彼の事なら、彼女は何でも知っているつもりだった。



 なぜなら彼女は、彼を見てきたのだから。

「やめて……お願い……本当の貴方はそんなことをする人じゃない、でしょうっ!?」

 何の因果か、現代日本での生を全うしたかと思ったらこの世界に生まれ落ちていた。
 前世は旦那にも子どもにも恵まれた人生だったが、今度は聖女として生きていかねばならぬと言われ、魔王やモンスターが蔓延る不自由な生活に不安を覚えていた。

 そんな幼かった頃の自分を、底抜けに明るい性格だったこの青年が救ってくれた。
 自然と彼に好意を寄せるようになっていったのは、何も不思議なことではないだろう。


 だからいつかその手で、己の深い所まで触れてくれることを望んでいた。
 眠れない夜に情交セックスを夢想し、自分の手で慰めたことすら幾度もあった。
 もしかしたら彼女が世間からは聖女と呼ばれていることも、自慰行為を余計に刺激的にさせるスパイスだったのかもしれない。


 そして今、その夢が実現しようとしていた。
 ……だが彼女をベッドの上で凌辱しているのは、その夢にまで望んだ彼であって――見た目こそ同じだが――中身は全く違う、因縁のだった。

「いい加減に……しなさいよっ、ウル……!」
「その魔王と契約を望んだのはキミだったよね? 聖女のモナさん?」
「くうっ……!!」


 勇者と魔王。
 正義と悪の代名詞であり、この世界では相反する存在。
 それがどうしてこんなことになってしまったのか……
 幼馴染である勇者の身体に、なんと魔王の魂が宿ってしまったのだ。


(この、悪魔め……!!)


「それに俺との契約を破ったのはキミだろう? 忘れてはいないはずだよ。契約不履行――その時のルールは?」
「……一度破る度に、自分の大事なモノをひとつ相手に捧げる。だけどっ! だからって、こんなのって! んんっ!? ず、狡いわよぉっ……」

 小さい頃の彼の手は、女である彼女ですら羨むような白くたおやかな手だった。
 だが女神に世界を救う勇者として選ばれたあの日から――毎日欠かさず修練を積むようになり、彼の手は次第に男らしくゴツゴツと節くれ立っていった。
 その指が今、彼女の太腿をなぞり、昇り、伝って……クチュクチュと水音を立てながら、彼女の秘所にゆっくりと侵入してきた。

「ああっ、あああぁっ!!」

 ココロとカラダが別の生き物になってしまったかのように、異なる反応を示してしまう。
 己の敏感な部分は魔王に完全に掌握されてしまっているのか、彼女の狭い洞窟のナカを次々に蹂躙し、陥落させ……快楽に従順な奴隷へと堕としていく。

 どれだけ身を捩って逃れようとしても、この執念深い蛇のような指は決して逃しはしない。
 どこまでも追跡し、ひとたび反応してしまえばしつこく、ねちっこく、時に焦らすように攻められてしまう。

 この魔王は既に、完全にオンナの弱点を知り尽くしている。
 貞淑に生きてきたはずの聖女ですら、彼の悪魔のようなテクニックには耐え切れず、身体は既にとりこになりかけていた。
 前世で添い遂げた旦那だって、こんな脳を突き抜けるような快感を教えてなどくれなかった。


 そうしている内に、いつの間にか足の間に彼の身体が割り込まれる。
 さらには空いていた片手で彼女の両手首が拘束されてしまった。

 なんといっても、相手は魔王すらほふった世界最強の勇者だ。
 そのポテンシャルを最大限に使われてしまっては、いくら聖女といえど抵抗することはかなわない。


 他に手を封じられ、聖女は魔王を睨みつける以外に出来ることが無くなってしまった。
 遂に彼女を追い詰めたと満足したのか、魔王はニッコリと笑う。

(も、もう気が済んだのかしら……?)

「そんなワケないでしょ。これからが本番。……覚悟、して?」
「ひっ!?」

 そして今度は追撃とばかりに、服の隙間から覗いた胸の先端を容赦なく舐めつけ始める。
 くちゅ、じゅるり。決して単調ではなく、舌で鈴を転がすようにねっとりと弄ぶ。
 彼の舌先と自分の神経が繋がってしまったかのように、触れられるたびにビリビリとした電気信号が脳を痺れさせてくる。


「んひゅっ、そんな……とこまでっ!!」

(――こんなの、知らない!!)

 嬉しい――嬉しくない。
 嬉しくない……!! はずなのに……!!

「……すごい。キミの良い所……手に取るように全部分かるよ……」
「もう、やめ……てよっ……!!」
「また嘘を吐いたね。ジュルッ……ホラホラ、キミは聖女の癖に……カラダはこんなにも俺を求めてる」
「それこそっ、んんっ!? う、うそよ……っ」

 当然、止めてと言ったところで彼の手は休まることはない。
 性格の悪いこの男は、むしろもっと敏感な所を探してやろうと手を変え品を変え、聖女の爵点を的確に攻めてくる。
 魔王の言う通り、聖女の身体は快楽を与えてくれる雄をとっくに求め始めていた。

(マズいわ……このままじゃ堕とされる!! どうにか耐えなきゃなのに……なんで……どうしちゃったのよ、私の身体は……!!)

 抵抗による汗か、はたまた別の分泌液か。
 ほぼ裸の状態の二人の身体からポタポタと体液が流れ出る。
 ……と同時に、この狭い部屋に淫靡な香りがむわりと充満し始めた。

(だめ、だめなの……これはもう媚薬と同じ。この香りは余りにも危険すぎるわ……)

 息を止めてまで吸い込まないようにするが、今の状態の彼女にそんなことは不可能だ。
 そもそもアレは不快どころか、不思議な中毒性のある甘い匂いなのである。
 むしろ彼女の興奮を押し上げる要因でしかない。
 より深く、より強く脳を揺らし、溶かしていく。
 次から次へと押し寄せる快楽の波に、聖女の理性はもう限界寸前だった。

 そしてそれは至近距離でこの媚薬のような香りを吸っている彼も同様だったようだ。
 今すぐにでも熱く滾った肉棒を突き込み、精を吐き出し、孕ませ、自分だけのつがいにしたい。そんな欲望が顔にありありと現れてしまっていた。

(あのレオが、あんなにもケダモノになっちゃってる……)

 あの誰にでも優しかった彼が、目の前の雌を犯すことだけを考えている。
 黒い、欲望に塗れた顔をしている。
 それを他でもない、自分に向けて。
 嫌だ、もっと最初ぐらい優しく、労わるように愛して……

 ……そう、頭では願っているはずなのに。

(……そんなにも私が欲しいの? グチャグチャにしたいくらいに?)

「ふ、ふふ……レオぉ……」

 気付けば二人とも完全に発情しきった表情をしていることに、お互い気付いてはいなかった。


 止め処ない興奮は、彼女のカラダに既に更なる快楽を期待させる。
 密着していることもあって、つい無意識にチラ、と見てしまったのだ。

 そう、さっきから服の上からでも分かるほどに己を主張していた、彼の最大の武器を。
 幼い頃に見たものとは比較にもならないような、彼女の腕周りほどもある巨大な雄の象徴。
 前世で日本人だった時に見た旦那のアレとは、全く反りも大きさも違っている。

 もうここまでくれば、嫌でも理解させられてしまっていた。
 今からアレが……自分をオンナにさせるのだ、と。

「愛してるよ、モナ……」
「あああっ……!」

 突き出された肉槍が、自分の下腹部にある入り口に突撃をしようと今か今かと待ち構えている。身体の一部とは思えないほどの硬さと熱を持った勇者の雄の部分が、さっさと降参しろと言わんばかりに陰核を擦り上げ刺激する。

 もはやどちらの粘液か分からない液体が、口からヨダレのように次から次へと溢れだしていた。
 彼女に僅かに残っていた理性の崩壊が――無情にもカウントダウンを始める。

(ああ、女神様……私をお許しください……)


 彼女はこの事態を巻き起こした、ひと月前の事件を思い返す。

(あの時、こんな契約さえしなければ……)

「さぁ、聖女モナ。俺のモノになる覚悟はできた?」
「……ッ!!」

 薄れゆく意識の中で想い人に懺悔を繰り返しながら……この物語の主人公であるモナは、内なる欲望の解放をするための答えを彼に示すのであった。


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